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ガンダムウォー16弾→17弾環境変化記事



 はじめに

またまた旧ガンダムウォーオンラインイベントを開くことにしました!

 次回は17弾当時の環境のイベントとなりますが、この17弾「不敗の流派」環境の特徴は何といっても二色以上の指定国力「デュアルカード」が登場することでしょう。
 二色以上必要というデメリットは小さいものではありませんが、今回収録された「デュアルカード」は、どれも強力な効果を持ったカードが多く、特に「魂の輝き」は登場以降、最後までコントロールデッキを支えた強力な全体除去コマンドでした。

 ガンダムウォーでは多色を発生するGenerationカードは使いにくいものが多く、ここまでの環境では一部のコンボデッキを除き、ほとんどが単色デッキ、せいぜい数枚の別色のカードを差す「タッチカラー」のデッキくらいの非常に単色優位な環境でありましたが、この環境以降は多色デッキも見るようになりました。
 とはいえ、G事故というリスクは無視できない大きな要素であり、従来の単色デッキにも安定感という大きいメリットがあります。

1.青勢力

 17弾環境における青デッキですが、前環境まで活躍した『青単ウィニー』がドローソースを手に入れ、また国力基盤を安定し伸ばせるようになったことでよりゲームレンジが広く見れる『青スライデッキ』へ進化しました。
 また、『ウィニー』のみならず、中速帯のデッキも新録カードの恩恵を受け、大幅に強化されました。
 他色の中速デッキは「魂の輝き」という強力な全体除去コマンドの登場によって速度変更・構造変更を迫られる中、『青単中速』に関してはデッキ構造に大きな変更を必要としなかったことは大きいアドバンテージとなり、アンタッチャブルの増加と更なる回復の充実によりフェアデッキとして上位に入賞するなどの躍進を遂げました。

1.1 注目の新カード

 この項目では17弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①ジム・コマンド(モルモット隊仕様)

 戦闘フェイズに自身を破壊することでドローすることができる1国ユニット。
 廃棄じゃなくて破壊なので「脅威の装甲」や「奇跡の降下」などの複数回ユニットを破壊無効できるカードと組み合わせることで、ドローソースとして利用できます。

 また、自分のタイミングで破壊できるため「消える命咲く命」のサーチを能動的に行えるのも強みです。

 この「モルモット機」が収録されたことによって『青スライ』もドローサーチで手札を増やせることができ、さらにEBの「アストナージ」の解体を使ってGを伸ばせることができるため、速度の速めのデッキであるにも関わらず、6国の「THE ORIGIN」や7国の「ガンダム試作3号機」の素キャストまで展開できるような高い安定力を持つまでになりました。

②シーブック・アノー

 新たな青のアンタッチャブルキャラクター。複数の効果でなければすべてのカード種類の妨害を回避できるテキストを持ったカードです。
 相手が妨害効果を向けられてきたタイミングでカットインそのカード名称宣言すれば、実質的な敵軍カードへの万能アンタッチャブルキャラとして使えます。
 既存の「カミーユ・ビダン(CH-34)」とは「転向」や「ジ・オ」などのオペレーションやユニット効果も避けられる点で、「アムロ・レイ(CH-127)」との違いは「魂の輝き」などの破壊コマンドも避けれる点が優れていますが、1ターンに二度打ち、あるいは二種類打ちされたときに避けられないデメリットがあります。

③セシリー・フェアチャイルド

 16弾で猛威を振るった「恫喝」や長らくリセットコマンドで活躍する「破滅の終幕」といったリセットカードに対するメタカード。リセット後にすぐ『換装』や「エースの奮闘」が使用可能に点は非常に強力です。
 また、対策カードとしてだけでなく「タイタニア」を出せば、自分だけ青4国力状態で動けるというコンボにもなる。

④砂漠に蝶は飛ぶのか?

 自軍のトップをハンガーに送り、それがG以外だった場合、敵軍本国のカードも自軍ハンガーに送れるという変則ドローカード。
 アドバンテージを稼げる可能性はあるものの、相手が同色でない場合には追加でもらったカードも使うことが難しいため、同じ青3国力でのドローコマンドでは「政治特権」「海」の方が使いやすいと思われます。
 ハンガーに送れるという特性を活かしやすい『青茶第7次』では追加の「戦場の鈴音」として採用できるレベルですし、『辣腕』デッキでは無限ループに入るためのカウントを稼げるドローソースとして使える点に加え、相手本国を削れるという点に注目し、フィニッシャーとして利用することができます。

「エクステンションブースター」
⑤ガンダム6号機(完成形態)

 場に出たときに手札を相手のGの数分ハンガーに移せ、移した分だけ+1コインを乗せる能力と、+1コインを取り除くことで破壊無効にできる能力を持ったユニット。
 自分から「魂の輝き」を打って破壊無効で耐える、といった動きが可能であることから、多色デッキ『コングロ』の優秀なアタッカーとして活躍しました。
 移動やロールに対する耐性がないが、「繋ぎ止める楔」によってサポートをすれば、破壊耐性とあいまってかなり嫌らしいアタッカーとなります。

⑥Zガンダム3号機

 敵軍ユニットの出撃に反応してリロールし、さらに戦闘ダメージを与えた場合本国を回復できるという、高い対ビートダウン性能を持つ『ガンダム』ユニット。
そのテキストと「エースの奮闘」がそろえばダメージレースで負けることはほとんどなくなるでしょう。
 変形すると回復テキストが無効になってしまったり、防御が低いユニットとの交戦では回復量が落ちてしまうのが弱点。
 戦闘してなんぼのユニットであるため、戦闘に強くなる「カミーユ・ビダン(CH-147)」や「不可視の盾」との相性は抜群。

⑦アストナージ・メドッソ

 スパロボでおなじみオバケ整備士。
 Gにセット可能なのでとりあえずセット先に困ることはなく、そして自軍ユニットのリロールのほか様々な特殊テキストを与えることができるキャラクター。
 例えば、拠点に解体・砂漠・範囲兵器を与えたりすることや、アタッカーに水・速攻・強襲・大気圏突入を持たせて出撃したりと攻防にわたって活躍の機会がある強力なカードである一方、いつどの効果を使うかの選択が慣れないと難しく、ミラーでは先出しされると腐るといった問題もあるため、悩ましい点は存在します。

1.2 評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①ガンダム試作3号機ステイメン (TS1)

 この環境から数多のデッキに搭載されるようになった「魂の輝き」という全体除去が登場したことにより、ユニット1枚を救出できるテキストの価値が上がりました。
 「魂の輝き」に対して1体ユニットを救出しつつ、換装によって「試作3号機」を出す動きは相手の計算を大いに狂わせることができるでしょう。
 前環境から変わらず換装先の「試作3号機」のアンチャッチャブルの信頼性も高く、「彼方からの来訪者」などの強力なデュアルコマンドが効かない点も高評価。この環境でも引き続き見る機会が多くなりそうです。

 また、「ジム・コマンド(モルモット隊仕様)」の破壊を無効にしてドローに変換できる小技も覚えておきたいところです。

②νガンダム(GtG)

 リングのルール変更で以前のようなリングハンデスへの耐性は失ってしまいましたが、「マスターガンダム」のアンチャッチャブルとロックを無効化できるテキストを持つユニットはこの色にとっては非常に貴重。
 また、ビートダウンが主体の青中速が苦手とする「アカツキ(シラヌイ装備)」の反射効果も無視できるのも強いです。

③カミーユ・ビダン(14弾)

 「Zガンダム3号機」にセットすることで両ターンでのロール効果が見込め、出撃するたびにリロールし、ダメージを与えれば回復、交戦しようにも6/4/6のロール効果持ちとほとんどのダメージがカットされるため、攻める側からしたら交戦以外での妨害を、使う側はそれを回避する運用が求められる非常にいやらしいコンビになります。


④マーベット・フィンガーハット(16弾)

 『青スライ』のサーチ担当として活躍しました。
 「アストナージ」とシナジーを形成し、リロールすることで両ターンに渡ってカードを探すことができます。

⑤キリマンジャロの嵐

 各色で破壊やダメージ、手札参照の効果が再び隆盛となったことでまた活躍するようになりました。
 「ザクI・スナイパータイプ」、「アプサラスII」、「パーフェクト・ジオング」、「ギレン・ザビ」、「ラフレシア」、「パトゥーリア」、「ストライクノワール」、「フリーダムガンダム(ミーティア装備)」、「魂の輝き」、「戦略兵器」、「敵勢力との結託」……新カードだけでもこれだけの種類を見ることができますので、このカードの出番は多いでしょう。

弱くなったカード
①ガンダム試作3号機ステイメン(9弾)

 16弾環境では、1ターンでも早い換装が採用理由でこちらの方が採用されていましたが、17弾環境では「魂の輝き」に3回耐えることの重要性があがったため評価が逆転しました。

②ガンダムF90S

 「魂の輝き」の登場により、カードを横ならべして盤面制圧するというコンセプトが崩れてしまったため、『青単中速』は1~2体のユニットにキャラクターをセットしサポートしていく精鋭化という方針にシフトしていきました。
 その際、ユニットは高機動持ちなどの突破力が求められることが多く、そういう面でも「F90S」は都合が悪くなりました。
 また、合わせて「アストナージ」や「Zガンダム3号機」により相手ターンのブロッカー準備も間に合うことが多くなったため、相棒だった「カタパルト」も仕事は失われ、数を減らしました。

1.3 まとめ

 他の色と比べて5国帯の優秀なカードが頭一つ抜けて多く、強力な中速カードが目白押しだったことからかなりの人気を博しました。
 公式大会でも『青単中速』の使用率が高く、その分ミラーが多発したり、他の勢力からのメタの集中砲火を浴びたこともあり、残念ながら入賞回数は伸びませんでしたが、それだけ環境の中心にいる存在だったということが言えるでしょう。

2.緑勢力

 「1日の長」「ゲルググM(シーマ・ガラハウ機)」「シーマ・ガラハウ」といった優秀なカードを獲得し、『緑単中速』を確立し環境の上位に食い込むほどの強化を得た16弾環境から一転、17弾「不敗の流派」では緑勢力の新戦力は新しいデッキを生むに至るカードは残念ながらありませんでした。
 ただ、「クルスト・モーゼス」をはじめとしたサイドボードで活躍するカードは多数収録され、地味ながらも細かい点がアップデートされている、という収録内容になりました。
 一方「エクステンションブースター」の新規カードには強いカードが多く、環境や構築が大きな影響を与えています。特に「アプサラスⅡ」は縦並びで殴るウィニーや水デッキを環境から消し去りました。
 また、「高機動型ザク(ゲルググ先行試作型)」は専用デッキが完成し、活躍する姿が見られました。

2.1 注目の新カード

 この項目では17弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①パーフェクト・ジオング

 5国ながらも、プレイされて場に出たときにユニットに5ダメージを与える効果を持っています。
 クイックなどはありませんが、特殊シールドを持つユニットも破壊できる緑の「ガンダム(ティターンズ仕様)」といった性能です。
 「ティタガン」同様の厳しい指定国力の制限が付いており、緑中速の特殊Gの採用枚数を悩ませる一因となりますが、単体で防御5を超えるユニットは今後もあまり増えないため、長い期間使われる1枚です。

②ヅダ(1番機)

 一瞬とはいえ、任意のタイミングで高機動を獲得する能力をもつリロールインのアタッカーです。
 3国力までで戦いたいシュート系のデッキなどで、ダメ押しにも使える便利なユニットとして採用されます。
 同弾に収録のバリエーション機の「ヅダ(2番機)」と比較し、トップで引いてもとりあえず殴れることから1番機の方が採用される機会が多いです。

③クルスト・モーゼス

 緑のキャラの大問題児、ファンカードのはずが大暴れした1枚です。
 テキストはシンプルに、相手のユニットに『ブルー』の名称を足すだけ・・・なのですが【1枚制限】がついたユニットに対しては除去/蓋として作用することになり、『緑ウィニー』や『青スライ』、『白単重速』へのユニットへのアンチカードとして採用されることになりました。
 中でも白の受ける打撃は尋常ではなく、「L-3 X18999コロニー」があると戦闘用のユニットは壊滅、無かったとしても1枚しかユニットが場に出ない地獄のような状態になります。
 『ブルーディスティニーデッキ』のためなのか、その後も禁止されることもなくサイドボードによく見かけるカードになっていきます。

④白兵戦術

 自分のキャラクターと引き換えに、Gとユニット以外の敵軍カードを破壊できるコマンドです。
 コマンド自体はプリベント(5)かつ、ダメージ判定ステップに戦闘エリアにいればいいだけなのでそこを防ぐことは困難でしょう。
 「シーマ・ガラハウ」や「ニムバス・シュターゼン」などのキャラが多めに採用される緑中速のサイドボードとして採用されます。

⑤情報の漏洩

 特殊な制限でユニットのプレイを封じることができるオペレーションです。
 プレイしたターンは指定3以上、次のターンは指定2以上・・・と3ターンにわたってプレイを制限します。
 指定3制限でも引っかかる白や、5ターン目に指定2を出したいデッキに先置きしておくなど見た目以上に器用なカードです。
 ユニットプレイ後に設置でき、さらに解除されるのは自分からという点も強力です。

「エクステンションブースター」
⑥ザクI・スナイパータイプ

 焼きテキストを持ちつつ、射撃が2ある強力な1国力ユニットです。地形適性が地球のみなのはご愛敬。
 ロールインのためプレイしたターンでは出撃こそできませんが、戦闘フェイズ中にリロールするテキストを持つため実質的にロールしないユニットとしても運用できます。
 このカードの目玉であるダメージを与える方のテキストは、常時で使えるためこのカードが盤面にいる状態では耐久力1のユニットはプレイする価値がなくなりますし、さらに、リロールテキストと合わせることで自軍ターンには2点焼きに変わり、もし2体出てしまうと環境の大半のユニットを焼くことができるほどの制圧力を持ちます。

 また、この与えるダメージは自軍コマンドによるダメージとしても扱われるため、「ゼロ距離射撃」によって+1することができます。
 このダメージはコマンドによるダメージとして扱われるだけなので、「カミーユ・ビダン」などのコマンドが効かない系のテキストで守ることはできないこと、逆に「コルレル」などのユニットからの効果を受けないユニットへダメージを与えることができません点は間違えないように注意しましょう。

⑦高機動型ザク(ゲルググ先行試作型)

 『ゲルググデッキ』を環境に成立させたすごいカード。
 このカードとゲルググ2枚を手札にそろえるだけで、2ターン目に3枚の4国ユニットを場に出すことができます。
 量産系デッキでは後続を展開するのが難しいケースが多いのですが、このカードは安心設計でゲルググを1国力軽くしてくれます。
 手札の国力参照する場合でもマイナスされた値になるので注意しましょう。

 指定国力が2なので、緑2国力ないとプレイできませんが合計国力は好きなだけマイナスできるので、任意の枚数のゲルググを場に出すことができます。
 残念ながら1枚制限持ちなので、自身の2枚目を代替コストとして場に出すことはできません(1枚制限のルールによってプレイできなくなるため代替コストの支払いが不適正となる)。

このカードの登場によって過去のゲルググが見直されました。
17弾環境では、以下のゲルググが使われていました。
・ゲルググJ(シン・マツナガ機) [12弾/緑U-199]
・ゲルググキャノン(トーマス・クルツ機) [13弾/緑U-218]
・RFゲルググ(シャルル・ロウチェスター機) [15弾/緑U-242]
・ゲルググM(シーマ・ガラハウ機) [16弾/緑U-254]

今後も強力なゲルググが増えるので長く使われたカードです。

⑧アプサラスII

 どこからともなく降ってくる範囲兵器3・・・『水デッキ』を環境から消し去りました。
 戦闘エリア1つのすべてのユニットなので、防御ステップ規定後以降に使う場合は自分のユニットが巻き込まれることを覚えておきましょう。
 早いデッキへの強力なアンチカードとしてコントロールデッキや『緑中速』のサイドボードに多く採用されます。

 自動Bの効果に目が行きがちなこのカードですが、場に出た後も優秀なスペックを持っています。
 防御ステップに打てる範囲兵器はチャンプブロックを許さず、自動Dの効果によって最低でも単騎3点、先頭に別のユニットが用意できれば6点分の打点となります。
 さらに格闘が*ではないのでキャラが乗っても格闘を生かすことができます。
 緑中速でメイン採用級のスペックですが、5国帯のユニット枚数の関係で「パーフェクトジオング」と枠を争う形になります。

⑨ギレン・ザビ

 青の「アストナージ」と並んでEBぶっ壊れ1国キャラの1枚。
 セットGこそ持っていませんが、強いことしか書いてありません。
 1つ目の能力は、相手の手札にあるコマンドを縛ります。
 このカードがリロール状態の場合という条件持ちですが、拠点や前述の「ザクI・スナイパータイプ」にセットすることで条件のクリアが容易になり常時維持することができます。
 主要なドローソースにターン1枚制限がかかっているため、コマンドを使用するコンボデッキだけではなく、普通のデッキにも見た目以上に刺さります。

 2つ目の能力はユニットを生成能力です。
 資源はかかりますが、緑基本Gがすべてコマンドの効かない2/0/2として運用できます。
 G2枚で序盤から4点クロックになったり、終盤の余ったGを使ってのチャンプブロックなど攻守兼ね備えた能力です。
 また、打点のみならず、「制圧作戦」や「破滅の終幕」、「恫喝」などの効果からGを守ることができるのも優秀です。
 「ゲルググM(シーマ・ガラハウ機)」の破壊無効コストや、チャンプブロックからの「国葬」など緑でよく使われている既存のカードとの噛み合いがいいのも強いポイントです。

2.2 評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

強くなったカード
①サイド3/ニューヤーク

 前環境から、「ゲルググM(シーマ・ガラハウ機)」の破壊無効コストやリングエリアのブロッカーとして採用されてきましたが、「ギレン・ザビ」の登場により重要度が上がりました。
 1ターン目から「ギレン」が乗る場所として、『拠点採用型緑中速』が増加しました。

②ケリィ・レズナー(BB2)

 『黒茶輝き』の登場によって見直された1枚です。
 ゲーム序盤に不要な「マスターガンダム」を、「発掘道具」や「ニュータイプの排除」などで捨ててしまってもあとから再利用することができます。
 「ケリィ」に限らず、セットされた状態で場に出す場合はGFを持たずともMFのユニットにセットできるので覚えておきましょう。
 また、乗って戻ってくるユニットは敵軍ジャンクヤードからも選ぶことができるので、困った時は敵軍のジャンクから奪うのも選択肢の一つです。

③光る宇宙

EB1での「サザビー」の追加や、17弾の「ラフレシア」+「カロッゾ・ロナ」、「同胞の援助」の追加によって赤緑コントロールが誕生しました。
 それに伴い、全体除去枠として光る宇宙が採用されています。

④辣腕

 「砂漠に蝶はとぶのか」が追加されたことによって、出撃なしでお手軽に本国を減らすことができるようになりました。
 コマンドでのフィニッシュ手段が追加されたことによって、『辣腕デッキ』が強化されています。

⑤最大限の効力

 「ザクI・スナイパータイプ」の登場によってウィニーデッキにおけるオペ/キャラ割り枠として採用されるようになりました。
 専用デッキを作らずとも、触りにくかったオペレーションやキャラを簡単に繰り返し破壊できるため強力です。
 赤相手にカウンターが間に合わないタイミングで置くことによって、「コスモバビロン」をけん制することができます。

⑥一日の長

 『拠点型緑中速』の隆盛に伴い、遅いコントロールが使うドローソースとしての位置づけがより強くなります。
 弱くなったかというと必ずしもそうではなく、「惹かれあう魂」や「戦略兵器」などコントロール用のカードが追加されたことによってコントロールも強化されています。

2.3 まとめ

 今までの伝統的な『緑単ウィニー』、前環境で躍進した『緑単中速』といった攻撃的なカラーという印象の強かった緑勢力でしたが、今環境は「魂の輝き」が収録されたことにより、コントロールデッキのサポートカラーとしての立ち位置も強くなりました。
 ドローソースとしての「一日の長」、使いやすい除去コマンド「気化爆弾」や、「魂の輝き」と相性の良いアタッカーとして「高機動型ギャン(ジョニー・ライデン機)」といったカードたちは今までよりも活躍の機会が増えました。
 『緑ウィニー』に関しても、細かいところで強化を受け、さらに多色化が進んだ環境に刺さる「制圧作戦」「強行偵察」といったランデスカードを擁するという点は他の色にはない強みでしょう。

3.黒勢力

 16弾環境では、環境的に向かい風でさらに強化パーツがほとんどなかったため、単色デッキが激減した黒勢力。
 それはこの17弾になって「魂の輝き」の登場、それによる破壊メタカードの採用によって黒単体としてはさらに厳しい立ち位置になりました。
 カード単体としては面白いカードはあるのですがアーキタイプになりうるカードはあまりなかったように思います。
 ただ、上記の黒がらみの強力なデュアルカードがあったこともあり、今弾は混色での補助的ポジションで黒のカードが採用されることは多かったです。

3.1 注目の新カード

 この項目では17弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①ギャプランTR-5[ファイバー]

  今弾から登場したTRシリーズの一機。攻撃ステップに自軍ユニットX枚を戦闘エリアにリロールで移し、さらに敵軍コマンドの対象にならなくなるテキストを持っています。
 6国力ロールインと重いですが、「魂の輝き」や「女帝退場」、「彼方からの来訪者」などを躱せるので採用されることがありました。
 同じ国力帯に「ジ・オ(U-129)」、「ゴトラタン(メガビームキャノン装備)」がおり、それらと競合してしまうのが最大のネック。

②ビルケナウ

 片適正ロールインユニットですが高機動、そして自軍ターン終了時に合計国力を支払ってユニットを釣り出すという強力な効果をもっています。
 リアニ効果は相手も対象にとれ、色を無視でき、「ビルケナウ」が破壊されても場に残るため盤面を一気に逆転することも可能です。
 自軍ユニットが戦闘エリアで廃棄された場合、巻き添えで「ビルケナウ」が取り除かれてしまうので戦闘での立ち回りには注意が必要です。
 単色でも全然使えるのですが、緑黒で「掘り出し物」とともに使われている印象が強いです。

③アルベオ・ピピニーデン

 「速攻」とこのカードの部隊が戦闘ダメージを与えた場合にカードを引ける能力を持ったキャラクターです。
 最低限の戦闘修正に速攻のおかげで、ある程度戦闘をこなせるスペックを持っているおり」複数回ドロー能力を誘発できることが期待できることから黒にとってはありがたいドローソースです。
 このカードが戦闘エリアにいるときに、自軍ユニットが破壊されると道連れになってこのカードも破壊されるデメリットもありますが、自身を前に出して戦えば実質デメリットなしというような運用ができるのでリスクのコントロールがしやすいです。
 指定国力1という縛りの軽さも17弾環境では黒は混色として活躍しているところとマッチしていてgood

④グリプス始動

 コインが乗っている敵軍カードを破壊できるコマンドです。
 条件付きではあるもののコインを乗せて使うカードは少なくなく、「キリマンジャロの嵐」「木星圏からの出発」「凌駕」などのオペレーションを3国という軽さで処理できるのは、なかなか便利です。
 エクステンションブースターの「ゲンガオゾ」でコインを乗せていける状況だったり、解体コインの乗ったGが並んでる状況であれば、かなりの破壊力があるでしょう。

「エクステンションブースター」
⑤ガンダムTR-1[ヘイズル改]サブ・アーム・ユニット

 配備フェイズにリロール状態の場合、デッキの上から1枚ハンガーに送るという疑似ドロー効果を内蔵しています。タイミングが自軍に限定されていないため、敵軍ターンにもリロール状態であれば使用できます。
 ターン終了時にデッキトップに戻ってしまいますが、黒はドロー基盤が弱いため貴重なドローソースでした。
 リロールしていないと効果を発揮しないため、「アルゴ・ガルスキー」と共に使いたいカードです。

3.2 評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

強くなったカード
①内部分裂

 全てのプレイヤーに基本G1種類以外の自軍G廃棄を要求するカード。
 単色相手だと効果の薄いカードでしたが、今弾より強力なデュアルカードの登場により混色デッキが増えたことで評価が上がったカード。自身が単色ならばほぼ無傷で相手だけに効く強力なランデスカードとなる。
 相手が「隠遁者」を置いていると無効化される点には注意。

②無差別攻撃

 「魂の輝き」対策として環境に破壊無効が増えたこと、「マスターガンダム」を対象に取れる6国のカードということで評価が上がりました。

③サイコガンダム(U-135)

 こちらも上記と同じような理由ですが、環境に増加した破壊無効カードをマイナス修正で対処するということが評価されて採用されることになりました。
 「無差別攻撃」との比較では防御値5以上のユニットが残るため自軍だけユニットを残せるというメリットと敵軍の大型ユニットが残ってしまう危険性の天秤になります。
 「脅威の装甲」入り『青スライ』、「ゲルググM(シーマ・ガラハウ機)」入り『緑単中速』などを見るのであればこちらを採用する方がメリットが大きそうです。

④フォウ・ムラサメ(CH-39)

 攻めるときに敵の「魂の輝き」や「彼方からの来訪者」を気にせずに前に出れるメリットがあるため、「高機動ギャン(ジョニー・ライデン機)」と組み合わさることで、敵味方ターン問わずに「魂の輝き」を避けられる優秀なセットグループとして活躍します。
 また、「THE ORIGIN」も合わせて使えば相手の「マスターガンダム」や「アカツキ(シラヌイ装備)」すら巻き込んでリセットを打ちつつ「フォウ」のセットグループだけ場に残すコンボが可能です。

⑤フォウ・ムラサメ(CH-65)

 戦に出たときにすべてのジャンクヤードとすべてのオペレーションをゲームから取り除けるキャラで、「突貫作業」など有力なオペレーションを多用し、さらにジャンクを参照する「マスターガンダム」のロックを外せることがこの環境でかなり強く評価が上がりました。
 「A.W.」を割れる数少ないテキストでもあり、『青茶第7次』相手に自分のタイミングで攻勢に出れるのはかなり有効でしょう。
 また、このカードも「高機動ギャン(ジョニー・ライデン機)」と相性が良く、手札に戻ることで場に出たときの効果を使いまわすことが可能になります。

⑥アルベオ・ピピニーデン(CH-Z40)

 敵軍配備フェイズに本来の持ち主が敵軍プレイヤーである自軍カードを廃棄することで戦闘フェイズをとばすことができます。
 17弾に登場機の「ビルケナウ」が登場したことで毎ターンロックするコンボが可能になり、評価が上がりました。
 敵軍ユニットやジャンクヤードに触るのが苦手な青デッキなど相手には効果抜群で完全にロックがかかることもあるでしょう。

⑦根絶

 ユニット版の「母よ大地に帰れ」。
 環境に増えた破壊不能を突き抜けて刺さる除去という点が環境にマッチして評価アップ。
 ジャンクおよび本国からも抜ける点が「突貫作業」のようなジャンク再利用カードを防ぐこともでき、特に「黒茶輝き」には効果的に刺さります。

⑧シロッコの眼

  デュアルカードなどデッキ内に採用されているカードパワーが上昇したことによりプレイされる前にハンデスで対処すること自体の価値が上がり『緑黒コントロール』や『黒茶輝き』などのデッキでかなり活躍しました。
 また、「シロッコの眼」のみならず「戒めの処断」をさらに四枚目のハンデスとして採用することもありました。

弱くなったカード
⑨御しえぬ野心

 毎ターン2枚ドローできる代わりに本国ダメージを受けるとハンデスされるデメリットを持つ15弾環境までの黒の有力ドローソースで、「モルゲンレーテ」によって手札をハンガーに移すことでデメリットを軽減するという使われ方をされていました。
 しかし、この環境からはリングハンデスのルール変更によりハンガーがハンデスの対象となり、「モルゲンレーテ」の評価が落ち、さらにその煽りを受けて相対的に評価を落としたカードとなりました。
 とはいえ、黒のドローソースが貧弱ゆえに使わざるをえないカードでもあります・・・

3.3 まとめ

 前環境の『恫喝MF』でサポート色としての採用が主だった黒勢力ですが、 今回の環境では強力なデュアルカードが登場した影響もあり、環境全体としても多色化が進み、黒もやはりサポート色としてのポジションに落ち着きました。
 しかし、主役は張れなくとも脇役としては非常に有用でハンデスやキャラ/オペ破壊などゲームをリードする役割としてよく見るカラーでもありました。

4.赤勢力

 16弾環境では『コントロール』から『赤単中速』への移行が見られた赤勢力でしたが、今回17弾環境では「ラフレシア」「サザビー」などのフィニッシャークラスのカードや、コントロール向けの性能を持った「カロッゾ・ロナ」の収録などにより再びコントロールデッキが勢いを取り戻しました。
 また、赤単のみならずその得意のドロー操作カードが多色デッキの基盤を整えるのに役立ち、赤を取り入れた多くの多色デッキが活躍しました。

4.1 注目の新カード

 この項目では17弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①ラフレシア

 アンタッチャブル能力とバグを廃棄することでコスト合計値8以下のセットカードがついていない敵軍カードを破壊できるという強力なテキストを持ったユニット。 「シャア・アズナブル(CH-70)」のような移動耐性がついている点は心強いですが、自前でバグを用意できないため、同弾収録の「カロッゾ・ロナ」等のバグ生成カードと一緒に使わないと、やや物足りない性能になっています。 また、アンタッチャブルにも隙があり、この環境を代表する除去である「魂の輝き」や、同じくこの環境で意識される「マスターガンダム」対策として採用されることの多い「無差別攻撃」を回避できない点も惜しい評価になりがちです。 『第8弾月下の戦塵』に収録され環境のティアデッキとして存在を示した「ラフレシア(U-C20)」と異なり、この環境を支配するには至りませんでしたが、全く活躍の場がなかったわけではなく、EB発売前の環境では『カウンターΞ』の追加戦力として複数のチャンピオンシップで入賞、さらにEB環境で登場した『カウンターパトゥーリア』でも入賞の実績があります。
 赤デッキのミラーでは自身にバウンスやコントロール奪取が効かない上に、相手の「コスモ・バビロン」「転向」「シャア・アズナブル」等を破壊できますし、『カンパト』で「パトゥーリア」が対処できない非NTキャラクターへの回答になるのが評価できる点です。

②カロッゾ・ロナ

 5国 2/2/2強襲という性能に自軍ターン終了時に両適正1/1/1のバグコインを生成するという強力な能力を持った高性能キャラクター。
 デザイナーズコンボの片割れ、同弾収録の「ラフレシア(U-C82)」との組みわせての運用はもちろん強力ですが、普通に『赤単中速』でも採用圏内、他のカウンターデッキのキャラクター枠として採用する候補としても十分なカードとなっており、実際、CS入賞の『カウンターΞ』では「シャア(CH-70)」よりも優先して採用され、ブロッカー生成で隙を埋めつつ、強襲により攻めに転じた際にも強い、強力な一枚です。
  当時の解説記事でも言及の通り、「Ξガンダム(U-130)」や「サザビー(U-154)」と一緒に採用する場合は「ラフレシア(U-C82)」ではなくそれらに乗りこんでサイコミュを撃つほうが強いという現実だけはちょっとしっくり来ないですが、気にしたら負けです。

③ 露払い

 2国で打てるコマンド/オペレーションカウンター。自軍ジャンクヤードにこのカードがあると合計国力が+2されるデメリットはあるものの、むしろそのデメリットの存在自体がこのコストパフォーマンスが破格であると言っていることの裏返しでもあります。
 このカードであれば「制圧作戦」など多くのマストカウンターに間に合う上、立ち位置が近い「嫉妬」と異なりゲーム終盤でも腐らないのが優秀。
 元のコストが低いため、後半引いたときに単に腐らないだけにとどまらず、「魂の輝き」「星の鼓動は愛」などのプリベント(5)くらいまでは十分乗り越えてカウンターできるというのが強みです。
 また、この頃からしばらく目玉となるユニット・キャラクターには高いプリベント値が雑に与えられることが多くなってきて、「逆襲のシャア」や「作戦の看破」でもどうせ打ち消せないことが増えているため、コマンド/オペのみの対象というところも気になりません。
 これは赤勢力自体に向かい風ではありますが、このカードはそんな時代における必要十分なカウンターといえます。
 構築では複数枚打ちづらいデメリットを無視するため、採用枚数を抑えるのが定石でした。

「エクステンションブースター」
④サザビー

 今弾のパッケージを飾るユニット。 GTGの「νガンダム(U-288)」から遅れること半年、ライバルと対になるデザインとして、12弾で一度忘れたリロールインと本来青のお家芸であるオペ割能力を引っ提げて登場しました。
 制限付きとは言え相手のオペレーションに触れるだけでなく、自身が軽量なオペレーションを多数展開する『コングロマリット』『カウンターグロムリン』デッキとは相性が良く、自軍のオペレーションを火力に換えられる打点の高さを活かしたフィニッシャーとして採用された実績があります。

⑤ガルスJ(マシュマー・セロ機)

 射撃役を一緒に連れて戦闘エリアに出れないというデメリットはあるものの1国3/0/3と赤には稀有なコストパフォーマンスを持った軽量ユニット。
 Tier上ではあまり見かけないが『アフリカロック』などの赤い速攻デッキであれば即採用というレベルの性能ではないでしょうか。

4.2 評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①女王の擁立

 G1枚を廃棄し、自軍本国から好きなGを配備エリアに出すことができるコマンド。
 アドバンテージは失うものの「コングロマリット」では「複合産業企業体」「隠遁者」「月面民間企業」を状況に応じて持ってくることができ、デッキの安定性に大きく貢献します。
 また、「制圧作戦」「強行偵察」に合わせて打てれば損失を防ぎながら本国から好きなGを持ってくる防御面としての使い方もできます。

②マリオン・ウェルチ

 EBで収録された「パトゥーリア(U-X91)」とコンボになるカードとして一躍大活躍。
 このシナジーを活かした『赤茶カウンターパトゥーリア』は根強い人気のあるデッキとなりました。

③禍々しき波動

 初出からサイドにある程度見られたカードですが、「マスターガンダム」や「ラフレシア」にも当たる点が評価され活躍の機会が広がりました。
 当時の実績では『赤単クロスボーン』のサイドに見られた程度ですが、赤単で上記のカードに後出しで対処したければ採用が検討されるカードではないかと思います。
 マスターガンダム等MFへの対処として他の選択肢にあがる5国力のコマンドとしては、一時しのぎにしかなりませんが、プリベントもついている分同系のキャラクター先出し合戦で信頼できる「憎悪の矛先」も有力な選択肢となります。

④宇宙を統べる者

 こちらも登場以来カウンターデッキで使われてはいましたが、プリベントの重い強力なカードが環境に爆増し、これでないとカウンターできない状況が多くなったため評価UP。5国は重いが信頼性が段違い。

弱くなったカード
⑤転向

 最終弾まで使われ続けたカードであり、デッキから抜けるというほどではありませんが、少々気を付けるべき点が増えたカードだと言えます。
 リングルールの改定によりキャラ付きのMFを奪うと3枚ハンデスという夢のような時代が終わっただけでなく、16弾の「アカツキ(オオワシ装備)」に加えて、「アカツキ(シラヌイ装備)」「マスターガンダム」「ラフレシア」とキャラクターが乗らずとも「転向」が効かないユニットが環境に増えています。
 「ラフレシア」以外は6国である「ジ・O(U-129)」なら奪えるため、コストの軽さが仇になった格好。特に前環境では茶のMF系に対しては「転向」さえあればイージーウィンだったのに対し、「マスターガンダム」という裏目が生まれたことで、よりプレイングが重要になっています。

⑥エスコート

 「加速する狂気」エラッタ以降、『カウンターΞ』の定番除去でしたが、リングルールの改定でハンガーもハンデス先に選べるようになってしまい、リングハンデスを回避しながら返しで本国へバウンス、という動きが安定してできなくなってしまいました。
 代わりに一時採用率の下がっていた「女帝退場」の枚数が増やされていたようです。(下記参考文献もぜひ併せてご覧ください。)

4.3 まとめ

 赤勢力は前環境に比べるとコントロールデッキがかなり復権し、15弾環境の覇者であった『カウンターΞ』も再びTeir上に戻ってくるなどの変化も見られました。
 『カウンターパトゥーリア』『コングロ』といったほかの色を取り込んだコントロールデッキも多く見られ、単色/多色ともに赤は「コントロールの軸」としての立ち位置を取り戻しました。

5.茶勢力

 この17弾~EBでは、茶には強力なロック能力を持った「マスターガンダム」やリセット能力を持った「パトゥーリア」といったデッキの顔にもなるような強力なカードたちが登場しました。
 しかし、ではこの茶デッキが環境を支配するほどになったかというと、単色ではそこまでの支配力は持つに至らず、他の色にサポートを受け、多色にすることで体裁を整えるといった形が多かったです。
 そのため、この環境の茶デッキの多くは多色デッキにつきものの『事故が起こらなければ強い』というところに落ち着きました。
 また、もう一つ注目すべき点としてはハンガーを利用するデッキにも補強カードが追加されたこと、および他デッキの中速域での強化がなされたため中速が増えたことにより、コンボデッキの予選突破率があがったことも挙げられます。

5.1 注目の新カード

 この項目では17弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①ジョンブルガンダム

 リングエリアにいるときに敵ユニット1体に2ダメージを与えることのできる火力テキストと、「カッシング」をリングエリア含めて部隊に組み込むことのできる能力を持ったユニットです。

 「カッシング」と組み合わせて使うことでリングエリアで2枚以上の手札/ハンガーを落としたりしてリングハンデスの威力を上げる使い方をする・・・のは使う枠の割にそこまで効果的ではないので「ジョルジュ・ド・サンド」と組み合わせて格闘力10点のユニットを完成させ、『恫喝MF』のユニットとして採用した方が強そうです。

②マスターガンダム

 17弾環境の茶の目玉ユニット。合計国力が6とほかのMFと比べ一回り重いですが、その分テキストは超強力。
 一つは敵軍プレイヤーがジャンクヤードにあるカードをプレイできなくなる効果を持ち、もう一つは4以下の合計国力を持つ敵軍カードの対象にならない、いわゆる「アンタッチャブル」テキストを持っています。
 前環境でMFカードへのクリティカルな回答となっていた「転向」の対象にならず、この環境の中心となった全体除去コマンド「魂の輝き」を躱せる4以下のアンタッチャブルというのは相手からすると非常に対処に困るところでしょう。
 また、プレイ制限の方のテキストも、普通に出すだけでも使用頻度の高いドローコマンドなど、使い捨てカードの多くを死に札にすることができる強力なロックカードとして使えます。
 より前のめりに相手をロックしていく「魂の輝き」採用型の『黒茶輝きマスター』は一時代を築いたといっても過言ではないでしょう。

③マスター・アジア

 強襲付きの3/0/3の6国キャラクターで、自動Bで手札にある時に両適正 4/0/4のユニット「東方不敗」として出せる異色のテキストを持っています。
 ユニットして場に出してよし、「マスターガンダム」をはじめとしたMFに乗せてもよし、万能カードとして非常に活躍しました。
 「カウンターされない標準以上の戦闘力を持った直接戦闘エリアに出られる奇襲ユニット」とユニットとしての性能も悪くなく、手札で腐りにくいキャラクターという点が評価されて当時としては珍しく、キャラクターなのに3枚採用されることが多い、採用率の高いカードとなりました。

④必死の警告

 G3枚をロールすることで自軍ジャンクヤードを敵軍効果の対象にとられなくすることができるオペレーションです。
 Gさえロールできれば両ターンで使用可能なのでジャンクヤードを利用するデッキにはありがたい効果でした。
 「星の鼓動は愛」でのループが生命線である『青茶第七次』のサイドボードで活躍していました。

「エクステンションブースター」
パトゥーリア

 手札にNTを持つキャラがいると早出しでき、さらにNTを持つキャラがセットされたときに、キャラクターの乗っていない全部のユニットを破壊できるユニットです。
 このカードと「マリオン・ウェルチ」の能力を組み合わせることで何回でもリセットボタンを押せるようになるコンボでよく知られるカードとなっており、『カウンターパトゥーリア』のキーカードとして名が知られています。

 コンボの印象が強く見逃されがちですが、相手のNTを強奪して「パトゥーリア」に乗せられるという点自体、非常に強力で効果的に働く場面は多いですし、範囲兵器3、サイコミュ3は思った以上に活躍を見せることが多いでしょう。
 この時代以降、茶のサイドボードとして採用されることも増えていたことで、NTのキャラクター性能があがり脅威度が増していたことがうかがえます。

⑦伸るか反るか

 自軍本国と自軍捨て山の上のカード1枚ずつを表にし、捨て山のカードのコストの合計値の方が高い場合、そのカード2枚を自軍ハンガーに移せるという驚異的なドロー能力を持ったカード。
 失敗したときは両方がゲームから取り除かれるが、アドバンテージとしては損失なしで、成功時には使えるカードが2枚増えるため、継続的に使えるドローソースとしてはかなり優秀なカードといえます。
 ハンガーにカードが溜められることを考えると『第7次宇宙戦争デッキ』などに向いているかもしれません。

5.2 評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①突貫作業

 強力ながら条件が使いにくかったジャンク回収テキストが、17弾で「マスター・アジア」が収録されたことでかなり使いやすくなり、評価が上がりました。
 ユニットとして使える「マスター・アジア」のおかげで①キャラ枚数自体の増加/②ユニットを経由せず場にキャスト可能ということからジャンクにキャラが存在するケースが大幅に増加しました。
 また、これによりパワーカードをピンポイントでジャンクから再利用できることを活かして『黒茶輝き』ミラーなどでは「ジ・O((U-129))」などをジャンクに捨てて「マスターガンダム」を安全に運用しつつ必要になった際に回収して相手のフィニッシャーを奪うなどのプレイングができるようになります。

・弱くなったカード
①ドモン・カッシュ

 リングエリアのアンタッチャブルが絶対的だった15弾環境では、サイズ差が重要だったため、目覚ましい活躍を見せていた「ドモン」でしたが、17弾環境では「魂の輝き」や「彼方からの来訪者」などリングに触れる除去コマンドが増えたため、殴り合い以外の要素も必要になり、評価が下がりました。 
 「マスターガンダム」の生存能力を上げるような使い方として使われることがあります。


5.3 まとめ

 「魂の輝き」という強力なリセットカードが台頭し、多くのデッキが使っていくようになりましたが、茶にとっては従来より「破滅の終幕」というリセットカードを擁していた点を考えるとあまりメリットがなく、むしろ対策されやすくなるデメリットの方が大きかったかもしれません。
 また、「マスターガンダム」など強力なカードは多かったですが、他の色もデュアルカードを筆頭にかなりの強力なカードが多く、環境のカードパワーの上昇から単色での戦いは厳しかったため、多色デッキ化を迫られた結果としてG事故のリスクが増えて安定した成績を残しにくい環境であったといえるでしょう。

6.白勢力

 ここまでの環境ではなかなか力不足だった印象の『白単重速』というデッキタイプが確立しつつある環境となったのが、この17弾環境でした。
 17弾環境以前にあった白の高国力帯ユニットと言えば、5国ユニットと戦闘力の変わらない「ガンダムエピオン」や「ウイングガンダム0」、実用的とは言えない「デスティニーガンダム」や「デストロイガンダム」、9国バニラのSPの「フリーダムガンダム」「ジャスティスガンダム」といったカードしかないような状態でした。
 しかし、16弾に収録された「ストライクフリーダム」に続いて「インフィニットジャスティス ガンダム」「フリーダムガンダム(ミーティア装備)」といった、他の色と比べても遜色ない「フィニッシャーと成り得る重ユニット」が収録されたことで、これらのユニットを展開しつつ場を維持するという戦術の選択肢が生まれました。
 この17弾環境ではまだ低国力帯に不安のある構築になり易かったのですが、そうした弱点も次環境以降に補われていくことで、本格的に白重というデッキタイプが確立していくことになります。

6.1 注目の新カード

 この項目では17弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①インフィニットジャスティスガンダム

 環境を変えたカードの1つ。
 この「インフィニットジャスティスガンダム」と後述の「フリーダムガンダム(ミーティア装備)」が無ければ白重というデッキタイプは確立できなかったと言っても過言ではないくらいのカードです。
 「PS装甲6」と、ターン中の-2/-2/-2修正と引き換えにリフターコインを出すことができる能力を持っています。
 このリフターコインは《[1・1]0》起動と-2の戦闘修正だけというあまりに軽い条件で出せる高機動4/4/4の破格の高性能コインで、ダメージソースや使い捨てブロッカーとして攻守に渡って活躍します。
 このリフターコインを使えば「インフィニットジャスティス」1枚で場を制圧することも珍しくなかったことから、多くの白使いが「カウンターやハンデスを警戒して複数枚をデッキ投入する」「ユニットを場に出した後は13弾シン・アスカ等のコマンド耐性キャラクターを用いて場を維持する」という構築を行いました。
 それでも「オペレーションは防げないため「転向」で奪われる」「Gを失うとテキスト宣言も出撃もできなくなるため「恫喝」や「破滅の終幕」といった全体バウンス系リセットに弱い」といった弱点がありましたが、次の環境で「レイ・ザ・バレル(CH-S104)」が収録されることで「インフィニットジャスティスガンダム」本体+テキスト宣言に必要なG1枚を守れる」ようになると、このカードが更に猛威を振るうようになります。

②ストライクノワール

 これも環境を変えたカードの1つ。手札1枚を廃棄することで、場所を問わない火力、もしくは交戦相手を破壊するという破格の制圧力を持ったユニットです。
 サイズ以外は他色のユニット性能に圧され始めていた4国PSを復権させたカードであり、「アークエンジェル(U-S105)」と合わせて使用する等といった運用で4ターン目から攻守に渡る活躍をみせました。
 このユニットが立っていると攻められず、攻めなくても防御時空出撃からの能力起動で配備エリアで焼かれるといったジレンマに陥った盤面も珍しくありません。
 その制圧力はこの弾の環境のみにとどまらず、後の環境でも通用するほどのものでした。

③STARGAZER

 キャラクター除去とオペレーション除去を兼ねた白版の「黒い覇道」とも言えるコマンド。
 同種の「死神に戻るデュオ」と違って自軍カードも対象に取れるようになった反面、敵軍カードを除去すると敵軍プレイヤーがドローします。
 また、ドローテキストが付いたことで、指定国力0のカードは除去できなくなるなど少なくないデメリットがありましたが、それでも実用的なキャラクター&オペレーション除去カードとして広く使われました。

「エクステンションブースター」
④トールギスII

 交戦中でない場合セットグループが破壊されなずダメージを受けないという非常に強力な破壊耐性を持つユニット。
 自軍効果以外では破壊されないため、『コントロールを失った状態』になったときでも破壊耐性を持ちます。
 「アカツキ(シラヌイ装備)」と異なり除去カードの合計国力に制限が無いことに加え、セットグループ全体を守れるため、次環境で収録される「レイ・ザ・バレル (CH-S104)」のセット先として好まれました。
 白5国帯としては戦闘力が低いのですが、MFを得てリングに出撃する能力がそのデメリットを補っており、宇宙・地球・リングの三面攻撃ができるようになることから、あまり問題視されませんでした。

⑤スターゲイザーガンダム

 同じエリア1つにいるユニットを全て除外するという破格の除去能力を持ったユニット。
 しかも、敵味方問わずコマンドがプレイされて解決される毎にリロールすることから、ロール状態でも安心して攻撃できないうえに戦闘エリアでロールしてもテキストを封じられる保証がなく、これ1枚で移動耐性のないユニットが攻撃に出られなくなるカードです。
 このカードも白5国帯としては戦闘力が低いのですが、そのテキストの特性上まったく問題視されることがありませんでした。
 また、忘れられがちですが宙間戦闘(1)のお陰で、各環境の一線級ユニット達に撃墜されることもなく、意外と高い生還率を誇ったユニットでもあります。
 本環境では、5国の除去ユニットという微妙な立ち位置に留まりますが、次の環境で「ヴォワチュール・リュミエール (C-S87)」が収録されることで、このユニットは真価を発揮することになります。

⑥フリーダムガンダム(ミーティア装備)

 EBのカードで最も白を変えたカード。
 規格外のサイズと範囲兵器(3)と防御ステップに《0毎》で手札またはジャンクにある白基本Gもしくは白の指定国力を持つカードを取り除くことで敵ユニットに1点のダメージを与える強力な焼きテキストを持っている重ユニット。
 これ以前の白は非交戦状態の相手にできることが非常に限られていたのですが、このカードは普通にデッキに入るユニットでありながら非交戦ユニットを焼くことができたり、防御ステップ中にブロッカーを除去できたりと、運用方法が幅広いカードでした。
 また、手札だけではなく、回収見込みのない使用済みカードをコストにできるといった使い勝手の良さも魅力の1つです。
 さらに、そもそも6国でもリロールインしてよいサイズ・性能ではないのに、白中や白重での採用率がほぼ100%だった「フリーダム(ハイマットモード)」から5国で換装して出すこともできるという点も、白使いにとって夢のようなカードでした。

⑦ジャスティスガンダム(ミーティア装備)

 こちらも規格外のサイズに手軽なロール効果と範囲兵器を備えた重ユニット。
 前述の「フリーダムガンダム(ミーティア装備)」と同様に場所を問わないため、このロール効果は非常に強力です。
 また、破壊と異なりロール効果は場を直接有利にすることはありませんが、基本的に防御力より指定国力が低いので除外するカード枚数が少なく済むこと、破壊耐性よりロール耐性の方が希少であること等から、ミーティア装備同士の性能は一概にどちらが優れているとは言い難い性能になっています。
 ・・・が、当時は実用的な「名称:ジャスティス」が17弾の「インフィニットジャスティスガンダム」くらいしかおらず、同カードは場に残し続けたいカードだったこともあり、「ジャスティス(ミーティア装備)」の使用率は「フリーダム(ミーティア装備)」に大きく劣りました。

⑧マルチロックオンシステム

 エリアを問わず全ての敵軍ユニットを焼き払うコマンド。
 とはいえ、支払う資源コストが尋常ではなく、焼きが効かなかったりカウンターされた際には目も当てられません。
 「スターゲイザーガンダム」、「フリーダムガンダム(ミーティア装備)」と優秀な除去カードが立て続けに収録されたことに加えて、そもそも白は交戦して負けることが少ないうえに、交戦で勝てないユニットを除去するために必要なコストは「フリーダムガンダム(ハイマットモード)」がいても容易には支払えない値だっため、本環境ではあまり使用されませんでした。
 ですが、後の環境で「ガンキャノン(108号機) 」が収録されると評価が一変します。
 同カードが破壊およびコマンド以外の焼き耐性を持たせた「ガンダム(U-347)」、「ガンキャノン(109号機)」から成る通称「ダム隊」は、ほとんどの白ユニットを一方的に撃墜していくだけのパワーがあり、これに対する数少ない対処カードとして「マルチロックオンシステム」が採用されることになります。

6.2 評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

①シン・アスカ(CH-S50)

 「魂の輝き」という強力なリセットカードが登場したため、それを回避できる実用的なコマンド耐性持ちとして評価があがりました。

6.3 まとめ

 他の勢力の多くは強力なデュアルカードを得て、それをいかに使うかという視点で多色化してく傾向にあった17弾環境ですが、白に関しては単色向きの強力なカードを得ることで、他とは対照的に単色志向のデッキが活躍する環境となりました。
 特に高国力帯を主役としたアーキタイプ『白単重速』の登場は今後の白単デッキを語る上でも大きな転換点となった時期といえるでしょう。


7.多色

 この環境から登場した二色以上の指定国力を持つデュアルカード。縛りが厳しい分、効果も強力で最終環境まで使われたカードも出るほど大きく環境を変化させました。

7.1 注目の新カード

 この項目では17弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①私の戦争

 自分の手札の枚数だけ自分の本国を回復し、敵の手札の分だけ敵軍本国にダメージを与えます。
 「一日の長」、「戦線の拡大」、「死の商人」と合わせて大量にカードを引き、手札がたまったら2枚、3枚と合わせてプレイすることで大量の回復と本国バーンを行うノンユニットデッキが生まれました。
 また、「私の戦争」をカットに積んで連打し、最後に「恫喝」を打つことで手札を大量に水増しし、大ダメージを叩き込むこともできます。
 特殊な条件で本国に大ダメージが入るためオリジナルデッキの開発が面白いカードかもしれません。

③彼方からの来訪者

 リングも対象に取れるバウンスカードです。移動先がデッキトップなので実質除去で、このカードがあることで「マスターガンダム」以外のMFは青赤が見えた時点で容易な出撃ができなくなりました。
 攻撃にも防御にも使えるので幅広い運用が可能となる良カードです。

④魂の輝き

 リセットカードの最高峰、欲しい能力をなんでも持ってるすごいカードです。
 今後のリセットはこのカードが基準値で、このカードを採用するために色を足すなんてこともありました。
 説明不要の強さですが、敵軍攻撃ステップにも使える恩恵は大きく、自分は殴った後に使う、相手のプレイしたばかりのカードは巻き込んで再展開は自分からといった破格の効果です。
 さらに、リングエリアも対象に取れるので、出撃を見てからプレイ可能で殴られないなら打たないなど臨機応変な対応も可能です。

⑤完封

 「宇宙を統べる者」に次ぐプリベント無視カウンターです。
 赤黒であればコントロール側でもコンボ側でも広く採用されるカードですが、色指定がややきつく、性質上「月面民間企業」からの国力で支払いづらいことから、『コングロマリット』デッキでは色を絞らないと使いにくくなっています。

⑥繋ぎ止める楔

 全てのカードの移動とロールをシャットアウトするオペレーションです。
 このカードが場にあると「カミーユ・ビダン(CH-147)、「ジ・オ(U-129)」、「恫喝」、「転向」、「破滅の終幕」、「部品ドロボウ」、「凌駕」などが無駄牌となります。
 また、「各機の連携」を合わせると回復妨害の信頼性がかなり強固なものにできます。

⑦同胞の援助

 毎ターンのドローが4枚の中から1枚を選ぶに変更できる便利なオペレーションです。
 「内部調査」とは異なり、カードを下へ送ることはできないので後で使う回復を下に仕込むといった使い方はできません。
 赤緑のデッキでは「内部調査」や「一日の長」とあわせて1枚採用されることが多いカードです。
 『コングロ』等の多色デッキではこのカードさえ置ければ、G事故回避としても解決策を探すカードとしても大活躍します。標準装備の「女王の擁立」でシャッフルして本国の上をリフレッシュできるのも相性が良いです。
 起動は自軍ターンのみなので、置いたターンに使用しダメージで流れるカードを操作するのを忘れないようにしましょう。
 最後に、この時点で収録されたデュアルカードはリアクション系カードか、または相手のデッキによって強さが依存するカードが多い中で、序盤から能動的にプレイでき裏目もないデュアルカードという点でも貴重です。

「エクステンションブースター」

⑧戦略兵器

 配備も狙える割り振り可能8点火力コマンド。
 おおむね2対1交換ができるほか、キャラの乗っているのフィニッシャーも焼くことができ、常時タイミングのためキャラセットにカットインして妨害することもできます。
 なお、この効果はプレイ時に対象とダメージの振り分け先を指定するので特殊シールドでの減殺が可能です。

⑨惹かれあう魂

 数あるデュアルの中でも派手さNo.1といってもいいカード。コストさえ間に合えば大逆転ができるいわゆる「ベホマ」。
 デメリットなしの全回復。タイミング(常時)が非常に強力で、敵軍ダメ判に最終的な打点を見てからプレイするか判断でき、「コスモ・バビロン」等の弱点であった急に打点が上がって負けるというパターンを克服しています。
 ただ、全回復とは言え6国力と重く、さらに同じくデュアルカードの代表格「魂の輝き」と真逆の指定国力であり、『コングロ』等の多色デッキでは構築の方向性を大いに悩ませるカードでもあります。

⑩掘り出し物

 強力になった「総力戦」です。
 すべてのジャンクヤードからユニットを拾ってくるため、うまく下準備できれば一撃でゲームを決める性能があります。
 色の組み合わせから、「魂の輝き」を採用できることもあり専用デッキ以外での採用も視野に入ります。
 採用する場合は、「タシロの賭」けなどジャンクにユニットを落とす方法を用意しましょう。

⑪粛清の時

 コマンドが打てないことを除いて、完全に1ターンもらうことができます。
 割と制約のない追加ターン、なのですが、既に環境で使われている「戦いの駆け引き」との差別化が十分にできず、あまり活躍できなかった印象です。
 『カウンターグロムリン』のような、盤面のGを維持しつつ2パンほど殴りたいデッキでは検討されるでしょう。

⑫敵勢力との結託

 派手だけどこんな重くて盤面にも干渉しないカード使えるか?と、特にほかのカードゲームをやっている方は思ってしまうかもしれません。確かにそれも一理ありますが、ガンダムウォーでは確定で+2以上のアドバンテージを得られるカードは実はあまりありません。
 そしてこのカードは一気にアドバンテージ+3です。赤黒系お得意の動きで中盤まで相手に主導権を渡さずに進め、このカードまで繋げれば相手を大きく引き離す事ができます。

8.紫

 紫国力といえば万能サイドカード要員など、サポートとしての役割のカードが多いと思いますが、この弾で出た「複合産業企業体」は新しいデッキタイプを生み出すまでの軸となるカードになるほどの影響をもたらすカードとなりました。

8.1 注目の新カード

 この項目では16弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第17弾不敗の流派」
①複合産業企業体

 読み方は「コングロマリット」
 自軍デュアルカードが解決された場合に両適正 2/1/2の守備隊コインを生み出すことのできるGeneratinカード。
 この弾から収録されたデュアルカードはいずれも強力で、それらをふんだんに盛り込んだデュアルカードデッキ、その名の通り『コングロマリット(コングロ)』が生まれました。
 生成されるコインはあくまでブロッカー、削り役の立ち位置が多く、フィニッシャーには「サザビー」などが担うことになっています。

8.2 評価の変わったカード

この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

評価の上がったカード
①月面民間企業

  デュアルカードの登場で環境の多色化が進み、それに伴い色基盤を担う万能多色Gとして評価UP。
 コントロールデッキに入ることが多いですが、国力発生がフェイズ終了時までなので起動するタイミングに注意が必要です。


②プラント追悼慰霊団

指定国力に余裕のある単色の中速などで「マスターガンダム」のロックを外す目的で採用されるようになりました。 特に『カウンターΞ』はジャンクヤードのカードに触れることが難しく、「マスターガンダム」の着地以降にコマンドをプレイできない場面が多発したため、序盤から積極的にジャンクヤードを減らしていけるこのカードは赤にとって貴重なものになります。 また、両軍のジャンクヤードを対象に取れるため、「エースの奮闘」や「星の鼓動は愛」、「ビルケナウ」へ干渉できるという点も覚えておきましょう。

③隠遁者

 16弾環境で「恫喝」対策として有用なことから利用されることになりましたが、17弾環境では多色環境になったことで
①自動Aの能力が満たせるデッキが増えたこと
②敵軍のG基盤が多色化し、自軍の欲しい色国力が発生できるケースが増えたこと
③自軍も多色化されたことによって欲しい/使える色が増えたこと
 など多色Gとして利用できやすくなったことで評価が上がりました。
 また、多色化によってG破壊コマンドがより刺さるようになったのですがそこを守れる点でも重要度が増しました。

評価の下がったカード
④モルゲンレーテ

 リングハンデスのルール変更によりハンガーを対象にとれるようになってしまい、ハンガーの防御性能が落ちたことで評価が下がりました。
 今までは『カウンターΞ』などで「エスコート」と組み合わせて使われましたが、強みを失い「中立地区防衛部隊」や「プラント追悼慰霊団」などに居場所を奪われました。

8.3 まとめ

 今回はデュアルカードの登場、そして「複合産業企業体」の登場によって多色を発生できるGの評価が見直しなったことが大きいトピックですね。
 また、並んで「マスターガンダム」や「掘り出し物」によってジャンク対策カードも評価が上がったことも忘れてはならないポイントでしょう。

終わりに

 今回も記事を書くにあたりたくさんの人から意見を聞き、記事にさせていただきました!
 前回もそうですが、自分で探すことと実際にやってきた人から聞く話とは大きな印象の違いがあって非常に勉強になりました!
 今回の記事も読んだ人のモチベーションが上がってガンダムウォーをやりたくなる人が増えたらいいなと思います!

ガンダムウォーやりたいけどカードがない、という方向けの記事や

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 Discordのビデオ通話使ったイベントとなります。
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謝辞
 この記事を作るのにいろんなカードを教えてくれた
 しでさん、Rastalさん、タツネさん、グルールさん、ヤマダさん、はーさん、白使人さん
 ありがとうございました!!大変楽しく記事がかけました!!

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