24.01.14 コンサート曲目解説 Inzermezzo from "Cavalleria Rusticana" / Pietro Mascagni 堀雅貴

2024年1月14日 アンサンブル「PentaTonika」第1回演奏会のために、noteで随時プログラムノートを公開していきます。


Inzermezzo from "Cavalleria Rusticana",  Pietro Mascagni (1863-1945) / 堀雅貴 (1985-)

ピエトロ・マスカーニ (Pietro Mascagni) はイタリアのオペラ作曲家、指揮者。「カヴァレリア・ルスティカーナ (Cavalleria Rusticana) 」の大成功により「ヴェリスモ*1 ・オペラ」の代表的な作曲家として知られている。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、1幕物のオペラでシチリアの村を舞台とした、男女の不倫・嫉妬・復讐等を描いたオペラである。本作品は、村の伊達男トゥリッドゥの浮気による殺伐としたシーンが続く中、浮気相手の夫との決闘によるトゥリッドゥの死という悲劇的なクライマックスを目前に演奏される、ただただ美しく平穏な間奏曲であり、シーンと音楽を対照させることで、悲劇に深みを与えている。

本曲は、マンドリンとマンドラのために堀雅貴氏により編曲された作品である。
本編曲でも原曲と同じへ長調を採用している。前半部の平穏な序奏部をヴァイオリン→マンドラテノールへの書き換え、原曲クライマックスの弦楽四重奏ユニゾンの、シンプルながら重厚な響きを生み出す効果をマンドリンのオクターブ奏法で取り入れるなど、マンドリンの魅力を知り尽くした堀雅貴氏ならではの編曲となっている。

*1「真実主義」「現実主義」と言われるイタリアの芸術運動。地方色の強い下層階級の日常生活を舞台に、むき出しの感情と抑制の効かない行動が悲劇的結末をもたらす過程が写実的に描かれる。

(参考文献)

・新編 音楽中辞典,音楽之友社,2004
・カヴァレリア・ルスティカーナ 解説 (https://www.bunkamura.co.jp/old/orchard/lineup/07_massimo/cavalleria.html)

(文責: 原田 湧気)

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