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【地下壕の讃美歌VR】clusterイベントにおけるギミック面の感想・ノウハウとか【ぐだぐだVRPG】

 皆さんこんにちは、brです。先日のclusterイベント『地下壕の讃美歌VR』で想定以上の反響をいただいております、本当にありがとうございます。

 今回は先日clusterにて行われた地下壕の讃美歌VRイベントのギミック面からの感想、反省、ノウハウなどを書いていこうと思います。clusterでイベントを開催しようと考えている方への情報共有とともに、未だ私自身が迷っているところに関してはコメントなどでアドバイスいただければ幸いです。

 正直、思いついたことを書きなぐっていくので自分のメモ書きみたいなところがあります。なお、今回の記事はCluster Creator Kitを使ったことがある方向けの記述が多くなっていますのでご了承ください。

イベントエントランスの重要性

 今回が初めてのイベント開催ということで、手探りながらもイベントエントランスを作りました。開場時間から開始時間まで30分の時間があるということで、エントランスでも時間をつぶせるようにサークル員紹介や地下壕の讃美歌のあらすじ、PLの説明画像などの読み物を配置しました。

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 また、cluster民の習性に詳しいFlorに「登れる壁があったらみんな登るから」と言われ、隠し要素がてら少し壁を斜めにしたところイベント開場15秒くらいで既に壁に登るクライマーがちらほら。

そして数分でこのありさま。

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※画像はFlorのTwitterより拝借

 こんなわけで開場前から皆さんにエントランスを存分に楽しんでいただけてこちらとしても作った甲斐がありました。何より壁のぼりをどのようにしても外に落ちないよう、慎重にColliderを貼って良かった。

 また、イベントエントランスは、途中参加者に対しても説明画像を見てもらった上でワープしてイベントに参加できる機会を与えられるので作るのが良いと思います。(途中参加者へのワープについては後述します)

イベント参加者が地下壕内に入る体験

 今回のイベントは、一般参加者も出演者と一緒に地下壕に入って探検していく形式をとりました。

 実は、イベントを開催する初期段階では参加者は地下壕の上から見下ろしてもらおうと考えていました。

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※かなり前の構想なのでUnityプレビュースクショしかなかった

 しかしサークル内での話し合いを重ね、参加者の方も一緒に地下壕を探検してもらい、VRで行うTRPGの感覚を皆さんにも体験してもらおうと考えました。

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 結果的には、外から客観的に見下ろすよりも実際にプレイヤーと同じ視点でTRPGの世界を味わっていただくことが出来たかと思います。
 公開テストプレイとはいえ、参加者でも出演者と同じ目線でワールドを冒険できる点はclusterイベントの強みかなと感じました。

パフォーマー限定のスイッチを作りたい

 普通のTRPGではPLの行動に合わせてKPが場面を描写しますが、VRの世界ではKPが描写するまでもなくPLがシナリオの世界を見渡し自由に動くことが出来ます。これはメリットであると同時にデメリットでもあります。
 シナリオ的には場面ごとにいったん止まってもらい、そこで何かしらアクションを起こした後進んでほしいわけですから、現実的には初めから全ての行動範囲を開放するのではなく、PLが移動できる範囲を段階的に広げていくのが一番合理的な方法です。

 私たちの『地下壕の讃美歌』では、シナリオ上動きがある地点ごとに透明のColliderを設置して先に進めないようにしました。
 初めは以下の画像のようにColliderを消すスイッチを近くにおいてKPにボタンを押してもらうつもりでした。

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 ただこの方法だと、clusterのイベントにおいては一般参加者の方がボタンを押してしまう可能性が大きいです。
(ボタンがあったら押したくなる、人の性ですね)

 そんならボタンをPerformer Onlyレイヤーにすればええやろーと思ったらInteract Itemはレイヤー固定なんですね。ということはスタッフだけが触れるボタンを実装することは難しそう、ということに気づいたのがイベント前日から当日になりかけている深夜でした。

 ここでボタンをPerformer Onlyの大きいColliderで囲むという原始的かつ無理やりな策に出ます。

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 このボタン、Unityプレビュー上では参加者権限では一切触れず、パフォーマー権限があればColliderの中に入って押すことが出来ます。

 これ、天才の発想!と思ったのですが、clusterにアップロードすると一般参加者でも押せてしまうみたいなんですね。謎のUnityプレビューとの挙動違い。そういうわけであえなくこの案も失敗。

 結局パフォーマー限定のスイッチを作るのは難しいと気づき、イベント数時間前に舞台裏に各Collierを消すボタンを集約する方向に修正しました。

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(YouTube以外では初公開の舞台裏)

 最終的には、舞台裏に常にスタッフを一人待機させ、進行に合わせてボタンを押してもらうことでなんとかしました。イベント時に使用するパフォーマー限定のスイッチ、割と需要あると思うのですが何か方法ないですかね、有識者の方ご教授ください。

Global Warpの暴発

 今回の地下壕の全体像は以下の画像のようだったのですが、全体でGlobal Warpを5回利用しています。そのうち問題は赤矢印で示している地下壕中の3回のGlobal Warpです。

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 そもそもGlobal Warpを利用した理由としては、地下壕の区画が大きく4つにわかれているために、区画間を移動する際に少し離れた場所にいる参加者も同時にワープさせないと暗い地下壕内で迷子になってしまうと考えたからです。

 そのため、例えば引き返しても無限に地下壕が続くギミック(Area2)ではプレイヤーそれぞれにwarp portalを適応しています。

 さて、今回のイベントではGlobal Warpをした後も数回Global Warpして同じ区画内の初期位置に戻されてしまうことがありました。
 これはリハーサルの際には一度も起こらなかったので今回のイベントのような50人を超える方がいる際に起こるようですが、実際のギミックはColliderに一人でも触れたら全員次の区画に飛ぶようにしているだけなので、なぜ何回もワープが発動したかはよく分かっていません。大人数だからワープに時間差が生じたのかな・・・。

何にせよ、触れる系のTriggerでGlobal Warpしてはいけない(戒め)

 これに関しては、今後ワールドを配布してプレイしていただく際にはそこまで大人数ではないため特に問題とはならないとは思いますが、こういう大型イベントを行う際にはColliderをトリガーにするのではなく、やはり舞台裏などでスタッフがボタンを押した方がいいんですかね。でもスタッフもGlobal Warpで飛んじゃうので、欲を言えばギミックの適応先もパフォーマーと一般参加者で分けれるようになればいいんですけどね・・・

緊急脱出用のボタンが役に立った話

 先ほどGrobal Warpの話をしましたが、これはワールド内の全員に適応されます。もちろんスタッフも例外ではなく、舞台裏で進行用のボタンの管理をしているスタッフも地下壕内にワープしてしまいます。
 この問題をどうにかするために、舞台裏のスタッフにはUseすると舞台裏にワープできるただのCubeを持たせました。つまり、一時的にGlobal Warpで地下壕に飛んだとしてもすぐそのアイテムを使って舞台裏に帰ってきてボタン制御が出来るようにしました。

 ただ、ここで一つ懸念点が生じます。仮にそのスタッフがアイテムを持っていない状態でワープしたら、もしくはワープする過程の何かしらの影響でアイテムを落としてしまうと誰一人地下壕から脱出できなくなり、参加者スタッフもろとも一生地下壕生活です。

 そのリスクを回避するために地下壕の各4区画の一番初め、Global Warpで飛んでくる場所の近くに目立たないボタンを設置しました。

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 このボタンは一般参加者の方でも押せてしまうので飛べる場所は舞台裏ではなくエントランス中央ですが、このボタンさえあれば緊急時でもスタッフが舞台裏に帰ってくることが出来ます。

 さて、本題はここからです。イベント終盤、エントランスで最後の宣伝をしているときになぜか地下壕の一番最後のGlobal Warpが暴発します。全員地下壕の最終端に飛ばされて「怪異のせいだ!!!」みたいになってましたが、私としては、怪異のせいではなく完全に自分のせいなので心臓が止まりかけました。

 進行用のボタンは間違えて複数回押さないように一回押すと消える仕様にしていたため、地下壕の最終端から全員Global Warpさせることはもうできません。このまま地下壕に骨をうずめるか・・・とあきらめかけたその時、本来はスタッフの緊急帰還用においていたワープボタンがあることを思い出し、なんとか皆さんを地下壕から脱出させることが出来ました。

 そしてここで一つ謝罪、ゴーストで参加されていた皆さんは本当にすみませんでした。そもそもゴーストが出るほど人が来ると思っていなかったうえ、自身がclusterイベントにあまり参加経験が無かったのでゴーストの方がボタンを使えないということをはじめて知りました。これからのイベントはゴーストの方でも問題なく動くギミックを用意するのが良いですね。

 ともかくノウハウとしては、イベント開催する際には最悪の事態を考えて、一応イベントを進行することができるギミックを用意しておくのが安心です。今回に関しては、行き来できない地下壕の各区画に置いてあるエントランス帰還ボタンがそれにあたりますね。

イベント終了後にワールドを開放する

 今回のイベントは基本的に地下壕内を出演者に合わせて付いていくだけで、せっかく3Dモデル班が頑張ってくれた地下壕の内壁や一つ一つの細かい装飾をゆっくりお見せすることが出来ません。

 そのため、イベント終了後に地下壕初期地へのワープゲートを開通して自由に見てもらおうということになりました。

 実際、イベント終了後は多くの方が地下壕を自由に見ていただき、なんとイベント内では読み上げなかった、第二章のカギとなる警察官のメモの写真まで撮ってアップしてくださった方もいらっしゃいました!

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※見づらいけどイベント終了後の地下壕の様子

 このように、イベント終了後のワールド開放はとても上手くいったと個人的に思っています。余談としては、イベント終了後はGlobal Warpを消してWarp Portalにしたので特段問題もなく胸をなでおろしました。

 やっぱGlobalは安易に使うもんじゃないね。

カメラマンにパーソナルエリア効かないんですか・・・?

 最後ですが、これはもうタイトルの通りです。YouTube配信を見てくださった方にはわかると思うのですが、カメラマンにはパーソナルエリア効かないんですね。

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※3密どころか30密くらいの地下壕内(YouTubeアーカイブより)

 参加者の皆様にはパーソナルエリアを推奨していましたが、皆さんがイベントで撮ってくださった写真を見ると、狭い地下壕でもあまり視界が遮られるみたいなことはなかったようで良かったです。

 カメラマンにもパーソナルエリアつけてほしいです・・・(完全にclusterへの要望)

さいごに

 さて、思いついたことから書いていたらずいぶん長くなってしまいました。こういうメモ的な記事、いつか書きたいと思ってたんですよね。

 あと視界ジャックのUI演出やエモクロアダイス板については自分にはさっぱりなのでFlor君に聞いて下さい。自分もどうやってるか知りたいよ。

 かなりCreator Kit を使ってる方向けの文章になりましたが、clusterでイベント開催をしている方、しようと思っている方に少しでも参考になれば嬉しく思います。

 自分もまだまだ手探り状態ですので、何かアドバイスやこんなのあるよみたいな耳寄り情報をお持ちの方はぜひぜひコメントくだされば幸いです。
 以上brでした。


<イベント見てない方向け>

当日のYouTubeアーカイブです。密ですが、雰囲気は分かります。


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