EP.15「魚座ってどんな人?」
「お魚くわえたドラ猫~」
追っかけて~♪
「捕らえろぉぉ!!魚を引きずりだせぇ!!」
!?
「泥棒猫を、炎の彼方に葬り去ってやるううう!!」
猫に何か恨みでもあるのだろうか・・・
「いや特に。むしろ猫派ですが」
ええ・・・
「むしろ、動物愛護団体から睨まれそうだからそろそろやめておこう」
だったら最初からやめておけばいいのに・・・
「やらないと楽しくないでしょ? さて、十二星座の最後の魚座なんだけど」
よっ、待ってました。
「一言で言うと、魚座は不思議ちゃん。場合によっては、宇宙から何か電波受信してるような人もいる。水瓶座と同じくらいに第一印象がちょいと、アレだね」
えーと、つまり・・・?
「言ってしまえば、「自由」ってこと。いろんな事から、どんなしがらみからも解き放たれてる。前回の水瓶座は、既成概念や肩書きなどを取り払う、ややもすると破壊する星座だったけど、魚座は始めっからそういうのに囚われない、むしろ、何かの枠にはめ込むというのを嫌う星座なんだ」
とにかく、ものすごく自由人ってことか。
「ここで思い出して欲しい。今まで11の星座の話をしてきたけど、皆どう他人に接していくのかそれぞれの特色があったよね」
牡羊座は認められたかったり、乙女座は誰かの役に立ちたかったり。
「そそ、覚えててくれて嬉しいぞっ。でも、魚座はそうじゃないんだ。そもそも、他人をどうこうしようしようという気がないんだ。そして、自分も他人からどうこうされることはないと思っている」
ありのままを見つめているってこと・・・?
「そうとも言えるんだけど・・・実はもう少し踏み込んでいくと、自分は他人であり、他人は自分であるって思ってる節がある」
また何か哲学的なことを・・・
「まぁまぁ。んーと、そうだなぁ・・・まず、1つ確認したいんだけど、自分と他人は違う存在である。ここまではいい? 」
あ、はい。だから、これまでの11星座は、各自のやり方で他人と繋がろうとしてきたんですよね。
「うん。でも、さっきの話から少し分かるように、魚座は自分と他者の線引きが曖昧で、目の前の人の気持ちをそのまま汲み取ろうとするし、言葉などを使わなくても何となく察してしまう。つまり、心がそのまま世界に対して剥き出しになっているんだ」
心が世界に剥き出しって・・・つまり、
「そう。守るものがない。魚座の心はとても繊細であり、そして傷つきやすいとも言える。魚座には、人に頼まれると断りにくいって人も多い。これは、自分と他人を切り離して考えることが難しいからだ」
うわ、それは大変そう・・・
「それでもって、自分には理解できる言葉で話すことも多いから、他人からしたら何かよく分からんことを言っているという評価にもなりやすい。人は他人に説明する時、わかってもらうために言葉を選んで話すよね?ただ、それが魚座だと、自分のイメージをそのまま持ってきちゃって、誤解を受けて傷つくってのも1つのテンプレだ」
苦労が多そう・・・
「でも、そこが魚座の武器にもなり得るんだ。突然だけど「表現」の根本的な機能はなんだと思う?」
伝えること?
「確かにそうだね。表現は何かを伝えること。でも、それにはその一歩手前が為されていることが前提になる。即ち、目に見えないものを発見し、名前をつけるということだ」
えーっと・・・
「例えば、ボクが君を、今ここでとつぜん置き去りにしたとする」
えっ
「あくまで例えだよ。でも、もしそうされたら、君は何かしらの感情を抱くよね」
まぁ、そうですね・・・ここまできてなんで、とか、これからどうしようって、不安とか悲しみとか抱くと、思います・・・
「じゃあ、ここで「不安」や「悲しみ」という言葉がなかったらどうだろう。君は自分の感情に気づける?」
・・・無理だ。
「 だよね。言葉っていうのは、伝える以前に、目に見えない形のないものに輪郭を与えるってことなんだ。それを基に、魚座の話に戻ると、彼ら彼女らはそういった曖昧な世界に生きている。だから感覚的に察するとか、言葉を使わずに相手の心情を理解するってことが出来たり、いつも曖昧な事を言っている一方で誰も気づけなかったことを的確に示すこともある」
あ、不思議ちゃんだ。
「そういうこと。曖昧な世界に生きているから分かることもあるし、そういった魚座が人格向上を目指したらどこまでも行くだろう。魚座は無償の愛を捧げる存在でもあるから、それこそ聖人君子になってしまうかも」
形のない曖昧な世界に生きていて、どんな風にも自分を変えられる。それが、魚座。
「さて、これで12星座は全て話した。・・・一応聞くんだけど、自分のこと少しは思い出した?」
・・・それが、
「その様子だと、もう少しボクの話を聞いてもらう必要がありそうだね」
うう・・・ここまで長いこと話してくれているミナヅキさんになんだか申し訳ない。
「あーそれは気にしない気にしない。むしろ順調だしさ」
・・・もしかして、もう次に話すことは決まっているのだろうか?
「ん? そうだねえ・・・決まってるよ。ずっと昔から」
ずっと、昔・・・?
「さて、ここからは、これまでの話を現実で使うために、エレメントとアクトの話をしないとね」
え、エレメントと、アクト・・・?
「まずはエレメントから・・・っと、その前に小休止にしよう」
そう言いながら、ミナヅキさんはひとつ伸びをした。
次回EP.16「エレメントってなぁに?」
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