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ネモケン流発進

ライダーズクラブ創設者で元GPライダーの根本健氏。
バイクに乗るうえでの技術を雑誌や動画で我々に伝えていて、私も参考にさせていただいてます。
ただ、これまでにどうしても「これは条件が限定されたときの話じゃないの?」と疑問に思うことがありました。


1.発進の仕方

氏が教えてくれる「スムーズな発進法」を要約すると
・半クラッチの始まる位置まで素早くクラッチを離す
・完全にクラッチが繋がる場所まで(ほんの数ミリ)をジワっとしかし素早くつなぐ
・つなぐのに合わせてスロットルを開く
と言うものです。
根本氏の下で雑誌に携わっていた小川氏もクシタニのYouTubeチャンネルで根本氏のやり方を勧めています。

https://www.youtube.com/watch?v=7Ch2WnpioKA


2.私の疑問

今までに乗ったバイク、MT-07もモトグッチV7iiiもこのやり方をした場合、スムーズに発進はできるもののクラッチを繋ぎ終わるころには相当な速度が出ていて、渋滞や渋滞まで行かない「先行車がある状態」では追突が怖くてそんなクラッチミートはできませんでした。
根本氏の動画(RIDE-HIチャンネル)も上の動画もそうですが、先行車がいなくて前が広く開いた状態で説明してくれていたのも、私が疑問に思っていたところです。

3.向き不向きがある

私は先日、MVアグスタF3-800を手に入れました。
F3に乗って最初に感じたのが「1速のギヤ比が高い」です。
F3関連ユーチューブ動画では「低速(トルク)がない」と言われていてそれもそうだとは思いますが、それに加えて昔のNC30やTRX850のように「ほかの車の2速ぐらいのギヤ比を1速に持ってきている」感じがしました。
そういう機種でネモケン流発進を行うとスムーズに発進できるし速度もそんなに上がらず、街中でも安心して発進できました。
それを体験して

a.ネモケン流発進は、状況の向き不向きや車種の向き不向きがある
b.低速が薄いor1速のギヤ比が高い機体ほどやりやすく効果が高い


と感じました。
発進時にドカンと前に出てしまうような車種であっても、半クラッチでバランスがとりにくい時間が短いことは握力的にも有効なので皆さんも一度、広いところでその発進の仕方に慣れておくと良いと感じました。

4.具体的なやり方


ではF3の場合のネモケン流発進のやり方を説明します。
a.クラッチを握りエンジン回転を3000rpm付近にする
b.クラッチを繋がり始めまで離す
c.クラッチを1mm(感覚的に)離し同時にスロットルを1mm(感覚的)開ける
d.エンジンが苦しそうにガガガと音を立てるのでスロットルを開けながら同じくらいクラッチを離す

この手順です。
エンストが怖い場合の対処法ですが、事前に1速アイドリングで時速何キロなのかを見ておくとよいです。
例えば広い駐車場などで20km/hまで加速してスロットルを戻してアイドリングで走ります。
この時の時速11kmだった場合、上記発進方法で時速11kmを超えていればエンストしません。
最初のうちは恐る恐る発進することになりますが、「クラッチ離したときのアイドリング時の時速ならエンストしない」を知っておけば自信をもって根本流発進ができるようになります。
ライドハイ(根本健)流の発進方法にはこの「エンスト不安をなくすために1速アイドリング時速を知っておく」が欠けていたので敢えて記事にしました。
自分の経験で言うと、気筒数が少ないエンジンの方が難しいと思いますが、気筒数が少ないエンジンのほうが短時間短距離でクラッチをつなげるメリットがあると思います。
ぜひ広いところで練習してみてください。

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