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”とある”選手権の話(下ネタ回)

僕が小学校6年生の頃、男子はみんな、俗に言う「多感な時期」というやつで、来年から中学生になることもあり、担任のおばちゃん先生に逆らってみたり、隣のクラスのテッちゃんの自転車を乗り回したり、駄菓子屋にたむろして女の子との親睦を図ったり、やっぱりテッちゃんの自転車を乗り回したりして、小学生ならではの反社会的(?)な行為に勤しんでいたものでした。(テッちゃん、その節はごめんね)

僕自身も例外ではなく、通学路にあるお宅の軒先に干された洗濯物を眺めては悶々としていたのです。

そんなある日、6年B組の中でもいわゆる中心人物だった「柊真(しゅうま)」クンがひと際目を輝かせながら登校してきたと思いきや、いつもの遊ぶメンバーである僕らを呼びつけました。

「俺は、とんでもないゲームを思いついてしまったよ」

彼は見るからに悪いことを企んでいます。傍から見ても一目瞭然の悪人顔です。

そんな彼は、自身の言動の真相をその場で語ろうとはせず、放課後に学校から一番近い古本屋へ集合するようオタッシを出して鼻息ムフムフのまま自分の席へと戻っていったのでした。


こんなことを言われてしまっては僕も気が気ではありません。

「な、なにが始まるんだ…でも、あの様子、もしかして…」

一所懸命にシリアス顔を取り繕っていましたが、周囲からしたらきっと柊真クンと同じ鼻息ムフムフだったはずです。

さて、授業が終わると待ってましたと言わんばかりにオタッシをもらったみんなが散り散りに走り去っていきました。

いつもは20分かかる通学路を体感速度3分の鬼ダッシュで帰宅した僕は、滞在時間体感2秒で支度からのチャリ爆を決め込んで集合場所の古本屋へむかいました。(これでも一番遅いくらいでした。)

古本屋へ着くと、同じクラスの数人の他、隣のクラスで中の良い数人のメンバーが集まっており、僕たちは一様に鼻息ムフムフのまま、同様に鼻息ムフムフの柊真クンに続いて入店していきました。

さて、彼が立ち止まった場所はマンガコーナー、それも成人向けの、並大抵の小学生(僕たちは特別な訓練を経ています)なら鼻血ブーものの品々が所狭しと並んだ棚の前でした。

そして柊真クンは逸る気持ちをそのまま伝えるような高らかな声色で宣言したのです。

「これより、勃起選手権を開会したいと思います!」

この選手権、ズバリ説明すると成人向けコーナーに並ぶ某有名成人向けマンガを数人で一斉に読み、誰が一番最初に…するかというものなのです。

今書いていても恥ずかしくなるくらいバカ丸出しで、いかにも小学生が考えそうなことという感じですが、当時の僕たちの熱気と言ったら想像に難くないのではでしょうか。


選手権は負け抜け形式、2人一組で…した人は速やかに挙手、審判が触診でジャッジするというものでした。

そしてこの選手権で頭角を現し、のちに「エロエロマスター」の称号をほしいままにしたのは隣のクラスで水泳クラブ所属の大宮クンです。

彼は何度勝負しても開始3秒で…しました。もちろん彼が圧倒的優勝を果たし、全く歯が立たないことに自信をなくす選手続出で選手権はお開きに・・・

今思えば、彼は普段から誰と比べてもソレ系のワードに関する知識の引き出しが桁違いだったことを覚えています。

やはり、王者には王者たる器と度量があることをまじまじと見せつけられた、ある意味学びのある選手権でした。(おい)

大宮クン、今も「ゲンキ」でヤッテいるかなぁ。


画像:いらすとや


※人物名は実際のものとは異なります



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