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突然の逢瀬(内科医律vol17)

「お疲れ様です」
聞き覚えのある声が律の後ろから聞こえた。
給湯室に花を飾る謎の美女 皆藤紗那だった。

「おはようございます!あれ?どうしました?」

「ちょっと腰を痛めてしまって。。。」

皆藤紗那は痛そうに左の腰をさすっている。

「それは辛いですね、簡単なストレッチとかなら指導出来ますので外来にいらしてくれれば」

「ほんとうですか?仕事の合間を見て伺いますね・・・」

しかしその日の外来に皆藤紗那は現れなかった。

その日の夜に律のスマホが鳴る。
皆藤紗那からのLINEであった。

『今日は忙しくて受診出来ずじまいでした。だいぶ辛いのでなるべく早めに受診させていただきます』

文面からも辛さが伝わってきたため律は

「大丈夫ですか?もしストレッチとお灸とかだけならいまからでもやりますよ?ご自宅に伺うか、私の自宅で良ければ」

いきなり女性を自宅に招くのに律は若干の抵抗を覚えたが、急を要するほど辛そうなのと、逆に院内で施術を行う場所もないため敢えて自宅での施術を提案したのだった。

しばらくしてLINEが届く。

『ぜひお願いします』

皆藤紗那は律の自宅での施術を希望したのだった。

「では20時くらいに駅まで来てください、お迎えに行きますので」

『かしこまりました』


駅に現れた皆藤紗那はやや痛そうに顔をしかめながら律の前に現れた。相当に辛そうだ。

「お疲れさまです、ここからすぐなので」

「こんな時間にありがとうございます、助かります」

律は自宅に着くと、辛そうな皆藤紗那をすぐにベッドへと促す。仰向けに横たわり、膝を立てると色白な脚が露になる。律はその膝を支えながら簡単な施術を行い、さらには圧痛点にお灸を施した。

「これでとりあえず痛みは少し和らいだのではないかと」

「ありがとうございます、本当に楽になりました、先生は内科医なのにこんなことも出来ちゃうんですね?凄いです!」

そう言いながらも皆藤紗那は気持ち良さそうにまだベッドに横たわったままだった。

「ちょっと好きで興味本位で学んだだけなんですけどね、お役に立てて良かったです、帰りはご自宅まで乗せて行きますよ」

それを聞いた皆藤紗那は申し訳なさそうにしながらも、どこかもう少しここに居たいと言わんばかりの表情で律を見つめていた。
律は愛車のメルセデスの助手席に皆藤紗那を乗せて走り出した。時間はもう23時を過ぎていた。

to be continued

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