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僕の心のヤバイやつは次にくるマンガ大賞2020でWebマンガ部門1位をとって良かったのか

次にくるマンガ大賞2020が発表された。

結果は以下を参照されたし。

コミックス部門は一位が「アンデッドアンラック」(アンデッドで表記)

当時アンデッドが個人的には一番面白いと感じていたがあまりにも読んでないノミネート作品が多すぎたため、投票自体を見送っていた。

https://twitter.com/Naoya_/status/1274405379632324608

アンデッドと「からかい上手の高木さん」より素直な展開が好きな「それでも歩は寄せてくる」が3位と普通に面白いと思っていた漫画が上位だったので投票すれば良かったと後悔。

アンデッドは若い人に絵が受けないのでは?と不安を感じていたが意外にも杞憂だったのかもしれない。週刊少年ジャンプ連載というのは強すぎる気もするが。

「よふかしのうた」も面白いんだけど、絵が好きなだけかもしれない。まあそれはいい。


して本題。

Webコミックス部門の1位は「僕の心のヤバイやつ」(僕ヤバで表記)となった。

はっきり言って妥当だと思う。作品の面白さ、キャッチーな作風、話題性でいえば他の追随を許さないレベルであろう。だがそれでも私はこの一位に異議を唱えたいと思う。

それは何故か?

まず作者の桜井のりおが漫画読みなら普通に多くの人間が知っている実力者であることだ。「みつどもえ」は週刊少年チャンピオンで長らく連載しアニメ化も二度行われたほどの人気作だし、その後連載した「ロロッロ」も同誌で最近まで連載していた。

それほど実績のある人間がWeb漫画用にカスタマイズされた漫画を秋田書店のバックアップ(連載開始3話は週刊少年チャンピオンにて連載)を受けながら本気で書いているのだ。Web漫画契機でヒットを伸ばした作品に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」があるが、そのヒットした仕組みをうまく取り入れているかのように見える。(毎話に説明しない要素があり、ネットでファン同士の考察につながる等)

はっきりいってWeb漫画からデビューを夢見ている新人たちが太刀打ちできるレベルではない。

Web漫画というのは人材の宝庫であると思う。最近の漫画家はWebから見出され一般紙でヒットする人間も多い。「ワンパンマン」のONE。「東京グール」の石田スイ。「小林さんちのメイドラゴン」のクール教信者。数を上げればきりがない。

日本人のランキング好きはかなりのものでここで上位にはいれば一気に彼らのようなプロデビューも一気に視野に入ってくる。

そこでプロで完全に成功した実力者である桜井のりおが作風のためであれ、Webマンガ一位に君臨し、夢を見ていた新人達のたんこぶになってしまったことに私は異を唱えたい。

これによって僕ヤバは商業的な成功も確固たるものとするだろう。しかしそれは漫画業界にとって良いものなのだろうか。

よく言われれるのは〇〇が凄い!や次にくる〇〇は所詮、その業界が次に売りたい物がそれなんだろ?という言葉だ。実際そういう風潮はあると感じているし、だからこそWebマンガ部門という商業誌から隔離されていたランキングは夢見る新人たちが目指すべき場所だったと考えている。

次にくるマンガ大賞のWebマンガ部門を新人の登竜門ではなく商業的ヒットへの一つの手段になってしまっていくことが業界にとってどのようなことをもたらしていくのか、今後を見守っていきたい。

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まぁランキングシステムというのも難しくて商業誌での連載経験者除外とかしてしまうと商業誌で伸び悩んでてWebでヒットを飛ばした「SPY×FAMILY」の遠藤達也とかも除外されちゃうから難しいよね。。(SPY×FAMILYは2019年1位)

時代の流れか多くの商業誌がWeb部門を持ち、それらがWeb部門をヒットさせるために連載レベルの作家やくすぶってる中堅、新人などに連載させているためWeb漫画のレベルがグンと高くなってしまい、Web漫画というくくりだけではプロとアマチュアが分けられなくなってしまったせいでもあるんだけれども。難しいところ。


ちな自分の一押しは「勇者のクズ」でした。自分の好きな作品がノミネートしなかった怒りで書いたわけでは決して。。無いです。。。

https://twitter.com/Naoya_/status/1274404950022303746

最近のなろうやエロ、ハーレムとかそういう流行にのらない作品が大好きなので頑張ってほしいところ。

ダークな雰囲気漂う異能+剣術のバトルファンタジー「勇者のクズ」は以下で読んでおくれぃ

https://seiga.nicovideo.jp/comic/35205