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Z/Xストーリー、アクティベート! 第8回 「天王寺飛鳥編5 飛翔する運命」

皆さん、こんにちは。GRRRです。
前回までに引き続き、飛鳥達の本編での活躍をお話ししていこうと思います。

綾瀬の仇敵であるガムビエルを撃破し、魔王サタンと化した兄、大和を仲間達と共に救い出すことに成功した飛鳥達。
大団円、と言っていい結果ですが、まだまだ世界の混迷は収まっていません。
飛鳥達もまた、次なる戦いに挑むことになります。
繰り返しになりますが、各キャラのストーリーの大まかな流れは、公式HPのおもな登場人物の軌跡を見ればわかりますので、そちらもご参照ください。

それでは、始まり!


1.つかの間の平穏、再び

激しい激しい戦いの末に、遂に大和を救うことに成功した飛鳥達は、世羅達を見送った後、天王寺家に戻って休息することになりました。
ギルガメッシュやガムビエル、サタンと激闘が続いて来たというのもあるのでしょう。

「平和やね」「どこが」
「世間は大変やろうけどな。
僕らは休憩もろてもええやろ」
「ふふ。そうね」

特に印象的なのがズィーガー&フィエリテのシークレット版のフレーバーテキスト。
かつては敵だった飛鳥と綾瀬が穏やかに談笑しています。

また、大和が完全に回復した後には彼の快気祝いとして兄弟漫才を披露したのですが、綾瀬はぴくりとも笑わず、さくらには愛想笑いでごまかされ、八千代にはきょとんとされてしまいました。
散々な結果に天王寺兄弟は打倒関東勢を誓い合ったのだとか……。

こんな感じで、しばらくの間は天王寺兄弟(飛鳥・大和)と上柚木姉妹(綾瀬・八千代・さくら)の五人とパートナーゼクス達で暮らしていたようです。

久々に流れる穏やかな時間。
ですが、トラブルも起きていました。
なぜか、多くの白の世界の女性ゼクス達が飛鳥目当てで天王寺家に押しかけて来たのです。
これにはフィエリテと大和が殺気立ち、そのことを綾瀬に相談した飛鳥ですが、彼女からも冷たい眼差しで睨まれる羽目になりました。

「あんたが知らない女の子といちゃつくのは勝手だけれど、
目障りなのは確かね。爆発してくれる?」

なお、このように多くの女性ゼクスが飛鳥の元に訪れたのは、白の世界の天使の一人、モテッツのせいでした。
彼女が現代世界にウリエル似の青年がいると吹聴した結果、噂を聞きつけた女性ゼクス達が天王寺家を訪れるようになったのが事の真相でした。

自称『男女の恋を応援し、愛の成就を願う天使』モテッツ。
出るたびに顔(イラストレーター)が変わることでも有名です。

その一方、さくらのパートナーゼクス、フォスフラムが神の眷属である《叶えし者》となってから、その神気の浸食に抗い続けた結果、精神力を使い果たし、消滅の危機に瀕するという深刻な事件も起きました。
死を覚悟したフォスフラムでしたが、ズィーガーに叱咤され、己を見つめ直したさくらの精神力によって彼女は不死鳥となって復活を果たしました
仲間を喪わずにすんで、飛鳥達もホッとしたことでしょう。

黄金の霊鳥から紅蓮の不死鳥へと
生まれ変わったフォスフラム。
彼女の復活劇の詳しい内容も
またいずれ説明します。

さて、トラブルこそ起こったものの、しばらく飛鳥達は戦いからは離れていました。
ですが、飛鳥とさくらは覚醒しつつある天使としての力によって、大和は卓越した傭兵としての直感で、神々の復活と暗躍を察知します

飛鳥「上柚木と天王寺の美男美女が勢揃いやね!
あっははは! ……ところで気付いとるか、兄ちゃん?」
大和「もちろんだとも飛鳥。忌々しい神々の気配だ。
我が贖罪を行使するのに相応しい地が決まったな。」

かつての行いの贖罪のためにも、神の企てを阻止したい、という大和とさくらの訴えを聞いた飛鳥達は、自分達も彼らに同行することを決意します。
飛鳥達は、早速、神々の軍勢が集結している名古屋へと向かいます。

ですが、その途中で八千代とアルモタヘルが飛鳥達から離れてどこかへ行ってしまいました
普段なら真っ先に彼女達のことを心配するであろうさくらが平然としていたことから、飛鳥達はあえて八千代達の行方は詮索せず、名古屋へと向かいます。

八千代達が単独行動をとったのは名古屋に集ったゼクスの中に
アルモタヘルと因縁のあるゼクスがまぎれていたからでした。
この辺りの話はまた八千代達の話の時にします。

中部地方でも屈指の最大都市、名古屋。
飛鳥もこの街に訪れたことは何度かあり、以前はミサキ達、シャイニングエンジェルのコンサートを見に行き、その最中にガーディアン部隊に襲われかけた彼女を守りました。
しかし、久々に訪れた名古屋は彼らの記憶にある姿から大きく変わっていました。

ボロボロになった街並み。
そこを闊歩する不気味な戦闘機械達。
名古屋の荒廃ぶりに飛鳥達が目を丸くする中、神のリーダー格、アヌの宣言の元、神と人竜との最終決戦「討祓戦」の幕が上がります――!


2.神との戦いの結末

他者の魂を焼失させるウィルス・ヴォイスを放つキラーマシン達が闊歩する戦場と化していた名古屋。
凄まじい数のキラーマシンの軍勢を目の当たりにした大和がサタンの必殺技である魔王砲が使えないことを惜しむ場面もありました。

飛鳥達はイグニッション・オーバーブーストを発動して、キラーマシン軍団との戦いに挑みます。
ですが、その圧倒的な数と危険なウィルス・ヴォイスを放つ殺戮機械達に苦戦。
しかも、最初にどこかへ行った八千代のみならず、乱戦の中で大和とさくらまではぐれてしまいました
倒しても倒しても次々と新手が現れるキラーマシン軍団相手に、自分と綾瀬だけで戦闘を続けるのは危険だと判断した飛鳥は、咄嗟に綾瀬の手を引いて後退し、一度戦線を離脱します。

新たなイグニッション・オーバーブースト形態となった飛鳥。
露出度が低下し、よりウリエルに近いデザインの姿となっています。

最前線から離れた場所で綾瀬と共に息を整えていると、唐突に頭上から男性と女性の声が聞こえてきました。
男性の声の方には聞き覚えがなかった飛鳥ですが、もう片方――女性の声の方には聞き覚えがありました。

ルル

「四大天使の目は摘み取る」

ディンギルの一柱にして、以前にも自分達を襲撃した神。
彼女は同じ神のザババと共に四大天使となる可能性がある飛鳥と綾瀬を殺害すべく、彼らを襲撃してきたのでした。
危険な相手から綾瀬を庇おうとした飛鳥は咄嗟に彼女の前に出る――つもりが、躓いて彼女に突撃してしまいました

いきなり抱き着いて来た飛鳥に、当然の如く綾瀬は激怒。
2 VS 2の戦いのはずが、危うく1 VS 3になりかけるという事態に……。

ルルと共に現れた男性神、ザババ。
やたらと四字熟語を使うのが特徴ですが、
神々の中では良くも悪くも真面目な部類です。

ルル達も呆れそうな展開を挟みつつも、神々との戦いに挑む飛鳥達。
綾瀬を怒らせてしまった飛鳥ですが、いざ戦いが始まると、これまで幾度も敵として、あるいは共に戦った彼らは驚くほどの連携力を発揮
ルル達に付け入る隙を一切与えず、気が付いた時には彼女達に完勝していました

討祓戦において、多くの神々がゼクス使い達やゼクスとの戦いに敗れ、消滅してしまったのですが、飛鳥達に倒されたルルは生存が確認できています
十中八九、飛鳥が彼女に止めをささなかったのでしょう。
例え神であり、敵対した相手であっても、殺さずに降参させて見逃す、というのは飛鳥らしいと言えるかもしれませんね。

敗北を受け入れたルルはこれ以上、飛鳥達に危害を加えないことを約束してその場から立ち去りました。
少し後にアイドルグループのSHiFTに所属するエンジェル、ミーリィのフレーバーテキストに登場。
どうやら、SHiFTのライブを見に行ったようで、ちょっと天然気味な結論に至るというコミカルな一面も見せていました。

ルル「ふむ。神とは異なるベクトルを持つ偶像。
私はアヌ様をアイドルとしてプロデュースすべきだったのか。」

その後のルルは他の生き残った神々とコンタクトを取って、再起を図ろうとしましたが、アヌを含めた大半の神々と連絡がつかない――恐らく、ゼクス使い達に打倒された――状況だった上に、生き残った他の神々が人類やゼクス達と共存に成功したことから、神々としての再起という当初の目的を諦めました。

後の物語でアバターという存在になったルル。
多くの神々が消滅した中で自分だけが
生き延びたことに苦悩する場面もありました。

一方、ザババの方はどうなったかはわかりません。
が、諸々の状況から察するに、こちらはしっかり綾瀬達にトドメを刺された可能性が高いです

話を飛鳥達に戻しましょう。
戦いが終わった後、飛鳥は綾瀬に戦闘開始前のトラブルを謝罪すべく全力で土下座します。
綾瀬はなおも不機嫌でしたが、この頃には各地の戦いも終結しており、さくら達や八千代達、そして大和達も戻ってきました。

テンション爆上がりした末に勝手にどこかへ行った大和の物言いに渾身のツッコミを入れた後、飛鳥は兄が見慣れない少女を連れていることに気づきます。
飛鳥がその少女について尋ねると、大和はなんと彼女を娘だと紹介
一瞬、目が点になった飛鳥ですが、それはその少女魔人の名前、「アニムス」にかけた大和のギャグでした

幼い少女の姿をしたディアボロス、アニムス。
他者の心を読む、という稀有な能力の持ち主ですが、
それ故にウソや隠し事を嫌う気難しい一面も持ちます。

さて、戦いが終わってこれからどうするかを相談し始めた飛鳥達ですが、そこでさくらが真剣な表情で口を開きます。
神々との戦いで助力してくれたニャルラトという人物に、飛鳥達と共にある場所へと向かってほしいと頼まれていたというのです。
その話というのが何なのか、そして依頼主の正体を探るべく、飛鳥達はさくらが伝えられたその場所へと向かうことを決めました。

サタンとの戦いが終わった頃に各地で
出現した謎の存在、ク・リト
ニャルラトもその一員であり、彼女達は
後述するある理由から現代世界を訪れました。

3.幻想の世界へ

さくらに先導されて飛鳥達一行が辿り着いた場所は、青の世界の技術で作られたと思しき近未来的な建物。
その前に、三人の少女が佇んでいました。
さくらがリーダー格と思われる銀髪の少女、夜刀うららに声をかけると、彼女は話を始める前にもう少しだけ待っていてほしいと飛鳥達に告げます。

こちらの少女が夜刀うらら。
挑発的な笑みが特徴的ですが、作中ではむしろ
自由気ままなク・リト達の行動や様々な異常事態に
頭を痛める苦労人ポジションだったりします。

うららが何を待っているのか、それが明らかになるまでさほど時間はかかりませんでした。
近未来的な建物の地下施設へと続いているスロープから巨大なロボットが飛び出してきたのです。

こちらがそのロボット、ヴェイバトロン
神器というロボット達が合体した姿なのですが、
この神器達と飛鳥達、というかウリエルと
フィエリテには浅からぬ因縁があり……。

ロボットに乗っていた四人の少年少女が地面に降り立つと、うららはこの場に集まった全員を見渡し――思いっきり頭を下げて飛鳥達全員に懇願しました。

皆様へお願いです。どうか私たちク・リトの故郷《幻夢郷》の危機を救ってください!

うららの話によると、彼女達の故郷の世界、幻夢郷が青の世界からの侵略者、アドミニストレータ ソルによって窮地に陥っているというのです。

青の世界の未来の黒崎神門にして、
人類滅亡の危機を引き起こしたコンピューター
シャスター開発の中心人物だった男、ソル。
彼は自らの野望のために幻夢郷に侵攻しました。

突然の頼み事でしたが、飛鳥はそれを二つ返事で承諾します。
困っている人は見過ごせない。
それが可愛い女の子ならなおさらのこと。
相変わらず女の子に甘い態度の飛鳥を見てフィエリテは不機嫌になり、飛鳥は彼女に耳と腕をつねられる羽目になってしまったのはご愛嬌です。

他のゼクス使い達もまた、それぞれの理由から幻夢郷に向かうことを承諾します。
うららは全員に感謝を告げると、それぞれにク・リトの宝具であるドリーム・キーを託しました。
飛鳥が受け取ったのは『運命の輪』。

ルルと初めて戦った時に啖呵を切ったように、
運命という言葉を嫌う飛鳥が『運命の輪』の
ドリーム・キーを受け取るとはなんの因果か。

全員にドリーム・キー渡した後、うららは早速彼らを幻夢郷へと案内します。
うららの案内で日本海溝に沈められたゲートに辿り着いた飛鳥達は、そこから幻夢郷へと向かいました。

幻夢郷に辿り着いた飛鳥達は、その中心にあるク・リトの王城に迎えられ、幻夢郷に滞在している間の居住区として、王城内の個室を割り当ててもらいます。
自宅とは異なる豪華な一室に興奮した飛鳥は、ハイテンションで隣の綾瀬の部屋に入り――着替え中の綾瀬の姿を目撃してしまいました
慌てて土下座で謝ったものの、その程度で許してもらえるはずがなく、飛鳥は怒った彼女に部屋から蹴りだされる羽目に……。
この時の様子はあまり詳細に語られていませんが、他のゼクス使い達からはどんな反応をされたのでしょうね。

さて、うららは幻夢郷の性質や注意事項、ドリーム・キーの使い方などを飛鳥達全員に説明した後、『自分からの指示があるまで好きにしていい』と告げ、自身は何かの準備に出かけていきました。
彼女の帰りを待つ間、ゼクス使い達はそれぞれに交流を深めます。

飛鳥に接触してきたのは、青の世界の巨大ロボット、神器とそのパイロットのゼクス使い達と共に行動していた宣教師の少女、ニーナ・シトリーでした。
普段は大阪の教会に住んでいるというニーナに、飛鳥は関西人の嗜みとして、彼女に『ツッコミ』の技術を伝授しました。
以後、巨乳にだらしない怜亜がニーナにハリセンを叩き込まれているようです。
一方、ニーナ達からペンドラゴン使徒教会への入信を勧められた飛鳥ですが、それは丁重に断りました。

以前にも少し触れましたが、出雲にカードデバイスで
キャプチャーされて海に投げ捨てられたソトゥ子を
回収してくれた人物でもあります。

また、八千代によると、王城在住時に飛鳥が女湯を覗いたこともあったそうです。
そんなことしたらまたフィエリテ達に怒られる……とも思いますが、彼の場合、前と同様に事故で女湯に入ってしまった可能性もありそうです。
まあ、故意にしろ事故にしろ、結局また簀巻きにされてそうですが

悪夢再び。

とまあ、そのような愉快な(?)トラブルもはさみつつ、今までにない大人数のゼクス使い達と共に過ごしていた飛鳥達。
特に大和は神器のパイロットである戦斗怜亜雷鳥超の二人と仲良くなり、幻夢郷の環境を活かしたスポーツ、エクストリームサッカーを楽しんでいました。

同じ神器パイロットであると同時に
ライバル同士でもある怜亜と超。
二人ともサッカー好きでもあります。

ですが、そんな兄の姿を見ていた飛鳥は、彼が弟離れをしたと感じ、不意に寂寥感に襲われます
同じように姉妹となかなか話す時間を持てないさくらやうららの姉、天竜ゆたかと共に、飛鳥は幻想的な風景を見渡せる王城のバルコニーに集まり、互いの境遇を慰めつつ、黄昏れるという少々不毛な時間を過ごしました。

幼い頃に幻想郷から現代世界にやってきて
人間として生きてきたク・リトの姫君、天竜ゆたか。
自身の出生の秘密を明かされて間もない
こともあり、彼女は現状に戸惑っていました。

ですが、そのような日々の中で彼は城内と城外、双方の不穏な空気を感じ取ります――。


4.不吉の予兆

幻夢郷での暮らしが始まってからしばらく経ったある日のこと。
今日もバルコニーへと向かおうとした飛鳥は、その途中で険しい表情でニーナを睨む綾瀬と、その視線を硬い表情で受け止めるニーナを目撃します。
飛鳥は自分と同じタイミングで駆けつけた三人目の神器のパイロット、獅子島・L・七尾と共に二人を仲裁し、なんとかその場は収まったものの、綾瀬は何も言わずにその場を立ち去り、ニーナも詳しい事情を説明することなく自室に戻りました。

二人の仲を心配する七尾を見かねた飛鳥は、彼女もバルコニー会議に誘い、ゆたかやさくら達と共に綾瀬達に何があったのかを考えますが結論は出ませんでした。

ドイツ人の教授と日本人のくノ一の間に生まれた
ハーフの少女、獅子島・L・七尾。
母から忍術を教わっており、まだ半人前ながらも
忍術を扱え、身体能力も非常に高いです。

綾瀬とニーナのトラブルを目撃してからさらに数日後のこと。
ようやくうららから仲間達全員への連絡がありました。
その内容はク・リト王家の姫であるゆたかが正式にプリンセスとして就任すること
――そして上柚木綾瀬とニーナ・シトリーが決闘を行うことでした。

後者の情報に、飛鳥は目を丸くします。
詳しい事情こそわからないものの、綾瀬とニーナの事情がかなり込み入ったものであり、その決着のために決闘という手段を選んだことは明白でした。
争い事を嫌う飛鳥ですが、綾瀬の頑なさをよく知っている彼は言葉で止めることは不可能と考え、二人の戦いを見届けることにしました。

綾瀬達の決闘が始まる時間が迫り、会場である闘技場へと向かおうとした飛鳥ですが、その時、彼は幻夢郷の最果てに誰かが出現したのを感じ取りました
どこか自分に近しく、ですがとても昏く、そして悲しみに満ちた気配。
まだ会ったことはありませんが、それが誰なのかは飛鳥にはすぐにわかりました。

ウリエル

闇色の翼と剣、顔を覆う仮面と
不気味な姿となった当時のウリエル。
彼に何があったのかはまた次回に。

ウリエルが何のためにこの地に現れたのかはわからないものの、その気配は余りにも不穏なものでした。
いずれは彼と相対しなければならないかもしれない――そんなことを考えていると、もう一つ、予想外の気配を感知します。
なぜか大和達がク・リトの王城から飛び出してしまったのです。

またしても単独行動の大和兄ちゃん。
彼が突如、王城から出立した理由は
また彼らの話をするときに。

徐々に城から離れていく兄の気配を感じながら、飛鳥は考えます。
今、優先すべきは綾瀬とニーナの決闘を見届けることですが、かといって大和達を放っておくのも不安でした。
誰かに彼らの護衛を頼めないだろうか――と考えたところで、飛鳥の脳裏に一人の少女の顔が浮かびました。

飛鳥は早速その少女、七尾の部屋へと向かい、彼女に大和の護衛を依頼し、彼女の分まで綾瀬達の決闘を見届けると伝えます。
それは同時に、親戚である綾瀬と友人であるニーナの決闘に心を痛める七尾への助け舟でもありました
飛鳥の気遣いに気づいた七尾は、その依頼を承諾します。

飛鳥「僕が綾瀬ちゃんとニーナちゃんの決闘を見届ける。
危なっかしい兄ちゃんを頼むわ、七尾ちゃん!」
七尾「兄者はワタシにお任せ! バルコニー同盟の威信と
シノビの意地に懸け、任務を成し遂げマース!」

大和達を追って出撃した七尾を見送ってから、飛鳥はフィエリテと共に覚悟を決めて闘技場へと向かいます。

闘技場には渦中の綾瀬達とニーナ達に加えて、闘技場を貸してくれたうらら、飛鳥同様に決闘を見届けに来た怜亜と超の姿がありました。
一方、さくらは風邪のような症状でダウンしており、八千代達はさくらの看病をするために部屋に残っていました。
また、ゆたかの姿はありませんでした。
見届け人も集結したことを確認したミサキのパートナーゼクス、サー・ガルマータ(アニムスの儀式の影響でぬいぐるみの姿となっています)は自身が決闘の審判となることを説明した上で、戦いの開始を宣言します。

その直後、ニーナの身体が光に包まれ、その姿を変えました。
その姿を見て、飛鳥達は息を呑みます。
普段のニーナとは異なる天使の羽根を生やした姿。
そして、自身の身体ほど巨大な水瓶。

十二使徒 宝瓶宮ガムビエル

「誰も憎まない。騙さない。傷付けないにゃ!」

綾瀬の両親を殺害し、最後には白の世界を滅ぼそうとしたあの凶天使の人間時代の姿がニーナ――。
飛鳥達は、この時に彼女達が決闘に至った理由を察したと思われます
一方、わざわざ自分の仇敵の姿に変身したニーナに激昂した綾瀬は魔人の姿へと変身
本格的に決闘が始まります。

「綺麗事はもうたくさん。目の前から消えて!」

戦いは、戦闘経験と殺意の強さの差から綾瀬達が圧倒的に有利でした
ですが、どれだけ痛めつけられても、ニーナ達は再び立ち上がり、何度も綾瀬に立ち向かいます。
綾瀬達の決闘を静かに見守る飛鳥達。
ですが、その途中でうららがなぜか闘技場から出ていき、それと入れ替わる形でゆたかがパートナーゼクスのフレデリカと共に闘技場に訪れました。

青の世界のマーメイド、フレデリカ。
歌や音楽に長けたマーメイド達の中でも
特別視されるほど高い歌唱能力を持ちます。

彼女は飛鳥を見つけると、何かを伝えようとして――直後、突然の轟音が王城を襲いました
ソルの手先が攻撃を仕掛けてきたのです

襲撃してきたのは神器達のデータをベースに
開発された強力なキラーマシン、ブライトロン
強力な武装と蓄積されたデータによる
行動予測を駆使する危険な相手です、が……。

異常を察した飛鳥はすぐに動き、フィエリテにリソースを供給
飛鳥の意図を察した彼女は綾瀬達が決闘を続けられるように、闘技場全体を守れるほどの大きな結界を展開しました
敵の迎撃にはゆたかから許可をもらった怜亜と超が出撃。
一方、綾瀬とニーナは決闘を続行します。

決闘と戦闘、二つの戦いに怯えながらも飛鳥に近づいたゆたかは、王城から出立した大和からの伝言を飛鳥に伝えます。
大和は王城から離れる前に、バルコニーで佇んでいた彼女に伝言を預けていたのでした。
ですが、大和の動向を既に把握していた飛鳥は、兄の護衛を七尾に頼んでいたことを彼女に説明します。
飛鳥の堂々とした様子と手際の良さにゆたかは心をときめかせたのだとか。

ゆたか「すみません……。いきなり王城が襲撃されて
パニくっちゃいました……。お兄さんから
〝しばらく留守にするが心配無用〟
って伝言預かってたんです……。」
飛鳥「気にせんでええ。僕も綾瀬ちゃんとニーナちゃんの
決闘を最後まで見届けたかったし、七尾ちゃんが後を
追ってくれとる。彼女、忍者なんやて。スゴイな!」

ゆたか達と共に綾瀬とニーナの決闘を見守る飛鳥。
やがて、決着の時は訪れました。

圧倒的な実力差は覆しきれず、遂にニーナは気を失ってしまいます
勝者となったのは綾瀬――ですがそこに勝利の喜びはありませんでした
しばらくの後、彼女はズィーガーと共に王城から姿を消しました
綾瀬達の事も気がかりでしたが、飛鳥は仲間達と共に王城に残っていました。
猛烈な嫌な予感と共に、不穏な気配を感じていたからです。
闇の底に落ちてしまった自分自身――ウリエルの気配を

果たして彼の予測通り、ソルの配下の強大なゼクス達――キュレータの一員となったウリエルは、今まさにク・リト達の王城に向かって飛翔していたのでした――


5.次回に続きます

ここまででだいたい第28弾から第35弾までの飛鳥達の物語となります。

神々との決戦を乗り越え、今度は異世界、幻夢郷に降り立つことになった飛鳥達。
新たな仲間達と出会えた一方、大和がどこかへ行ってしまったり、綾瀬がニーナと決闘したりと、トラブルも少なからず起こりました。
そして、それ以上に飛鳥が懸念したのはもう一人の自分、ウリエルの存在。
飛鳥の予測通り、間もなく彼はウリエルと対峙することとなります――。

次回はまず先に神門を封印した後からここに至るまでのウリエルの動向からお話ししていこうと思います。

それではまた次回!

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