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ガンダムウォー17弾→18弾環境変化記事



はじめに

 旧ガンダムウォーオンラインイベント「ガンダムウォー杯」、四回目のイベントを開くことになりました!

 毎度恒例、今回も18弾環境のカードだったり、あるいは評価の変わった過去のカードをまとめて記事にしていきたいと思います。もし興味がありましたらぜひ見ていってください!
 そして面白そう、となったらぜひイベントへのご参加もよろしくお願いします!

 さて、次回環境は18弾「戦慄の兵威」+「前線のフォトグラフ」当時の環境!
 この環境の大きな変化といえば、やはりヴァリアブルカードの登場でしょう。

ヴァリアブル
 (自動B):《[0・X]》このカードは、自軍配備フェイズに手札、または自軍ハンガーにある場合、自軍配備エリアにリロール状態で出す事ができる。その場合、以後、このカードは特殊Gとして扱われ、第2テキスト以外の全ての記述が無効となる。この効果は、Gのプレイとしても扱う。
※この効果で場に出たカードは、逆向きで管理されます。
また第2テキストは、この効果を使用しない場合、適用されません。

 通常のカードでありながら、Generationカードとして置くことのできるカードの登場によって、構築段階でG枚数の削減が可能になりました。
 このヴァリアブルカードが登場して以降、実質的なカードの枚数が増えることでゲームが濃密になっていったり、また、表面上はコマンドカードということでGなしマリガンも行いやすくなって、初手6枚キープがしやすくなるなど、「Gを引きすぎ/引かなさ過ぎてゲームにならない」みたいなストレスを感じることも少なくなるのではないでしょうか。

 ヴァリアブルカードはこの後も様々な種類のものが登場し、ガンダムウォーの構築の基礎的なカードとなっていきます。
 今回、18弾環境ではそのヴァリアブル定着初めの環境ということで、今までのガンダムウォーとは違ったプレイ感が楽しめるゲームになるのではないでしょうか。さて、これ以降はそんなヴァリアブルを始めとした色々な注目カードを色毎に分けて見ていきたいと思います。

1.青勢力

 「18弾戦慄の兵威」・「戦場のフォトグラフ」で青は、既存のデッキを補強できるような、既定路線の順当な強化カードを得た印象の青勢力。
 17弾までの環境でも『青中速』・『青スライ』と言ったデッキたちが環境のデッキの一角として存在感を示してきましたが、この環境でも今までと変わらず、いや益々その存在感を大きくしていきます。

1.1注目の新カード

 この項目では18弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第18弾戦慄の兵威」
①ガンダムNT-1(チョバム・アーマー装着時)

イラスト100点

 青の堅牢な守りを体現するカード。
  敵軍ユニットがいない場合には攻撃に出撃できない、というデメリットを持っていますが、代わりに自軍効果以外で場から離れた場合に、青の「ガンダム」を手札から国力を踏み倒して出すことができます。
 「自軍効果以外で場から離れた場合」という思った以上に広い範囲で効果を適用できるため、思った以上に踏み倒し効果が使いやすく、 4枚目以降の「ガンダム試作3号機」を早出しする手段として採用できる。

②ガンダムF90II

 クイック、そして代替コストで破壊されている「名称:ガンダム」をハンガーへ移動させることができる効果と、換装で出た場合に自軍カードを敵軍コマンドから守る効果を持っている「F90」ユニット。
 換装をメカニズムに注目した『F90デッキ』以外の通常の『青中速』でも採用できる優秀な代替コストを持っており、例えば破壊された自軍ガンダムを大体コストでハンガーに送ることで「ガンダム試作3号機ステイメン」と似た挙動をして自軍ユニットを救出できる使い方ができます。
 また、相手のユニットも対象に取ることができるため、同色対決では多大なアドバンテージカードとしても使うというテクニックも。

③クリスチーナ・マッケンジー

イラスト1000点

 1国キャラとして基本スペックの戦闘修正と、「名称:ガンダム」にセットしたときにはターン終了時に資源コストの値だけドローできるお得な性能を持ったキャラクター。
 軽量のガンダムユニットを展開する『青ウィニー』、『青スライ』の新たな選択肢となるキャラクターで、多くの場合で1~2枚のドローを見込むことができます。

④テルコット

テルコットにかかれば凌駕も肉厚ダブルバーガー

 敵軍カードの上のコインを奪えるという珍しい能力を持ったカード。
 よく使われるカードでは、「キリマンジャロの嵐」「凌駕」や解体ユニットなどのコインを奪うことができます。
 また、コインを奪ったあとドローに変換できる点もgood

⑤ジュンコ・ジェンコ

 「女性」を持つキャラクターがセットされている自軍ユニットが、帰還ステップでロールしなくなる自動効果と、戦闘エリアにいるだけでオペレーションを破壊できるテキストを持ったキャラクター。
 ユニットにオペレーションの合計国力分のダメージが与えられてしまうデメリットはあるものの、出撃さえすれば毎ターンオペレーションを割ることができるのは破格。
 自軍オペレーションも対象に取ることができるので、自分に貼られた不利なカードや不要なカードを除去することができ、キャラクターとして見ても格闘2を持ち帰還ステップでロールしないので戦闘もこなせる便利なキャラクターです。

⑥マヘリア・メリル

フライング(反則)が得意

 このカードの部隊のダメージが速攻タイミングで与えられる代わりに、そのダメージがセットされている自軍ユニットにダメージを与えられるという効果を持ったキャラクター。
 自分のタイミングでユニットを自壊させれれる効果として使えるのが大きく、さらにこの効果で与えられるダメージは戦闘ダメージの処理のため「自軍効果以外で場から離れた場合」を満たすことが可能になっている。
 そのため、前述の「ガンダムNT-1(チョバム・アーマー装着時)」後述の「ガンダム(ラストシューティング)」を能動的に起動するのに使うことができます。


⑦周辺警護

ガンダムウォープレイヤーが一番怖い凶器はバットである。

 バンダイがG事故を減らすために頭をひねって導入した新ルールの最初のカードであり、最後まで君臨したキングオブヴァリアブル。
 これまでオペレーション対策はわざわざ「そのためだけに」枠を割く必要がありましたが、「周辺警護」の収録により、G枠に計上しながら相手のオペレーションに触れることができるようになりました。
 指定1合計1、タイミング、効果すべてが優遇されており、青を触るデッキにはほぼ3投されています。

⑧ミリタリーバランス

 自軍ユニットがプレイされて場に出る毎に、自軍本国を合計国力の数値分回復できるオペレーション。
 回復の得意な青カードの中でも、これまでにない新たなアプローチの回復カードです。
 回復量でいえば「抱擁」、使いやすさでは「エースの奮闘」などに軍配が上がりそうですが、ユニットをプレイして場に出す毎に合計国力分回復する点を活かせる展開力が強いデッキには嬉しい効果といえます。

⑨屍を越えて

ルビは「かばね」

 自軍ユニットがジャンクに移動するたびにこのカードにコインを乗せ、全ての自軍ユニットがこのカードのコイン分の戦闘修正を受けることができる効果を持ったオペレーション。
 パンプアップは全ての自軍ユニットなのでコインが1個乗るだけでも(青の修正と合わせれば)鉄壁。
 「アストナージ・メドッソ」のようにキャントリップ拠点に新たな役割を与えるカードと言えます。
 なお、ルール知識についての補足として、仮に複数のユニットが同時に破壊されて廃棄される場合、廃棄の順番は手番プレイヤーが選択できるという処理は覚えておいた方がいいかも知れません。
 例えば「ガンダム(ラストシューティング)」+αのユニットが自軍攻撃ステップに「魂の輝き」で破壊された場合、他のユニットを先に廃棄することでコインを「屍を越えて」に乗せ、敵軍ユニットがジャンクに落ちた枚数分修正が上乗せされた「ガンダム(ラストシューティング)」の火力を本国に飛ばすことが可能になります。
 逆にそれをされたくない場合には自分の手番で「魂の輝き」を打って火力が少なくなる順番で廃棄していくようにしましょう。

「戦線のフォトグラフ」
陸戦型ジム(第07MS小隊機)

装甲制限後のモルジムからの完璧な継投

 出撃した際に自軍本国の上2枚を見て敵軍ハンガーに移す能力と、敵軍本国にダメージを与えたときに敵軍ハンガーにあるそのカードを自軍ハンガーに移せるという1国ユニットとしては破格のドロー能力を持ったユニット。
 序盤から多大なドローを見込め、さながら殴りにいける「一日の長」。
 「アストナージ・メドッソ」で1ターン目から出撃したい。

⑪ガンダム(ラストシューティング)

相棒もアストナージ、難敵もアストナージ

 青がようやく獲得したオフェンシブな「矛」。
 敵軍ジャンクヤードにあるカード枚数だけ格闘修正が入るという効果に加え、攻撃に出撃している/配備エリアにいる状態で自軍効果以外で場から離れた際に、格闘力分敵軍本国を廃棄できる強力な火力テキストを兼ね備えたユニットです。
 参照先がジャンクヤードという場所の性質上、ゲームが進むのと比例して格闘が上昇していき、出撃しても除去されても相手にプレッシャーを与えることができる点が非常に厄介。
 第2テキストの本国火力が廃棄というのがまた第1テキストに噛み合っており、覚悟を決めて1体目が除去した後に出てくる2体目は、まさに相手にとっては悪夢のようなユニットであろう。
 欠点は防御に出撃するときはただの4国ユニットでしかないという点と、水やロール、チャンプブロックには突破力が足りない点。

⑫ガンダム試作1号機フルバーニアン

シロー・アマダの愛機

 「ガンダム(ハイパー・ハンマー装備)」と同様の『換装:ガンダム』という幅広い換装を持つカード。
 素のコストは4国ながら換装経由では最速2ターン目に場に出ることが可能で、高機動を持っていることから打点を通しやすいこと、換装で-1/0/0コインをリフレッシュできる点、その両方が「シロー・アマダ(CH-175)」と非常にかみ合っており、『青スライ』で重宝するアタッカーです。
 [1・2]でコマンド以外の敵軍効果、[2・4]で敵軍コマンドの対象にならなくなる2種類のアンタッチャブルテキストも持っているため、序盤から終盤まで安定して高機動クロックを見込めます。

⑬帰隊報告

 全プレイヤーに「オーバーヘッドホーク」の認知度を上昇させたコマンド。
 「オーバーヘッドホーク」「ヘレン・ジャクソン」「帰隊報告」を揃えることで無限ループで即死デッキが完成し、 対抗札が「キリマンジャロの嵐」「ローラ・ローラ」くらいしかなかなかったため、制限カード入りとルール変更まで暴れました。

1.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①ガンダム(ハイパー・ハンマー装備)

 「アストナージ・メドッソ」「エースの奮闘」「戦技の習熟」でしっかり守っていくコンセプトの『青単中速』にとって「交戦して生還できる」性能の高い、このユニットの重要度があがりました。
 また、以前よりもデッキ内のキャラクター枚数が1~2枚増量しているため、リロールテキストを使える機会が多くなっていることも評価ポイント。

②北極基地

 『前線のフォトグラフ』に「陸戦型ジム(第07MS小隊機)」と「ガンダムアストレイ・アウトフレーム(バックホーム装備)」という強力な地球適正ユニットが収録され、それらをブロックし続けられる地球適正拠点の価値が高くなりました。
 地球宇宙の二種類の拠点の枚数で差が出る場合には、地球拠点が優先されることが多くなりそうです。

③レビル将軍(CH-88)

 出撃した際の防御値アップ効果と、奪われたカードを取り返すテキストを持っていることから、緑対策に『青ウィニー』や『青スライ』では選択肢に挙がる可能性があります。
 防御値を上げるテキストで手札から降ってくる「ケンプファー(試作機)」や「アプサラスⅡ」への耐性をつけつつ、第二テキストでこちらのユニットを奪う「ボッシュ」に睨みをきかせることができます。

・弱くなったカード
④ガンダム試作3号機

かっぱらわれるのは2号機のやくめでしょ!

 早出しできる大型高機動ユニットとしての強さは健在ですが、手札にいるときには「ボッシュ」に、場に出てからは「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」に狙われるようになり、 これまでのただ強カード感がなくなりました。
 これからは運用するときに、前者に対しては「キリマンジャロの嵐」、後者に対しては「シーブック・アノー」(でドローフェイズまでに名称指定する)など、緑相手には他のカードによるサポートが必要となります。

⑤アムロ・レイ

 ジャンクへ逃げることで多くの妨害から逃れる効果を有している「アムロ・レイ(CH-174)」ですが、「出土品」「ロゴスの私兵」により「アムロ」がセットされていたユニットや「アムロ」自体が対象に取られることで対処されやすくなってしまいました。
 こういったG枠からの容易なジャンクヤード干渉手段の登場ということで今まで売りだった高い除去回避能力を失ってしまい、採用されることが少なくなりました。

1.3まとめ

 この18弾で「周辺警護」というメインから自然にフル投入できるオペ割というヴァリアブルカードを手に入れたことにより、これ以降の青デッキはサイドボードを含めた構築のスロットと、メインからオペレーションに触れるというゲームにおける対応力の2点で、他の色より有利になりました。
 また、今まで防御的だった『青単中速』デッキにとって「矛」となる「ガンダム(ラストシューティング)」を手に入れたこと、『青スライ』にとっては「ガンダム試作1号機フルバーニアン」という、強力なダメージリソース「シロー・アマダ」を使いまわせるカードが登場したことは、両デッキともに大きな収穫と言え、この環境では今までよりもさらに意識される存在となっているのではないでしょうか。

2.緑勢力

 18弾といえばヴァリアブル・・・なのですが、緑にとってはそれが些細なことに感じるほど強いカードが目白押しでした。
 ここから先暴れまわるカードが多数収録されています。
 緑の時代始まるよ!!

2.1注目の新カード

 この項目では18弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第18弾戦慄の兵威」
①ザクII改

 緑の解体ボルジャーノンです。
 書いてあることは何も弱くないんですが、「宝物没収」のない緑だと正直いまいちでした。
 戦力カウントするのも厳しいし、「国葬」や「慈愛の眼差し」の使用を前提とするなら基本Gの方が強いですね。
 ただし、サイクロプス隊デッキでは、Gの代わりに採用できるチームユニットなので3枚採用です。

②ハイゴッグ(サイクロプス隊機)

 「ザクII改」に引き続きサイクロプス隊のユニットです。
 相手の捨て山を除去するという地味な効果ですが、チームで使うとあっという間に回復リソースが消滅します。
 2国という軽さと射撃2が相まっていぶし銀な強さです。

③ズゴックE(ハーディー・シュタイナー機)

 水デッキで大活躍していたのと同じ機体のはずが、なぜか乗り手の名前が逆になってしまった謎のユニットです。

 自身を廃棄してオペを割る効果を持っていますが、チーム効果なので本人を廃棄する必要がなく優秀です。
 3国ロールインなのでデッキへの採用枚数は少な目ですが、このユニットのおかげでサイクロプス隊はメインからオペに触ることができます。

④ケンプファー

 サイクロプス隊の親玉です。
 防御ステップに本国かユニットに3点飛ばすチーム効果を持っており、チームを組んだ時の火力は絶大です。
 5国ロールインなのが控えめポイントですが、ほかに仲間がいたら軽くなる効果で実質4国ロールインになってます。
 でも「ブリッツクリーク」で出すときに軽くならないのはデザインとして間違ってませんか・・・・?

⑤ゲルググ・キャノン(ブレニフ・オグス機)

 「ゲルググキャノン(トーマス・クルツ機)」以来の射撃値3のゲルググです。
 今回は敵ジャンクユニット分の戦闘修正パンプ能力と、インクの染みじゃない効果持ちなのでとても優秀。ゲルググデッキ組むなら今!

⑥ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)

レアな緑のガンダム

 対換装持ちガンダム用という謎ユニットです。
 代替コストとして相手の換装持ちを自分のハンガーに取ってくるので、後出しでの移動無効コマンドでの対応ができません。
 青茶白のガンダムたちにめっぽう強く、18弾環境でも「ガンダム試作三号機」や「フリーダムガンダム(ミーティア装備)」などを除去することができます。
 能力の対象はハンガーという範囲になっているので、相手のハンガーにあるガンダム(換装持ちである必要はない)のテキストも使えることは覚えておきましょう。
 また、代替コストはコストと記載されているがサイコミュなどと同じく「(自軍の)特殊効果」になるので、「敵軍効果では移動しない」テキストを持つ「レイ・ザ・バレル(CH-S104)」がセットされた「フリーダムガンダム(ミーティア装備)」は奪うことができない点には注意が必要です。

⑦ガブリエル・ラミレス・ガルシア

 「破壊工作」のカードでしゃがんでるおじさんです。
 戦闘エリアにいる場合に敵軍本国のトップを廃棄し、それがGでなかったら合計国力分のダメージを敵軍ユニットに与えられ、Gの場合ガルシアがセットされているユニットが廃棄というリスキーな能力を持っています。
 ぱっと強そうに見えないのですが、ヴァリアブルの登場で今後デッキからGが減っていくため案外仕事します。
 空ブロックでも効果が使えて本国1ダメージ+ユニット焼きできることは覚えておきましょう。

⑧ボッシュ 

強いガンダムを入れてる相手ほど強くなる。
強いやつを奪えたときはFTを読みながら使いましょう

 プレイしたときに相手のハンドが見れる+国力無視でユニットが自分の場に出るという、あまりにも意味の分からないテキストが書いてあります。
 4国出る緑のデッキでは今後採用され続けるすごい人です。
 ルール的な話ですが、MFはとれますし、このカードがはがれても相手にユニットは帰りません。
 まぁ悪魔の力をデッキに入れる方が悪いので当然の報いですね。

⑨破壊工作

 各色に収録されたコマンドヴァリアブル。緑は戦闘エリアに2点ダメージのヴァリアブルです。
 あまりぱっとしないように見えますが、強襲の打点通しや、「ドラゴンガンダム」の焼き、速攻との相性など案外トリックとして使える箇所が多く器用です。
 「ブリッツクリーク」を打つ際に指定国力の発生源としても優秀です。

⑩ブリッツクリーク

 18弾いちばんの問題児です。
 デッキの上から7枚目までのユニットを、ターン1枚のプレイ制限を無視して、好きなだけリロールインさせるという破格の効果を持ちます。
 このカードを採用するために緑を入れる選択肢が発生するくらい無茶苦茶なカードなので、制限になる前に一度はプレイすることをお勧めします。
 残念ながら通常の国力は払う必要があるので、打つタイミングはしっかり考えましょう。

⑪特務部隊の派遣

 サイクロプス隊サポートカードです。
 サイクロプス隊が戦闘エリアで破壊されるとドローでき、サイクロプス隊であるユニットがいる場合に自軍ユニット1枚に「チーム▶[サイクロプス隊]+1/+1/+1」のテキストを与えることができます。
 手軽にサイクロプス隊を増やせる+打点が上がる便利カード。
 両方のターンで使えるので、拠点に使ってブロック→廃棄ドローしたり、ガルマドップで本国に3点うちにいったりなど最大限活用しましょう。

「前線のフォトグラフ」
⑫ザクII(シン・マツナガ機)

 ブロック時無敵の両適正ユニットです。
 ロールインのため使用率はあまり高くありませんでしたが、1枚あると後半の耐久に大きく貢献してくれます。

⑬陸戦型ゲルググ(ケン・ビーダーシュタット機)

ところでゲルググデッキのゲルググ多すぎてどれがどんな能力か忘れませんか?

 今環境の新規追加ゲルググ2枚目です。
 敵本国にダメージ与えたときに自軍ジャンクのG以外のカード枚数以下のカードを割ることができます。
 ロールインのデメリットはあるものの、場のカードならなんでも触れる破格のスペック持ちです。
 「ブリッツクリーク」と一緒に『緑単中速』に採用されたり、『ゲルググデッキ』に採用されたりと今後よく見るユニットになりそうです。
 「狂気の騎士」との相性が素晴らしく、なんでも割るマンになれます。

⑭ファット・アンクル

1国・艦船枠で上から2国ユニットが出てくる。やばい。

 緑ウィニーの最強艦船です。
 1ターン目に、艦船のプレイ枠で2国ユニットが出せる破格の能力持ちです。
 「背水の陣」などを使う場合にも単純にユニット数が伸びるのも強く、長く使われるカードです。

⑮包囲殲滅

 破壊無効不可と、ターン経過によるダメージリセット無効を付ける不思議なオペレーションです。
 「ザクⅠスナイパータイプ」ととても相性がよく、唯一無二な性能を持っています。

⑯廃墟の死闘

 「前線のフォトグラフ」にしかない不思議なオペレーション、不整地シリーズの1枚です。
 帰還ステップに一番コストの合計値が低いユニットを廃棄します。
 単騎駆け系のデッキにはめっぽう強く、ブロックに出ることすら許しません。
 このカードも唯一無二系の性能を持つので覚えておくといいことがあるかもしれません。

2.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①逃避行

 「慈愛の眼差し」の登場によって評価が一変したカードです。
 一度でもこちらの場に来てしまえば、殴った後そのまま「慈愛」で取り除いて除去できるのが強力です。

②理想に仇なす者 

 配備エリアで使う宣言型効果に②資源を課すカードです。
 「アストナージ」や「ギレン」、「月面民間企業」などの特殊G、「ディアナ帰還」などの回復、さらには今回から「慈愛の眼差し」の回復能力まで止められるようになり、採用枚数がさらに増加しました。

2.3まとめ

 17弾→18弾環境の新規カードで、最も多くの収穫を得たのは緑勢力でしょう。
 実用的なカードの枚数が多いだけでなく、「ブリッツクリーク」「サイクロプス隊」、実用的なゲルググが多数と、新たなデッキが生み出されるレベルのカードも目白押し。「ボッシュ」という革命的なサイドカードや、「慈愛の眼差し」という今まで存在しなかった実用的な回復手段を手に入れるなど、前弾と比べると最も大きな変化が期待されます。
 今大会、緑デッキが台風の目になっていくのは間違えないでしょう!

3.黒勢力

 前環境は登場した全体除去「魂の輝き」の影響もあり、黒単色で、というよりはコントロール色を支える二色のうちの一色、という立ち位置がすっかり定着した黒勢力。
 今環境も引き続きサポートカラーとしての立ち位置で使われることが多いものの、新規カードの中には軽量デッキ用カードや色拘束の強いカードなどの優良カードがあり、久々に単色で組みたくなるような新しい切り口のカードが多く収録されました。

3.1注目の新カード

 この項目では18弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第18弾戦慄の兵威」
①メッサーラ

「つまり-2点が消え、+2点のチャンスが生まれる」
「4点分の働きってコトか!!」

 変形を持たない全てのユニットに-1/-1/0修正を与えるユニット。
 今環境の変形持ちは「Zガンダム(3号機)」くらいのもので、立っているだけで相手が攻めにくく、こっちは攻めやすくなる攻防で優位に立てるティターンズの桜木花道。スタッツもまずます。
 -1/-1/0修正テキストが実は重複することに、当時から気づいていたか怪しい。

②ギャプランTR-5

 「魂の輝き」と同時に17弾で登場するも、どうにも鈍足感が拭えずにパッとしなかった「ギャプランTR-5[ファイバー]」。
 換装元の登場によってその活躍も花開い…開いたっけ?
 宙間戦闘、クイックと換装先との相性は◎。

③ガンダムTR-1[ヘイズル2号機](高機動仕様)

 『TRユニット』のみで攻撃したときに黒くないユニットが防御に来れないというテキストを持つ、コントロールな印象だった黒に現れたインファイター。
 「Zガンダム3号機」や「リフターコイン」のなめた防御を許さない右ストレートを放っていく。
 直接戦闘エリアに出てこれる無法なカードが存在していない、この時点が第一次TR政権。

色んなデッキを破壊していった無法者

④アームストロング広場

ティターンズ製マッチングアプリ

 条件を満たす事で次々と敵軍キャラクターを奪取することが出来る拠点カード。
 必ず自軍キャラクターが必要になるので採用出来るデッキは限られているが、キャラクターを多数採用されている『黒単ウィニー』等では優秀なサイドボードとして機能します。
 「アストナージ・メドッソ」や「ギレン・ザビ」といった強力なカードを「エマ・シーン」、「レコア・ロンド」などで誘い出せればgood

⑤レコア・ロンド

 自身が戦闘エリアにいる場合、条件付きながら戦闘エリアにある敵軍カードをロールできる黒い「カミーユ・ビダン(CH-147)」。
 戦闘エリアに移動してくるキャラクターは男性キャラクターが多いため、女性キャラクターが属するセットグループを対象に取れないデメリットはそれ程気にならないでしょう。
 3国力として十分な戦闘修正と優秀なテキストを持ちカードパワーは十分でしたが、指定国力の重さもあり、残念ながら当時は環境で活躍する姿は見られませんでした。

⑥不平分子の拘束

 18弾に各色1枚ずつ存在するヴァリアブルを持つコマンドで、黒に収録されたものは配備フェイズにプレイ出来る手札破壊。
 「シンデレラ・フォウ」や「シロッコの眼」と違い、対戦相手の最も重要なカードを手札から落とすという使い方は出来ないが、確実に1対1交換が出来るという特性が、ゲーム中の総カード枚数を削る事を目的とする「ハンブラビ(ヤザン・ゲーブル機)(U-93)」「報道された戦争」「ジャブローの風」等との相性が非常に良い。
 そもそもヴァリアブル(1)のカードなので、デッキ構築の段階でそれまで採用されていた黒基本Gをこのカードに差し替えるだけでも18弾環境の時点ではそれ程問題無い為、他のヴァリアブルと同様によく使われていたカードです。

「前線のフォトグラフ」
⑦ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]

危険そうなことが書いてある

 このカードを初めて見た時、何か不穏な気配を感じ取ったカードゲーマーは多いのでは?
 このカードのテキストを要約すると、戦闘フェイズ中に4以下の合計国力のコマンドは1枚で2回使用出来るという能力になります。
 ただし、「このカードがリロール状態の場合」という条件が存在するため、このカードの能力を生かすには

 ①1ターン待つ
 ②「アストナージ・メドッソ」「アルゴ・ガルスキー(CH-G5)」等でリロール  
  する
 ③「捕獲兵器」「無償の愛」「ヴォワチュール・リュミエール」等でリロール
  状態で出す
 等のサポートが必要になります。  

 もちろん単純に「シロッコの眼」や各種ドローコマンドを重ねるだけでも大きな効果を見込む事が出来ますが、同じカードを再使用(あるいはコピー)できる効果が悪用されるのはTCGの歴史が既に証明しています。
 このカードも発売当初から様々なカードとの組み合わせが研究されるも、残念ながら18弾環境では有力なデッキが開発される事はありませんでした。
 しかし、このカードを研究するデッキビルダー達が蒔いた種は、後の時代に大輪の花を咲かせる事になります。

⑧ブリーフィング

他の色に比べると弱いが、贅沢を言ってはいけない

 黒デッキが待ち望んでいた低リスクのドローコマンド。
 手に入れたカードがバレている、一番強いカードは本国の上、使用タイミングの関係でG事故の解消には繋がらない等、黒らしい不便な要素は多数存在していますが、合計国力2という軽さから『黒単ウィニー』から『黒単重速』まで採用可能な優秀なカードです。
 「タシロの賭け」や「裏取引」、「マケドニア・コロニー」等のターン終了時にカードを引く効果を持つカードを用意しておけば、対戦相手に選ばれたカードをターンを跨がずに回収出来るシナジーがあります。

プロモーションカード
⑨ティターンズの旗のもとに

 プロモにこのカードが収録されたことで、18弾環境では何故か黒だけヴァリアブルコマンドが2種類存在することに。
 効果は『TRデッキ』の専用サポートカードとなっている為、通常のデッキでは選択肢に入らないカードではあるが、「ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]」等を使用した戦闘重視の『TRデッキ』であれば採用を検討出来るカードとなっています。
 先述の「ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]」との相性も良好です。
 何故か発生する国力が黒ではなく紫なので指定国力の計算ミスにはご注意を。

3.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①手札破壊コマンド(シンデレラ・フォウ、シロッコの眼、戒めの処断etc)

 18弾環境でヴァリアブルが登場して以降、デッキの中の基本Gが次々とヴァリアブル持ちカードに置き換えられる事になり、その結果、これらのハンデスカードは擬似的にGをハンデス出来るカードとして運用する事ができるようになりました。
 中でも「戒めの処断」は、この使い方をすると、相手のG事故を誘発を狙えるのに加えて自軍のGを伸ばすことができる点がかなり優秀。

②命令の錯綜

 「ブリッツクリーク」、「ギラ・ドーガ(レズン・シュナイダー機)(U-162)」、「ヴォワチュール・リュミエール」等、リロール状態で場に出るカードが多数登場し、ロールインのカードも「アストナージ・メドッソ」でリロールできる等、過去の環境より中速系デッキの攻撃開始ターンが早まった事で、それを遅らせる事が出来るカードとしてこのカードが注目されました。
 黒の絡んだデッキは1ターン猶予を貰えれば全体除去が間に合うというシチュエーションも多く、その1ターンを作り出せるこのカードは今後もサイドボードの選択肢として活躍することになります。

③木星帰りの男

 『青茶第七次』というデッキは『第二回ガンダムウォー杯(16弾環境)』では既に登場しているデッキですが、過去の時代においては『青茶第七次』が本格的に環境に現れたのはこの18弾環境となります。
 『第七次』に対するクリティカルな対策カードであり、それまでも『赤茶第七次』というデッキは存在していましたが、この後の時代の『青茶第七次』程使用者が多くなかった為、専用サイドボードを用意する程ではありませんでしたが、環境の変化でこのカードが注目されるという事実が『青茶第七次』というデッキのポテンシャルを示しています。

④鮮血は光の渦に

 「魂の輝き」で対処出来ないカードは「無差別攻撃」で対処するというプレイングがセオリーとなっていた17弾環境ですが、18弾環境では「レイ・ザ・バレル(CH-S104)」が登場したことで少々事情が変わってしまいました。
 「レイ・ザ・バレル(CH-S104)」はそれまで移動耐性持ちカードに記載されていた「廃棄以外の」という文章を投げ捨ててカード化されており、「アカツキ(シラヌイ装備)」にセットされると「魂の輝き」でも「無差別攻撃」でも除去出来ない盤石セットグループとなってしまいます。
 この状況を対処出来るカードとして「鮮血は光の渦に」にスポットが当たりました。
 しかし、汎用性という観点では「無差別攻撃」に軍配が上がりますので、やはりサイドボードの追加の全体除去枠の選択肢として検討されるカード、といったところ。

⑤武力による統制

多重債務者必見!明日から資源②を返済しなくて良い㊙テク

 「武力による統制」の最大の欠点は、回復後に場に残った「武力による統制」を処理するカードをデッキに用意する必要がある、もしくは資源コストを支払い続けても問題無いようにデッキを構築する必要があるという事だったのですが、前者の解決方法としては最上級の効果を持つ「慈愛の眼差し」の登場により「武力による統制」を更に強く使えるようになりました。
 2種類合わせてデッキのスロットを4~5枚埋める形にはなりますが、『緑黒輝き』ではよく見られる回復カード構成として活躍していました。

⑥内部分裂

 お互い選んだ1種類の基本G以外を吹き飛ばすという派手な効果が、デッキ内の基本Gの減少によりますます派手になりました。
 ヴァリアブルが採用されるようになったことで「隠遁者」での回避率が下がったことも大きいです。
 制限カード入りしたが、それでも1回通れば混色にとってはゲームが決まりかねないので、黒の必殺技として油断できない一枚となるでしょう。

⑦フォン・ブラウン制圧

 18弾でヴァリアブルが導入がされ、デッキの中の基本Gが次々と実質特殊Gと化していった事により、このカードは単純に破壊出来るカードが増えた事で評価を上げる事になります。
 ヴァリアブル以外にも「月面民間企業」や「歴史の立会人」等の混色デッキのサポートの為の特殊G、更にそれを対策する為の「貴族主義抵抗派」等特殊Gが頻繁に使用されていた時代でしたので、自身のG基盤に気を付ければ非常に強力なカードとして運用することが出来ます。
 18弾環境最終盤で、同じく混色デッキに対するアンチカードである「内部分裂」と共に制限カードに指定されてしまいますが、19弾から当時の新作アニメ「機動戦士ガンダム00」が参戦する事とは無関係です(棒読み)

⑧オーバーヘッドホーク

 1国力、クイック、リロールイン、射撃力1、そして擬似的な1点火力。
 『黒単ウィニー』にとって必要な要素をキャントリップ以外全て持っている名カードとして活躍していたカードですが、18弾環境となり「ヘレン・ジャクソン(CH-194)」と「帰隊報告」と組み合わせ、「オーバーヘッドホーク」のテキスト内のドローさせる効果をループさせる事で、相手の本国を全てドローさせる3枚即死コンボが開発されてしまい制限カードリスト送りとなってしまいました。
 しかし、あくまでキーカードの内1枚が制限カード入りしてしまったというだけであり、コンボそのものを否定された訳ではありませんので一応このデッキを使う事は出来ますが、残念ながら制限カード入り後の環境では目立った結果を残すことは出来ませんでした。
 コンボパーツの汎用性の低さが災いし、他のデッキのサブプランやアグレッシブサイドボーディングにもなれず消えていった『帰隊オバヘ』というデッキですが、このデッキは確かにこの時代に輝いていたデッキであることは間違いありません。

弱くなったカード
⑨ハンブラビ(ヤザン・ゲーブル機)(U-93)

ゴトラタンとハンブラビ、なぜ差がついたのか

 「不平分子の拘束」の紹介で相性のいいカードとして挙げましたが、混色での運用がメインとなった18弾環境の黒においては、指定国力3が足を引っ張っており、単色デッキでなければ採用が難しいカードとして使用率を落としています。
 一方、同期であり、同じ指定国力3の「ゴトラタン(メガビームキャノン装備)」は、全盛期程の存在感はないものの各種コントロールデッキのフィニッシャーとして採用される例もあり、可能な限り早くプレイしたいハンブラビと試合の終盤に着地させるゴトラタン、役割の違いが採用率の差として現れてしまった形になったのではないでしょうか。

3.3まとめ

 『恫喝MF』が下火となり、『緑黒輝き』が、17弾環境で生まれた『黒茶輝き』から少し遅れる形でアーキタイプとして完成した事で、非「魂の輝き」デッキである『黒赤コントロール』と合わせてコントロールデッキの半身という立ち位置を確たるものにしたのが18弾環境の黒という印象です。
 コントロールデッキにとって最高のカードである「魂の輝き」が存在する以上、今後も黒という色は一定の価値を維持し続ける事になります。

4.赤勢力

 第18弾「戦慄の兵威」、「戦線のフォトグラフ」では、新しくデッキの核となるようなカードや、既存のデッキが突き抜けるほどのカードはなかったものの、なかなかの粒ぞろいのカードが収録されており、特に妨害周りのカードは既存のデッキを着実に強化する順当な強化が得られたといえるでしょう。

4.1注目の新カード

 この項目では18弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第18弾戦慄の兵威」
①マシュマー・セロ

 通称”暴走マシュマー”。
 1 ターンだけ生き残れれば、次の自軍ターンには暴走コインが乗り、暴走コインがあると破壊されずダメージを受けないという赤には不似合いな武闘派セットグループを作り出せます。
 同弾収録の「ザクⅢ改」に乗せるのがデザイナーズコンボ的に最も隙がないのですが、こちらは4 国力と軽いため単体で『赤単中速』にも採用されました。
 暴走コインが溜まると最後には自爆してしまいますが、その際にも廃棄するのは「マシュマー」だけなので損失は最小限ですし、合計 5 ターンも生き残れているならば十分な活躍ができているはずです。

②トビア・アロナクス

ライバルは己自身(カウンタートビア)

 ロール状態のとき限定ながら移動耐性に加え、バルチャー、コマンド解決毎の戦闘修正上昇という戦闘向きの効果を持ったキャラクターで、こちらも『赤単中速』で使われました。
 ドローソースやバウンスをプレイしているだけでどんどんサイズアップしていくことができるこのカードは、まさに『赤単中速』の戦略にベストマッチしたカードと言えるでしょう。

③雲散霧消

 記念すべき赤のヴァリアブル第一弾は対象が狭くなった「尊き御言葉」。
 青や茶のヴァリアブルがほぼほぼ本家と使用感が変わらないのに比べると、タイミングも対象も狭くなっている点は残念です。
 しかし、ユニットのテキストはどんどんインフレが進んでいることもあり、 使いどころを見極めれば活躍できます。
 例えば、この環境から登場する厄介な「ガンダム(ラストシューティング)」に対してこれを使うことで、バニラユニットにして安全に打ち取ることができるといった使い方がされます。

④もみ消し

 前の弾で追加された「露払い」に続き大収穫。「嫉妬」より信頼できる強力な低国力のカウン ターカードが増えました。
 こちらが先攻なら「アストナージ」「一日の長」「ディアナ帰還」などに間に合いますし、ユニットも対象に取れるためウィニーデッキに対しても有効で、赤を相手にする後手側の、初手キープ基準まで変えてしまう画期的なカードと言えます。
 ゲーム序盤の脅威に対抗しつつ、ゲーム終盤でも「拠点」「急ごしらえ」「サラサ再臨」「ハッキング」など、どこかしらは対象に取れ、さらには「内憂外患」のコストとして使うこともできます。
 当時の『赤単中速』ではメインサイド合わせて 2~3 枚投入されていました。

⑤信号弾

 「もみ消し」と並んで今弾の赤のコマンドの大収穫となった一枚。条件付きながら「撤退命令」2 回分 を内蔵しています。
 たいていのデッキでユニットの国力帯は重なることから後半のテキストも機能することが多く、エリアも問わないことから「女帝退場」との差別化もばっちり。
 『赤単中速』には必須レベルで採用され、ロール効果の「アクシズからの使者」と 2 枚看板で活躍しました。

⑥内憂外患

 今回の赤のトップレアで、後々の環境まで長く使われることになる非常に強力なオペレーションです。
 実質的に手札全てをカウンターに変えてしまえるため、デッキ内の純粋なカウンターコマンドを減らせるうえ、トップから引いてしまった不要なGさえもカウンターとして活用できます。さらにこれはコマンドの効果ではないため相手のプリベントを無視可能な点も強力。
 もともと赤には不利だったコンボ系のデッキはこのカードの登場で「マストカウンターを連打してカウンターを吐かせ切る」「地球光や抵抗する意思で突破する」といった戦略も厳しくなり、 多くのコンボデッキ使いを絶望させたカードでもあります。
 自身の効果は実質のコマンド耐性ともなっており、「周辺警護」のような指定国力の低いコマンドによるオペ割りでは対処困難です。
 さらに相手の「内憂外患」もこちらの「内憂外患」で問答無用でカウンターできるため、場に出たオペレーションにほとんど触る手段のない赤同士のマッチアップでは、こちらを先置きしたほうが圧倒的有利であり、ゲームの勝敗を分けるポイントとなります。
 非常に強力なカードですが、指定国力が高いカードをカウンターする際に手札が多く必要な事が 最大の弱点であり、特に白を相手にした時はあまり有効に働かない上にオペ破壊の定番ポジションが「デュオ・マックスウェル」とキャラクターな点もネック。
 他には指定国力が高くカウンターしてもジャンクヤードから自動効果を起動できる「三段構え」も天敵です。
 また、ルール上、指定国力 0 のカードもカウンターできないことも注意が必要です。

戦線のフォトグラフ
ギラ・ドーガ(レズン・シュナイダー機)

アクシズの使者内蔵4点リロインは強力

 『赤単中速』の新戦力です。非常にシンプルながら攻撃を通すという点では強力な効果で、相手のGも寝かせてしまうため、「月面民間企業」からの「魂の輝き」なども封じることができます。このカードを出して無防備になった相手に、「ドライセン(ラカン・ダカラン機)」とともに攻撃する動きが強力です。

4.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

弱くなったカード
①「逆襲のシャア」「作戦の看破」

 長らく赤デッキで使われてきた「逆襲のシャア」「作戦の看破」ですが、「内憂外患」の登場によりその立場が危うくなりました。
 赤ミラーで相手に「内憂外患」が出た後にこれらを引いても、相手の適当な手札 1 枚と交換されるだけで効果が薄く、特に「逆襲のシャア」は強みであったプリベントがほぼ無力と化したことで、当時の入賞リストではほとんど採用が見られなくなっています。
 『赤単中速』では、これらに代わるカウンターコマンドとして、「泣き虫セシリア」の採用が増えました。
 ユニットが対象に取れる、デッキトップに行くためジャンクに落としたくない「エースの奮闘」や「三段構え」に対して強力、打ちたくない状況に陥った際にも「内憂外患」で活かせる状況が出来た、指定が濃いため相手の「内憂外患」に有利、といった数々の性質が環境に噛み合い、こちらの採用が優先になった形。

② 「幻のコロニー」「アフリカ独立解放戦線」「洗脳教育」

 今環境以降、普遍的に採用されるヴァリアブルは共通して「この国力は無効にしたり変更する事ができない」というテキストを持っています。
 既存のアフリカロックの基本パーツに加え「虚偽の報告」「古き慣習」でも対処できないため、『アフリカロック』には逆風となってしまいました。
 中でも青はデッキスロットを圧縮しないオペ破壊「周辺警護」を得てしまい、対青系にはメインデッキから相性が厳しくなったといえます。

4.3まとめ

 16弾環境で生まれた『赤単中速』というデッキは、今弾でギラドーガ(レズン・シュナイダー機)というデッキの方向性にフィットしたカードを手に入れ、「信号弾」「もみ消し」といった妨害周りが強化されたことで、完成度が格段に上がりました。
 今環境では上位に食い込むであろうメタデッキの一角として、周りからしっかり対策をされるような存在になるのではないでしょうか。
 また、従来よりお家芸であったコントロールデッキにおいても、「内憂外患」という『なんでもカウンターにできるオペ』が収録されたことで有利盤面を維持しやすくなったことは非常に大きい強化といえますが、その反面「周辺警護」というカードの登場によって「コスモ・バビロン」を割られるリスクが格段に上昇したことは大きなマイナスポイントであります。
 この環境では他の色と組み合わせたコントロールとしての形で活躍することになりそうです。

5.茶勢力

 第16弾「覇王の紋章」で『Gガンダム』作品が参戦し、それ以降、システムに後押しされた強力な『Gガンダム』作品のユニット/キャラクターを中心に組まれることが多かった茶勢力ですが、今回の第18弾「戦慄の兵威」では久しぶりに∀ガンダム、Xガンダムのカードにも収穫があり、これらの二勢力にも反撃の兆しが見え始めました。

5.1注目の新カード

 この項目では18弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第18弾戦慄の兵威」
①フラット(コア・ファイター装着時)

ロランによってイカれた位置にコクピットを連結されたフラット

 場に出たときにジャンクヤードのユニットを回収できる2/1/4というまずまずな性能。
 「コア・ファイター(U-C38)」がいればクロスボーンガンダムに換装できるらしい。やったことある人はいるのだろうか?

ガンダムウォーあるある:カード名参照で変なことをできる

②スモー(ハリー・オード機)

 「名称:スモー」の数だけ打点が上がる効果と、戦闘エリアに自軍ユニットが2枚以上いるときに交戦中の敵ユニット1体の戦闘力を1/1/1にする効果を持ったユニット。
 「パプテマス・シロッコ(CH-73)」と組み合わせると除去に、「ギャプランTR-5[ファイバー]」と組み合わせると奇襲で能力を起動できたりします。

 パイロット共々、守りにはかなり強いのですが、GWでは往々にして攻撃的な方が強い事が多いのが少々気がかり。

③ガンダムマックスター(ボクサーモード)

第一回GWC王者のキーカードと同じ能力は期待できるか

「ラゴゥ(アンドリュー・バルトフェルト機)」と同じような速攻と通常の二回のタイミングでダメージを与える「二段攻撃」テキストを持ったユニット。

 怒号マックスターなるパワーワードが誕生したものの、お膳立てが多すぎて今一つな印象が拭えなかった。
 「シャッフル同盟(SPC-20)」を活用すべく模索されていた黎明期の茶単MFには投入されていた様な?

③ハリー・オード

本国へのダメージをカットしまくるスーパーグレートゴールキーパー

 自軍本国へのダメージを、防御値まで肩代わりすることができる能力を持っており、Xは任意に決められるため死なない程度に本国ダメージを軽減し続けることも、逆に「転向」対応で自爆することもできる見た目よりかなり強力なテキストとなっています。
 比較的安全な配備エリアからでも守れるのが非常に強く、MFの陰に隠れてしまった∀勢の中で頑張っており、これまた「ギャプランTR-5[ファイバー]」との相性〇。
 「黒茶」といえば「輝き」が続くが、それ以外のデッキも可能性は秘めていた。

④キョウジ・カッシュ

「ジ・オ」をポイ捨てして2枚目をブン投げてくる。もう許してくれ。

 『黒茶輝き』から「マスター・アジア」を追い出したカッシュ家長兄。
 弟(16弾)は言う事を聞いてくれないそうです。
 コインとG以外の自軍カードをX枚廃棄することで敵軍カードをX枚ロールできるという、ピンポイントで強烈なボードコントロール能力を持っています。
 後述の「出土品」共に『黒茶輝き』の強さを一段階引き上げるほどの活躍をしました。

⑤出土品

クイーンオブヴァリアブル

 ヴァリアブルは色によって明暗が別れた弾ですが茶色は「明」。
 ジャンクヤードにあるユニット1枚を自軍ハンガーに移せるということで「ディアナ帰還」「ニュータイプの排除」などジャンクにカードを落としやすい茶色の動きと完璧にマッチする能力のカードとなっています。
 また、敵軍ジャンクヤードのユニットも対象にとれるため、ジャンクヤード対策としても使用できます。
 15弾「ボルジャーノン(U-100)」と同レベルの汎用性の高さで、これ以降、茶デッキの基本パーツとして固定スロットとなっていきます。

「前線のフォトグラフ」
⑥ガンダムエアマスター

 預貯金システムを搭載して帰ってきたエアマスター。
 クイックがついたことにより「ガンダムエアマスター・バースト」を一段階活かしやすくなっており、意表を突いた換装ブロックができる利点は言うに及ばず、「エアマスター・バースト」でのチャンプブロックループ時の「ほかのユニットを展開できない」という膠着リスクを解決することができるようになりました。また、好きなタイミングでバルチャーポイントを操作できる使い勝手の良さも◎。
 同弾には「ガンダムレオパルド」「宝の山」とバルチャー周りに優秀なカードが他にも収録されており、MFの陰に隠れてしまった「茶単バルチャー」の復権を狙っている様子が伺える。

5.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①突貫作業

「キョウジ」自身もポイ捨てして「ジ・オ」三枚目を投げつけてくる
もう殺してくれ。

 「キョウジ・カッシュ」の登場によって操作性が一段と向上。
 能動的にキャラクターやユニットカードをジャンクヤードに送ることができるようになったことは非常に大きく、中盤以降はフィニッシュカードを使い回す動きによってマウントを取りつづける動きが非常にやりやすくなった。

弱くなったカード
②マスター・アジア

さらば師匠!マスター・アジア、暁に死す…

 前弾では「突貫作業」を活かしやすい、ユニットとして出せる能力が高い評価を得て多くの茶デッキに採用されていたが、より使いやすい「キョウジ・カッシュ」に取って代わられ、割を食った形に。
 キャラクターとしての性能を比べても、強襲でダメージ通すよりロールしてダメージ通した方が強いため、採用されることがなくなってしまった。

③ユリナ・サノハラ

これまでの茶サイドの定番

 長く茶デッキの男性対策としてサイドボードで活躍し続けたカードでしたが、「慈愛の眼差し」が収録されたことにより信頼性が大きく落ちてしまい、評価が下がりました。

5.3まとめ

 目玉のデビルガンダム関連がパッとしなかった事、∀、X、Gそれぞれの勢力にシナジーが薄いため単色としては伸びにくかった事、そして何より「慈愛の眼差し」の恩恵が他色に比べて弱い印象を受けます。
 しかし18弾「戦慄の兵威」と「前線のフォトグラフ」の間にあった2006年度GTでは「黒茶輝き」が1位と5位を獲得している史実は「キョウジ・カッシュ」と「出土品」がいかに強烈であったかを思い知らされるエピソードではないでしょうか。

6.白勢力

 16弾で誕生し、17弾で強化された白単重速が、18弾/DB8では更に強化されました。
 弱点だったウィニー対策と、血のバレンタインに続く新たなフィニッシャーを得て、ついに白単重速がトップデッキの一角に躍り出ることになります。

6.1注目の新カード

 この項目では18弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第18弾戦慄の兵威」
①ストライクルージュ

 このカードが戦闘エリアに移動すると、配備エリアにある全ての自軍カードが敵軍効果の対象にならなくなるという、破格のアンタッチャブル効果を持つユニットです。
 テキストが「このターン」なので、効果の解決後に配備エリアに出たり移ったりしたカードも敵軍効果の対象になりません。
 通常の出撃でも効果が起動しますが、攻撃ステップに戦闘エリアへ移動するテキストも持っているので、相手の妨害カードに対して柔軟な対応を取ることができます。
 また、この移動テキストを使って高機動部隊を防御するなど、プレイヤーの使い方次第で幅広い活躍ができるユニットと言えます。

②デスティニーガンダム

同弾のレジェンドと繋ぎ絵になっている

 「ストライクフリーダム」や「インフィニットジャスティス」、「フリーダム(ミーティア装備)」に続く、【一枚制限】を持つ6国力の【PS装甲】ユニットです。
 テキストは、自軍攻撃ステップに相手のカード2枚を指定して、手札1枚を廃棄するとランダムに片方を破壊できるというもの。
 このカードにしかできない仕事は確かにあるのですが、対象をランダムに選ぶという不確実要素が忌避されて、「インフィニットジャスティス」や「フリーダム(ミーティア装備)」を押し退けてまでデッキ投入されることは稀でした。
 ただし、白中/白重が強い本環境では「アカツキを処理できる可能性がある」という一点だけでも、デッキに採用する価値がある……かもしれません。

③レジェンドガンダム

ディスティニーと並べて飾りたい

 初の【一枚制限】を持たない6国力の【PS装甲】ユニットです。
 【一枚制限】が無いために防御力が下がったように見えますが、「インフィニットジャスティス」や「デスティニーガンダム」と比べて射撃力が上がっているので、この2枚とは戦闘力の合計値が同じだったりします。
 テキストは、防御ステップに手札1枚を廃棄することで、全ての敵軍ユニットにサイコミュ(3)の効果を解決するというもの。
 自身の持つサイコミュ(3)と合わせれば単体でもブロッカーの除去には十分な威力を発揮しますし、【一枚制限】を持たないことを活かして2体目3枚目を並べることができれば、高い部隊戦闘力と強大な制圧力を得ることができます。

④レイ・ザ・バレル

 「ヒイロ・ユイ(CH-67)」、「シン・アスカ(CH-S50)」に続く白のアンタッチャブル持ちキャラクターです。
 テキストは「自分のセットグループが敵軍効果で移動しない」「自軍セットグループ1つがターン終了時まで敵軍効果で移動しない」という移動耐性に特化したもの。
 前述の2名に比べると限定された効果ですが、その分、この分野においては他の追従を許しません。
 特に「インフィニットジャスティスガンダム」との相性は抜群で、「恫喝」や「破滅の終幕」といった移動系の全体リセットに対して「インフィニットジャスティス&レイと白G1枚を守る」ことでリセット後もリフターコインを出し続けることが可能となるため、特に茶デッキのリセットカードには無類の強さを誇りました。

⑤ロゴスの私兵

 全色に収録されたヴァリアブル(1)コマンドで、白のヴァリアブルはジャンクヤード1つからカード2枚を除去します。
 ジャンクヤード対策という効果をデッキの中核に据えることはまずないのですが、『辣腕』のようなコンボデッキ相手では対策が必須だったため、少なくない確率でサイドボードに入れていた効果でした。
 それがG枠としてメインデッキに入ったことで、1ゲーム目から対処できる幅が広がると同時に、数枚のサイドボードが空くという結果が生まれます。
 もともと白は「やれることの種類が多い」「なんでもやれる」色だったので、このカード単体の効果よりも、フリーハンド枠が増えたことで構築の自由度が広がるという恩恵の方が有り難かったとも言えます。

⑥ヴォワチュール・リュミエール

 手札のユニットをコストを無視して場に出し、自軍/敵軍コマンドの対象にならないという効果を与え、ダメージ判定ステップの規定の効果直後に除外する、というコマンドです。
 手札にユニットが無いと何もできませんが、指定国力/合計国力/資源コストを全て無視するので、白以外のユニットやコストの足りない大型ユニットを場に出すことができます。
 また、この効果で出したユニットはコマンド耐性を得るので、敵軍コマンドに妨害されずに攻撃や防御に使うことができる点も見逃せません。
 このコマンドが2国力と低コストなので、範囲兵器持ちユニットや大型ユニットと組み合わせてウィニー対策に使用されることも多いカードでした。

「前線のフォトグラフ」
⑦デストロイガンダム

 白の新たな超大型フィニッシャーユニットで、敵軍ユニットがいる状態で攻撃に出撃すると、敵軍手札と敵軍捨て山を全てジャンクヤードに廃棄します。
 これまで白のフィニッシャーといえば「血のバレンタイン」が代表格でしたが、それに比べても自軍手札を残しつつ相手の捨て山廃棄が加わり、戦闘ダメージまで発生する本カードが弱いハズがありません。
 「ヴォワチュール・リュミエール」とは高いシナジーを発揮し、血のバレンタインと同じ5ターン目に効果を使ったり、「高い防御力で速攻部隊のダメージを受け止めて反撃できる」「範囲兵器(3)で小型ユニットを一掃できる」といった点を活かしてウィニー対策に使ったりすることができます。
 あと見落とされ易いのですが、代替コストとして拠点を破壊することで合計国力を下げることが可能なため、青や緑など拠点を使うことが多い色に対してはブロッカー除去としても使えるので覚えておきましょう。

⑧ガンダムアストレイ・アウトフレーム(バックホーム装備)

 3国力片適性補給(1)持ちのユニットで、攻撃に出撃するとハンガーのカードが2枚になるまで本国からドローします。
 乱暴な言い方をしてしまえば、4ターン目からハンガーに向かって「FATH」を打ち続ける効果……確かに強い効果ではありますが、白デッキにおける「FATH」の使用率を考えればタイミング的な問題点はご理解いただけるかと思いますし、ハンガーという場所特有の利点と欠点は存在しますし、なにより強制ドローである点も無視できないデメリットです。
 しかし、前環境まで「アークエンジェル」が担っていた補給の役割を任せる相手としては、他色の4国ユニット並のサイズと自分を対象に取れる補給に加えて前述のドロー効果を持つため、破格の性能を持つユニットといえます。
 このカードは15弾「アンドリュー・バルトフェルド(CH-S78)」との相性が最高で、戦闘力5/1/5の砂漠持ちユニットが攻防に出撃できる上に、攻撃しても補給によりリロールし続けることで敵軍ターンにも「バルトフェルド」のテキストが使えるようになります。激推しです。

6.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①スターゲイザーガンダム

 非常に強力な除去効果を持ちますが、白5国という超密集国力帯のユニットである上に、使い捨て効果でありながら使わなかった場合の素の戦闘力が周囲に一段劣るという理由から余り使われないカードでした。
ですが、「ヴォワチュール・リュミエール」が収録されたことで、こうしたデメリットが解消されると同時にウィニー対策として使うことも可能になりました。
特に『青ウィニー』は、ユニットの防御力が高かったり、「キリマンジャロの嵐」で破壊やダメージ耐性を持たせることもあるため、範囲兵器やサイコミュでは対処できない場面も少なくなかったのですが、このカードならそうした相手部隊を一掃することができます。
 「ヴォワチュール・リュミエール」という本来の翼を得ることで、「スターゲイザーガンダム」はサイドボードという表舞台に立つことができたのです。

・弱くなったカード
①切り開く力、血のバレンタイン

  全色にヴァリアブル(1)コマンドが収録されたことで、敵軍国力が紫にならない場面が発生するようになりました。
 特に「魂の輝き」に代表されるような指定国力1のデュアルカードについては、デッキに入るヴァリアブルの枚数も多いため指定国力を出し易く、「切り開く力」によってプレイを妨害することは(ほぼ)不可能になりました。
 これにより「部品ドロボウ」と「切り開く力」でテンポアドバンテージを稼ぎつつ、5ターン目に「フリーダム(ハイマットモード)」を展開しながら「血のバレンタイン」に繋げる、といった白の勝ちパターンは、1つの終焉を迎えることとなります。
 無論、これらのカードパワーが下がった訳では無いので、単体として見れば強力なカードであることに変わりはないのですが、環境として見たときに「弱くなったカード」と言わざるを得ませんでした…

6.3まとめ

 「ヴォワチュール・リュミエール」というコマンドによって、『白単重速』は弱点だったウィニー対策に1つの回答を得ることができました。
 手札のカード消費は増えましたが、これまで延命しか出来なかった相手に除去という選択肢を取れるカードが収録されたというだけで、相手が攻撃を慎重にならざるを得ない、終盤のチャンプブロッカーを除去できる、といったメリットに繋がります。
 前環境でも強力だった『白単重速』が、さらに躍進する環境になることでしょう!

7.紫・デュアルカード

 デュアルカードに関しては、さすがに17弾ほどのインパクトのあるカードは出なかったものの、一芸を持った面白いカードが多く収録されました。
 紫カードは、待望の新たな2色Gが収録されたほか、入手の難しいシークレットレア枠として「慈愛の眼差し」「戦技の習熟」といった強力なカードが収録されました。

7.1注目の新カード

 この項目では18弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第18弾戦慄の兵威」
①怒号

 2国力で格闘修正を7点も得ることができるカードです。
 相手のブロックがなかったことを確認したあとに押し込むことがメインの使い方ですが、 チャンプブロックと見せかけて格上と相討ちを迫ることもできます。
 現行当時に活躍を見せたのは少し後の環境だったのですが、今環境でも、うまく使う方法を見出せればチャンスはあるかもしれません。

②弱肉強食

 18弾のデュアルオペレーションのサイクルのカードは多くが低評価でしたが、このカードは採用が検討可能な 1 枚。
 G二枚を廃棄することで、セットカードのセットされていないG以外のカードを破壊できる効果で、「悪意の光」と比べてユニットも対象に取れる範囲の広さがあり、ゲーム終盤にクリティカルなパーマネントを対処する手段として期待できます。

③敗残兵の収容

 G3枚廃棄と「弱肉強食」と同様、コストは非常に重いのですが、セットカードがセットされていない敵軍ユニットを奪うという強力な効果の 1 枚です。
 「地球侵攻作戦」と同様の発想で、 「ギレン・ザビ狂信派」「ザビ家支持者」といった使い捨てGの採用が多い緑デッキにおいて、リソースを有効に使う手段として採用された実績があります。

④リボー地区民間人

 新たな2色Gで発生する国力は青と緑。
 『青緑辣腕』にはこれまで自ら捨て山を作るカードがほとんど存在しておらず、 最速でコンボパーツが揃っても捨て山がないために「抱擁」+「結婚式」でドローができない、ということがありえたが、デッキに合う色を出しながら捨て山を作ることのできるカードが増えたというのは大きい。
 また、初手に緑を発生するGが来る枚数も増えるため、このカードと「一日の長」でゲームをスタートできる確率があがることも追い風。

「前線のフォトグラフ」
⑤慈愛の眼差し

超低確率レアにしておいて、デッキに入れてみては?
という煽りをしてくるバンダイは完全にサイコパス

 コマンドモードではカードの破壊無効効果を、Gとしては国力を発生しないものの、自軍カードをゲームから取り除くことで本国を3点回復することのできるヴァリアブルカード。
 今まで実用的な回復手段を持っていなかった色にとって革命的なカードであり、さらに自軍カード除外のデメリットにしても「武力による統制」相手の「ユリナ・サノハラ」といった不都合なカードを簡単に処理できるということで黒や緑などのデッキで非常に重宝されました。

②戦技の習熟

 ユニットが交戦していくたびにコインを乗せ、ロールすることでコインの枚数の戦闘修正を与えるオペレーション。
 拠点を利用する『青単中速』や『緑単中速』にとっては、今までサイズで劣っていた『白単中速』『白単重速』の強ユニットへ牙が届くようになる強力なオペレーション。

7.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①かつての同志

 ヴァリアブルの登場によりますますプレイ条件に引っかかることが増え下火になるかと思われましたが、 緑黒などサーチが乏しい混色ではヴァリアブルの採用を見送ってでも採用する価値が高まりました。
 評価は変わったものの、その評価はデッキによって強くもなり、弱くもなったともいえる稀有なカード。

②凌駕

 「ブリッツクリーク」からの「ケンプファー」や、「ギラ・ドーガ(レズン・シュナイダー機)」、 「ヴォワチュール・リミュエール」で出る「デストロイガンダム」など、奇襲攻撃ができるカード一気に増えたことにより、それを止めることができるこのカードの評価が上がりました。

③貴族主義抵抗派

 ほとんどのデッキでヴァリアブルが3枚採用されることにより、対象となる特殊Gが増えたおかげで採用枚数が大幅に増えました。
 指定に余裕のある『青単中速』や『緑単中速』、『赤単中速』といったデッキでは空きGのスロットで容易にタッチランデスのプランが見込めます。

7.3まとめ

 18弾環境でのヴァリアブルカードの登場によって、Gに関する効果を持ったカードたちは様々な影響を与えられ、強くなったカードも弱くなったカードもでてきたなという印象です。 
 また、「慈愛の眼差し」という全ての色で使用できる使いやすい回復カードの登場により、今まで一歩足りなかった様々なデッキの完成度が一段階上がることとなりました。
 中でも、前17弾環境で誕生した『黒緑輝き』は「慈愛の眼差し」がデッキに入ったことで完成されたデッキ、といっても過言ではないでしょう。

終わりに

 今回も記事を書くにあたりたくさんの人から意見を聞き、記事にさせていただきました!
 自分では見落としていたカードや、将来に向けての注目カードなども載せることができるので大変助かりました!協力してくれた皆さんありがとうございます!
 今回の記事も読んだ人のモチベーションが上がってガンダムウォーをやりたくなる人が増えたらいいなと思います!

 やりたいけど遊ぶ場所がないよ!って人はぜひ当企画へ!

 Discordのビデオ通話使ったイベントとなります。
 ビデオ通話環境あるなら住んでる場所関係なく遊べますよ!!よかったらぜひ参加しに来て下さい!フリー対戦も相手できる人何人かいます!

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謝辞
 この記事を作るのにいろんなカードを教えてくれた
 しでさん、Rastalさん、R.R.Zinniaさん、グルールさん、にんてんさん、白使人さん
 ありがとうございました!!大変楽しく記事がかけました!!
 


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