ボイロ劇場:転転話者を見て欲しい 18分45秒だけだから!

聡い幼女が好きです。
かわいい。

ジト目で慇懃無礼系の幼女が好きです。
かわいい。

賢いけど狭い世界に生きていて
目の前の問題が人生の全てのように思って大変なことをしてしまう幼女が、好きです。
かわいい。
誰かに助けを求めるべき状況でも、
誰も信じないでいることを強さだと思ってしまう幼女が、好きです。
かわいい。
まわりを散々手玉に取って翻弄するけど、
根のところの動機に子供っぽい純粋さが残る幼女が、好きです。
かわいい。

闇の深いボイロ劇場、単話完結で味わい深い余韻を残して終わる話です。

私はむかし零細演劇部に所属していて、零細演劇部でもできる台本を求めていました。なので登場人数が少なくて場面転換の必要が少ない、コンパクトな台本になりそうなネタを見ると「うおぉー!」となることがあります。
これです。
1つの部屋の中だけで完結しているけど、会話の中であちこちの空間、過去のいろんな時間を想起させる内容。零細演劇部感を感じる作風ですよね。

淡々とした会話で徐々に分かってくる状況、そして際限なく高まる不穏さ。
最初から一定ペースで語り続けていて、最序盤はなにがなにやら分からず情報が欲しくて「もうちょっと早く」と思っていました。
なのに終盤に近付くにつれてどんどん暗い結末を感じてしまって時が進むのが怖くなっていきます。

このまま感情を吐露する言葉だけを重ねてくれ、情報を増やさないでくれ、話を終わらせないでくれー! と情緒がぐちゃぐちゃになって良かったです。
ああ、まだこれだけ時間が残ってる、この時間でどれだけ悪い方向に行ってしまうんですか……。
言葉の合間に思い浮かべた嫌な結末を、少しだけ上回る幕切れで、とても良かったです。

ボイスロイド劇場、転転話者をよろしくおねがいします。
かわいい。

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