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社内Wikiに、しくじりやTipsとともに「組織にコミットする意思や覚悟」を載せているつもりなはなし

はじめに

緊急事態宣言 アドベントカレンダー 31日目のエントリです。

いつかの自分と誰かのために、こまめに社内Wiki的なページに「しくじったポイント」「ミクロのドメイン知識Tips」「何をどう考えてテストをしたか」を残すようにしてみているよ〜という話です。

社内Wikiって今こんなにあるんですね!
規模や使用イメージに合わせて、今からの導入でも無料プランから始めてみることもできそうです。

ミクロのドメイン知識的な話は「ここを見れば全部わかるんや!!!」という状態になっていればみんなハッピー、と思いつつも、実現のためには情報構造の整理も必要そうで、それはひとりではなくみんなでやっていく必要があります。
みんなでの活動もやりつつひとりでの活動もやっていて、今回はそのひとりでの活動の話です。

ミクロとマクロのドメイン知識、そして公開範囲とあれこれ

いきなり「ミクロのドメイン知識」ということばが出てきたので、それについてちょっと書きます。
この章は最後の部分だけ読んでいただければ割と大丈夫かもです。

「ドメイン知識」というのは『一番やさしいアジャイル開発の教本』のp79によると、「ある専門分野に特化した知識」というもので、さらにそのドメイン知識というものには「ドメイン知識(業務知識)を身につけるのに一番有効なやり方」という記事によるとミクロとマクロの2つの視点があります。

「ドメイン知識(業務知識)を身につけるのに一番有効なやり方」という記事によると、「マクロのドメイン知識」は「特定の業界や業種全体で有効な知見で、ビジネスモデルの構造や市場シェア等に関する大枠の話」で、ミクロのドメイン知識は「その特定の業種で商売をされている会社組織の業務知識」。

マクロのドメイン知識については本を読んだりだとかインターネットで情報を得たりすることができるかと思いますし、得た知識を自分でまとめて外部にアウトプットすることも可能です。アウトプットする媒体については外部公開が可能な媒体、例えばQiita、note、Wantedlyなどにすることができそうですし、そのアウトプットが社外の誰かの目に留まればそこから何かが生まれることもあるかもしれないですし、同じことを勉強している見知らぬ誰かの役に立つかもしれないですし、個人の媒体にアウトプットをすれば自身のブランディングにもつながる。かもしれません。

一方で、「その企業が市場競争に勝つためのノウハウ・知見」であったり、そのノウハウや知見を自社プロダクトで実現するための「ミクロのドメイン知識」については本やGoogle検索では得ることができないものであり、社内wiki的な媒体にまとめられたりまとめられてなかったりします。
まとめられてないことについてはプロダクトやプロジェクトでいろいろあれこれ試行錯誤して自分なりの答えを探したりだとか知っていそうな誰かを求めて社内をオンラインまたはオフラインで動き回ったりする必要があります。
まとめるのはちょっと面倒ですが、まとめないと属人化してしまう知識や経験もあります。
読むのはあくまでも社内のメンバーであり、いつの日にどんな理由でその日がおとずれるかは分からないが人生いつかはおとずれる「退職」のタイミングではそのまとめたものを持ち出すことはできません。

特徴をまとめておきます。

マクロのドメイン知識:「特定の業界や業種全体で有効な知見」。書籍やGoogle検索で得られる。得たものをもとに個人ブログになんか書いたりできる。そうすれば同じことを勉強している見知らぬ誰かの役に立つかもしれないし、個人のブランディングにもなるかもしれない。ドメインにもよるが、書籍的には『ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第5版』なんかが良いかもしれない。

ミクロのドメイン知識:「その企業が市場競争に勝つためのノウハウ・知見」。書籍やGoogle検索で得られない。得たものは社外への発信はできない。社内Wikiにまとめることはできる。まとめておくと社内のメンバーの役に立つかもしれない。

なにを社内Wikiに書いているか

「しくじったポイント」「ミクロのドメイン知識Tips」「何をどう考えてテストをしたか」などです。
実際の例ではないのですが、例えば以下のようなことを書いてます。

・「Excelファイルをインポートすることで医療費控除の申告内容を登録できる」というような機能が自社のプロダクトにはあって、それを使うためにはインポート用のフォーマットが必要だろうけど見つからなかったからSlackで知ってそうな人に聞いて見つけた。これがそのフォーマット。そしてインポート時にはこの列はこういう風にしないとエラーになってしまう。なぜエラーになっているか分からず、原因の特定に2時間かけてしまったが、他の方法での医療費控除の登録方法をみたら解決方法に気づいた。
・この機能はこれをこうするために使っていて、アカウントの発行はこの人にやってもらった

上記は実際の例ではありませんが、だいたいこのようなことを社内Wikiの個人ページに箇条書きで書いています。
そのうち項目ごとにグループ化したりだとか個人ページではない場所に情報を移植したりだとかをしようと思っています。

なぜ社内Wikiに書いているか

「いつかの自分と社内の誰かのため」です。

私は割とすぐにいろんなことを忘れてしまうので、同じしくじりを何度もやらないように自分の備忘録として使っています。また、言語化や文書化の練習としても使っています。

「何をどう考えてテストをしたか」については、「未熟なうちの思考プロセス」をしっかり言語化しておこうと思ってまとめています。ある程度落ちついて「自転車が乗れる」ようになってくると、「自転車が乗れなかったあの頃」と同じ感覚で自転車に乗ることは出来なくなってきそうな気がします。
「乗れてない」状態をあえて残しておくことで、いつか未来にできるかもしれない後輩や部下になにかしらそれが役立つんじゃないかなと思っています。

私がつまずいた部分で社内の他の誰かがつまずかないとは限りません。ちょっとの雑談的な「そういえば知ってるかもなんだけどこれってこうなんだよ。私はこれに気付かずに時間溶かした」の口頭のコミュニケーションをオンラインで再現する試みとしても社内Wikiにちょこちょこ色々書いています。

意識して時間を作らないと日常に追われてしまって書けずじまいになってしまいがちな社内Wikiですが、意識して時間を作って都度こまめに色んな情報を残していくことで、大袈裟かもしれませんが「組織にコミットするんだという意思や覚悟の表示」にもなるんじゃないかなと思っています。社内のメンバーのみ読める媒体だからこそ、そこに書いていくことで「みんなの役に立ちたい」という気持ちは示せるのかもしれないと。

リモートワークになってから、「やる/やった仕事」についての情報は共有すれど、「その仕事の途中で起こったあれこれ」はなかなか共有が難しいと感じています。
「その仕事の途中で起こったあれこれ」を社内Wikiにまとめることで、いつかまた自分が同じような状況に出くわしたら、またはいつか社内の誰かが初めて同じような状況に出くわしたら、その情報がなにかしらの手がかりになると良いなと願っています。
その「いつか」のタイミングで、私たちはどんな生活を送っているのだろうということに思いを馳せつつ。

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