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原子番号13番の冷徹なる塊


東海楽器が1983年に世の中に衝撃を与えたというタルボというギター。

ボディ全体が金属、アルミニウム、で作られており、またその形状も炎、チューリップとバカにされ続けながら、ここまで平沢進さん、有頂天のhackaiさん、BUCK-TICKの今井寿さん、GLAYのHISASHIさんなどの反骨的なギター奏者から好かれ続けるギター。

そのパンキッシュなデザインと、保守性の無さから決してメインストリームに上がることの無いギター。

幾人のギタービルダーから「ゴミ」と言われ続ける、そして今後もそういう評価を覆す事はないだろうタルボ。

嗚呼不憫。

そんな異端児が実家にある事をふと思い出し、今更手に取りたくなり総武線に揺られ実家から救出してきました。

何年も弾かれず完全にギターとしての誇りを奪われていた我が家のタルボ。
錆び付いた弦を外し、レモンオイルを指板に染み込ませ、ピカピカに磨き埃を落とし切りました。

なぞのピックアップ(後にGotohのビンテージホットと知る)ではなくド定番のセイモアダンカンを搭載し、ナット交換、フレット擦り合わせ、全体調整、電装系の交換をお世話になっているY's Guitarさんにお願いいたしました。
とんでもねぇギターなのにありがとうございます。

そうして我が家に帰ってきたパンクなギター。

音は意外にも使いやすい。
ただただどこまでも冷徹に突き抜けていくサウンド。
弾きにくさは意外にもありません。

返ってきたタルボ。
今まで完全なる保守派だった僕の手元にきてしまったギター界の異端児は果たしてどうサウンドしてくれるのか楽しみでございます。


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