田舎暮らしの一般家庭に育った僕が、都内の大手ゲームメーカのCGアーティストとして働くようになるまでのお話
初めまして、コンセプトデザイナーのSUGAと申します。
改めて、このマガジンにご登録いただきありがとうございます。
大手ゲームメーカーで世界観CGアーティストをしているSUGAと申します。
大型コンシューマータイトルの開発に複数関わってきた経験があります。
他にも累計100名以上が参加しているコンセプトデザンが学べる講座を複数運営しています。
このマガジンは、世界観コンセプトデザイナーの僕が、「読者のコンセプトデザイン力を高めてもらうこと」を目的として発行しています。
最初なので、自己紹介からしていくことにします!
メーカー所属の世界観コンセプトデザイナーって何してる人?
簡単なプロフィールとしては
・現役の大手ゲームメーカー所属、世界観3DCGアーティスト
・数本の大型コンシューマーAAAタイトルの開発に関わってきた経験あり
・アンリアルエンジンや自社開発エンジンなどの様々なゲームエンジンでの開発も経験している
・累計100名以上が参加する3DCGデザイン講座を複数運営
・メーカーの3DCGデザインコンペで数あるデザイン案の中から1位に選出された実績あり
・過去には3DCG業界で業界関係者100名近くを集めるセミナーを行ったことがある
…など
といった感じです。
18歳から専門学校でデザインを学び始めて、徐々に仕事もステップアップしているので、それなりにうまくいってるほうだとは思います。
トップCGアーティストは僕なんかより圧倒的に上手い人もいるので、僕なんか大したことはありません。
20歳でCGデザイナーとして働き始めて、約10年近く続けながらSNSなどで発信している人も珍しいため、せっかくならその知識をみなさんにまとめて提供したいと思い、このマガジンを始めることになりました。
そして、今は本業のCGアーティストをしながら、個人でCG講座やスクールの運営にもチャレンジし、もっと多方面でスキルアップしていこうと頑張っています。
基本的に自分の仕事における3DCGでのデザイン作業は、一度自分なりの考え方やルールを構築してしまえばそこまで毎度アイデアやワークフローに思い悩まなくても作品を完成させられる仕組みを作っています。
そのため、時間的、精神的余裕もある上で、それなりのクオリティのシーンが量産できるようになっていくように設計をしています。
そしてコンセプトデザインがうまくなるためには、正しい情報を手に入れ、学び、忠実に実行していく必要があります。
最短最速で学べる系の話をすると、「本当にできるの…?」と思う人もいるかもしれません。
ただ、世の中にはしっかりと学び、コンセプトデザインができる力をつけて、全く絵的なセンスなどが無いような状態から人生逆転し大手プロダクションなどでCGアーティストとして働くようになった人がたくさんいます。
僕にも、決して才能があったわけではなく、「3DCGデザインがうまくなりたいと頑張ってみるが、全くうまくならなかった」という時代がありました。
そんなところから、今なんとかここまでくることができたわけですね。
そしてここまでこれた理由は、正しい知識を学び、そして行動して、コツコツと自分なりのデザインのルールや考え方などの仕組みを作り、その仕組みを作品づくりや実際の仕事などに応用していったからです。
そのあたりを書いていくと、膨大な量になってしまうので、今後のマガジンで書いていくことにしますね。
また、個人的に興味があることとしては
・3DCGでのデザインはもちろん
・イラスト、コンセプトアートを描いたり
・ガジェットをいじったり
・旅行をしたり
・youtubeやブログをしたり
・CGの講座やスクールを作ったり
といった感じです。
ガジェットが好きすぎて、ガジェット系youtuberになったり、旅行が好きだから旅行先で自分の好きなCG作品制作やコンテンツの制作をしたりもしています。
まあ、このマガジンの登録者は3DCGデザインに興味がある人が多いと思いますので、そこを中心にしながらたまに趣味や好きなことも絡めて話していきたいと思います。
さて、では一体僕がどういう経歴で今に至るのかを話していきます。
分量は少しありますが、サクッと読めるように書きました。
ど田舎の両親共に工場勤務のサラリーマン家庭で生まれ育ち、完全に何も知らないゼロからのデザイナー志望
僕がデザイナーの世界に初めて足を踏み入れたのは専門学校に入学すると同時でした。
当時18歳です。
18歳からデザイナーになりたい願望があったというと、「すごいやん、才能あるな!」とよく言われます。
しかし、当時の僕はというとやりたいこともなかったから、なんとなくデザインの専門学校を選んだだけで「知識なし」「経験なし」「人脈なし」「センスなし」「才能なし」という状態からのスタートでした。
最初は学校でデザインに関わるあらゆる事を学び、デザインとは何か知るところからのスタートでした。
僕が最初ゼロスタートだったように、一般的な凡人レベルのデザイナーとして仕事をする程度なら才能はいりません。
とりあえずそのことを覚えておいてください。
僕は18歳の時からデザインの世界に入っていくわけなんですが、
「なぜデザイナーになろうと思ったのか?」
についてよく聞かれます。
実は、僕が本気でデザイナーを志したきっかけは、専門学校に入ってしばらくしてからです。
僕の両親は田舎の典型的な工場勤務の「サラリーマン」と「パート兼主婦」です。
父親は自動車系の工場に勤めており、毎朝早朝に家を出て、夜は遅くに帰ってくる、汚れ仕事を頑張ってお給料をもらう工場員。
父方の祖父母はサラリーマンと専業主婦、母方の祖父母は工場勤務のサラリーマンとスーパーのパートであり、僕の家系の中にデザイナーに関わるような仕事をしている人は一人もいませんでした。
裕福でもなく、貧乏でもない、極めて一般的な家庭で育った僕は、将来の仕事観・人生観についても、両親や学校の先生、そしてテレビや雑誌などが「こうあるべきだ」と言われている価値観をそのまま信じるようになりました。
「大きな工場で正社員として安定して働くのが正義である」
「自分の好きなやりたい仕事でなくても一生懸命真面目に働くのが大事だ」
「大人というのは、嫌なことでも汗水垂らしながら必死で耐えて働き続けなければならない」
今の僕を知る人は想像もつかないでしょうが、僕は子どものころ、このような価値観を本当に、何の疑いもなく信じていたのです。
ですが、僕も成長するにつれて違和感を感じていくようになり
「……あれ? そんな人生って幸せなのかな……?」と疑問に感じることが多くありました。
周りを見ていても
・毎朝、体力と気力を削がれながらなんとか出社
・仕事は朝は早く出勤して、仕事は夜遅くまで
・土日も仕事の電話など対応することが多い
・休みの日も、平日の疲れから、ひたすら寝るばかり
という感じでした。
いわば、ひたすら「好きでもない仕事に追われる日々」を送っていたのです。
また、僕は昔から、好きなことや興味のあることには異常にのめり込むが、「興味のないことをやらされた時には一切動かない」という性格をしています。
・中学高校の時は、授業中にずっと別のことをやっていて先生にきつく怒られる
・アルバイト中にすら別のことをして、仕事をしていないのがバレて怒られる
・任されたことを後回しにしすぎて、周りの人に呆れられる
といったように、どう考えてもまともな仕事に向いていなかったんですよね。
一般的な会社員であったの父と母は、中高時代の僕をみて「あんたそんなんで社会に出たらどうするの…」と毎日心配されていました。
アルバイトですらめちゃくちゃ怒られたのに、まともな会社に入り、そして一生お金のために働くと考えると、僕はゾッとしました。
そして何より、怒られ続けながら好きな事でもない仕事をする状態が、”40年以上も続く”ということに恐怖を覚えたんですね。
そして専門学生時代、デザイナーの世界に足を踏み入れてから、僕の人生は一変しました。
この世界には、ビビるほど好きなことを仕事にして生きている人がゴロゴロいます。
僕は専門学校1年生の時、デザインを学んで初めて頑張ってなんとか、しょぼいながら自分の作品を完成させたんです。
そしたら、すでに学生ながら自分の力ですごい作品を作って、企業にポートフォリオを持っていき、採用されプロになっていく人がゴロゴロいました。
当時の僕からしたら、作品を作ってはみたものの、デザイナーになるなんてまだまだ完全に現実味のない夢のまた夢です。
ただ、「彼らにできるなら自分にも行ける」と信じて突き進んできたんです。
その中でも一番衝撃だったのが、とある大手メーカーに勤めていた先輩との出会いです。
専門学校で、その大手メーカーに勤めていた先輩と出会います。
その大手メーカーに勤めていた先輩から聞いた話は衝撃の連続でした。人生で一番の衝撃だったかもしれません。
「キミでも大手メーカーなんて簡単に入れるよw」
これが、僕にとっては凄まじい衝撃だったんです。
小さい企業のデザイナーになるくらいであれば、まだ想像の範疇ですが、大手メーカーへの就職となるともはや当時の僕の思考の外。
は?
大手メーカーのデザイナーに…?僕でもなれる?
という状態になるわけです。
正直、生まれて初めてでした。
現実でそこまで自信を持ってそんなことを言う人をみたのは。
そして、どんな理由でそれだけの自信を持ってそんなことが言えるのか、どうやって学んでいったのか、なぜ結果が出ていない人がたくさんいるのに、その人は結果を出せているのか
などを日々一緒に過ごしいろんなことを話していく中で教えていただきました。
僕はその時、やる気に満ち溢れていました。
なぜなら
「その先輩もコネなしの状態からスタートしていて、勉強次第で変われるということを知ったから」
「その大手メーカーの先輩も20代で結果を出していたため、若くして大手メーカーデザイナーになることが可能であるとわかったから」
です。
若くしても大手メーカーでの仕事と称号を手に入れられ、さらに好きなことをしているだけでお給料ももらえる。
そんな可能性を持ったデザイナーの世界の虜になっていったわけです。
そんな形で
1.専門学生になって本格的にデザイナーに興味を持つ
2.学校で本格的にデザインを学び作品づくりに励む
3.まずは作品集、ポートフォリオを作る
4.企業などへ作品を持って面接へ行く
5.そして実際にデザイナーとして働くようになる
6.その傍、デザイン講座づくりやスクール運営
という変遷をたどり、今は大手メーカーで働きながら、複数のCG講座やスクールを展開しているわけです。
今は仕事におけるコンセプトデザインの考え方や仕組みが整ったため、余裕を持ってデザインの仕事ができるようになりましたし、その方法をうまくいかなくて悩んでいる人に楽しんで伝えられるようにもなりました。
毎日嫌な仕事をするだけの仕事に怯えていた過去の自分がウソみたいです。
価値観の崩壊というやつですね。
僕の人生は、さまざまな人との出会いによって激変しました。
そして人と出会うたびに学んで、行動し、コツコツと結果を積み上げてきました。
世の中には化け物みたいな人がたくさんいます。
僕もさらに学び、常に進化していきたいなと思っています。
デザイナー=魅力的なデザインをいつでも自然に生み出す力がある人
いかがでしたでしょうか?
魂を込めて書いていたら、かなり長くなってしまいました。
ただ、ストーリー形式にしていたので読みやすかったんじゃないかなと思います。
僕の過去を一通目で共有することで、これからのマガジンが読みやすくなるはずですし、さらにいうと「今結果を出している人でも、最初は何もなかったんだ」ということを知ってもらいたかったんです。
誰でも最初はゼロからのスタートです。
ただ、「適切な道を進めば、必ずよい方向に物事は進んでいく」ということを学ぶことができました。
もちろん、闇雲に努力するだけで成功するとは言いません。
頑張るだけでは成功を手にすることは難しいでしょう。
ただ、正しい知識と着実な行動を積み重ねていけば、ある程度の結果は出ることはお約束します。
例えば、一般的なCGデザイナーとしての仕事を得たり、他の人よりCGがうまくなる程度であれば、学びと行動で実現可能です。
最初は何から始めていいかわからないと思います。
僕もそうでした。
ただ、今は仕事で新しいデザインを作ろうと思ったら何をするべきなのかがすぐにわかります。
デザイナーは、センスががあるからデザイナーなのではありません。
「魅力的なデザインをいつでも自然に生み出すことができる力」を持っているからデザイナーなんです。
そして、その「魅力的なデザインを生み出せる力」は後からつけることができます。
もっというと、現代の日本では「魅力的なデザインをいつでもすぐに生み出せる力」を教えてはくれません。
だから難しく感じますが、実は正しい知識があれば世間で思われてるほど難しくないんです。
そして、世の中には好きなことを仕事にするチャンスはたくさん眠っています。
僕も毎日のようにコンセプトデザインのアイデアが浮かびます。
冒頭で話したように、僕はいくつものプロジェクトに関わってきていますし、たくさんの制作事例を知っています。
明日以降のマガジンでは、僕がデザインの仕事を通して学んだたくさんのことを共有しています。
しかも、なるべくシンプルにわかりやすくお伝えしようと思っています。
ぜひ、次回以降のマガジンを楽しみにしておいてくださいね。
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