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中島京子さんほか

2024/1/27

女性とか社会とかマイノリティに向ける眼差しが良い。でも文体は固くなく、動物とか妖怪とかがいっぱい出てくる。さいこー。

『やさしい猫』
「長いのに一瞬で読める、恐ろしい本です」って紹介された。そのとおりやった。難民問題がテーマやけど、子どもの語り手が社会より手前に家族を見てるから、語り手の歩幅で物語が進む。

『かたづの!』
歴史物だけど語り口がいかめしくなく、茶目っ気がある。語り手が一本角のカモシカで、怪鳥ぺりかんとか、河童も出てくる。

『オリーブの実るころ』
これは結婚とか妊娠とか、わりと現代的。友達、けっこうみんな絶対すきと思うから、薦めたい。書影かわいい。

『やさしい猫』で感じた、子どもの舌足らずな語りと社会に対する視線のフラットさが心地良い作品は、ほかに、井戸川射子さん「ここはとても速い川」と、瀬尾まいこさん『幸福な食卓』を挙げたい。『幸福な食卓』、とくに、優しさと哀しさと不安がないまぜになって、切り分けて説明できないかんじ、すごい。引き込まれた。

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