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2014年8月の記事一覧

新世紀エヴァンゲリオンパスティーシュ

TV放映版「第弐拾四話 最後のシ者」脚本の文体パロディです。 ◆原型 「新世紀エヴァンゲリオン 第弐拾四話 最後のシ者」より抜粋 シンジ「トウジも、ケンスケも、みんな家を失ってほかのところへ行ってしまった。友達は……友達と呼べる人たちはいなくなってしまった……誰も」 シンジ「綾波には会えない。その勇気がない。どんな顔をすればいいのか、わからない。アスカ、ミサトさん、母さん……僕はどうしたら……どうすればいい?」 カヲル「フンフンフン……(第九の鼻歌)」 カヲル「歌は

ウテナはなぜ×××になれなかったのか?

「昨年3つの「ウテナ」が終了した。TV版「ウテナ」と漫画版「ウテナ」と舞台版「ウテナ」である。TV版は「王子様はいない。あえて王子様になろうとする者は、こんなにつらい」という男性の女性に対する主張の出たラストになっていて、これは作品を創ったのがビーパパスの男性スタッフだったから、当然の結果だった。」(さあ私とエンゲージして/さいとうちほ) 緊張のあまり吐きそうになりながら観た「少女革命ウテナ」の最終話「いつか一緒に輝いて」の放映日から、長い年月が過ぎようとしています。筆者の

美少女戦士セーラームーン論

2014年に20周年を迎えて再びアニメ化された「美少女戦士セーラームーン」は、1992年「なかよし」2月号に連載が開始されるとほぼ同時の1992年3月7日にアニメの放送がはじまり、その人気は社会現象にまで広がり、今日のプリキュアシリーズまで継承されている、戦闘美少女系魔法少女というジャンルを確立しました。 この論文では、主に、第46話までの第1期のアニメを取り上げ、この大ヒット作品と昔話との類似について、日本におけるユング心理学の第一人者である河合隼雄の著書を引用しつつ、考