ありがとう、そしてさようならエヴァンゲリオン

シンエヴァ見ました。
終わりましたねエヴァンゲリオン。
何かの比喩とかではなくガチで。
庵野くんのメンタルすごい、ここまで大マジで終わらせにかかるとは。

とりあえず結論から言うと、最後は笑いました。笑い飛ばすとか呆れるとかではなく爽やかな笑いです。
例えるなら「大往生した年寄りの葬式」
別れをこんなに爽やかな気持ちで迎えさせてくれるとは本当に思ってもいないことでした。

今まで入れ込んだアニメ、ひいてはコンテンツの終わりに面する時は別れ、喪失…「もう会えない」という悲しみに明け暮れるものでした。アニメの最終回が見れない、ゲームをクリアしてエンディングが見れない、弱い子なのですよ僕は。
今回のエヴァも完結編ということで見にいく前は一抹の物寂しさもありましたが、こちとら世界の中心で〜、まごころを君に、とぶん投げを見せられてきたあげくQから10年近く待たされた年季の入ったオタクです。完結編と謳いながらも頓珍漢なオチになるだろうという思いは捨てられてはいませんでした。

まず始まってみるとスローテンポながらちゃんと続編してます。トウジが、ケンスケが、委員長が大人になって出てきます。そういうのは「視聴者の想像にお任せします」という便利な言葉で楽をするのがエヴァではなかったのですか!?これは本当に驚きました。
シンジくんも周りの人間の優しさでゆっくりと立ち直ります。急な覚醒イベントなんかありません。なんだこれ本当にエヴァか?Qは本当に何だったんだよ。この落差を見せつけるためのQだったのならごめんなさいQ。
綾波(黒)は感情の芽生えみたいな感じでキャラを浮き出させるは可愛さを生み出すはしていきながらも不穏なシーンを織り交ぜ結局パシャンしてしまいます。悲しいシーンのはずですが…しかし感情が追い付きません。
なんかこのエヴァすげーまともじゃね?これ本当にエヴァか?

話は進んで山場のブンダー突撃!新2号機とマリ号機(このエヴァ全く名前が分からん)!アスカは使徒!ゲンドウ人間やめてた!冬月先生もっと自分の幸せを探して!シンジくんの「僕がエヴァに乗ります」!ブンダークルーの葛藤!親子対決の予感!

どうしよう…なんだかすっごくまともに続編してるしオチはよく見えないけど完結しそう。思えば僕はQのあれこれとか愛を叫んだけものとか甘き死よきたれとかでエヴァを色眼鏡で見過ぎていたのでしょうか。考えてみればエヴァはなんかすごく深いっぽいSFながらも王道の熱い展開で人気の出た作品ではありませんか、こうやってまともに終わろうとするのはさもありなんといったところではないでしょうか。

そして迎えた最終決戦のフィールド…なんかゲンドウくんがここで願いが叶う的なこと言ってますね…はいきました!オチが見えました!
世界改編エンドです!
そして特撮パロみたいなバトルをしながら最後は対話へとなっていきます。ここまで見てきたファンでシンウルトラマンでやれだの最後はバトルじゃないのかよみたいな不満を持つ人はいないでしょう。そんな人はこの映画を見に来ません。
ここでの驚きは今までついぞ踏み込まれなかったゲンドウくんの内面描写です(今までにあったら勉強不足ですみません)。
親父の内面を知り対話、理解…なんかすげーまとも終わろうとしてる!うおおおエヴァが終わる!しかしこの驚きはさらなる驚愕へと連なるのでした…
正直もう順番は覚えてません。アスカが、レイが、カヲルくんが、潔い打ち切り漫画の如く終わらされていく…!(ついでにアス×ケンとかいう誰得なカップリングまで作りながら)
ここで気付きました。気付きたくなかったのかもしれません。

この作品はエヴァンゲリオン新劇場版の完結編ではなく、全てのエヴァの終わり…庵野はエヴァのお葬式をしてやがる!

そしてテレビ版とか旧劇とかを打ち壊す演出を入れながら、最後は訳わからなすぎて全く正体が気にならなかった謎の女マリと神木シンジくんが鹿児島人の僕に全く馴染みのない土地の実写…もといエヴァのない世界にゴールインで終了です。
ついでにレイ×カヲとかいうありそうでなかった組み合わせでカプ厨を根絶することも忘れていません。

…やりやがった!!!

ここまで引っ張ったコンテンツをこんな見事にぶち壊されていいのでしょうか。代紋take2のゲームオチと同じですよこんなん。

しかしエヴァは見事に僕の心のドアを開いてくれました。こんな陳腐な表現しか出来ないことが読んでくれている方に申し訳ないのですがそうとしか言えないのです。
喪失の風穴ではなく、閉じていた窓を開けて爽やかな風を送り込んでくれたのです。

今からパンフレットを読みます。
なんやかんや気になるところが出てきてもう一回くらい映画館に足を運ぶのだと思います。
でもエヴァはもう終わりました。
何らかの形で続編やリメイクが出来ることもあるかもしれません。その時は改めてコンテンツを楽しませてもらうでしょう。
でも今、今だからこそ声を大にして言いたいのです。

ありがとうエヴァンゲリオン

さようならエヴァンゲリオン

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