美術展「空間と作品」
先日、東京都京橋の「アーティゾン美術館」で開催中の展覧会「空間と作品」に行ってきました。
展覧会情報:
「空間と作品」
2024年7月27日(土)〜2024年10月14日(月)
会場情報:
アーティゾン美術館
〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2
今回の展示は、少し変わった視点で楽しめました。美術展といえば、普通は絵そのものや作者にフォーカスが当たることが多いですが、この「空間と作品」展では、作品が展示される「場所」や「額縁」、そしてその作品を所有していた人物との関係に焦点が当てられています。
展示された作品はアーティゾン美術館の所蔵品を中心に、江戸時代の襖絵から現代のインテリアに至るまで、多岐にわたります。これらの作品が飾られていた空間の歴史や文脈を掘り下げ、どのような場所で、どんな人物に所有されていたのかが詳しく解説されているんです。
特に面白かったのは、作品の額縁にフォーカスしていた点です。単に絵を飾るためのフレームではなく、なぜその額縁が選ばれたのか、所有者がどのような思いで額を選び、飾ったのかという視点が加わることで、作品が持つ意味がさらに深まりました。所有者が作品をどこに飾るか、どの額に入れるかという選択は、彼らの美的感覚や文化的背景を反映しているため、それを知ると作品が違った見え方をしてきます。説明文も額縁のことを記述しています。
絵の使い方を再考させられる展示
今回の展示で感じたのは、作品は単に鑑賞するためだけでなく、「飾ってこそ意味がある」ということです。自分も油絵を持っているんですが、もったいないとか、飾る場所がないとかで結局しまいっぱなしになっていて……。でも、今回の展示を見て「飾らないと意味がない」と痛感しました。作品は、ただの観賞物ではなく、空間の一部としてその場所で活きるものだと感じました。
もちろん、美術館で保存され、たくさんの人に見てもらう価値は理解できますが、所有者が自分の空間でどのように作品を生かしていたかという点に焦点を当てると、作品が本来どのように「使われて」いたかが見えてきます。これを知ると、単に美術館に展示されているだけでは見えてこない作品の本当の魅力が浮かび上がってくるんです。
今回の展示では、スマホでQRコードを読み込むと無料で詳細な解説や音声ガイドを楽しめるのもポイントです。作品そのものの説明だけでなく、「作品が飾られていた空間」についても詳しく解説されているので、より深く展示を楽しむことができます。興味がある方は、ぜひ足を運んでみてください!
次回は、「ひとを描く」が2024年11月2日(土)より開催されます。今度は人物表現の豊かさを紹介するそうです。
展覧会情報
「空間と作品」
2024年7月27日(土)〜2024年10月14日(月)
会場情報
アーティゾン美術館
〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2
次回展示
「ひとを描く」
2024年11月2日(土)〜2025年2月9日(日)
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