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Z/Xストーリー、アクティベート! 第1回 「無数の異邦人 Z/X」

はじめに

初めましての方は初めまして。
知っていらっしゃる方は、こんにちは。
私は関西でZ/X(ゼクス)というカードゲームをプレイしているGRRRという者です。

私はZ/Xというカードゲームを最初期からプレイしていて、ずっとその物語に触れてきたのですが、以前に他のプレイヤーと話していた時に『途中からプレイし始めたから初期の物語がわからない』という話を聞いたことから、『自分なりにもっとZ/Xの物語について多くの人に知ってもらえるようにできることをしよう』と考え、Z/Xの物語を発信するようになりました。

これまではTwitterでZ/Xの物語について発信し続けていたのですが、Twitterの仕様上、初期に投稿した内容の検索がしづらいことから、改めてnoteで記事にしようと考え、こちらでの投稿を始めることにしました。
この記事を読んで、少しでもZ/Xの物語に興味を持ってくれる方、知りたかった過去の物語について知れた方がいましたら幸いです。

それでは、早速、Z/Xの物語についてお話ししていきましょう!


1. そもそも『Z/X』ってなに?

記念すべき第一弾、異世界との邂逅

Z/Xはブロッコリーから発売されているトレーディングカードゲーム(以下、TCG)です。
3×3の9マスのフィールドを舞台に、赤・青・白・黒・緑、そして無色のカードを互いにプレイして相手のライフを削って勝利を目指します。
有名どころのTCGの中では、色の種類や相手を攻撃することで相手にアドバンテージを与えたり逆襲されるギミックがあるなど、デュエルマスターズが比較的近いでしょうか。
リソース――デュエルマスターズなどでいうところのマナの供給の仕方も、毎ターン1枚ずつ手札のカードをリソースゾーンに置く、という近い形式です。

こちらがZ/Xのフィールド
中央の紫と赤の9マスがメインの戦場です

一方で、9マスのフィールドを舞台にしている上に、メインフェイズの行動がかなり自由な都合上、

  • どの位置にどの順番で自分のゼクスを展開するのか。

  • どのタイミングで攻撃するのか、能力を使うのか。

など、色々と考える要素が多いのも特徴です。
また、イグニッションという、メインフェイズの前のイグニッションフェイズ、もしくはダメージを受けた時に特殊なアイコンが描かれたカードが出てきた場合、リソースを使わずにプレイするシステムもあります。
他のカードゲームにも言えることでしょうが、実力と運、両方で勝つゲームです。

詳しいゲームのルールなどは公式ホームページなどで確認していただけるとありがたいです。


2. 物語のTCG、Z/X

そして、Z/Xの大きな特徴の一つが初期からストーリーを重視した展開がされていること
なにせ、最初の公式の大規模イベント、「英雄達の戦記(ヒロイック・サーガ)」が集まったプレイヤー達を二つのチームに分けて、それぞれのチームの勝利数から物語中の戦いの結果を決めるというものでしたから。

記念すべき一度目の英雄達の戦記の結果を反映したカード

その結果が、現地組の主人公のチームが負けるという冴えないものになってしまいましたが……。
ある意味、『不正はなかった』という証左かもしれません。

このようにZ/Xはカードで描かれているキャラクター達を前面に押し出す形で展開を行っており、漫画版やアニメ版もカードゲームをプレイする作品ではなく、カードで描かれているキャラクター達を主役としたものでした。

二代目漫画版&アニメ版、Z/X Code reunionの主人公コンビ

上の画像の二人、各務原あづみとリゲルはZ/Xの初期から登場しているコンビで、人気絵師さんの藤真拓哉さんがイラストレーターな上に、本人たちの性格も相まって人気が高いキャラクター達ですね。

Z/Xにはあづみ達以外にも様々なキャラクターが登場します。
それぞれの目的や信念、願いのために行動する様々なキャラクター達が出会い、時に争い、時に協力し合う――個性豊かなキャラクター達が織り成す物語がZ/Xの魅力の一つです。

個性豊かなキャラの一部を紹介。猪突猛進なロリっ子や……
優等生だけど中二病な女の子
半身を樹木のように変化させる改造人間に……
中には怪しい雰囲気のおじさんまで!?

今でこそ、他のTCGでもカードで描かれているキャラクター達の世界、俗に言う背景世界を積極的に前面に出していく作品も増えてきましたが、Z/X始動当時はそこまででもなかったと思います。

世界最古のTCG、マジック:ザ・ギャザリングも初期から小説などで背景世界の物語を展開していましたが、小説を買わないと物語が詳しくわからないこともあり、カードの人気に対して物語の認知度は今一つだったようです。
Z/Xが発売されてから数年後にマジックの公式HPで本格的に物語が公開されるようになってから、一気に認知度が上がりました。

また、日本で一番有名なTCG、遊☆戯☆王シリーズもアニメや漫画版がカードゲームをプレイする内容だった(というか、元々は様々なゲームを題材にした漫画でした)こともあり、カードの中の物語を展開することは当初はあまりなかったように思います。
実際のカードも、アニメなどで主人公達が使うカード達が中心となっていました。
ですが、店頭に置く筐体型のゲーム、デュエルターミナルで様々な種族が絡む物語を展開して以降は、『星遺物』や『烙印』など、世界観を共通するカテゴリを多数登場させるなど、物語性のあるのカードを出すようになりました。
昨年からは遂にカテゴリの一つ、『閃刀姫』の物語が公式の漫画として展開されるようになったほどです。

話をZ/Xに戻しましょう。
このように、最近は様々なTCGで背景世界の物語を積極的に展開するようになり、ヴォーソス(カードゲームの描かれたキャラクター達や世界観を楽しむプレイヤーのこと)にとってもいい時代になったものですが、Z/Xが特にカードの物語を前面に押し出した作品だということは変わりません。
前述の英雄達の戦記も形式は変えつつも、現在も定期的に行われています。

最新の英雄達の戦記 世界の消滅を目ろむ存在と主人公達が激戦を繰り広げました

それでは、そのZ/Xの物語とはどういうものなのでしょうか?


3. Zillions of enemy X

物語の舞台は年代こそ明言されていないものの、現在から少し未来の日本です。

突如、世界の各地に街を覆うほどの巨大な黒色の球体――『黒点(ブラックポイント)』が出現。
そこから現れた異形の生命体達がブラックポイント付近の地域を襲撃し、占領したことで、世界中が大混乱に陥りました。
このブラックポイントから出現した存在の正体は、五つの未来の世界――赤の世界、青の世界、白の世界、黒の世界、緑の世界――にて、それぞれの形で進化、あるいは変化を遂げた住人達。
彼ら――Zillions of enemy X(数えきれない正体不明の敵)、通称Z/X(ゼクス)と名付けられた未来世界の住人達は、五つに分かたれたがゆえに不安定な自分達の未来世界を安定させ、確定させるために、その起点となる過去の世界――現在で戦いを始めたのでした。

ゼクスの一人、デスペラティオ
異形の魔人のような姿ですが、彼も元は未来の世界に生きる人間でした

ゼクス達はブラックポイントから供給されるリソースというエネルギーによって圧倒的な力を発揮し、現代世界の武器や兵器ではまともに太刀打ちできません。
実際のカードのパワーで例えると、普通の武器を持った人間の攻撃力が100~1000程度なのですが、ゼクス達は小型のものでも平気で3000を超えるほどです。
そんな存在がZillions……数えきれないほど現れたというのなら、現代世界の住人がなすすべなく蹂躙されたのも当然というものです。

一体一体がパワー5000(武装した人間5~50人相当)です
イラストを見ればわかる通り、そんなゼクスがうじゃうじゃいます

また、現代世界の人々にはそのリソースが有害であり、ブラックポイントに近づくと体調が悪くなってしまいます。
作中ではこの症状にはリソース症候群という名前が付けられています。
このようにゼクス達の脅威とブラックポイントからもたらされるリソースの危険性から、現代世界の人々はブラックポイント付近の地域から逃げ出す他ありませんでした。

一方、ゼクス達はリソースがないと生きることができないため、ブラックポイントからリソースが供給される範囲でしか行動ができず、本来の目的である他世界との戦いが困難だという問題に直面しました。
一応、体内のリソースが尽きるまでゼクスは活動できるので、一時的にブラックポイントから離れることは可能ですが、それでも戦闘などで激しくリソースを消耗するとそのまま消滅しかねないので、なかなか大胆な遠征などをすることはできませんでした。

現代世界の人々達からすれば圧倒的なゼクス達の力に対抗できずに恐怖することしかできず、一方のゼクス達にとっては満足に身動きが取れないという歯がゆい状況。
そのような状況を一変させたのがカードデバイスでした。
そのカードの形をした小型機械は、ゼクス達を『キャプチャー』して捕えることができ、同時に超小型のブラックポイントを生成することでゼクス達にリソースを供給できます。

カードデバイスはとあるゼクスと現代世界の人間の手によって作られました
現代世界の人間と協力する彼女のように、ゼクス達の思惑も様々です

カードデバイスの出現によって、現代世界の人々はゼクス達を使役することでゼクスに対抗できるようになり、一方、ゼクス達もカードデバイスを使える現代世界の住人達と協力を結ぶことで、ブラックポイントを離れて、他世界のゼクス達と本格的に戦えるようになりました。

なお、ゼクスを使役できる、と言いましたが、ゼクス達にも意思はあるので、知性の低いゼクスならまだしも、人並みに知性のあるゼクスはキャプチャーしてもきちんと意思疎通を図らなければ言うことを聞いてくれず、不興を買えば殺害されるリスクもあります。

ゼクス使いたるもの、相棒と向き合い絆を結ぶべし

このようにゼクス達の出現と侵略、そしてカードデバイスの開発が為されてからしばらく経った後――ブラックポイントの出現の3年後から物語は始まります。
公式HPにて物語のプロローグが掲載されているので、詳しくはそちらもご覧ください。


4. ゼクス達の最前線、日本

先ほど、世界中にブラックポイントが出現した、と書きましたが、その中でも特に被害が大きかったのが日本でした。
なんと、ブラックポイントが五つも出現し、それぞれから五つの世界のゼクス達が出現。
日本は五つの世界のゼクス達が睨みあう激戦区となってしまいました。

こちらが物語当初の日本の様子を描いた地図です
地図中の黒丸がブラックポイント

地図をご覧になって気づいた方もいらっしゃると思いますが、首都である東京は大部分がブラックポイントに飲み込まれて消滅しています。
埼玉や千葉、神奈川の一部もブラックポイントに飲み込まれた上に、そこから出現したのは一際凶暴な黒の世界のゼクス達。
彼らによる殺戮も含め、首都圏の被害はすさまじいことになっています。

他のブラックポイントが出現した場所も似たり寄ったりで、東北地方では青森県と秋田県の中間地点である十和田湖周辺が緑の世界のブラックポイントに飲み込まれて消滅しています。
同様に中部地方の長野県、岐阜県、富山県の中間地点に青の世界のブラックポイントが、鹿児島県の北部を中心に熊本県、宮崎県にまたがる地域に赤の世界のブラックポイントが、奈良県と和歌山県の県境に白の世界のブラックポイントが出現しました。
これらの地域でもブラックポイントから出現したゼクス達が周辺を制圧し、その過程において現代世界を生きる多くの人々が被害を受けました(白の世界のブラックポイント近辺のみ、小規模な被害でしたが)。
アニメ版や漫画版では実際にブラックポイントから出現したゼクス達が暴れまわる様子も描かれており……かなり凄惨なことになっていました。

主人公の一人、上柚木綾瀬
最愛の両親をあるゼクスの指示によって殺された彼女は
両親の仇を討つためにカードデバイスを手にしました

自衛隊もゼクス達の圧倒的な戦闘能力と数に敵わず、可能な限りの民間人を救出するので手一杯。
在日米軍はというと、既にアメリカ本国にもブラックポイントが出現し、そこから現れたゼクス達の危険性を知らされていたことから、現状の装備でゼクスと交戦するのは無謀だと判断して動きませんでした。
ブラックポイント出現直後のゼクス達による蹂躙に巻き込まれなかった地域でも、ブラックポイントに比較的近い場所はゼクス達の襲撃の危険性が高いことから、安全な地域へと疎開を余儀なくされた人も少なくはありません。

首都圏が壊滅した都合、日本政府も壊滅状態。
各地の自治体が企業や自衛隊と協力してどうにかそれぞれの地方を統治しているという状況で、インフラなどにも悪影響が出ています。
また、他の国からしても多数のゼクスが跋扈する日本には直接的な手が出しづらい一方、ゼクスの情報を得ることができる貴重なサンプルでもあるので、密かに諜報員などが侵入しているのだとか。

この辺りの情報は以下の公式HPの世界設定を参照しています。
詳しく知りたい方はそちらもご覧ください。

なお、ここまで説明した現代世界の状勢は第一弾の異世界の邂逅当時のものです。
実は、最新のストーリーでは各地の状勢が大きく異なっているようなのですが……この辺りの説明はまたおいおいいたします。

しかし、なぜここまで日本は混とんとした状況になってしまったのでしょうか?


5.世界の運命を変える者、『特異点』

日本が異常な状態になっているのは偶然ではなく、世界の命運に影響を与える存在――『特異点』と呼ばれる人物が多数いる影響だと思われます。
……まあ、メタ的にはプレイヤー達の大多数を占める日本人にとってなじみ深い場所を物語の舞台にするためでしょうが。

この特異点とは、簡単に言えば『世界の運命を変えうる者』のこと。

アメリカで並行世界について研究しているカール・ワイバーン教授は、ブラックポイント出現後に自身の研究を推し進め、その結果、『並行世界とは、個々の人々の些細な行動の変化によって無限に生成されるようなものではなく、歴史に名を残すような人物――強い運命力を持つ者達の重大な行動と選択の結果によって生み出されるのではないか』と仮説を立てました。
この強い運命力を持つ者達こそが特異点です。

日本の英雄の代表格、織田信長
Z/Xの世界では生前の彼も特異点だったのかもしれません

ワイバーン教授のこの仮説はあまりにも突飛もなく、具体的な証拠もなかったことから、多くの人々から懐疑的に見られていました。
ですが、Z/Xの世界ではその仮説は正しいものでした。
ゼクス使い達に助力を与える謎めいた少女達――竜の巫女の中の一人、黒の竜の巫女バラハラは実際にワイバーン教授の前に現れ、彼の仮説を肯定しています。

こちらがカール・ワイバーン教授
日本で学んだ忍術を使いこなすなど、
身体能力も凄まじい御仁であり、
ある主要人物の実の父親でもあります

実際、作中に登場するゼクス使いの何人かは特異点であり、そうでない者達も特異点に影響を与える重要人物達です。
これまたメタ的な考えではありますが、いわゆる『主人公補正』が存在することが明言されている、と言えるかも知れません。

世界には決められた結末へと至るように修正力が働くため、特異点の力をもってしても運命を変えることは容易ではありません。
例えばある少女は死の運命が定められており、あらゆる並行世界で若くして死亡していました。
ですが、本編の時間軸では彼女と出会った特異点達の行動や助力が重なったこと、そして彼女自身の成長によって運命は大きく変化し、その少女はパートナーと共に死の運命を乗り越えることに成功しました。

そんな彼女達の物語についてもいずれ説明します

また、赤・青・白・黒・緑の五つの未来世界――あるいは並行世界も特異点達の行動と選択の影響で生み出されたものです。
彼らは五つの未来の世界でも中心的な存在であり、それぞれの未来世界で進化を遂げた姿……ゼクスとなった特異点達が登場することもあります。

白の世界のゼクス達のリーダーの一人、ミカエル
……ここまで掲載してきた画像の中に、似たような顔の人がいましたよね?

このあたりの詳しい解説は公式HPのカール・ワイバーン教授の手記や用語辞典の特異点の項目も参考にしてください。


6.次回に続きます

今回はZ/Xについてとその物語の大まかなプロローグについて説明いたしました。
こんな感じで定期的にZ/Xの物語をお伝えしていこうと思うので、お付き合いしていただければ幸いです。

次回はゼクス達の生まれた五つの未来の世界、それぞれがどのような世界なのかを詳しく説明していきたいと思います。
それでは、また次回!

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