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凱旋門賞2023血統予想

【コース解説】

凱旋門賞は芝2400mのワンターンの右回りの外回りコース。スタートしてからは約400mは平坦で、その後、10mの勾配を駆け上がり、3コーナー辺りから、下り坂を下る。そして、このコースの名物、フォルスストレート(偽りの直線)を約250m走る。最後の直線は平坦533メートル。


凱旋門賞のレコードは、2011年のドイツのデインドリームの2分24秒49。道悪の場合はとてつもなく時計が掛かり、不良馬場で行われた、2020年のレースを制したソットサスの2分39秒30。


☆コースのポイント

ゲートを出てから400mで上り坂を迎える為、それまでに隊列が決まる。その分、スタートしてからの位置取り争いは激しくなることもあるが、上り坂が待ち構える為、あまりペースを上げたくない。

約10mの勾配を駆け上った後に、下り坂がある。この下り坂でスピードを出しすぎると、フォレストストレート(偽りの直線)を最後の直線と勘違いしてしまった馬は、最後の直線でバテてしまう。パワーとスタミナ、底力、そして最後の直線まで脚をためられる持続力など、総合力が問われる。

また、2015年から、直線入り口から、内ラチ沿いに約6m進路が広がる、オープンストレッチが作られた。凱旋門賞の開催前にはこの内ラチ沿いに仮柵が置かれて芝を保護されるようになっており、イン有利になることが多い。


【好走した日本馬達】


エルコンドルパサー 

1999年2着 


Specialのクロスが目立ちハイペリオンとナスルーラーの塊でいかにも凱旋門賞で走りそうな血統。重厚な血統というよりも万能型のスピード、馬力、パワーを備えた血統で、何より先行して抜け出したら、底力と粘りは凄かった。

 

ナカヤマフェスタ

2010年2着

日本でも種牡馬で馴染みのある、ワークフォースと直線最後まで競り合い惜敗。

父ステイゴールドは母父にデイクタス(ジャルクルマロワ賞)母父父にSanctus(仏ダービー)とフランスの血を内包。

母系には、ダンジグのスピード、リボーのクロスで底力とパワーを、そして、ネヴァーベンドとリファールで欧州的な斬れと粘りをプラスし、凱旋門賞で好走する血統を多く内包していた

 オルフェーヴル 

2012年2013年2着

父ステイゴールド×メジロマックイーンで全兄にドリームジャーニー、3/4同血にゴールドシップで、ステイゴールドの黄金配合。誰しもが勝ったと思った2012年の凱旋門賞。あれから、今年で11年。

父ステイゴールドは、前述のナカヤマフェスタと同じで、フランス血統を内包。母父には、メジロマックイーンで、こちらもフランスやドイツに所縁のある血統。そこに、ノーザンテーストで、血統からも凱旋門賞馬になりえた馬。


今回は過去に凱旋門賞で何度も好走した名馬たちの馬柱から、好走血統を分析していきたい。

また、良馬場で行われたレースと道悪馬場で行われたレースとでは、好走血統に違いが見られた。

【連覇した名馬達】

トレヴ

 2013年&2014年連覇 
父はタイトルホルダーの母父にあたるMotivatorで,父父はサドラーズウェルズで母系にはGone Westを内包。また母系にはダンジグが内包されており、スピード、パワーと底力を併せ持つ。そこに、母母方のRivermanの末脚の斬れとリファール&ハイペリオンクロスで粘り強さも抜群。013年はタフな馬場、2014年は良馬場で連覇した。まさに、凱旋門賞を勝つべくして勝った女傑。凱旋門賞の好走血統の塊。

エネイブル

 2017年&2018年連覇 

この馬の血統の最大のポイントはサドラーズウェルズのクロスで、ナスルーラーとハイペリオンのクロスでスピードの持続力と粘着力は半端ない。そこに、ロベルトをを組み合わせることでパワーが増幅。欧州的な斬れる脚ではなく先行して馬力で他馬を突き放すイギリスの女帝。

【過去10年 年齢別成績】

3歳 【4-1-7-60】 勝率5.6 連対率6.9 複勝率16.7


4歳  【5-5-2-45】 勝率8.8 連対率17.5 複勝率21.1


5歳  【1-4-1-28】勝率2.9 連対率14.7 複勝率17.6


ちなみに、6歳以上の馬券内は0

過去10年で、3.4歳の勝利数が合わせて9勝と目立ち、連対率や複勝率といった面でみると4歳の数字が目立つ。5歳は勝つとなると難しい面はあるが、馬券内には絡んでくるといったところ。


【過去10年 性別成績】

牡馬 4-7-10-109  勝率3.1   連対率8.5   複勝率16.2

牝馬 6-3-0-31         勝率15.0 連対率22.5 複勝率22.5


斤量の面からも、牝馬が有利という点はあるが、出走数に対しての馬券内率が非常に高く、特に有力馬の牝馬には注目したい。ただ、6勝の内、4勝はトレヴやエネイブルといった歴史にも名を残す名牝だったということは、覚えておきたい。


【調教国別成績】

日本 0-1-0-18

英国 4-2-3-18

仏国 4-5-5-64

独国 1-0-1-5

愛国 1-2-1-25



【前走レース別成績】

愛チャンピンS      3-3-0

ヴェルメイユ賞       2-0-0

ヨークシャーオークス         2-2-1

フォワ賞        1-3-1

バーデン大賞                        1-0-1

セプテンバーS                    1-0-0

ソードダンサーS                 0-1-0

パリ大賞                                0-1-0

ニエル賞                                0-0-2

ムーランドロンシャン          0-0-1

英セントレジャー                 0-0-1

英インターナショナル          0-0-1

アイルランドのG1愛チャンピオンSからの出走組が3勝、フランスのGIヴェルメイユ賞からの出走組が2勝と目立った数字。あとは、フォワ賞やヨークシャーオークスからの馬も馬券によく絡んでいる。

今回の出走馬・・・


愛チャンピオンS組・・・オネスト 

フォワ賞組・・・プラスデュギャルゼル

ヨークシャーオークス組・・・フリーウィンド

バーデン大賞組・・・ミスターハリウッド、シスファハン


【過去好走血統】


ダンチヒ系とサドラーズウェルズ系


これまで、本レースでは、ダンチヒ系とサドラーズウェルズ系内包馬の好走が目立ち、近年はこの2つの血統が凱旋門賞を席巻している。

とはいえ、凱旋門賞は馬場状態でレース質も展開も全く違うものとなり、血統傾向も変わってくる。

良馬場で開催された2015年、2018年は、2分30秒台をきるタイムでスピードが求められるレースとなり、ダンチヒ系内包馬が、4頭馬券内。

変わって、道悪馬場で行われた、2019年~2021年は、父サドラーズウェルズ系内包馬が5頭、母父サドラーズウェルズ系内包馬が3頭で8頭が馬券内。

単純に考えると、スピードの出る良馬場なら、ダンチヒ系などのスピードに特化した血統を狙い、タフな時計のかかる馬場になると、サドラーズウェルズ系のなどの道悪血統を狙うとよいか。

稍重ぐらいになると、ダンチヒ系+サドラーズウェルズ系という血統にも注目!


ネヴァーベンド系内包馬

2015年が2.3着、2018年が1.3着、2019年が1.2着。

20年2着インスワープの父Adlerflugがネヴァーベンドのクロスを持つ。
また、21年1着トルカータータッソの父もAdlerflugで、母系にRivermanでネヴァーベンド系の血を内包している。2着のタルナワの父Shamadal父もRivermanでネヴァーベンド系を内包。馬力や底力、斬れる脚を遺伝するこの血統にも注目。


ミスワキ内包馬

過去5年で12頭が馬券内。自身はスプリンターだったが、母系はスタミナ豊富な血統で、欧州の長い距離で活躍した産駒を多く出した。産駒のアーバンシーは凱旋門賞馬でGalileoやSea The Starsのお母さん。代々続けて凱旋門賞を制しており、この血統は凱旋門賞には外せない。


ハイペリオンクロス内包馬


かつて凱旋門賞馬という栄冠にあと一歩まで迫った、日本馬に共通する血統は、ハイペリオンの血。
エルコンドルパサーは、ハイペリオンを5つ、ナカヤマフェスタもハイペリオンを5つ、オルフェーヴルは6つ内包している。日本馬の夢を打ち砕いたのもハイペリオンの血を内包する馬達だった。ハイペリオンの持続力と粘着力は凱旋門賞の最後の直線で本領発揮される力で、この血を血統の奥底に多く内包している馬を狙いたい。

Allegretta内包馬

何といってもこの血統内包馬は、凱旋門賞で好走しまくりで、22年もこの血統内包馬が1.2.3着。欧州の主流血統ガリレオがAllegletaを内包しているからだといわれそうだが・・・21年1着、22年3着トルターターカッソはガリレオを内包しておらずで好走した。ガリレオがなくても、この血統を持っているならば馬券に入れるべし。

ちなみにAllegretta内包馬は・・・

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