【ハースストーン】コントロールプリーストにおける虚無の精神剥ぎ魔について
今回の記事は現在自分がスタンダードで愛用しているクラスカード、虚無の精神剥ぎ魔についてです。
①はじめに
除去効果持ち4コストミニオンといえば過去に多くの横展開デッキを恐怖させたダスクブレイカーが思い浮かぶせいか、このカードのパワー不足感は否めません。
いきなりネガティブな導入ですが、実際このカードは手札に呪文を引き込めるかどうかがまず運に左右されますし、ダメージの飛び先も運、更にはプレイしたいであろう4ターン目に出せる最大火力そのものも(ダスクブレイカーに比べれば)たかが知れており、おそらく以上の理由から主流なリストでは見る事がありません。
ではなぜこのようなカードを愛用しているのかという話ですが、理由としては替えの利かないパラディン対策になるからです。
プリーストがパラディンと戦う際の負けパターンは色々ありますが、そのうちの1つは秘策を絡めた序盤のクロックに対して除去が間に合わずライフを削られ過ぎた結果、ナールの真槌や命を束ねしものアレクストラーザ、神罰の聖典などによって押し切られてしまうというものがあります。
除去だけであればできなくはありませんが、現在は5~7コストに信用できるリセットカードが存在しないため、展開→除去→展開の繰り返しをしているうちに撃ち漏らしたミニオンの攻撃でライフを削られることが多くなってしまっています。噛み合わないと場を掃除できない除去よりもただミニオンを出すだけで良い展開側の方が圧倒的に負担が少ないので当然でしょう。展開側も手札との相談は必要ですがパラディンは手札補充カードが多く、生半可な除去力ではいつまでたっても手札が枯れません。
そこで活躍するのが除去とミニオンの設置を同時にこなせる虚無の精神剥ぎ魔です。利点は対パラディンに絞れば2つあり、他のケースで有効なものもあるのでそれぞれ解説していきます。
②具体的な利点の解説
1.パラディンの秘策に強い
おおヨグよ!
救いの聖馬
身代わり
このカードは呪文や攻撃ではなく雄叫びにより除去を行い、序盤に1枚だけプレイするだけならどれにも引っかかりません。特にヨグに関しては序盤でのチェックが相当な負担であるため、そのケアをマナが増えるまで先送りにできるのは非常に優秀です。
仇討
こちらはミニオンを撃ち漏らさなければ発動しません。アルダーの従者や初登校の日などで高い体力のミニオンが絡むと厳しいですが、こちらも呪文を補充しつつ場を作れるワンド職人や猛毒スコーピッドから繋げばこれが伏せられていても抑えることが可能です。
裁き
攻撃力3であるため、生き残ればですがこちらは逆に引っかかることができます。ただのチェックではなく1度除去をこなしてからの退場なので大損にはなりません。
コントロールプリーストを使うとわかるのですが、パラディン戦では解き放たれしイセラのような大型が着地するまで攻撃力3以上のミニオンが生き残らずザイレラで3点以上のダメージを出さない限り、裁きが場に残り続けることになりがちです。この状態では剣匠サムロー+神格化のコンボに頼ることができず、苦しい展開となります。
裁きチェックからのコンボを同ターン中に空盤面から行うことはほぼ不可能という事を考えれば、早期から除去を伴って場に出せることにより生き残りやすいこのカードの重要性は相当なものであると言えます。
また、最大体力の4に保っていればナールの真槌に取られないのも役割遂行において地味に便利な点です。
2.序盤の聖なる盾に強い
これはそのまんまですね。1点ずつダメージをばらまくため、有徳の守護者や盾情可憐な女騎士に強いです。
ヒステリーや貪蝕の疫病でも見られる範囲ですが、①で解説した通り秘策に妨害されない点との両立がかなりの強みとなっています。
3.神格化に繋がりやすい
除去と展開を同時に行う関係上、バフに繋がりやすいです。これはハンター戦でかなり力を発揮し、相手からするとかなり嫌な動きではないかと思います。現在ハンター自体は少ないヒーローですが、ビートダウンやバーンを刻んでくるタイプのデッキには似たような刺さり方をするのでそれらに対する解答を1つ持っておけるというのは安心感があります。
4.手札を減らしつつ除去と展開を行える
ミラーマッチでは手札を吐き続けなければいつ南海の悪党にカードを燃やされるか分かりません。クトゥーンのパーツや剣匠サムローなど勝敗に関わるカードを守るために手札を8枚以下に保ちたいのですが、その際に無駄撃ちではない有効な1手としてプレイしつつ手札を減らせるのは地味ながら便利な点です。
5.コアパーツと相性が良い
これは対面ではなく構築時点での話になりますが、単純に少数精鋭かつ呪文を補充できるミニオンを序盤から出すのが主流なコントロールプリーストと相性が良いです。このカード用に特別な構築をする必要がほぼありません。ミニオンが少し多くスペースの厳しいン=ゾス型でなければ違和感なく採用できると思います。
以上が大まかに分けた利点となります。
当たり前ですが要するに、『ミニオンでありながら除去だから強い』という事ですね。
ナーフ前であれば出すだけで強かったカバルの侍祭でも構いませんでしたが、さすがに体力4かつ呪文を要求されては秘策を連打されるパラディン戦で機能させるのは難しく、やはり替えの利かない存在であることが分かります。
③マリガンについて
虚無の精神剥ぎ魔は手札に呪文が無ければまともに機能しないので、このカードが重要なマッチアップでは呪文とのセットキープを重要視します。
もちろん呪文になりつつ盤面をある程度整理できるワンド職人や猛毒スコーピッドは欲しい所ですが、それらを探すために呪文を返して南海の悪党や解き放たれしイセラを引くと苦しい展開になってしまいます。
正直好みでマリガンして構いませんが、自分の場合は仮に
虚無の精神剥ぎ魔、死者蘇生、死者蘇生
虚無の精神剥ぎ魔、再起、ドラゴン学の予習
のような手札であれば死者蘇生やドラゴン学の予習を1枚だけ返しています。再起やドラゴン学の予習は序盤で明確な役割を持てないためほぼキープしないところを、雄叫びの火力をある程度確保できるよう例外的にキープするという事ですね。
全キープしていないのは、単純に手札を強くすること(当然ワンドやスコーピッドが最も欲しいカードであるため)との折り合いです。もう1枚の呪文が手相占いやヒステリーなどの少し強い役割を持てるカードであればもちろんありがたいですが、こういった手札でも妥協キープはアリだと考えています。
セットキープの優先度はよく採用されているカードの中かつパラディン戦で言うならば
ワンド職人・猛毒スコーピッド>>>>>>ヒステリー>手相占い>神格化≒糾弾≒聖なる一撃>再起>死者蘇生>ドラゴン学の予習>魂の鏡>>>>>>>>>>>>>同カードを含む他のミニオン(確実に返す)
となります。虚無の精神剥ぎ魔に加えてワンド職人と猛毒スコーピッドが引けている場合、もう1枚(2枚)は呪文であれば何でも構いません。
ビート系のデッキを意識する場合は大体このマリガンにしていますが、秘策がなく常にライフを削ってくるウォリアーには剣匠サムローを優先するなど例外もあります。
④最後に
現在使用している虚無の精神剝ぎ魔を用いたリストです。
ミラー用に採用したクトゥーンによって事故率は上がってしまっていますが、クトゥーンパーツは一応呪文であるため手札に来た場合に火力上げの役割を担うことが可能です。
トークンドルイドを見る場合はホーリーノヴァ、パラディンを見る場合はケルスザード校長+密言・崩といった感じで微調整しながら使用しており、現在は勝率50パーセントほどですが100位台をキープできています。
虚無の精神剥ぎ魔自体も狙い通り機能しているので、もしパラディンの秘策に悩まされている方は自分好みにカスタマイズして使ってみて下さい。
今回はカード1枚に焦点を当てた割には長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
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