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受験について

 みなさんお久しぶりです。ぐらとぐらです。
 先日、国立大学前期入試が終了しました。
 合格だのなんだのというのが終わってしまうと、結果がどうあれ精神的にもスケジュール的にも余裕がなくなってしまいますので、今のうちに書ける範囲のことを書き残しておこうと思います。結果が出ると、今の気持ちが失われてしまうのが怖いというのもあります。
 では早速。

○受験までのいろいろ

 まずは受験以前の部分から……と思ったのですが、書きすぎると終わらないので少々テーマを絞ります。

 ぐらとぐらが文系学生であるというのは、Twitterを見ているひとならご存知のことかと思います。はじめましての方は、覚えておいてください。
 しかしながら、何を隠そうこの私、はじめは理系だったのです。
 高校二年次に進級する際、まだ進路が確定していなかったために数学Ⅲを必要とする可能性が切れず、大事をとって理系を選択しました。しましたが、正直に言って二年次の四月、いやあるいは進級前からだったような気がしますが、自分が文系科目に関心があるのではと薄々気付いていたのです。案の定、相当初期の段階で文転(三年次進級のタイミングで理系から文系に転じること)を決断していました。
 とはいえ理系科目が嫌いだったわけではなく、後ろ向きな理由での文転ではないので特に心残りはありません。理系科目にはかなりしっかり打ち込みました。おそらく同学年の中では最も多い教科を履修し、その全てに心血を注いだ学生だったのではないでしょうか。(とくに化学は、先生のファンだったので頑張りました。)この三年間で誰にも負けない、一つの誇りだと思っています。
 そういうわけで、突然文系のみなさんの中に飛びこみ、受験生の一年が開始しました。くわしくは後で書きますが、理系時代に地理を履修していたことが進路決定の一因でもあったと思います。そう思うといったん寄り道したことも、また必然だったのかな。

○志望校あれこれ

 さて、我が校は進学校なのですが、やはりあの風潮があるのです。「とりあえず東大」──(進路に)迷える一年次、一定の教員が発する台詞です。
 私はこれが嫌いで、アンチ東大……とまではいきませんが、そんなに東京大学に興味がないというのが本音でした。というか教員志望だったので、べつに東大に行ってまで教員やるこたぁない。
 しかし前述の通り、二年次で地理を選択し、文系に入ってからは世界史を選択しようと心に決めていた私の前には、東京大学の四文字が。(東京大学文科は個別試験で世界史・日本史・地理から二科目が課されます。しかし大抵の大学は一科目しか科さないので、多くの人は倫理政経を二科目めとして共通テストを受けるのです。その方が高得点が狙えると一般的には言われるためです。地理・世界史を選択すれば、東京大学受験の切符があるということなのです。)担任の「文転ね。まあいいんじゃない?東大も受けられるし」という無責任な言葉によって、だんだんと進路が決定づけられていくのでした。

○受験勉強ってなに?

 2022年、受験生としての一年が開始しました。とはいえ、前年秋から受験生としての自覚を促され続けてきたので今更感もなくはない。しかしながら、多くの受験生が、そして私も例外でなく、ある壁にぶつかります。受験勉強ってなに?なにをすればいい?ということです。つまりこの章は、見ているかわからない後輩各位に向けての部分が大きいかもしれません。本当はサラッと大学に受かり、合格者体験談というカッコいいイベントでカッコよく語ればよいのですが、そういうわけにもいかないかもしれないので。
 私の場合は、三年次に上がる前からある程度勉強を始めていました。というのも、世界史で約二年分未履修という巨大ハンデを抱えていたためです。(本当は一年次に大好きな世界史の先生に習っていましたが、特殊な進め方だったため他クラスよりも理解度が浅く、当時はゼロに等しかったのです。今思うとすばらしい授業だったのですが、この話はいまは省きます。)
 結局早くから勉強してたんかよと思うかもしれません。否定はしませんが、いまは真逆のことを書こうと思います。あまり勉強漬けにならないほうが良いですね。
 三年次にもイベントがありました、球技大会・延期されていた修学旅行・文化祭……。でも、最近受験生になった人たちには、こういった行事にしっかりと全力を注いでほしいのです。勉強などいったん全て忘れて。あなたたちは二度と繰り返すことができない瞬間のために、後で延々と繰り返すであろう勉強を犠牲にするのです。それは悪いことではなく、むしろあるべき姿だと思います。私は球技大会バレーの三連覇のために全力をそそぎ成し遂げました。文化祭前の時期は一分も勉強をせず準備に費やしていました。誰にも言わなかったけど、実は十一月まで部活の絵を描いていました。私と共に駒場キャンパスで受験した友人は、文化祭の門を作るために夏休みを吹き飛ばしていましたよ。それでも、私たちは少なくとも受験会場に行き鉛筆を握ることまではできました。だからあれで大丈夫だったのだと思います。
 少々熱くなりましたが、以上のことを踏まえた上で、勉強面で大事だと思ったことを書いておきます。ただ、合格したのかどうかも分からない人間の言葉であることには留意してくださいね。
 まずは勉強方法。いろいろと思考錯誤している後輩もいることと思います。それでいいと思います。ただ、自分にとって最適な方法がどうかを常に考え続けた方がよいと思いました。常に更新し続けること。その中で、他人の模倣や情報共有は必要になるかもしれません。私個人の考えでは、夏休みの正しい使い方は、その莫大な自由時間を利用して自分の勉強方法を見つけ出すことだと思います。成績が上がるのは、きっとその後です。
 次に昼寝について。……え?と思うかもしれませんが、私は受験勉強を昼寝に支えてもらいました。睡眠はバカにならないですね。眠いときに勉強することほど無意味な時間はありません。ぜひみなさんも(受験生でない方も)昼寝を取り入れてみたらいかがでしょう。10分〜15分がよいと思います。それ以上寝ると収拾がつかなくなります。
 そして最後に友達。受験のスタイルはそれぞれですが、私は学校に通って定期的に仲間と共に過ごすのがよいと思います。べつに塾の自習室に通って同じ塾の仲間と……でも良いですが、自習室とかってどうにも窮屈でないですか?あれ。なにはともあれ、この辺りは人によりますね。同じ志望校の仲間がひとつです。これは情報交換という意味と、ライバルの勉強状況が知れるという意味とがあります。そして何よりも、理解者がいるというのは心の支えになります。同じ問題、同じ困難に挑む仲間ほど理解してくれる人はいません。私も文系東大組に大いに救われました。ありがとうみんな。
 もうひとつ、受験とはべつに、定期的に話す友達がいた方がよい気がします。私の場合は、おなじ部活の友達と下校だけ一緒にしていました。その時間は受験から離れた、しかし自分の大事なものを見失わないようにするための時間だったと思います。ときどき進路の話もしたけど、あまり立ち入りはしなかったかな。
 改めて言いますが、合格したともしていないとも分からないあやふやな人間の言葉です。みんなに聞いてほしいとは思っていますが、後輩は聞きすぎないようにお願いします。

○本番の話

 ここまで長くなってしまいました。受験本番の話です。
 あらかじめ書いておくと、受験したものは共通テスト・明治大文学部(一般)・早稲田大文学部(一般)・東京大文科三類(前期)です。四つの試験に共通する感想としては、全然緊張しなかった、ということでしょうか。べつにナメていたわけでも、諦めていたわけでも、背負うものがないわけでもないのですが。理由はとくにわかりません。
 この章は私の拙さからうまく表現できず、とくに同時に受験したみなさんには嫌な感じに映るかもしれません。どうでもいいよという人だけ読んでいただけると幸いです。

●共通テスト

 あまり書くこともないのですが、意外に紆余曲折のあった試験でもあるのでその辺りを。
 一学期の間は700点を超えることが目標で、夏休みには八割(720点)が目標でしたが、八月末の模試までは順調でした。しかしその後の模試では点が伸びずむしろ数点ずつ下がっていく……今年の受験全体の中でも一番焦った時期かもしれません。とくに、前述した文化祭の門に打ち込んでいた彼は良い点数をとっていたので、その焦りも加わり悩みましたね。結局、十二月以降本格的に共通テスト勉強をしたのちも下がり続け700点を切るところまで行きましたが、直前二週間で回復し、当日は最高記録を更新しました。過去問分析と解法研究を詰めたのが効いたんでしょうかね。

●明治大(文)

 共通テスト利用は上述のように共通テストがうまくいかない時期の不安から出しませんでした。なので一般入試。国立前の試験慣れということではあったのですが、ナメたことをするのは失礼だと思っているので過去問は早めに見ました。あれ、意外と英語難しくない?
 時間は大きく割きたくなかったので、型式に慣れることを最優先にして、特別に対策をとるのはやめました。その意味では一番不安な試験だったかもしれません。
 当日は英・国と受けた時点でかなり自信がありました。しかし世界史。一番できるはずなのに。意外と、解けないぞ……。
 発表まで、これうっかりやばいかもーとか思っていましたが、合格がもらえました。採点がどうなってるのか分からないけど。とりあえず一勝。

●早稲田大(文)

 対策時点で一番の不安要素でした。東大ほど勉強してないし、でも簡単に受かる大学ではないし。おまけに問題自体の難易度は高くなく、高得点勝負という学部なのでますます恐ろしい。ぽろっとやられそう。
 さて当日は明治大と似ているのですが、国英の出来はよく世界史はイマイチという感覚でした。しかも解答速報を見ていると、世界史易化。三、四問までしか落とせないか。などど書かれている。六問間違えたんですけど
 発表は東大の二日目だったので、帰宅後に発表を見ましたが、なんとか受かっていたようです。これで白星が二つ。

●東京大学 文科三類

 本当の本番です。ずっと対策してきたこともあり、受かるかは怪しいけど不安ではない、みたいなよく分かんない状態でした。意外と受かるかもよ、と頭の中では言ってましたが、多分自分に言い聞かせてただけですね。以下、所感を書きます。怖くて問題は見直してないので、記憶だけです。
 一日目。国語と数学です。この二教科は、自分の中でこうやって解く、というのが定まっていたので心配はしていませんでした。でも、数学は最たる苦手教科だったので勝負どころではありましたね。国語はノーコメントです。自分の中では満点解答ですが、こればかりは教授の採点にしか分からないのでどう言いようもありません。数学。できない人なりの感想ですが今年は簡単だったのだと思います。私は二問最後まで解答し、一問は途中まで解いて最後は適当に答えを出し、残りの一問は捨てました。ごめんね。二問完答なら大勝利なのですが、片方はう〜ん、これはあってるのかなあという答えになったので怪しいですね。何度も確認しても、計算ミスが発見できませんでした。
 二日目。まず地歴。最大の心配要素です。世界史はビクビク怯えていたのですが、思っていたよりかけました。話題の600字論述の問題も、いい意味でも悪い意味でもパッとしないように感じたのですが、おそらく世界史を学ぶ人間として私が浅薄なだけなのだと思います。とにかく書くことに困りはしなかったので良しとしましょう。地理も手がつかないほどではなく、過去問で難しかった回よりも書けたような気はします。両者とも、いかんせん試験中は冷静さに欠けるので、ミスをしている可能性は大いにありますが。いまは気にしません。
そして英語。英語は直前になって焦りが出てきた科目でもありやや心配でした。ただ、ここまで三教科が比較的うまくいっていたので気分はノっていました。開始五分後、すでに最悪の気分に転じていました。やべえかもしれない。いやいや、まだ一問目だから、他はマシだろう。いや待て、この並び替えわからないな。いったん書いといて後で戻ろう──このような思考のもと、一応冷静にはなれていたのですが、うまくいかないまま進みました。リスニング、音質悪すぎる!でも、最終問題を始める時点で、今までで一番時間に余裕があったのは救いでした。終了後も、おそらく今回は難しかったのだろう、皆取れていない、と思い、今もそう思っています。
 という感じで、いまはふわっとしています。う〜ん、受かってるのかな。帰りの電車でたまたま合流した、例の門作りの友人は、おれは受かってると思ってるよ、と自信げでした。彼は、ぐらとぐらなら受かってるよ、おれより地理出来るもん。と言ってくれました。ありがとうね

○信念の話

 さて、ここまで読んでくれた方がどれだけいるでしょうか。もし読んでくれたなら、後でTwitterか何かで教えてください。そんな素敵なみなさんに、まだしていない話はひとつ。なんで東京大学を受験しようと思ったの?という話です。これは私が一年と少し抱き続け、少しづつ変化し、確かめていった信念の話でもあります。もうちょっとだけ、聞いていってください。

 端的に言えば、カッコいいから、の一言に集約されます。東京大学は日本で一番入るのが難しい大学であり、その瞬間最も優れた3000人しか入学できない。超カッコいい大学で、受かったら超カッコよくなれる。これが全てで、これが理由です。ひとつ断っておくと、他の生き方がカッコよくないわけではないですよ。皆が私と同じように、自分にとって一番カッコいい進路を生きているのだと思います。私が東京大学に行きたいのは、その中のひとつだと思ってください。
 そして、これは証明でもあります。はじめに書いた通り、私は文転で東大を受ける大馬鹿ものですが、そんな大馬鹿者でも受かると証明したい。できれば現役で、カッコよく、「受かったよ!!」って言いたいのです。高校で目一杯行事を楽しんで、ギリギリまで部活やって、それでも受かるって見せてやりたいのです。大学についていろいろ調べて、過去問を勉強しているうちに、東京大学のことが大好きになりました。入試問題も王道で、全てにおいて基本の理解を要し、非常に優れた問題を要求してくる。教授に早く会いたいです。そういう愛と信念を持って、頑張ってきました。

しつこいようですが、合格してるかどうか本当にわからない状態です。きっとそういう状態ということは、合格してるかもという可能性をどこかで感じているんだと思います。いまはそれを信じようと思います。後からこれを見てバカにするかもしれないけど、人生のうちの珍しい瞬間の気持ちをこうして保存しておこうと思います。

最後まで読んでくれたあなたがいたら、ありがとうございました。実はまだ終わりじゃなくて、後期試験があるのですが……もうちょっと、頑張ります。
それではまたいつか、長話を聞いてくださいね。あと少しだけ、話は残してありますので。

さようなら〜

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