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夕闇の帰路、通りに出てきたじいさんと腕に抱かれた坊やが2人して夜空を見上げており、見上げる先を凝視してたらけったのハンドル操作を誤り、お好み焼き屋前の電柱にぶつかりそうになった。
その先にあるファミマの灯りを通過するとタバコと下水と何かが混ざったようなニオイが鼻先に流れてくる。交差点を左折した先の通り沿いにからあげ屋があり、「伝説のからあげ」と書かれたのぼりが何本も店前に並んでいる。一度入店してみたが、大将は持ち帰り用のからあげを揚げてから袋詰めする間にも「うちのからあげがいかに美味いか」について説明してくれた。それっきりその店には行っていない。

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