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新しい資本主義を研究する

ぐるぐるすずきです。第2回目はいきなりですが真面目に話題の新しい資本主義を研究したいと思います。今回はいろいろな資料を読んでみました。

そもそも、新しい資本主義とは一体どんなものなのでしょうか?官邸のコメントを読んでみました。

私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。成長を目指すことは極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、「分配なくして次の成長なし」。成長の果実を、しっかりと分配することで、初めて、次の成長が実現します。大切なのは、「成長と分配の好循環」です。「成長も、分配も」実現するため、あらゆる政策を総動員します。

首相官邸, 未来を切り拓く「新しい資本主義」-成長と分配の好循環-
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seisaku_kishida/newcapitalism.html

成長と分配の好循環と言えそうです。では、海外メディアはどのようにコメントしているのでしょうか? The Economist、BBC Newsをとりあえずピックアップしてみました。

日本発の "新しい資本主義 "で世界の経済思想をリードしたいと、12月の会議で語った。しかし、その考えは古い考えと空虚な流行語の寄せ集めのままである。岸田氏は、賃上げ、新興企業の育成、地方の活性化、二酸化炭素排出量の削減など、「新しい資本主義」を旗印に掲げている。

Banyan, Kishida Fumio’s “new capitalism” is many things, but it is not new
The Economist, Feb 12th 2022
https://www.economist.com/asia/2022/02/12/kishida-fumios-new-capitalism-is-many-things-but-it-is-not-new

日本の新首相、岸田文雄は、国内の富を再分配する計画を「新しい資本主義」として売り込んでいる。
しかし、ソーシャルメディア上の一部の評論家は、この計画がむしろ社会主義に聞こえると指摘している。中国共産党の主要政策を引き合いに出して、日本の「共同繁栄」とさえ名付けているのだ。
「彼は資本主義の仕組みを理解しているのだろうか?」とツイートしたのは、楽天のCEOである三木谷浩史氏だ。
三木谷氏は、キャピタルゲイン税(CGT)を引き上げるという首相の提案に特に腹を立て、「二重課税」だと指摘した。
楽天の社長だけでなく、多くの人がこの新提案に対して嫌悪感を示し、小規模の個人投資家から株式市場への新たな関心が急速に失われることを懸念した。

Mariko Oi, How Japan's new PM is promising a 'new capitalism'
BBC News, Nov 1st 2021
https://www.bbc.com/news/business-58976987

野村総合研究所の解説は、市場原理と政府主導との対立軸としているようです。

岸田政権が掲げる「新しい資本主義」が、「ステークホルダー資本主義」をベースにしているのであれば、既に世界的に受け入れられているものであり、「新しい」とは言えない。
ただし海外では、企業の経営方針の見直しは、株主などステークホルダーとの対話を通じて、企業自らが進めている側面が強いのではないか。その推進役を担っているのが金融であり、市場原理なのである。
(中略)
岸田政権が掲げる「新しい資本主義」が、このプロセスに政府が強く関与することを想定しているのであれば、そこには相応のリスクがあると言えるのではないか。様々な社会的課題を考慮した最適の資源配分について、政府が正しい答え、最適解を知っているとは思えない。この最適解は、社会全体の効用を最大化させるものだが、気候変動問題のように長期的な課題の場合には、それは次世代の効用までも含めたものでなければならず、非常に複雑なのである。

木内 登英, 『新しい資本主義』の源流はステークホルダー資本主義
Feb 1st 2022
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0201_2

ここまでで、新しいっていうことは何か?の問いには答えられそうな気がしてきましたが、そもそもステークホルダー資本主義を探る必要がありそうです。

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