もしも侵略するときは、チキューチキューと鳴きましょう

宇宙恐竜ゼットン。
無敗を誇ったウルトラマンが唯一敗れた相手だ。

一兆℃の火の玉を跳ばすという地球の常識では考えが及ばない攻撃を繰り出すほか、なによりも対ウルトラマンまわりのスペックが半端ない。
ウルトラマンの八つ裂光輪はバリアで粉々に粉砕され、必殺技のスペシウム光線も当たったかと思ったら、すべて受け止められ、そっくりそのまま返されてしまう。返された光線によりカラータイマーを破壊され、ウルトラマンは敗れさった。

それもそのはず。

魅力的な惑星、地球。滅び行く我が星の諸問題を解決する移住先として、このうえなく最適で魅力的な環境だ。

バルタン、ザラブ、メフィラス、いずれも光の戦士に阻まれ散っていった。彼らと同じ失敗はしない。頭脳派のゼットン星人は、彼らの失敗を踏まえ、対ウルトラマンに特化した究極生物兵器を作りだしたのだ。

ゼットォォン・・・。プルルル、ルルルルル!!
宇宙恐竜ゼットンは鳴く。
ウルトラマンの亡骸の横で、くぐもった鳴き声を響かせる。

ウルトラマンは敗れ去った。地球の未来は科学特捜隊の手に委ねられたのである。

科学特捜隊が放った無重力弾を胸にうけ、ゼットンは、地球人に倒された。

ゾフィーは言った、地球の平和は人間の手でつかみ取ることに価値がある。ウルトラマン、いつまでも地球にいてはいけない。

はるかM78星雲からやってきた平和の使者が、とうとう光の国へと帰る日が来た。

ウルトラマンも、この地球が平和な光に満ちた星となることを祈っているに違いない。

ウルトラマン、ありがとう!ウルトラマン、さようなら!

  ◇  ◇  ◇  

ゼットン星人が他の星人と違ったのは、自分自身で巨大化して戦わなかったことだろう。対ウルトラマンの究極生物兵器ゼットンを連れてきて、ウルトラマンと戦わせた。

宇宙恐竜ゼットンは、ゼットン…と鳴く。

しかし、よくよく考えてみると、宇宙恐竜ゼットンは、ゼットン星に住むゼットン星人が連れて来た生物なのに、ゼットンと鳴くのは何か変である。

もし、ねこさんが、宇宙に跳び出して、
ねずみだけの星についたら、宇宙恐竜扱いされるだろう。
チキュウとは鳴かず、ニャーとなく。

そうすると、もし猫を連れてきた地球人は、ニャー星人といわれるのだろうか?

そういうことで、多分、ゼットン星人も本当はゼットン星人じゃない。地球人が勝手につけた名前だ。おそらく。
なにより、見た目が明らかにウルトラQのケムール人だし、ゼットン星人じゃない。

鳴き声を発する生き物は、そのまま鳴き声が名前になりやすい。

例えば、ポケモンもそうだ。
ピカチュウってピカチュウと鳴くし、ニャースもニャースって鳴くでニャース。

ゼットンも、ゼットォォン!!と低く凄むからゼットンなのだ。

ゼットン星人が連れて来たからゼットンなのではない。

  ◇  ◇  ◇  

「おちんちん!おちんちん!」と叫びをあげるイチモツ怪獣ガモーを他の星に送ろうものなら、我々はたちまち、おちんちん星人となるであろう。

ともすると、このお話の教訓は、もし、他の星に侵略しに行くときは、「チキュー!チキュー!」と鳴きましょうというお話となる。

具体的には、公共電波をジャックし宣戦布告するときに、語尾に「チキュー」とつけるのがよい。

「我々はチキュー人だチキュー!」
「これから君たちの星を侵略するチキュー!」
「無駄な抵抗は、やめたまえチキュー!」

最後に「チキュー!」と言いながらポーズを決めると、被侵略民たちの印象に残り、なおよい。

むかし、メダロットというゲームで、ロボロボ団なる悪の組織が登場したが、団員はみな語尾に「~ロボ」とつけていた。

ロボロボ団には、「ビーストマスター」や「ラストエンペラー」といった最終兵器があり、ともすれば、ビーストマスター団やラストエンペラー団などと言われかねない。だから、語尾にロボをつけて、ロボロボ団であることを強調する。
きっと、仲間内では、ロボロボいわずに普通にしゃべっていると思う。ロボとつけるのは外向けにお化粧した言い方である。

多分、違うと思うけど。

  ◇  ◇  ◇  

たまに、おかしな言動をする光景に出くわす。

『九州の人間だから、何市がどこの県とか分からん。』

『女性は産む機械。』

『LGBTには生産性がない。』

なんで、議員さんになるような方々がこのような発言をするのだろう?

そのあたりの方々であれば、そういった発言をすれば、色々と問題になるのはわかるはずであろう。

もしかしたら、立場上、そう言わざるを得ないのかもしれないロボ(終)

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