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EP.3「太陽星座ってなに?」〜星詠みの物語〜

「さて・・・話を再開しようか。えーと、太陽星座についての解説、だったよね」

はい、お願いします。

「太陽星座とは要するに・・・顔、です!以上!しゅーーーりょーーーーー!!!!」

しゅーーーりょーーーーー・・・
しゅーーりょーー・・・
しゅーりょー・・・

ミナヅキさんの言葉が講堂中に木霊し、霧散する。

・・・はい?

「いやー、あんまり長々話すのもわかりにくいかと思ってさ、今回は一言で締めようかと思って」

い、いや・・・そんな雑・・・いきなり一言で締められても、よく意味が分からないんですが・・・

「あはは、そりゃそうだよねえ。冗談冗談~」

本当に、冗談だったのかな・・・

「気を取り直して、と。どこから話そうかなあ・・・とりあえず、太陽星座ってのいうのは、星占いでメインで使われる星座なんだ」

急にさっきまでの真面目な顔つきに戻った。

「太陽星座は、主に社会や世の中に対してどんな顔で対応してるのかを表している。学校とか、会社とか、外で使っている顔のこと。人生を切り開く力とも言われるよ」

人生を切り開く力・・・なんか、カッコイイ響き。

「その人がこれからどこに向かおうとしているのかを示すこともある。つまり、既に持っている性質ではなく、今獲得しようとしている性質、ということ。『〇〇座は、✕✕な人』って言われてもさ、ピンとこない人がいるよね。あれは、いま獲得途中か、もしくは取りこぼしてしまったか、もう獲得してしまって眼中になくなってしまったか、なんだよ」

その人の自分らしさみたいなものを示しているってことかな・・・

「そうそう。ちなみに、太陽星座がはっきりと力を及ぼすのは26歳から35歳の間だと言われてる。子どもでもなく、また大人扱いされて数年は経っている頃。ちょうど、社会や世間というのに直面して、これからどこでどう生きていくのか決めなきゃいけない段階で、太陽星座が強く影響し出す。その性質に近くなるような、まさに『導き』のようなことも起こり始めるんだ」

導き、か・・・

「さて、ここでもう一度、一応確認するけど、君の生年月日は?」

・・・分からない。
最初に会ったときにも聞かれたけど、やはり、分からない。

「やっぱりね。まだ思い出せないよね。まぁーまぁーまぁー、だぁいじょうぶ!」

ミナヅキさんはそう言いながら、ウインクをしてサムズアップを決めてみせた。

・・・もしかして、安心させようとしてくれている?
ミナヅキさんの謎テンションは、見ていると何だか心が軽くなるような気が・・・

「あ、それはたぶん気のせいだよ」

・・・なんでこの人はいちいち心を読めるんだろう・・・
しかもそれ、自分で言うんだ・・・

「さて、話を戻すと、ね。とにかく君は自分の生年月日を知らないわけだ。ということで・・・これから12星座を片っ端から説明しまーす!! ガンガン詰め込んでいくから、覚悟してね!」

なんだか、だんだん進め方が強引というか、雑になってきた気が・・・
でも、何故か、何故なのか、この話の先に何かが見つかりそうな気もしている。
なんだか、ドキドキ、しているのかもしれない。

「まずは、牡羊座から。燃え盛る生命というのにピッタリな星座だよ」

次回EP.4「牡羊座ってどんな人?」


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