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⑩師走の休日

休みに何も予定がない。。

家で、だらだらしていたらお風呂に行こうという気力も無くなった。

まだサウナ初心者な私はある程度の気合いと覚悟がないと温浴施設に足が進まない。

夕方になり、せっかくの休みだし、やっぱり何もしないのは勿体ないなと思い無理に用事を見つけて出掛けることにした。

無理に作った用事は《スパバック♨️》さがし。ビニール製の可愛いのがあればいいな。。

それにタオルやら携帯用のシャンプーやらボディソープやら入れといて、出掛けたついでに銭湯とかに立ち寄れるそんな粋な女になりたい。

まー何をするにもアイテムは必要や。

アイテムが揃えばおのずと気合いと覚悟は着いてくる。勇者は大体そうだ。

アイテムと呪文で強くなっていく。呪文は1つ持っている。

幼い頃から熱い風呂に入るときに使っていた『死ぬよりマシだ。』

最近はもっぱら水風呂用の呪文となっている。

まだ受けたことは無いが、熱波を経験するときに乱用するであろうと思っている。なので今は『シヌヨリマシダ』の無駄遣いは控えねばならない。

家風呂で使うなどもっての外だ。呪文の事はもうどうでもいい。アイテムだ。

最近は温浴施設のロゴ入りタオルもTシャツもサウナハットも欲しいものは沢山あるが、まずはスパバックにお風呂セットを入れて、眺めてみたい。

そんな想いを胸に商店街へと向かった。

100均にもあるよとの情報を得ていたが、長崎ではまだサウナブームが来ていないからか、それっぽいものは、ほとんど見当たらない。

雑貨屋さん。う~ん。。

ドンキホーテ。。ブラブラしていると友達からLINEがきた。

『今日休みやろ?どこにおる?』

『浜町』

『やっぱり?おるって思うたっさ。お茶飲もう』

という事で、アイテム探しは後回し。

勇者たるもの仲間も大事だからな。(物欲が無いので買い物にすぐ飽きる。助かった。)

直近のカフェへ。

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珈琲旨っ!温かい☕スパバックの事はすっかり忘れる。

モンブラン、食べようかな・・でもこの後、何か食べに行くことになったら重いよな・・と思って我慢した。

程なく友達も到着。35年ほどの付き合いの友達だ。

友達は席に着くやいなや、

「全然痩せんけんね。」

と言った。軽くスルーしたが

「ウォーキングしよるとにさ~全然痩せんけんね。」

と続けた。その手にはバームクーヘンが握られている。

それから彼女がどれだけ痩せる為の努力しているか、携帯アプリの歩数計をみせてくれたり、そのついでに思い出したかのように孫の写真を見せてくれたりした。

バームクーヘンの事をツッコむと本当はモンブランケーキを食べようと思ったけど我慢できたと自慢気に言い放った。

最強の仲間だ!

あとは、職場の話、家族の話、共通の友達の話。35年の付き合いがあれば何の話題を振られてもお互いにおおよそ理解できる。

だが、今日の私は違う。新しい冒険を始めているから。ぶちかまそう。

「私、最近サウナ行き始めたんだ。」

「へぇ。。。」

で?みたいな感じ。もっと食いついてくるかなって思ってたけど、意外とそうでもない。案の定・・・

「で?

どうする?・・・


(へっ?どうする?何が?)彼女は続ける。

来週、私も水曜日休みさね。どこのサウナいく?」

テレレテッテテー♪

せつこに仲間ができた。

「この前、ふくの湯とアマンディ行ったっさね、1人で。で、野母崎か伊王島に行きたいなーっては思うとったとけど。」

友達は少し考えて

「野母崎、天然炭酸温泉やろ?私も行ったことないし、そっちにいこうよ。」

と言った。もしやと思ってサウナが好きなのかと聞いたら、そうだと。

さらにもしやと思って恐る恐る

「水風呂は?入れると?」と聞くと

「サウナ入ったら水風呂入るやろ。」

と当然のように答えた。私は今からアイテムを持って、呪文を唱え、先頭を歩いて冒険に行くと当たり前のように思い描いていたが、私のポジションは彼女の後ろ決定の瞬間だった。。

そして、焦った私は今思うとここで使うには使い方がダサいワードを彼女に手向けてしまった。

「ととのった事ある?」

彼女はそれは初耳と言い興味を持ったので、私は経験したことの無いその状態のことを聞きかじった耳年増情報で駆け足で説明した。彼女は

「へぇ。。そいはわからんけど、サウナ入って気持ち良かったらよかっじゃ?」

と全然興味を持たず次の話題へと進んだ。

それはそうだ。経験したことの無い私が言っても何の説得力もない。

聞くと、岩盤浴もホットヨガもサウナも・・関係ないが、なぜかパラセーリングも経験済みで、明日は仕事帰りに空中ヨガの体験に行くらしい。

なんて、アグレッシブな。。

私は悔し紛れに

「すごかね~!!で、何で痩せんとやろか?」

と言ってみた。彼女は

「そうって。謎やけんね。」

と言って二人で笑った。

長崎は温浴施設が少なく、しかも女性が入れるサウナは他県に比べるとほとんど無い。

お互いに仕事もしてるし、一緒にどれだけ行けるかわからないが、私にもサウナ友達ができた。

彼女はブームに乗っかった  にわかファンではなく、純粋にサウナ好きな女性だ。こんな人がこんなに近くにいたなんて。。


テントサウナの事はすごく興味を持ってくれたので、次のイベントには必ず連れていきたい。

その時は私が先頭を歩く勇者だ。

《セツコハ   ドトールノムラデ  レベルガ1アガッタ》

゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚

来週は野母崎でLEVEL-UPやー!








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