「寝癖」を買いに行った中2の平日

(注意:この話は特段、生産性の無い内容となっております。)

僕は昔から少々、いやかなりのサボり魔でした。

中学校に上がった時に、「あれ?なんかおなか痛いふりしておけば早く帰らせてもらえるぞ?」ということに気付きまして(我ながらクソガキ過ぎてブン殴りたい右手の衝動をとどめておくのがやっとです)、

特に嫌なこととか、人間関係で嫌な思いをしていたわけではなくても、中学生らしい、「少し悪ぶっていたほうがかっこいいんじゃないの?」という謎理論も相まって、ただちょっと面倒だからという理由だけで学校を早退することが月に1度くらいのペースでありました。

中2のある日、当時から熱狂的にクリープハイプにハマっていた僕は、その日がクリープハイプのニューシングル『寝癖』の発売日であることに朝、起きた直後から昂っていました。

このシングルをリリースした時期のクリープハイプはベストアルバムに関する所属事務所とのいざこざの末に電撃移籍した直後で、彼らの新たな活動拠点へのはなむけだなんだというよくわからない思いがなぜか強くあったのかもしれないです。

そしてこのシングルの初回限定版を店頭販売日当日に入手するために僕はその日も学校を早退したのでした。

朝起きた時点からすでに早退することを考えていたのですから、それはもはや早退とは呼ばないのではないかという疑問はいったん心の中にしまっておきましょう。

しかしながら、この時までに何度となく経験してきた早退も、何も思わず出来るほど人間としての心を失っていない僕は(モノは言いよう)、毎回割としっかり罪悪感は感じていたので、店頭でCDを購入するまでの道のりは知り合いに出くわさないかと非常にびくつきながら進んでいった記憶があります。

やっぱり悪いことをしているときは、周りの人がみんな教師なんじゃ…と思えてきてしまうものですよね。「なにこれ?はじめてのおつかいのスタッフみたいに隠れてるの?そうだとしたら全然バレバレな隠れ方してないやん」 とか思ったりしたのです(思っていない)

無事CDを購入した私はとくに何事もなく音楽を楽しんだわけですが、今思えば、平日のそれも昼間に明らかな子供がCDを買いに来るなんてどう考えても怪しかったと思います。

当時の私はなるべく大人っぽい恰好をしようと父親の服を着ていったことを今でも覚えていますが、我ながらバカでしたねぇ。

クリープハイプの皆さん、その節はすみませんでした。これからは全うに生きます、たぶん。


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