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金沢市西茶屋資料館

行きやすさ  ★★★★★
マニアック度 ★★
開館時間   9:30~17:00
定休日    無休

島清に興味を持たれた方ならまず最初に行くであろう聖地。
もはや説明するまでもない島田清次郎が5歳から13歳(中学一年)まで過ごした貸座敷「吉米楼」を復元した建物で、1Fは島清に関する資料展示、2Fは当時のお座敷が再現されています。

ボランティアガイドのおじちゃんが説明してくれます。噂によると文アルに実装されているのも把握済らしい

1962年発行版の「天才と狂人の間」の単行本に当時の吉米楼だと言われる写真が掲載されているんですがそれを見ると現在の建物より大きく、検番に隣接するかたちで建っていました。

手前の薄緑の建物が検番。復元前の建物は現在駐車場になっているところまであった。

『金沢西南部の歴史』という資料には「実際は検番右横の道路を挟んだ真横にあった」という記載もあるそうで、「右」や「道路」という表現をどうとるかによりますが正確な位置は定かでないのだとか。
ちなみに現在の道路を挟んだ先にあるのはお豆腐アイスが美味しい中谷とうふ屋さん。

1Fの展示内容は島清の経歴パネルや『地上』シリーズを完全網羅(大正時代と昭和32年の新潮社版、戦後に著作権を獲得した扶桑社版、昭和58年発行の季節社版)
映画やNHKドラマの台本に生涯を描いたコミック雑誌などマルチメディア系資料も。

個人的な見どころは島清の学生時代の親友だった橋場忠三郎の「自伝」ノートと島清が入院中に書いていた原稿の一部の複写。原本は前者のノートは玉川図書館、後者の原稿は石川近代文学館に所蔵されていますがどちらも非公開なため、コピーとはいえどちらも貴重な展示になります。
展示されている小説の『煙』はこの資料館の監修もされた小林輝冶先生によって翻刻されていて石川県立図書館、玉川図書館、国会図書館で読むことが可能ですよ。

あと、島清についての資料をがむしゃらに漁っていた頃に偶然この資料館の展示に携わった方のブログを見つけて、実際に見学する前に読めたのはよかったなあと思ってます。

赤いバラが置かれている時に来たかったなあ…バラは島清が好きな花のひとつです。

2Fは打って変わって華やかなお座敷の再現。
建物が完全復元ではないので詳細な位置は不明ですが、2Fの奥の狭い一室が清次郎と母親の生活エリアだったそうです。


2Fの狭い部屋…ここ?

限られたスペースでの再現なので『地上』を読んでもう少し廓の解像度をあげたいという方は島清とは直接関係はないのですがひがし茶屋街のお茶屋美術館が華やかさと生活感両方を感じることが出来てとてもお勧め。

トイレや臭いを誤魔化す香炉などもあります
西茶屋資料館の弁柄色の壁と対照的な群青色の壁の部屋は雰囲気があって一見の価値あり


にし茶屋街はメインストリートを外れてもいわゆる遊郭建築が多数残るスポットなので建物好きな方は資料館を見学したら食べ歩きしながらゆっくり散策してもいいかもです。

にし茶屋街は個人的に夜の方が好き
ライトアップバスで夜の茶屋街の写真を撮りに来るのもありですよ~

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