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Nothing's Carved In Stone ”Wonderer Tour” Day 2/Day 3

2021/3/24(Wed) 渋谷CLUB QUATTRO (Day 2)
2021/4/4(Sun) 横浜BAY HALL (Day 3)

まえおき

Nothing's Carved In Stone のツアー Day 2 と Day 3 に参加してきたので、感想を書いてみる。(6月の六本木公演の両日とも外れたから書いてる、というわけでもない…) 両日セットリストは当日の記憶と Twitter などからの情報をもとにしているが、誤りがある可能性は残っている。

2020の背景

背景の時系列としては 2020/2/27 に予定されていた SPECIAL ONE-MAN LIVE "BEGINNING 2020" が昨今の情勢により延期され、その後デジタルシングル "NEW HORIZON" "Dream in the Dark" をリリース。セルフカバーアルバム「Futures」と配信ライブ "Futures" の後、デジタルシングル "Bloom in the Rain" がリリースされた。先述の延期されていた有観客ライブは SPECIAL ONE-MAN LIVE “BEGINNING 2021” feat.『PARALLEL LIVES』として2021/2/27 に行われたが、そこで新デジタルシングル "Wonderer" と本ツアー "Wonderer Tour" が発表されている。

Day 2 セットリスト

相当に久しぶりの渋谷CLUB QUATTROでのライブ。椅子が入っておりスタンディングではないが、立ち上がることは許容されていた。会場左手前の柱は相変わらず。後方と両サイドは壇上になっており、前方以外でも見やすくなっている。この日は整理番号が後ろの方で、壇上のやや右、生形さんの正面当たりの位置取り。中央からずれているので大喜多さんの顔もよく見えて悪くない位置。

NEW HORIZON
Like a Shooting Star
In Future
The Poison Blossom
Bloom in the Rain
Rendaman
Brotherhood
Thermograffiti
Wonderer
Alive
村雨の中で
Mirror Ocean
Milestone
きらめきの花
Spirit Inspiration
Beginning
Out of Control
Dream in the Dark
シナプスの砂浜
白昼

Day 3 セットリスト

初の横浜BAY HALLでのライブ参加。みなとみらい線終点の元町・中華街駅からさらに海側に15分程度歩く。港の見える丘公園にほど近い。横浜に住んでいてもなかなかいくことがない場所であった。みなとみらい線開通前は石川町から歩いていたのだろうと考えると大変そうだ。キャパはCLUB QUATTROよりは多少大きい。椅子は入っておらず立ち位置指定のスタンディング。ここも後方は壇上になっており、全般的にステージと近いのでなかなかに良いホールと思う。今回は整理番号が良く、前方やや左で日向さんが良く見える位置取り。

Like a Shooting Star
Bloom in the Rain
In Future
Bog
NEW HORIZON
Rendaman
Brotherhood
Hand In Hand
Wonderer
Alive
村雨の中で
Mirror Ocean
Milestone
きらめきの花
Spirit Inspiration
Beginning
Out of Control
Dream in the Dark
BLUE SHADOW
Around the Clock

デジタルシングル曲

両日の共通曲としては、まず今回のツアーの主題であるデジタルシングル群 "NEW HORIZON" "Dream in the Dark" "Bloom in the Rain" "Wonderer"。これらはリリースされた音源では比較的「By Your Side」の流れを汲んだ自然体のアンサンブルで軽やかに演奏されている感があったのだが、ライブでは驚くほど変化を遂げている。リズムセクションの重低音とシンセや打ち込みも躊躇せずに使った音の厚さが前面に出ており、久々の現地ライブということもあってか、音圧を浴びて圧倒される感覚を味わえた。

定番曲

それに加えて、定番の人気曲 "Like a Shooting Star" "In Future" "Spirit Inspiration" "Out of Control" "きらめきの花" など、そして近年のテーマになっている感がある "Beginning" がとりあげられている。特に、これまで盛り上がるポイントで使われていた "Like a Shooting Star" "In Future" あたりを冒頭早いうちから演奏しており、意外性と近年の楽曲の充実ぶりがうかがえる。"Beginning" については、インストパートの生形さんのギター、日向さんのベース演奏の複雑さが異常なまでにすさまじく、当初のメロディ主導という印象に反して演奏陣のジャムセッションから生まれた曲なのかと想像してしまうほどであった。

そしてライブのクライマックスで定番となっている流れが MC の煽りからの "きらめきの花" "Spirit Inspiration" "Beginning" "Out of Control" であることがよくわかる。そのあとに演奏されている "Dream in the Dark" については、昨年の難しい情勢下になってから初めての新曲として作られ、メンバーにとっても重要な曲であることが語られている。村松さんはこのパートで感情が高ぶっている様子が感じられる。

個別曲

各日に個別に取り上げらている曲としては、先の “BEGINNING 2021” で再現した 1st からの "Thermograffiti" "Hand In Hand"、2nd からの "Around the Clock"、4th からの "白昼"、同時期のシングルのカップリングからの "BLUE SHADOW" などがある。これらの曲は過去あまり演奏されてこなかったと思われるが、昨年の様々な経緯を経て、今後の定番となっていく可能性を感じさせる名曲群である。4thアルバム "Silver Sun" については、最近のセルフカバーやライブでの演奏も増えており、カップリングのみの "BLUE SHADOW" の演奏機会も増えていることから重要性がうかがえる。

全般的に

バンドとしては "BEGINNING 2021” 以来の有観客ライブ、そして久しぶりのライブツアー。個人的には相当に久々の有観客ライブということで、やはり感慨深いものがある。まだ声は出せないが、拍手や腕を振っての盛り上がりの熱量はかなりのものだった。昨今の傾向として、4人だけで出している音ではあるのだが、エフェクターやシンセ、打ち込みも躊躇せずに使っており、音の厚さと演奏陣のアンサンブルと両方を併せ持った音世界を作り上げている。演奏陣では日向さんのベースがこのバンドを特異なものにしている。音作りもフレーズも技術的にも突出していて、指をずっと見ていても一体どうなっているのかわからない。指がワープしているのでは?と思わずにはいられない。生形さんのギターについても、多数のギターを持ち替えながら、あらゆるフレーズの緩急、抑揚が無二のもの。速さだけではなく何を弾いてもこの人の音であり、格好良いのである。そして大喜多さんのドラムがこの二人の弦楽器の化け物のバランスをとっているように感じる。安定感の塊のようでいて、随所に印象的なハイハット、シンバルワークの手数を入れ込んでいる。そして村松さんのヴォーカルワークや観客の煽りも堂に入っており、総合して唯一無二の世界がそこにある。生み出す楽曲とそれらがライブで完成していく姿はまさに現代のライブバンドであり、今後も追っていきたいという思いを新たにした。

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