復縁は死ね

失って初めて大切さを知るとはよく言うが、得て初めて大切さを見失うこともあるのだろうか。

欲しくてたまらなかったものを手に入れた時、何だこんなものかとその価値を過小評価してまた新しいものに目がいく、なんてことは誰しもあることかもしれない。

復縁が決定した時、僕は相手の価値を見失ってしまった。

当の彼女が蛙化現象に悩む一方、僕自身がそれに当てはまるのかもしれない。

もとより別れたことで相手への想いを必死に打ち消した僕だから、それをまた元通りに好きになれと言われても、それはどこか違うような気がしてならない。

そしてまた、前回好きになろうと頑張って遂に好きになったところで向こうに振られたもんだから、そこでブレーキもかかる。

そう思えば、好きだと言われた子を好きになろうと努力していた自分は滑稽にしか思えないが、この子に関してはそう思わないのが正解だと言うのは何とも皮肉というか、難しいものである。

そもそも復縁というものが初めてで、一度終わったものに対して同じ気持ちを呼び戻すなんてものは僕にはできないというか、美学に反する。

思いは一瞬一瞬で変わり行き、その時々で流れゆく。

何が正解で、今後僕の気持ちがどう変わるかなんて分からないが、このもどかしい感じはどうすれば解決されるのか。

純粋な気持ちでは戦えない。
これは僕に不純になれという神からの試練なのかもしれない。

昨夜一気見した東京卍リベンジャーズでキスに対する初々しい概念を思い出させられた。

純粋と不純の狭間で、子どもとは、大人とは何なのか。
迷っている僕は子どもなのか、大人なのか、
自分が何者かすら分からない。

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