見出し画像

THE MINKS アルバム『ROCK'N ROLL HOUSE』最高。

#theminks

2019年5月、THE MINKSが活動を再開した。
1989年5月21日にメジャーデビューしたこのバンドが、私は大好きだ。

彼らの歌はストレートで熱く、そして優しい。
1989年、新しい学校生活に馴染めずにいた10代半ばの私は、彼らの代表曲『パッシュ』の
「元気を出せよオマエらしく振るまって 喉まできてる言葉そのまま出して」
というストレートな歌詞に幾度となく励まされた。
バンドブームの中、私のクラスにTHE MINKSファンはいなかったが、そんなこと関係なかった。
ボーカルの岡田ヨシアキさんが書く歌詞が好きなのだ。私は夢を持つことができた。

熱くストレートな『パッシュ』とほんのり甘酸っぱい味の『はちみつレモン』は、私にとって1989年の象徴的アイテムだ。

「バブル景気」に浮かれ、お立ち台で踊るお姉さんたち。「24時間、戦えますか?」なんて無茶なCMが作られ、それに応えるかのように働く大人たち。私には、はしゃぎすぎでどこか不誠実に映った。「ほんとに良い時代なの?」と疑った。

やがてバブルは崩壊。「就職氷河期」到来。
私は生活のために働く大人になり、「リアルな現実」と「ひとりよがりな夢」との狭間を彷徨い始める。

THE MINKSは活動休止した。いろいろ事情があったと思う。
いつの間にか「ひとりよがりな夢」を消去し、生活のため"だけ"に働く大人になった私は、THE MINKSのCDを聴かなくなっていた。
彷徨いは続いた。

2019年5月THE MINKS活動再開。嬉しかった。
2020年12月『ROCK'N ROLL HOUSE』発売。
アルバムを聴いた瞬間、何かがよみがえってきた。

ずいぶん長い間  海原を彷徨ってた
激しいシケを超えて  ベタ凪に悩まされ
思い出すのは  場所のRock'n Roll House
帰ってみようか  もう一度あの場所へ
『ROCK'N ROLL HOUSE』

生きる誓いを背負い  稼ぐため掟を守り
機械みたいなRoutine work 輝く「石」を隠して
『ONLY MY WAY』

パンクロックに殴られ Rock'n Rollに揺られて
ああ  なんて不器用な Wonderful Life
パンクロックに殴られ Rock'n Rollに揺られて
ああ  なんて無敵な Wonderful Life
『WONDERFUL LIFE』

岡田ヨシアキさんの歌詞に思う。
THE MINKSのメンバーも、活動再開までの間、海原を彷徨ってたのかもしれない。輝く「石」を隠して機械みたいなRoutine workをしていた時もあったのかもしれない。
私が『パッシュ』の次に好きな『自業自得』のアンサーソングのような『WONDERFUL LIFE』の歌詞が活動再開の答えであり、メンバーの「いま」の気持ちではないかと。

『ROCK'N ROLL HOUSE』は最高のアルバムだ。
ヨシアキさんのボーカル、松橋さんのギター、薩摩さんのベース、吉田さんのドラム、変わらないどころかパワーアップしている。さらに言えば「バンドでプレイする楽しさ」を感じられたアルバムなのだ。

ラストの曲は令和バージョンの『パッシュ』。
涙が出てきた。また励まされた。「もう一度やってみよう」と思った。

ありがとう、THE MINKS。

いつか必ず、『ROCK'N ROLL HOUSE』に会いに行きます。拳を振り上げて、思い切り叫びに。

街は色づき 落書きも白く塗られ
変わってくけど 熱い気持ち塗り替えず
ひたむきに焦がれた 
あの時を終わらせた訳じゃない
Still now! 拳を振り上げて 思い切り叫んだ
『パッシュ』

最後まで読んでいただきありがとうございます。
GUITAR&NOISEの「GUITAR、俳句、散歩を担当している方」が書きました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?