キャラクターイラスト描き方メモ

・キャラクターイラスト


3Dデッサン人形ソフトで構図を決めよう!
キャラクターイラストを描き始めた人のよくある悩みとして、「人体の構造がイマイチ分からないからバランスが崩れてしまう」という点があると思います。

そこで、「模写」や「デッサン」をしながら解剖学を学んでいくことで、人体の仕組みを頭に叩き込み、上達を図る方は多いです。

もちろん、基礎画力を磨いていけば「見る力」が培われるので、適切な色の選択やパース感を身につけることができるので、長期的に見れば正しい練習方法です。

しかし、休日の暇なときに落書き程度でキャラクターイラスト制作を嗜みたいような人にとっては、面倒に思えてなりません。

気軽にイラスト制作を楽しみたいけど、上手く描けない人にオススメしたいのが、アタリを3Dで作ってしまって、表情や髪、衣装などのパーツを載せていく、「スタンプ方式」です。(勝手に命名しました(汗))

今回は、「デザインドール」という次世代デッサン人形ソフトを使用します。

このソフトは、無料で公式ホームページからダウンロードできます。

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最初は、独特な操作方法なので「使いづらいなー」「これなら3D使わずに描いた方が早いよ!」と思いましたが、今となっては2~3分で頭に浮かべたキャラクターの素体を作成して、ポージングさせることができるようになりました。

詳しい方法については、別の記事で徹底解説していきたいと思います!

顔のパーツを個別に用意すべし!
3Dで素体が完成した後は、各パーツをその上に載せていくだけです♪

いつでも使えるように、下図のような正面の「目」や「口」を用意しておくと、正面以外の角度でも自由変形で3Dのグリッドに合わせて変形させるだけで、違和感のないキャラクターイラストを作り上げることができるので、非常に便利です!

このようなテンプレートを作っておくと、後々楽に制作できる。

特に表情のパーツは、個性が出るところなので、色々試してしっくりくるパーツ作成をしてみましょう♪

目サンプル

髪の毛の描き方
表情パーツは、予めスタンプ感覚で作成したものを変形させて貼り付ければ綺麗に仕上がりますが、問題は髪の毛です。

髪の毛はアングルや風の流れる方向などによって形が大きく変わるので、テンプレート化しづらいものです。

しかし、基本的な考え方さえ知っていれば、後は作業をするだけなので難しく考えないでください!

基本的に、髪の毛は「前髪」「横髪」「後ろ髪」の3つに分けられます。

講座3

つむじにバッテン印をつけて、そこから毛先に流れていくように描いていく。

講座4

このとき、1本1本髪の毛を描くのではなく、毛束で一つと考えてざっくり描いてください。

毛束感は人それぞれなので、好きなイラストを真似しよう!

服は絶対に資料を見ながら描くように!
自分でイチから考えた洋服を着せたい場合でも、はじめのうちは、似たような衣装を通販サイトや画像検索で見ながら、シワの付き方や構造をよく捉えて描いていくと違和感の少ないイラストになるでしょう。

このイラストは、実在しない衣装だが、実物の服を見ながら作成し、様々な商品を見ながら描いています。ここでのポイントは、服にも動きを付けると垢抜けたように見えるので挑戦してみてほしいですね♪

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可愛い条件とは?
猫や犬を見て可愛いと思うのはどうしてか?グラビアアイドルの写真を見て美しいと感じるのはどうしてでしょうか?

人によって「可愛い」の定義は違えども、おおよそ下記の4点が可愛いポイントではないかと考えています。

・左右対称
・目と鼻、目と口が綺麗な逆正三角形の配置
・髪の毛に動きをつける
・バランスが整った構図

講座2

アニメ塗りのコツ
キャラクターイラストで、最もポピュラーな塗り方の一つに「アニメ塗り」があります。

アニメ塗りとは、その名の通りアニメを制作する際に用いられる塗り方の一種で、スピーディーに仕上げられるのが特徴です。

基本色をパーツごとにレイヤー分けして、それぞれのレイヤーに下塗りをします。

レイヤー構成は、最も下から「肌色」→「白目」→「瞳」→「髪の毛」のように作成し、下に来るレイヤー色は、塗り漏らしがないように広めに塗るのがポイントです。

下塗り段階のイラスト。各レイヤーの上に新規レイヤを作成し、クリッピングした後に影を描いていきます。

簡単な影色の作り方
影を厳密に再現すると、環境色や光の当たり具合などで大きく変わるため、非常に難しいのですが、キャラクター単体の簡単なイラストでは、影も簡単に作成できます。

カラースライダーと呼ばれる「色相」「彩度」「明度」の3つのスライダーを表示させ、「彩度」スライダーをより鮮やかに、「明度」スライダーをより暗くすると影色の完成です。

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「S」スライダーを右に、「V」スライダーを左にすると影色の完成

影の塗り方
アニメ塗りは、ペン入れなどで使用していたペンツールでそのまま影を描いていくだけです。

光源を意識しながら影を描かないと、違和感が出てくるので、はじめに光源を自分の中で設定して影を落とすようにする習慣をつけると良いかも知れませんね♪

影は、2段階に分けて暗くすると奥行きが出て、立体感のあるイラストに仕上がります。

仕上げ
キャラクターイラストが完成しても、背景が真っ白なら味気ないので、軽く模様を入れてみてもいいでしょう!

ひなこ2

図形作成ツールで淡い色で塗りつぶした後、消しゴムツールでそれっぽくデザインしてみました。

上図のような簡素な背景だと2~3分で作成できちゃうので、すぐに絵を見てもらいたいときに便利です♪

青春

時間があれば上図のように、ややしっかりめな背景を描いてみると、キャラクターイラストに高級感がでてくるので、おすすめです!

空の描き方や山などの背景制作のポイントも今後の記事で取り上げていこうと思っているので、ぜひご覧ください♪

「かわいい系」「クール系」・・・似たような性格の指示書から個性を引き出すためにやっている事

よく指示書で見かけるのは「おっとりした性格」とか「オレ様系」とか、同一のタイトルでも同じような性格のキャラの依頼が来る事が多々あります。そんな中で、それぞれのキャラに個性を与える方法をお伺いしました。

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キャラの性格や仕草、行動など“らしさ”を掘り下げて考えてから、構図や衣装デザインを起こすようにしています。

例えば「おっとり」という指示書内容でも「窓辺で本を読むタイプなのか」「いつも眠そうにしているのか」・・etcまで詰めていますね。

この子はどういう子で、どんな表情を浮かべるんだろう、と考えつつ構図ラフや顔つきを作るためです。おっとりは「おっとりらしさ」があるので大枠は絞られるのですが、この子はつり目、たれ目・・などバリエーションを意識して同じ顔にならないように差を出しています。

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な、なるほど!

指示書にある参考画像のままではなく、しっかりと作家様独自の解釈をイラストに足すことが大事なんですね。

ポイント②
衣装デザインを考える際の5つのポイント

ついつい、好きなもの・得意なものだけで構成してしまうと「あれ?また同じ印象の子になっちゃった」ということはないでしょうか?キャラに合った衣装デザインを起こす上で気をつけているポイントはどこなんでしょうか?

【1】まずはイラストからでなく文字から要素を整理していく!

まずは「和風」という大きなテーマがあった場合、このキーワードから連想するモチーフをテキストで起こしていきます。

「振袖」「月」「鎧」「桜」・・・・などなど。

その時に「フリル」や「ベルト」など別カテゴリのキーワードも組み込んでアレンジのポイントとして考えるのも◎

一度文字で頭の中を整理してから、キーワードを取捨選択・組み合わせてモチーフを絞っていくそう!

【2】やりがち!いろんな要素がありすぎて、ごちゃごちゃしてしまうのを避ける方法

まずテーマに沿った大きなモチーフを決めることが、ごちゃつかないコツとのこと。

確かに、あれも入れたい!これも入れたい!だと結果的にどこを見せたいのかわからないデザインになってしまいがちです!

例えば「チューリップ」とモチーフを決めたら、チューリップの特徴(広がる袖や花弁をモチーフにしたレリーフ等)で統一感のあるデザインを組み立てることも重要ですね。

【3】キャラ「らしさ」がでる衣装デザインとは

可愛らしい柔らかな印象のキャラをデザインしたい場合は衣装を曲線でまとめる、

逆にクールでかっこいいキャラをデザインしたい場合は直線を意識するなど、全体のシルエット感からもキャラの印象を整えていくそうです!

【4】脱マンネリ!衣装デザイン以外の参考資料

既存の衣装デザインを参考にするだけでなく、新しい要素を取り入れていくために「香水瓶」の意匠をモチーフとして取り込む、というお話がありました!

確かに衣装デザイン以外でも、例えばアールデコ調の建築物なんかも参考になるかもしれないですね!

【5】参考画像収集に超便利なサイト!「Pintarest」

参考画像集めはどのようにしているのか?というご質問では、皆さん「このサイトを利用している!」とのことでした。

https://jp.pinterest.com/

初めて見る方は要チェックです!

5つのポイント、早速実践できる内容ばかりですね。ぜひ参考にしてみてください!

ポイント③
製作サイズはA4、でも実装サイズはスマフォの画面・・・見落としがちな実機サイズでの視認性を担保するためにやっている事

最近弊社でも「視認性」「潰れないように」・・・などのキーワードでクライアント様から監修されてらっしゃるな、と思うことが増えてきました。どんなに細かく、細部まで書き詰めても実際の表示画面は「1334×750px」以下に収まってしまう場合が多々あります。

その「実機サイズ」で一番魅力的に見えるイラストの描き方のコツをお伺いしてみました。

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ラフを起こす段階から、実機サイズのナビゲーションを表示させておいて構図を考えています。

小さい表示で見てみて、視認性が悪いと思ったパーツはサイズを大きくしたり、色を変えたり、いっそ無くしてしまうなどの判断をします。

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構図も長方形の画角サイズに均等に要素を納めるのではなく、「抜き」を作るために長方形の画角サイズの中で三角形のシルエット感になるように、キャラのポージングやエフェクトを配置をするよう意識しています。

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確かに!一番みてほしいところに目がいく、ユーザーの視線を集中させるためにも

メリハリをつけたバランスを作るのはとても大事ですね。

【まとめ】

皆さんのお話をお伺いして、常に技術向上の方法を模索され練習を重ねられている姿にとても感銘を受けました。

勉強会の合間に「今、これの勉強をしていて・・・」とか「この不足をカバーするためにこういう試みをしていて・・・」というお話をたくさんお伺いできました。

また自分が担当されているタイトルはプレイしたり、実況を追ったり、クライアントやユーザーがどんなイラストを欲しているのかの研究をして、ご自身の絵もブラッシュアップされるだとか。