石本貴昭
近鉄バファローズで、吉井理人の前に抑えを務めていたのが石本だった。ただでさえ中継の少ない80年代のパ・リーグ、近鉄の投手をテレビで見る機会はプロ野球ニュースくらいだった。
しかも自分がプロ野球ニュースを見るようになったのは中学生以降で、そのときすでに石本は酷使がたたり、登板数が減っていた。でも、私の中では「かっこいい左投手」のひとりだった。
1985年はリリーフで70試合に登板し、投球回が131.1を数えている。規定投球回をクリアして19勝3敗7セーブ、防御率3.56。
翌1986年はリリーフで64試合に登板し、投球回は117.0。8勝3敗32セーブ、防御率3.38。
石本はこの2年で連続して、最優秀救援投手(当時はセーブ+救援勝利)に輝いている。そしてそれが、石本の全盛期だった。前回の阿井もそうだが、リリーフだけで100イニング以上投げる活躍は、そう何年も続けられるものではない。
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