ベットサイズの変化に対するリバーブラフキャッチについて


SnowieTraningハンド
2/5 ef200bb
UTG open11 -> call
SB [TdTc]3Bet 38
Flop[Qc Js 9s] pot 81
bet27 call
Turn[3s]
x x
River[Th]
bet67.5 fold

リバーのハーフベットでエラー発生
このエラーは納得しうるもので、単純にハンドの価値に対して大きすぎるベットをしたために発生した。1/4Betであれば低頻度でベットしてもよいという結果となっていた。

言い訳がましいが、リバーの状況で考えていたことは、
1.AKはSB側にあり、相手はKを持っていてもレイズできない状況にいた
2.チェックしてベットに対してコールできるか判断できない
3.まあレイズされたら負けてるだろうなって思う

自分がOOPにいて、ターンまで強いハンドで強いハンドをX/R等で強いプレイしていたが、リバーでスケアカードが落ちた時のアクションが曖昧になることが多かった。
Snowieを通じて、スケアカードが出ても(ナッツが変わっても)リバーで引き続きベットするパターンを見てきたので、今回も同じ気持ちをもってベットしていた。この分野においては今度記事にする予定です(しろよ!自分!)

今回の反省点として、
1と3
=>それはそうなんだけど、それにしてはベットサイズがハーフベットでは大き過ぎます。小さいブロックベットなら許されるプレイです。
小さいベットでレイズされるのが嫌!という心理は人間的な感情なだけなので、無視しましょう。もちろん、これと同じ頻度でフラッシュ(今回の場合はほぼないけど)や、AK,KK,KQ,KJなどのストレートで小さいブロックベットを打つことも推奨されています。またAsKoの形を持っている場合、ブロックベットに対して相手がレイズしてきたとき、ナッツブロックのAIブラフが有効となる場面です。


=>とても興味深いトピックなので調べてみましょう。


では調べてみます。
リバーにおいて、自分(OOP)がチェックして、相手(IP)がベットしてきた時を詳しく見てみます。
まずベットサイズを①1/3PotBet, ②1/2PotBet, ③1PotBet, ④2PotBetの4つで分けて考えてみます。

①1/3PotBet

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自分の推奨アクションは100%コールとなっています。

では自分のベストハンドである可能性を見てみます。

イメージ

12%である事がわかりました。相手のベットレンジには12%のブラフレンジが含まれていて、ほとんどがバリューで構成されていると分かります。

相手の1/3PotBetレンジを見てみます

スクリーンショット 2020-03-21 20.37.02


ストレートが87.51%となっています。
KQJT9が82.09%
QJT98が5.43%
今回のブラフとしてベットしているものが、もはやショーダウンバリューの残されていない9のワンペアとなりました。
そのブラフレンジが12.49%となっていて、これには勝っているTTのトリップスということになります。
実践で、もし相手が9のワンペアの他にブラフしているハンドがあれば、ブラフベットレンジが12%から上昇するということに繋がります。

②1/2PotBet

画像4


①1/3PotBetの状況と同じく、100%コールが推奨とされていました。
違う点を上げると、OOPのコールが①と比べて少しEVが低くなっている、という点があります。小さいベットに対してフォールドするよりも、ハーフベットにフォールドする方がEVロスが少ないということになります。

では自分のベストハンドである可能性を見てみます。

画像5


2%という結果になりました。相手のベットは、ほぼブラフではないといっても過言ではないでしょう。この結果から見るに、フォールドしてもよいような気がします。
おそらく、リバーのGTO戦略がフォールドを許さないのかもしれません。

相手の1/2PotBetレンジを見てみます。

スクリーンショット 2020-03-21 20.49.12

ストレートが98.19%となっています。
KQJT9が89.82%
QJT98が8.37%
①と同様にブラフレンジが9のワンペアで、9のワンペアのベットレンジが1.81%となっていました。
A9もベットレンジに入っていませんし、9でもハーフベットするならチェックする選択肢が多いようです。つまり、BTN側がヒット系でハーフベットするのはEVロスとなる、という判断をSnowieは下しているみたいです。
①と話が重なりますが、相手がヒット系のハンドをブラフに変えてくるプレイヤーだとするならば、このブラフレンジが増え、自分がベストハンドである可能性が増えます。

③1PotBet

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自分のコール頻度が①②に比べて少し減りました。
フォールドとコールの混合戦略となっていますが、EVが0となっていて、コールしてもフォールドしても結果が変わらないブレークイーブンという結果になりました。

気になる自分がベストハンドである可能性を見てみましょう。

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75%で自分がベストハンドである可能性であると判断が出ました。
相手のポットベットに対して、コールしてもフォールドしても結果が変わらないブレークイーブンとなるためには、1:2(BBがコールするための必要勝率が33%)のポットオッズが必要だと思っていたので、この結果は意外なものとなりました。
相手のポットベットに対する自分の必要勝率が75%あって初めてブレークイーブンとなるみたいです。
またこの結果は①②と比べて自分がベストハンドである可能性が著しく上昇しました。つまり、相手はかなりの頻度でブラフし始めたベットサイズがポットベットということになります。

では相手のPotBetレンジを見てみます。

スクリーンショット 2020-03-21 20.49.59

ストレートが24.68%でAKは存在していません。
ブラフレンジがTと9のワンペアで97sの9の弱いペアがよりブラフをしていて、Tsはかなりの頻度でチェックをするが、低頻度でPotBetのブラフをするみたいです。
なぜ相手のベットレンジがブラフに固まっているかを考察していきます。
理由は、ポットベットレンジには、もはやKのストレートでもポットベットをしないという点にあります。KJsの4コンボのみでPotBetをしていて、その他のKXは全てチェックする判断を下しています。
また下のストレートも全てチェックしていて、もはやバリューとしてポットベットを打つことがリスクになりすぎていると理解しています。
そもそも①や②でも下ストレートでベットしている頻度やコンボが少ないので、シンバリューだろうが普通のバリューだろうが、そんなにIPからベットベットする意味がないと判断していると思います。
話が逸れましたが、そもそもKXでPotBetすることもそんなにないので、バリューでベットするレンジが減り(チェックバックするレンジに移行し)、残されたベットレンジがブラフレンジとなり、必然的にブラフコンボが増え、自分がのベストハンドである可能性がかなり高くなったという事になりました。

④2PotBet

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100%フォールドを推奨していて、もはやコールすると-EVとなりました。
ブレークイーブンすら取れないベットをされているという結果です。
EVロスをみると、-0.41ですが実収支にかなり影響する結果になりそうです。

では自分がベストハンドである可能性を見てみましょう。

画像11

なんと100%の頻度で自分がベストハンドであるとなりました。
①②③を見てきた流れでこの結果に対する理由を予想してみましょう。
おそらくストレートで2PotBetを打つ価値がなく、残されたベットレンジがブラフしか残らないことが原因となりそうです。
また、ターンでお互いチェックをしているので、ターンにおけるお互いのレンジにフラッシュドローはあるかもしれないが、フラッシュが存在しないことになっています。

では相手の2PotBetを見てみましょう。

スクリーンショット 2020-03-21 20.50.14

予想通り、ストレートでベットしているものが存在せず、フラッシュもないので、9のワンペアだけが残り、Asのブロッカーブラフか、わずかながらTsブロッカーブラフをしています。
このことから、2PotBetでブラフする時に、トップペアほど強いものはブラフする価値がなくなり、ショーダウンを目指すことが重要であるとわかりました。

これらのことから面白い結果となったことが、自分も相手もどちらにもフラッシュがないということが分かりました。なので、重要な点は自分もしくは相手がストレートを持っているかどうか、という点になります。

また、ベットサイズによって相手のブラフレンジが変化していくことが分かりました。
具体的に言うと、小さなベットにはストレートが多く存在してくるので、ストレートが90%・9のワンペアがブラフとして10%というベットレンジが構成されます。
中程度のベットにはストレートのベットでほとんどが構成され、9のワンペアをブラフに回すレンジが消え始めたので、中程度のベットの大半がバリューとしてのストレートという結果になりました。
大きなベットには、もはやストレートですらバリューとしてベットすることがバランスの悪いベットとされ、ストレートのコンボが減り、結果的にブラフコンボは増えてないですがブラフ頻度が増えました。故に、TTのトリップスがショーダウンで勝つ可能性が上がりましたが、ベットサイズ的にコールしてもフォールドしてもEVが同じ結果を生みました。また実収支にもかなりの影響が出てきます。
それ以上のベットサイズでは、もはやストレートでベットすることができず、フラッシュである可能性もないので、相手のレンジにはブラフしか存在しない状況になりました。しかしOOPはIPのベットにコールするほどのリスクをとることができない状況となったので100%フォールドをしています。
しかし、コールしても表示されているEVロスは少ないですが、かなり大きな実収支として影響されます。

レビューしてみて思ったこと。
実践では、リバーで相手が大きなベットをしてくると、「相手はブラフしているかもしれない!」強くと思うのが人間の心理に働きます。
しかし、圧倒的に負けていて大きなバリューを取られることが見ていて多い気がしていました。
一方で、Snowie的には、大きなベットは完全にレンジをポラライズしてきて、バリューで勝っているハンドでベットしているか、なんらかのハンドをブラフにしてベットしていました。また小さいベットには多くのバリューとなるハンドを含めて、その中になんらかのブラフハンドを入れてベットレンジを構成されていました。

今回の例では、小さいベットにはストレートのレンジを数多く含め、ショーダウンバリューの残されていない9のワンペアをその小さなベットレンジに含めていました。ベットサイズが大きくなるにつれ、ストレートでのベットコンボ数が減り、9のワンペアでは相変わらずブラフベットレンジに含め続けたため、2PotBetのときにはストレートでのバリューベットレンジが存在しなくなり、ブラフベットレンジである9のワンペア(もしくはTのワンペア)のみが残りました。

そして、OOPはベットサイズに応じてコールするかフォールドするかの選択をしています。相手のレンジに多くの強いハンドがあったとしてもコールしているように感じました。上の例を上げると①1/4PotBetや②1/2PotBetで、ほぼ負けているレンジしか出てこないがコールしていました。
実践ではここをエクスプロイトして、単純に負けている頻度が高い(②のベストハンドである可能性が2%みたいな時)はコールせずにフォールドしておけばいいかなと思いました。


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