強いハンドでチェックバックすることの必要性

AoNLHとSnowieで調べたことが興味深かったので記事にする。

内容は、自分がIPにいるときにフロップでベットするかチェックするかの判断における記述である。

状況の代表例でいうと、
1.自分がBTNからオープン、相手がBBからコールした状況における自分がCBを打つか打たないかの判断。
2.相手がUTGからオープンして自分がBTNからコール、相手がフロップチェックした時に自分がベットするかチェックするかの判断など。

まずAoNLHで述べられていることを記述する。

強いハンドでチェックバックすること
IPからチェックバックすることはゲームから1つ分のストリートを取り除くことになるので、強いハンドでこれを行うことが望ましいことは稀である。
それでも、ベットすることにそれほどのバリューがなく、フリーカードを相手に与えることがリスキーではない場合には、強いハンドでチェックバックするのが最良だと言える。
強いハンドでチェックバックすることは、多くのターンとリバーのカードが自分のレンジに強いハンドをほとんど作らない場合にも意味を成すプレイとなる。なぜなら、自分のハンドが強いはずがないであろうときにおいては、相手はターンとリバーで時々オーバーベットをすべきためである。
ターンとリバーカードの多くが相手のハンドを強くさせてしまうボードテクスチャーに対して、自分がチェックバックすることがリスクの高いものである一方、のちのストリートで相手が弱いハンドでオーバーベットをしてくれる時に、自分にとって十分なリターンがもたらされそうならチェックバックすることにも価値がある場合がある。

Ex.1
プリフロップ BTN(自分)がオープン、BB(相手)がコール
フロップ[Ts 9s 5c]
このボードでBTNが強いハンドでチェックバックをしないがBTNはチェックバックをした場合、ターンが2dなどのラグが落ちた時に、BBはAT,KTなどのハンドでもって大きなベットをするべきである。
BTNのレンジにほとんど強いハンドがない場合には、はオーバーベットをすることを恐れるべきではない。

SnowieでEx.1を見てみる。

画像1

100%の頻度でBBがターンPotBetを選択している。
次にBBがターンでPotBetを打つレンジを見てみる。

画像2

100%の頻度でBetするものは99,55,22のセット、Tのトップペア、Kハイフラッシュドロー、A4,A3,KQ,KJ,QJ,Q8,J8のストレートドロー
ベットレンジは全体の35.8%であった。

この時点で何が言いたいかというと、BBはバリューハンドを持っているときはチェックではなくPotBetをしてくるということだった。
AoNLHの記述を繰り返すが、「BTNのレンジにほとんど強いハンドがない場合には、BBはオーバーベットをすることを恐れるべきではない。」と書いてある。

Snowie上で先を進めることにする。
ターンにおけるBBのBetに対してBTNはコールを選択した場合、リバーはどのような動きになるのかを調べた。

画像3

BBはリバーもBetを選択していて、BetSizingは1/2PotBetであった。
まず、BB側のリバーベットレンジを見てみる。

画像4

ほとんどがTと2の2ペア(定義上、ターンリバーをわかりやすいラグにしたため、実質フロップのトップヒット)で、ターンにおけるセミブラフレンジはリバーではほとんどチェックを選択している。しかし、BBのベットレンジは65.5%で高頻度でターンとリバーもBetすることになる。
仮にBTN側が88などのマージナルハンドを持っている場合、あまり嬉しい状況ではないことになっているのは明らかである。

ここでBTNのコールレンジを見てみる。

画像5

約89%のレンジでコールを選択している。
強さはT以上の2ペアやJ9などの9と2の2ペアであった。
ここから言えることは、
①JJ+のレンジでフロップをチェックバックしているということ
②ターンでバリューハンドでコールしているものはリバーもコールする
③リバーでFoldを選択するものはターンでドローであるものだけ。(ターンのコールレンジに88などのマージナルハンドは存在しない)

個人的に興味深く、知ることが出来たことは、
・自分はこのフロップにおけるBTNのチェックレンジにJJ+を入れていない。
・AKや88をフロップチェックレンジに入れているが、後のストリートでの判断がしにくい。
ということだった。

SnowieはAKも88もチェックを選択していて、その意図は自分なりに汲んでいて理解しているつもりだったが、そのチェックレンジ構成だと明らかにターンのBTNが強いものでないレンジしか存在しないということになっていて、プレイしにくかった。(セットやトップペア以上はフロップベットを選択しているから)

しかし、JJ+の強さでフロップチェックバックする選択肢は自分の考えには存在しなかった。チェックの頻度が100%ではないものの、チェックをする選択肢を入れることでかなり安定的なプレイができるのではないかと思った。


AoNLHの続きを書く。

実際のところ、先程のようなウェットなボードに対して、強いハンドをチェックバックするというプレイは、頻繁にオーバーベットをすることのできる素晴らしいプレイヤーに相対しているときにしか正当化されない。そのような戦略(ターンにおけるオーバーベット)をしないプレイヤーに対して、フロップでバリューベットをして、ターンにラグカードが落ちた場合においては、相手がチェックコールやチェクレイズをしてくれるのを待つほうが良いものなのだ。

言い換えるなら、ウェットなボードテクスチャに対して、強いハンドで時にチェックバックをすることが意味を成す理由を理解しておくことは重要であるが、搾取的な考えからすれば、ほとんどの相手に対しては悪いプレイとなるわけである。

以下続くかも
このテーマで興味があるもの
・3Betpotにおける、IPから強いハンドでチェックバックする状況

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?