若気の至り - 金田一少年の事件簿ごっこ

 先週、会社の人と金田一少年の事件簿について喋ってて思い出した

 大学4年の夏休み、サッカーの大会に出るために滋賀県へ2泊3日で行った

 みんなで同じホテルに泊まって、昼間は真夏の炎天下の中3、4試合して、夜は毎晩酒盛り

 たしか2日目の夜、酔いに酔った僕らは突然、「金田一少年の事件簿ごっこ」をすることになった

 試合を撮るためのビデオカメラで撮影が始まった

 何故か僕がはじめちゃんになったのだけど、ストーリーは何も決めずに、全員がアドリブでセリフを言いだした

 既に酔って寝ちゃったヤツの口元に、赤ワインを滲み込ませたティッシュを置いて勝手に死体役にして、

 「おい、〇〇……〇〇!?」
 「ひっ……し、死んでる…」
 「なんで!どういうことよ!」
 「け、警察に電話しろ!」
 「繋がんないよ……」
 「電話線が切られてるぞ!」
 「なんてこった!陸の孤島じゃ!!」

 7,8人でやってたと思うんだけど、全員次から次へと、アドリブでセリフが出るわ出るわ

 広島弁の「陸の孤島じゃ」で限界だったのに、1人だけ部屋を出て行こうとするやつがいて、僕は自分がはじめちゃんを演じていることを忘れて、素で「おいどこ行くんだよ」って聞いたら、そいつクイ気味に

 「こんなとこにいられっかよ!オレは1人で行動するからな!!」て叫んで部屋を出て、見えなくなったと思ったら

 「ウワァァ!!!」

 って新しい死体を見たみたいな怯えきった声をあげながら、尻もちついて後ずさってきて、

 あまりにも名演技過ぎて全員大爆笑、撮影はそこでカットになった

 たしかに、そういうやつ1つ事件に1人は必ず出てくるわって、腹抱えて笑った

 あまりの騒ぎに、死体役のやつ(4年)が起きようとして、役に入ってテンション振り切ってた1年が「バカ寝とけ!」みたいなこと言いながら押し倒そうとしてたり、もうムチャクチャだった

 その撮った映像を後で観ることはなかったんだけど、演じている最中はアドリブなのに完全に1つの話として成り立っていた

 あんなことは、今後の人生で二度とないんだろう 若気の至りのテンションで、夜中に周りの部屋の迷惑も顧みず大騒ぎして、ミラクル連発の寸劇をやったりして

 僕にとっては、最高の青春の想い出です

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