岩田望来騎手の2023年を振り返る(前半)

読んで字の如くですが。
勝手ながら応援している岩田望来騎手について、この一年のことを振り返ってみようかと。正直結構色々なことがあった気がしますし。

ちなみになんで好きなのかはよく分かりません。多分何事もそんなものだと思います。

総括

とりあえず、まずは今年全般の成績について。

(JRA公式サイトより)

今年は2年連続年間100勝を達成し年間リーディング5位という結果になりました。昨年までは2年連続6位でしたから、少しでも上に来たのは良いことだと思います。というか5年目でこんだけ勝ってれば普通に凄いです。
平場王とか呼ばれることもありますが、見ての通り特別戦でもそんなに成績を落としているわけではありません。上2人は異常なので
総じて順当に考えれば悪くない1年だった、ということになるのではないでしょうか。

なのにどうしてこうもなんだかなぁ、という感じが残るのかと言えば、ひとえにG1レースでのえもいわれぬ微妙さに起因するのでしょうね。

1月 〜金杯の幸先は〜

中央競馬は東西の金杯デーから始まるのが習わしとなっています。その中でも最初の中央重賞となるのが京都金杯(G3)。まあ中京開催なんですけど。
そんな中京金杯(俗称)を今年勝ち取ったのがイルーシヴパンサーとのコンビでした。美浦の久保田厩舎の馬なのですが、なぜか去年の関屋記念でコンビを組む予定でした。が、前日の落馬負傷によりお流れとなったあと改めてのコンビ。そこで一発回答を見せました。これは今年は違うのか?と思ったんですけどね。

中京競馬場にて。イルーシヴパンサー号の口取り

1月は8勝。


netkeiba. comより


重賞成績……(1.1.0.5)
京都金杯(中京G3、1着)イルーシヴパンサー(牡5、美浦・久保田貴士)
フェアリーS(中山G3、12着)ミタマ(牝3、栗東・上村洋行)
愛知杯(中京G3、14着)エリカヴィータ(牝4、美浦・国枝栄)
TCK女王盃(大井Jpn3、2着)ヴァレーデラルナ(牝4、栗東・藤原英昭)
東海S(中京G2、7着)サンライズウルス(牡5、栗東・安田翔伍)
シルクロードS(中京G3、6着)シャインガーネット(美浦・栗田徹)

2月 〜結局いつもの?〜

金杯男になった割にはいつも通りって感じで勝ち星は重ねるものの重賞では存在感を示せず。印象に残る騎乗としては京都牝馬Sのサブライムアンセムくらいでしょうか。悪い意味で。難しい馬とはいえ最内枠から出遅れて押し上げて直線は止まるというなかなかのやらかしレース。特に同じレースで岩田康誠騎手(以後親父さん)が大外からイン突きという腹を括った騎乗をしていただけになおさら……
勝ち数自体は15勝積んでいるんですけどね。

シャザーンは今後乗せてもらえるでしょうか

重賞……(0.0.0.3)
京都記念(阪神G2、4着)キングオブドラゴン(栗東・矢作芳人)
京都牝馬S(阪神G3、15着)サブライムアンセム(栗東・藤原英昭)
阪急杯(阪神G3、7着)グレナディアガーズ(栗東・中内田充正)

3月 〜悔しさは〜

何よりも大きいのは高松宮記念でしょう。ここでG1を制したのは団野大成騎手。同期にG1タイトルの先を越されたという事実。ここからそれをどうぶつけていけるか……そう思ったものです。

この月は下級条件ばかりでした

重賞……(0.1.2.5)
エンプレス盃(川崎Jpn2、2着)ヴァレーデラルナ(栗東・藤原英昭)
チューリップ賞(阪神G2、10着)サーマルソアリング(栗東・藤原英昭)
金鯱賞(中京G2、6着)ポタジェ(栗東・友道康夫)
ファルコンS(中京G3、12着)メリオルヴィータ(美浦・池上昌和)
名古屋大賞典(名古屋Jpn3、3着)バーデンヴァイラー(栗東・斉藤崇史)
阪神大賞典(阪神G2、7着)アイアンバローズ(栗東・上村洋行)
毎日杯(阪神G3、3着)ドットクルー(栗東・笹田和秀)
高松宮記念(中京G1、5着)グレナディアガーズ(栗東・中内田充正)

結果的にJpn1パートナーのヴァレーデラルナとはこれが最後のコンビとなりました。もちろんこのときはまったくそんなこと思ってもみなかったわけですが……

4月 〜チャンスの神様〜

チャンスがたくさん転がってきた月でした。そして全部たいそう微妙な結果で終えました。ジェラルディーナやシャザーンで挑んだG1を見るに、どうもこのあたりから「思い切り」とかそういうものがG1ではなくなってしまうなぁという感じが見受けられて、そしてそれが勝つときにいちばん大事なものなのかもしれないと思います。こういうのもひとつ勝つまで、なのかもしれませんが。
そんな中ペルアアでマリーンカップを勝ったときはこの馬でまたJBCを目指せるかも、と思っていました。

珍しく中山で2勝していたりします

重賞……(1.1.0.4)
大阪杯(阪神G1、6着)ジェラルディーナ(栗東・斉藤崇史)
阪神牝馬S(阪神G2、2着)サブライムアンセム(栗東・藤原英昭)
桜花賞(阪神G1、7着)シングザットソング(栗東・高野友和)
マリーンC(船橋Jpn3、1着)ペルアア(栗東・野中賢二)
皐月賞(中山G1、6着)シャザーン(栗東・友道康夫)
天皇賞・春(京都G1、15着)トーセンカンビーナ(美浦・加藤征弘)

5月 〜急転流転〜

5月の連休には船橋競馬場でJpn1のかしわ記念が行われます。タッグを組んできたヴァレーデラルナが早々にここを目標にするということでマイル挑戦を楽しみにしていましたし、連休ということでもちろん現地で応援する手筈を整えていました。

第一報(ラジオNIKKEI)

ところが。

船橋競馬リリース

突然の戸崎騎手への変更。最初はすわ怪我でもしたのかと思いました。しかしそのあと天皇賞春の想定に居ることがわかり混乱。様々な噂が飛び交う中、複雑な気持ちで赴いた船橋競馬場で見たニュースリリースが。

JRA公式サイトより

誰が見たって何かがありました。わざわざ騎乗するはずだったかしわ記念の日にこれを発表するのですから。Jpn1を獲ったパートナーに乗るはずだった日に。もう詮索はしないことにしましたが、その日沈んでいくヴァレーデラルナの姿にやりきれなさを覚え、そして事実として、ここから先2023年末まで藤原厩舎の馬には一度として乗ることはありませんでした。ついでにしばらく斉藤崇厩舎にも
それと連なるように5月は不振で、月で6勝にとどまりました。

その後もパートナーとなる馬とは巡り合っています

重賞……(0.1.0.3)
京都新聞杯(京都G2、10着)ドットクルー(栗東・笹田和秀)
平安S(京都G3、2着)ハギノアレグリアス(栗東・四位洋文)
東京優駿(東京G1、9着)シャザーン(栗東・友道康夫)
目黒記念(東京G2、10着)アーティット(栗東・友道康夫)

ヴァレーデラルナ号

6月 〜自分の道は〜

まあ、色々と言われますよね。噂も飛び交うし、フリーになって成績を落としているのは事実なので。ですが実のところ、私としては「まだそんなに心配しなくてもいいだろう」と思っていました。
理由は2点。ひとつは「そもそも藤原厩舎の主戦ではない」ことでした。藤原厩舎は元々福永騎手を主戦としていたことは明らかで、言い方は悪いですが勝負ではないところを任されるところが多く、藤原厩舎での勝ち星はフリーになる付近はあまり多くありませんでした。(おそらく半年で3勝程度のはず)さらに福永騎手の引退後に望来が納まるかというと正直そんなこともなかったのです。まあ、勝たせるべきところで勝たせてないときもありましたが。
ふたつめは、「阪神が得意である」ということ。2022年も阪神リーディングを獲得したように阪神開催の成績が良く、また京都は不慣れなのかという騎乗も散見。ということで阪神に戻ればそれなりに成績を戻すだろう、と判断していたのです。
で、そんな6月。

宝塚週は大活躍

ね、戻したでしょ?とわりと胸を張って言えました。フリーになって今までと依頼の来る厩舎や馬主はとりあえず変わってませんでしたが、ここで結果を出さないとわからなくなっていくので一安心といったところでした。
重賞……(0.1.1.3)
北海道スプリントカップ(門別Jpn3、2着)アイオライト(美浦・武藤善則)
鳴尾記念(阪神G3、3着)アドマイヤハダル(栗東・大久保龍志)
安田記念(東京G1、10着)イルーシヴパンサー(美浦・久保田貴士)
宝塚記念(阪神G1、9着)ジオグリフ(美浦・木村哲也)
帝王賞(大井Jpn1、4着)ハギノアレグリアス(栗東・四位洋文)

とまあ、前半はスタートを決めた割に結局落ち着いてそうこうしてる間に大きな波に飲み込まれた感じになってました。そんな中でどうなるか、不安もありながら迎えた夏競馬でしたが……

つづく。


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