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祖父、1周忌

1周忌
去年6/11に、祖父が亡くなった。
お酒が好きな祖父だったが、89歳?かそれぐらいまで生きた。

とても頑固な祖父だったが男諸君に優しい祖父で、自分は何故か気に入られていた。
美容師の祖父だった。小さい頃はよく髪を切ってもらい、落ち着きのなかった自分はその途中に立ち上がったりして頭を激しくどつかれたのはいい思い出だ。そんなことで小さい頃は少し恐れたりしていた。

20歳の頃、色々あってどうしようのない自分を一番暖かく受け入れてくれたのが祖父だ。
特に口数が多い訳でもなく、ただ笑顔で2万円を両手に包んでくれたあの日の思い出は自分の生きる糧になっているのかもしれない。
こんなベタなことを言うのは何だが、その気持ち(2万)は自分にとってプライスレスだった。

祖父はブラックニッカをよく飲んでいた。
いつも家におじゃまするとあのブラックニッカのラベルの外国人が微笑んでいるのを脳裏に刻まれた。

1年前のお通夜では、コンビニで買ったブラックニッカ1本を飲み干したのを覚えている。
お陰でお葬式の日はひどい二日酔いだった。
あまり、お酒で身体が不調になるのは気に入らないタチなのである。
ただ、あの日の二日酔いには微塵の後悔もなかった。
弔うなんて言うのはこちらの気持ちを整理する為の物でもあるが、あの日に1歩進んだこともある。

間違いなくあの日、お通夜でベロベロになった自分の中で【単独ライブ】をやろうと言う心持ちになった。

何かを残そうと思った、30になる手前、20代のうちにと言うキリの良さで軽々しく決めた。
またそのことに対して自分と祖父との間で約束をした。

お酒が好きな祖父が家族に迷惑をかけてまで外に飲みに行ってたことに対し、今の自分も好きにやりたいことをやれと言われてる様な気がする。

1年経った6月に単独ライブを打つと言うとには、そういった意味合いもあった。

今、文字を打ち込むさながら、祖父の好きなブラックニッカをロックで流し込む。

嗚呼、献杯。


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