兄と話したこと

役者をしている兄とさっき売れ方の話をしていてそれが面白かったので忘れないうちに書く。
役者の世界はギャラがすごく少なくなっていて、昔は1日拘束で20代は2万円30代は3万円、40代は4万円となっていたが、今はそうならなくなっている。40代でも1万円〜1.5万円の現場が増えていて、多くの役者は専業で食えるというのを目指すのでそれでも受ける。だから役者全体のギャラが上がっていかないという構造になっているのではないかとのこと。

そこで兄は20代の駆け出しのときはなんにでも出て、顔を売り、選択肢に上るようにしていった。今度は40代にさしかかってきて、映画を選び映画に尽くす役をするようにしているとのこと。そして、新しい才能への嗅覚を研ぎ続けているということも言っていた。

そして、そのために必要なのが別の仕事をしてでも食っていく姿勢なのではないかと。兄は役者の専業で食っていく気はあまりないと言っていた。体が動くうちはいろいろな仕事をしてなんとか食っていくつもりだと。それで自分のすべき、やりたい仕事が来たときに出られるようにしておくとのこと。

僕から見た兄は役者である以上にいい観客でもある用に見える。映像芸術とでもいうジャンルに真剣に肉薄しようとしていて、役者の演技に対する評価や映画の見方はとても面白いし勉強になる。
僕はそちらでは勝てないので、産業構造や社会情勢等の外堀から距離を詰めて話すが、本流で学び続けている人には全く歯が立たない。

また、役者は消費され続ける存在ではあるが、同時に消費されきったときが役者としての寿命じゃないかと話していた。確かにバッと売れてあとは全然売れない人がいる。そういう人でいい演技ができるのになと言う人はあまりいないように僕は思う。兄は自分が数字を持っているとか、演技以外の必要性で選ばれるようになったら終わりだと言っていた。それでも選ばれるのは素晴らしいと思うけど、そうじゃないらしい。そういう視点は、(嫌な言い方になると思うけど)役者というキャラクター商売独特の視点だと思う。それを押して言って勝負する人もいるけど長く土俵の上にはいない。それはとても残念なことだけど、実際そんなもんなんだろう。

兄の役者としての位置づけは知らないけど、個人としてとても面白い人間なのでまた色んな話を聞いてみたいと思う。聞けたことで、とどめておきたいことなどはここに記す。

そういえば、昨日ネットフリックスに入会した。
夜にジョーカーを見てから、今日は仕事の合間にスタンダップコメディーの番組などを少しづつ見ている。
とても面白い。
何度も見ようと思う。

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