秋口の寒さと股間抑えジャンプ

〇2020年9月26日(土)の手帳メモから

12時20分。スープカレーのお店にてランチ。

今日のToDoは、お金をおろしてガス料金を支払い、明日の病院代を用意するだけ。落ち着いた日だ。

夕方19:30~は記録集目当ての紫水杯だ。楽しみ!!


外へ出て家の鍵を閉めていると、むき出しの手が少し肌寒くて秋だなぁと思った。秋口の寒さは手袋をするほど厳しくはないので、ランチスポットへの道中はパーカーの腹ポケットに両手をつっこんで歩いていた。

そんな格好で歩きながら、ふと思った。

人間の腕の長さは、もっというと人間の手の位置ってのは、大体パーカーのポケットの位置よりも下ぐらいなのだなと。背筋を伸ばしてパーカーに両手を入れると、腕がちょうど少し曲がるくらいの格好になるのだ。両手の重さで、だるんと下がったパーカーのポケットをみながら、もし腕がこれ以上長かったらパーカーが伸びて駄目にしてしまってたな、人の体とはなんだか丁度よくできてるものだなと感心した。

ともすると、今すこし曲げている腕をまっすぐ伸ばした場合を想像してみると、概ね、人間の手の位置というのは、ちょうど股間を守れる位置にある気がするのでは?とぼんやり思った。

例えば、サッカーでのゴール前フリーキックを思い返してみると、もしも、腕が股間の位置よりも短かったら、ゴール前で人の壁を作るときに、少しまえかがみに股間をおさえる男たちが一列に並ぶことになってしまい、おかしい。サッカー選手たちは背筋を伸ばした状態で股関を抑えていたはずだ。

ゴールキーパーの前に胸を張って壁を作れるのは、腕の長さがちょうど股間の位置辺りにあるからである。道中、そんな発見があった。

ということは、だ、「乳首の場所当てクイズ」ならぬ「股間の場所当てクイズ」をする時の必勝法は、相手に両の手の平を握りあわせて腕をまっすぐ伸ばしてもらい、そのまま下に振り下ろしてもらった位置が、だいたいの股間の位置ということになる。どこかで使えるといいな、この豆知識。うん。

  ◇  ◇  ◇  

しかし、さらによくよく考えてみると、ゴール前で壁を作るあの行為って、サッカーの戦術的に何の意味があるのだろうか?と思えてきた。

横一列に並び、股間をおさえる人々は、さながら記念撮影をする修学旅行生のようでもある。

ふむ、理由。

キーパー1人とキッカー1人の単なるフリーキックだと明らかにキーパー側が不利だから、ハンデとして人の壁を作ったのだろうか?

だとしたら、「股間を抑える男の壁」は、一種の思考停止状態ではないか?と思う。

具体的には、2つ、ツッコミどころがある。

1つ目は、壁の守備範囲の問題だ。

通常、股間を守った状態では、人間の動きは制限される。よく、ボールが蹴られるのと同時にジャンプする光景が思い浮かぶが、股間に手をあてた状態が、果たして最適なジャンプ力を発揮できる状態だろうか?せいぜい、少し跳ねるぐらいである。

本気で守る気があるのなら、高くジャンプできるよう姿勢は低く構えるべきだろう。もっというと、姿勢を低く保つことで、相手のストライカーに対して、壁がカバーできる守備範囲を認識させにくくさせる効果もあり、突然現れる男たちの壁を作ることもできるだろう。

股関抑えジャンプには、「本気でゴールを守る気があるのか?」と思ってしまうのだ。

2つ目のツッコミどころは、ガードの甘さである。

股間をおおうその両手は、果たして己のイチモツを守り切れるのか?という話だ。

とりわけサッカーにおいては、他の球技と異なり、手の地位は低い。言うまでもないが、股間の方が両手よりも大事だ。両の手を犠牲にしてでも、己の股間には守る価値はある。

しかし、両の手の犠牲で己のイチモツを守り切ることができるのだろうか?だって考えてみてほしい。股関においた手を、その下のイチモツ目掛けて思いっきりぶっ叩かれるのを想像してほしい。絶対に痛い、断言する。

両の手で守るには、人の股間は手に余る。
サッカーなのだから、足を使えばよいと素朴に思うのだ。
少し膝を立てて、膝でボールを受ければよいのではないか。

股間抑えジャンプには、「本気で股間を守る気があるのか?」と思ってしまうのだ。


以上の二点をまとめると、要するに、

「お前ら、ゴールも股間も本気で守る気あんのか!?」

ということになる。

  ◇  ◇  ◇

しかし、なぜ、こんなことが起こるのだろうか?

小学生の頃にサッカー部に入っていた時期があり、思い返せば、フリーキックが始まると、記念撮影が始まったときのような妙なソワソワ感があった。

さぁ、みんな!あつまれ!フリーキックの時間だ!!

はい、股間は守った?準備はオッケー?

じゃあ、行くよ。蹴りますよ~。

せ~の、ジャンプ!!

(みんなで股間を押さえ、ぴょん!と跳ねる。)


正直に言おう。

みんな、単に自らの股間を触りたいだけなのだ。

他人のいる前で自らの股間を触れる機会はまずない。
フリーキックは、日常におとずれる非日常、ハレの儀式なのだ。

仲間と一緒に一列に並び、ちんぽじを気にしながらソワソワしてみんなで揃ってジャンプ!!
そう考えると、サッカーをやりたくなってきたぞ!!

スープカレーのスプーンを弄びながら、そんなことを思う秋口の頃なのであった。(終)

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