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(結果的に)280時間の勉強で中小企業診断士一次試験に独学で合格した話

そうだ 診断士、受けよう。

そう思いついたのはコロナで通勤がなくなり、週末の趣味の集まりがなくなり、浮いた時間で本を読みまくっていたある冬の日。それから半年後、結果的に280時間の勉強で一次試験に合格することができました。それも、合計525点(経済88、財務80、企業71、運営78、法務72、情報72、中小64)と決して悪くない点数で。

ビギナーズラックの要素も多分に含まれるかとは思いますが、こんな体験談もあるんだ、って話半分に楽しんでいただけますと幸いです。

どうして「結果的に」なのか

まず最初に週10時間という勉強のペースを設定したので、当初は翌年の一発合格を狙ってました。20カ月勉強すれば860時間という計算です(一般に診断士の勉強時間は1000時間、私はいい大人なので14%引きという皮算用)。春に勉強を始めてまずはテキストと問題集で基礎を固め、秋ごろから過去問と並行して二次試験の対策も始めようという、いかにも乙女座らしい、至極まっとうな手堅い計画でした。

主に使った教材は以下の通り。
みんなが欲しかった中小企業診断士の教科書(上・下)
みんなが欲しかった中小企業診断士の問題集(上・下)
スピード問題集(1-7)
一発合格まとめシート(前編・後編)
あれ、何かが足りないぞ?

そして気分を盛り上げるために、まずは敵を知ろうということで5月の模試を申し込みました。模試の時点では「みん欲し」問題集を3周し、ようやくスピ門に取り掛かったところ。まずは、問題の量(TOEICみたいに大量に解かなきゃいけないタイプなのか)の確認と、10年ぶりのマークシートの練習のつもりでしたが、経済学がいきなり60点。総合評価もC判定(喜ぶような判定ではないけど、一応合格の可能性50%ですから)。

「あれ、これ行けるんじゃない? 少なくとも科目合格あるかもよ?」

いやいや。どんだけ楽天家なのよ、と思いますが、来年憧れの一発合格を狙うべきか、今年手堅く科目合格を取っておくか真剣に悩み、悩んだ挙句に今年の受験に申し込み、科目合格のつもりが合格してしまった、という訳です。

教訓1:3か月分の伸びしろは過大評価しよう

それで、どんな勉強したのよ?

こんな感じで勉強しました。

ラウンド1:47時間(約1ヶ月)
「みん欲し教科書」を1セクション読んでは、該当する部分の「みん欲し問題集」を解いてみる。へー、こんな風に問題になるんだ、って感じ。これを企業経営理論からはじめて中小企業経営・政策まで1通りやる。

ラウンド2:25時間(約半月)
「みん欲し問題集」2周目。もちろんほとんど解けない。1問解いては、足りなかった知識はどこだったか「みん欲し教科書」に戻って探し、該当部分にマーカーで線を引く。一応覚えようと頑張ってみる。これを企業経営理論からはじめて、以下略。

ラウンド3:19時間(約半月)
「みん欲し問題集」3周目。1問解いては、足りなかった知識はどこだったか「みん欲し教科書」に戻って探し、該当部分にマーカーが引かれていることにがっかりしながら、別の色でマーカーを重ねる。今度こそ覚えようと頑張ってみる。これで「みん欲し問題集」は一応卒業。

ラウンド4:78時間(約2ヶ月)
憧れの「スピ問」1周目。びっくりするくらい解けない。1問解いては、足りなかった知識はどこだったか「みん欲し教科書」に戻って探し(構成が1:1対応ではないので無茶大変)、該当部分にマーカーで線を引く。記載がなければ手書きで書き込む。結局「みん欲し教科書」はほとんどマーカーだらけになり、なんだ結局全部覚えなきゃいけないのか、と精神的にヤラレル。このラウンドが一番キツかった。

ラウンド5:52時間(約1ヶ月)
「スピ門」2周目。ここで暗記モードに入るために「まとめシート」投入。1問解いては、足りなかった知識はどこだったか「まとめシート」から探し(構成が1:1対応ではないので無茶大変)、該当部分にマーカーで線を引く。覚えやすくまとめられていることに希望の光を見る。

ラウンド6:42時間(オリンピック連休含む1週間)
既に試験当日まで1カ月を切っている。もう「スピ問」3周目を普通にする時間はないので、間違えた問題だけを解いていく。1問解いては、足りなかった知識はどこだったか「まとめシート」から探し、該当部分に当然のようにマーカーが引かれていることを確認して、別の色でマーカーを重ねる。

ラウンド7:15時間(1週間)
「まとめシート」のマーカーが重ねられている部分をひたすら暗記する。だって、そこさえ覚えれば「スピ問」全部解けるはずなんだから。

以上。あれ、過去問は? そう、そこまでたどり着けなかったんです。この過去問至上主義の世の中で、同じような人、誰か他にいませんか?
(追記:過去問やっていない方、他にもいらっしゃいました!
(追記2:各ラウンドの所要時間追記しました)

教訓2:やっぱり基礎が大事ってこと?

試験当日の戦略

過去問を通して解いたこともない。頼りになりそうな経験といったら、3カ月前に訳も分からず受けた模試のみ。それでも、時間に追われるような試験ではないけれど、わからない問題がずらっと並ぶだろうってことだけは想像がつく。
そこで、例えば、と考えた。例えば、スピ問レベルのサービス問題が2割混じっていたとして、まずはそれを確実に取る。そして、残りの8割のわからない問題については、知識を総動員してなんとか2択まで絞る。そうすれば、確率的には60点とれるんじゃないの?

結果的に実際もだいたいそんな感じになりました。最初からそのつもりなので、わからない問題が並んでいてもある程度落ち着けたかなと思います。そこに社会人の経験と勘と運を総動員して、50%の勝率から少しだけ上振れした結果が525点なんでしょうね。

ちなみに、いわゆる「ファイナルペーパー」は作ってません。二色のマーカーが引かれた「まとめシート」が私の「ファイナルペーパー」。自分ではあんなに上手くまとめられなかったと思うので、いい選択でした。

教訓3:100点とらなきゃいけない試験ではないことに感謝

さいごにおまけの豆知識

以上が、結果的に280時間の勉強で中小企業診断士に合格してしまった話、でした。過去問買わずに済んで安上がりでしたが、同じ方法を皆さんにお勧めしていいかどうかわかりません(他に過去問やらずに合格した方、いらっしゃいますか?)。こんな人もいる、ぐらいに思っていただければ。

あと、私の受験勉強ではマーカーが大活躍したのですが、色を重ねる都合上、そして裏映りなく快適に勉強するために、マーカーはフリクションがお勧めです。そして1回目は黄色、2回目はピンク、ってすると綺麗に重ねることができます。3回重ねる必要があるときには、1回目黄色、2回目緑、3回目ピンクがお勧め。以上、豆知識でした。フリクションはあっという間にインクがなくなるので、すごく勉強した気になれるのもメリットです。

教訓4:フリクションマーカーは正義

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