『偶然と想像』観た。
タイトル的にあまり自分が好む感じではないと思ったが良い意味で裏切られた。
どれも演劇に近い演技とシーンが多かった。移動は少ない。言葉の積み重ねで繋がる芝居、という意味。
第一話目
これ男女逆だったら、胸糞悪い映画として捉えられそうだなと思った。これは現在の観客の想像力の乏しさが悪い。
好き、気持ち悪い、好きだけど傷つけるのは嫌だ、傷つけたって構わない、好かれたい、(一方的に)愛されたい、あらゆる方向に芽が伸びかかっている。しかしそれは伸びかかっただけであって言葉にならない。それがよく演技として伝わってきた。
友達役の人、中身がなさそうな演技がめっちゃ魅力的。徹底できてるのがすごい。
femme fataleだと結論づけ難い作品だった。
第二話
作家役の人から、次から次へと思いも寄らない言葉が出てきて舌を巻いた。単に都合の良さから小説家が選ばれたのではなく、もっと深いところから決定しているようで感動した。言葉と言葉の関係性で次の展開が導かれるという考え方、確かに言われてみればそうなのかもしれないが、どこで作者はそれを学んだのだろう……。
メールアドレスを書き間違えて校閲部に入るのは、愛嬌。
最後のキスは恨みなのかなぁ。
第三話
何故か物語が始まった瞬間にレズビアンが絡む話だと分かった。村上春樹っぽかったのかなぁ。
展開、構図としては単調な日常への抗い。幸せかどうか分からなくなってしまった日々の中での精一杯の茶目っ気。
ジブリ、村上春樹的だった。
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