EP.14「水瓶座ってどんな人?」〜星詠みの物語〜
「世の中には「両刀使い」という存在がいるよね」
ちょっと待って、いきなり何の話?
「まぁ、昔の日本には衆道というのもあったり、歌舞伎だって美少年が官能的にやってたら、お上から禁止食らったこともあるし・・・ともかく昔と今ではそういった性的な意識は違うものだよ」
なんとなくそういう感じの話だってことは読めてきた。
「そしてそれが、実はギリシャ神話にも適用される。オリンポスの支配神であり、天空の神でもある、ゼウスの事だ。ゼウスのことは知ってる?弱者の守護神、正義と慈悲の神、悪者を罰する神として描かれる神様」
名前とどんな神様ぐらいかは、何となくは知っている。
「ただし、その一方で、とんでもない「好色家」だ」
好色家・・・女好き、ではないってことは・・・
「ある時、ゼウス様、地上でめちゃめちゃ美しい美少年を見つけました。一目惚れしたゼウス様は、まず大鷲に化けます」
何だか嫌な予感が・・・
「そして、その美少年が水を汲みに行ったのを見て・・・ダイレクトアターック!タッチダウン!」
つまり・・・
「誘拐しました。哀れ、大鷲に連れられていく美少年」
かわいそうに・・・
「話はここで終わりません。興奮しているゼウスは大鷲に化けた状態で、そのまま飛びながら美少年を、」
ちょっとターーーーイム!
「そんなワケで、本日はゼウスに連れ去られた美少年がお星さまになった、水瓶座の話です」
何がそんなワケなんだ・・・
「そんな水瓶座の特徴といえば、奇人!変人!ぼっち!以上になります」
あーあー、また水瓶座の人達から刺されそうな事を・・・
「ところがどっこい、実は変人って呼ばれて喜ぶ水瓶座は多いの知ってた? ま、あんまりやりすぎるとヤバいけどね。さて、そんな水瓶座だけど、先の神話を元にすると話が進めやすい」
えっ、さっきの美少年誘拐事件が・・・?
「そう。つまり、普通の人間でありながら神の世界に行ってしまった存在だってこと。そんな星の下に生まれた者が「普通」の人だと思う?」
・・・普通の定義によると思います。
「お、言うようになったねえ。では言葉を変えようか。水瓶座は現実を見据えながら、その上で遠いどこかを目指してる星座だ」
・・・よく分かりませんっ!
「だろうね。でも言葉にするとそうなるんだ。まず水瓶座の特徴として、高い分析力がある」
あれ、たしか・・・乙女座も似たようなことを言ってなかったっけ?
「そうだね。でも、乙女座は現実世界を観察して役立てようという分析力だけど、水瓶座はそうじゃない。かといって、ただ小難しい理論をこねくり回しているワケでもない。彼ら彼女らは、ただ見ているだけだ」
ただ、見ている?
「うん。また別の特徴なんだけど、水瓶座は、自分で見て納得しない限り信じないってところがある。つまり、権威だの肩書きだのがあまり通用しないんだよ。だから水瓶座はじーっと相手のことを観察する。目の前の存在が、一体どんなモノなのかを見極めようとしているってワケ」
な、なんか、ちょっと怖い・・・
「だよねえ。水瓶座は人柄にせよ物事にせよ、核心を見通すから。じゃあ、核心を見抜いた水瓶座はどんな行動を起こすかというと・・・」
というと・・・?
「これが、特になにもない」
・・・え?
「むしろ、する必要がないんだよね」
ど、どういう・・・?
「これには以前の山羊座の説明を踏まえる必要がある。山羊座は責任や行動の星座。組織を作って、現実的な成功に結びつくことも多い。つまり功成り名遂げた状態だ。じゃあ、現実的な成功を収めた後、人はどうなるのか。そこが水瓶座のテーマ。物語ではめでたしめでたしで終わるであろう、その後」
成功を収めた、後・・・
「恐らく、ここまでの道のりに思いを馳せて、ふと思う。このような道を歩いてきた自分とは一体何者なのか? そうして、水瓶座は個性というものを見つめ直していくんだ。それは同時に、他の個性を認めていくことにもなる。水瓶座は、心のどこかで人と人は通じ合えると思っている節があるから、相手がどんな人でも、じっくり見つめることから始める。そして、人と人が分かり合う世界を思い描いている」
現実を見据えながら、どこか遠い世界を見ている・・・
「つまりそういうこと!」
水瓶座、変人に見られることが多いけど、肩書きなんかを取り払って、相手をそのまま認めようとしている人達。
「さぁて、そんな水瓶座は~?こじらせると、周囲に合わせなきゃいけないって強迫観念を人に押し付けがちです! その人が認められる個性というのが、極めて狭い状態です。こうなると個性どころか軍隊並みに足並みを揃えることを要求してきます! そうなったらもう怖いのなんの!」
・・・最後の魚座もこんな感じで落とすんだろうなぁ・・・
次回EP.15「魚座ってどんな人?」
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