ファッションイラスト描き方メモ

・ファッションイラスト

ファッションイラストとは??

服装を主としたイラストレーション。

服飾の形、素材、柄、色など、服飾やファッションのアイディアをわかりやすく伝えるために描写したものを「デザイン画」と言います。

デザイン画の中には、純粋に服そのもののデザインを表現した「ファッションデザイン画」、イメージを優先させてスケッチした「ファッションドローイング」、それらを合わせて背景まで含めヴィジュアル的な構成が凝っている一枚の作品としたものが「ファッションイラストレーション」です。

ファッションイラストは、ファッション造形のためのデッサンや、衣服をリアルであったり魅力的に見せる表現力、素材や構造などの知識も必要になるイラストです。

そのため、ファッションイラストレーションを描くにはまず、洋服を綺麗に着こなすプロポーションの人体、洋服や装飾品の構造やディテールを理解し、ファッションデザイン画が描けることが必要になります。

デザイン画を描くとき、服を着ている中身(ボディ)を意識するとリアリティのあるデザイン画を描くことが可能になります。ファッションイラストは、洋服の構造・ディテールを伝えることが一番の目的です。

一定のバランスでボディを描けるようになることで、ファッションアイテムのデザインポイントをより明確に表現することができるようになります。

そのためには、同じプロポーションのボディをあらゆる方向から描けるようになることが大切です。

枠図を作りその枠を下敷きにしてボディを描く!
まず人間の身体の構造を考えてみましょう。

自分の体を鏡で見てみると分かりやすいと思いますが、様々な場所に関節があり、その関節を支点に運動し、関節間に体のパーツがありますよね。

今まで特別考えることもなかったかも知れないけれど、この関節を意識するだけでイラストは格段にリアルさが増します。

まずは正しい位置を押えることが大切!

そこで、関節の位置を中心にプロポーションを示した枠図を作っていきます。この枠図で練習することにより、今まで絵を描いたことがない人でも一定のバランスが取れたボディを描けるようになりますよ!

人体のプロポーションはファッションモデルを参考にする
ファッションモデルはどんな洋服でも格好良く、魅力手に着こなしてしまいます。でも、それはなぜでしょう?

そこでモデルの体型の特徴を考えてみます。

身体全体に対して顔・頭が小さい
一般人よりも一回りまたはそれ以上に細い
手足が長い

こんな感じでしょうか。

実際にモデルにはこのような体型の方ばかりが選ばれてなるものですが、これらモデル体型の特徴にはデザイナーの意図が組み込まれています。

顔は、服のデザインをわかりやすく大きく見せるために小さく。身体が細いのは雑誌や広告などの紙媒体、テレビやモニター映像の平面で表現する場合に見栄えがいいため。平面になると、輪郭の陰影の部分を抜きにして一回り細く小さくなければ太って見え、洋服が美しく見えなくなってしまうのです。

また、手足が長い理由はポーズを取ったときに、ダイナミックに、より魅力的に見せることができるからです。


ファッションモデルは、デザイン画で必要な【洋服を綺麗に見せる法則に近い人間】がモデルとして選ばれているということです。

ということは、このモデルたちのプロポーションを参考にしたボディが描ければ、カッコイイファッションイラストが描けるようになるということですね!

ボディを描くための枠図の作り方
用意する物はB4の紙と長さ35cm以上の定規です。


デザイン画のボディの大きな特徴としては

頭1つ分の長さを1頭身とすると全身は8頭身
身体の半分は脚
頭の幅は2/3頭身


になります。

このボディを描けるようになるためには、枠を使って練習するのが一番!

枠の作り方は以下で説明するので、実際に線を引いていっていみましょう。

枠を自分で引くのが面倒な方は、私のメルマガに登録してもらえればillustratorで描いた枠図をプレゼントいたしますので、よかったらご登録どうぞ。

でも、自分で枠を描くことも練習になるのでちょっと面倒でもがんばってみるといいかも!

①中心線を引く
まずB4用紙の真ん中に身体の軸となる重心線を一本長く(B4なら1頭身を4cmとして32cmにするとちょうど良い)描きます。
重心線とは体重のかかり具合を左右する線で大事なものです。


紙を半分に折って描くと線が引きやすいです。


中心線は赤で描いてわかりやすくしましょう。

縦線の長さはB4サイズで32cmまで引きましょう。

②中心から3.5cmずつ線を引いて枠を作る
その重心線を中心に、左右に1頭身弱(B4サイズであれば3.5cm)ずつ線を引きます。


分かりやすいように、図と手描きどちらも同じ画像で説明していきます。


③縦線を8等分する
1頭身を4cmとするので、32cmの線に縦に4cmずつ横線を引き8等分にしていきます。


8等分したら、どこにどの体のパーツを描いていくか分かりやすくするために0〜8の番号をふっていきましょう。


ここまで描いたら格子状の枠図っぽくなってきましたね。

次はさらに関節を基準にした各パーツの位置を描くための線を引いていきます。

④各ボディパーツがくる位置に線を引く


頭頂部分は0になり、

下あご先は1の線鎖骨部分は1と2の中間(B4なら1の線より1.7cm下)に横線を引く。


バストトップの位置は2。


ウエストは3より0.5cm上に横線を引く。


ヒップラインは4の股下の上1/4(B4で1cm上)のところに横線を引く。


股下は4。

つまり身体の半分が脚になり、これを基準に上半身と下半身とする。


ひざ中心線は5と6の間に横線。

足首は8より1.5cm上(7と8の中間くらい)に横線を引く。


かかとは8になり、つま先はヒールの高さの分だけ下になります。


これで身体の縦幅の線はすべて描けました!


次は身体の横幅を決める線を描きます。

⑤体の横幅を決める線を引く
体の横幅を決める線は、1頭部幅と2頭部幅の2つの縦線が必要になります。


1頭部幅は2/3頭身(B4なら2.6cm)幅の縦線を、重心線を中心にして(重心線から左右1.3cmずつ)縦線を引きます。

1頭部幅で描いた線に、更に両端1.3cmのところに縦線を引けばそこが2頭部幅になります。

↑こう伝えると少し分かりにくいですが、B4に描いたなら中心から2.6cmと5.2cmの線を描けばOKです!


1頭部幅にはウエストとバストトップが収まり、
2頭部幅には肩幅とヒップ幅が収まるようになります。

これで縦に合計7本、横に合計14本の線が描けたらボディを描くための枠図の完成です。

⑥いらない線を消す
せっかくたくさん線を引きましたが、下半身になる股下4~足首がくる7と8までの間の線は必要のなくなったので、3、5,6,7頭身目の横線は消しておくと描きやすいでしょう。


これで枠図の完成です!

自分で手描きで描いた場合は、コピーして使いましょう。

①頭
まずはじめに枠図の重心線を写します。

定規でまっすぐ引いてください。


次に頭を描きます。


頭全体は0から1の間にすべて収まるように、1頭身を3分割し、上2つに円を描きます。
その円の外側から1のラインに向かってアゴのラインを卵形に描きます。


顎先が、1のラインにくるように、おさまりよく描きましょう。

②首
次は首を描いていきます。

首の縦線は重心線から左右1/2頭部幅になるように、均等に1から下に鎖骨部分まで直線を引く。

首付け根の線は、裾に丸みをつけた楕円に描きます。


③肩幅・肩・胴・ウエスト
次は肩幅・肩・ウエストを一気に描いていきましょう。デザイン画では前屈みになることはないのですべて一括りで考えます。

まず肩幅は2頭部幅にし、横に線を引きます。

次にウエスト幅は1頭部幅にし、横線を引く。


この二つの横線の外側の端どうしをつなぐ線を引き、胴体の逆三角形ができあがります。

このままでは首から肩をつなぐ線がないので、首の縦線の長さを3等分し、下から1/3のところに肩のポイントをつけそのポイントから肩幅の線の端を結日ます。


両方の肩と首の線をつないだら、だんだん胴体っぽくなってきましたよね?

次にこのままでは直線的すぎるのでふくらみをつけていきます。

ここでパーツは基本的に紡鍾形(円柱状で真ん中が太く、両端がしだいに細くなる形)になっていることを覚えておきましょう。


バストトップのラインを頂点として、肩幅とウエストをつないだ線の両端から2mmほど外側にポイントを付け
細く穏やかな三角形を作ると身体に丸みがつきます。

④胸
胸は、バストトップを中心に円を描いていきます。

バストトップは重心線を中心に1頭部幅なので、枠図の2のラインに点を描きましょう。


バストの丸みを表現する円は、重心線から2mmずつ合計4mmほど間を開けたポイントと、
胴体の輪郭に沿うように、胴からはみ出さないように弧を描きます。


はみ出さないように描く理由は、正面から見てその円が胴からはみ出ていると、実際の人間に置き換えたらかなり胸の大きな体つきになるからです。

デザイン画には胸の大きさを強調する必要はありません。

きちんとおさまるように、直径2cmの円を描いていきましょう。

下着で矯正した状態の胸と考えながら、円を二つ描きます。

⑤腰・ヒップ
ヒップ幅は重心線を中心に2頭部幅になります。


枠のヒップライン線に2頭部幅のポイントを引き、ウエスト幅とヒップ幅をつなぎます。

ここまでで台形ができていますよね。

次は枠4の線のところに重心線を中心に1mmずつ合計2mmの股にあたる短い線を引きます。

その股の線と、先ほど描いた台形の端どうしを結びます。

そうすると、大きな下着のような形ができあがっていますよね。
この線が腰のラインになるので、ここにもバストと同じようにに丸みをつけていきます。

ウエストラインから股のラインまでの縦幅の長さを3等分します。


上から1/3のところを目安に、台形の線から2~3mm程度外側にポイントをつけ、
バストのときのように細い三角形を描き腰の線を結びます。

骨盤の骨が張っているようなイメージです。

⑥脚:ひざ・太もも
次は大事な脚の部分を描いていきます。

脚は形が複雑であり、デザイン画の中で露出や動きが多いためもっとも重要なパーツ。


今回は直立ポーズなので、まずは枠線の足首のラインに重心線を中心に二つ○を描きましょう。

○の大きさは二つで2/3頭部幅くらいにします。

その○の外側の弧と腰の外側を一直線で結び、V字を作ります。


この線は脚を描く上での案内線になります。

次にひざと太ももを描いていきます。

ひざ頭を重心線を中心に二つずつ描きます。大きさは顔の1/2程度の楕円で、案内線から5mmほど内側に弧が収まるようにします。

ひざ頭からすこし浮かせてゆるやかな直線の外郭線を描きます。

そのひざ頭外郭線の上と太ももの付け根にあたるヒップラインの線を結び脚の外側の線を描きます。


骨盤があるのでヒップラインから股までの間はひざ頭の外郭同様、直線を描いておくと自然になります。

次は骨盤のラインから、膝までを繋ぎます。

フリーハンドでやわかい両腿の外側の線を描きましょう。案内線からはみ出さないように気をつけてくださいね。

次にひざ頭の内郭線は、楕円から少し浮かせてふくらみをなぞるように丸みをつけます。


その内郭線から内ももの付け根を股のラインから線を伸ばして結びます。
内もものはじめ数センチ(B4なら1cm)はむっちりと丸みをつけ、あとはなめらかな線で引きます。


このように少し肉感があるとよりリアルに見えます。画像の矢印を意識しながら描いてみてください。

⑦脚:ふくらはぎ
ふくらはぎの一番ふくらんだししゃも部分の外郭線は、はじめに脚の案内線として描いたV字の案内線と、ひざ頭から丸みをおびた線を引いたときにぶつかるところになります。


すねの部分はそのまま案内線が外郭線になります。

美しいふくらはぎは、筋肉のふくらみが高い位置にあるということを覚えておきましょう。

次にふくらはぎの内側を描いていきます。ひざ頭から足首の○までに案内線を引くと描きやすくなります。


この案内線を基準になめらかなS字を描いていきます。

内郭線は外郭線のふくらみよりも低い位置がもっとも丸みをおびます。

臑は足首に向かうまでに一端細くなるので、6.5頭身あたりで案内線とぶつかり、7頭身あたりのラインで少しえぐれ、中心側に向かうような形になります。

⑧脚:つま先
つま先はネクタイの剣先のような形を意識して描きます。

足は大きめに描くと安定感とリアルさが出るので大きく描きましょう。

枠の足首の線と8の線までの長さと同じ分くらい、8の線からはみ出してネクタイの形を描きます。


直立ポーズの時の足は、ハの字に開かせましょう。

⑨肩・腕
腕は肩の丸みがポイントになります。
肩関節は足首と同じくらいの大きさの○になるように円を描き、円の中心は2頭部幅の位置にあります。


この円の上からバストトップラインくらいまで丸みをつけて線を引きます。

肘関節も足首と同じくらいの幅にし、上腕部分は外郭も内郭も肩からそのまま直線で下ろします。
手首の関節は肘より少し細めにする。


肘の丸みも忘れずに描きましょう。


肘から手首にかけてやや細くなるように線を下ろし前腕を描く。
そして肘関節から7mmくらい下のところに小さくふくらみをつける。

⑩手
手は複雑なパーツなので難しく感じますが、甲と指に分けて描くと描きやすいです。


手全体の大きさは顔と同じくらいになるので、大きめに描きましょう。


親指は他の4本と離れているので手首から生えているイメージ。
指の関節は3つあるので、関節にそって線を引く。

⑪顔
ここでは案内線しか描いていませんが、頭の縦・横それぞれ1/2部分に線を引き、その横線に目の上まぶたを描く。目と目の間はもう一つ目が入る幅分あけるように考えます。


鼻の位置は頭の縦線から1/4に横線を引いたところになり、口の位置は頭から1/6のところに置くとバランスのいい顔が描けます。

ボディが完成!
これでヌードを描くための土台であるボディが完成しました!


これから色々なポーズのボディを描いていく時に覚えておきたいのが、正中線と重心線。

身体の中心を通る脊椎を示す線は正中線といい、首の正中線・胴の正中線・腰の正中線の3本が繋がっています。

首の付け根(フロントネックポイント)から真下に下ろした重心線は、重力の方向を示し、正面直立ポーズでは正中線と重心線は直線で繋がっています。

正面直立ポーズの場合はこの二つの線が重なりますが、ポーズが変わるとまた変わってきます。

この正中線と重心線をしっかり理解しておきましょう!

後ろ姿の描き方
身体の前後のシルエットはほぼ同じです。
今回は後ろ向きで手前に軸脚がある斜め向きの片脚重心ポーズの描き方を説明します。

①前向きの時と同じ要領でまずは身体全体を描きましょう。

②うなじ・背中・お尻の正中線(後ろ正中線)は、首・胴・腰の前正中線と向かい合うような形で描きます。
手前に軸脚がある斜め向きの片脚重心ポーズなので、正中線は手前側が広く、奥側が狭くなります。

③正面から見た腰の正中線と向かい合うような形でお尻の正中線も描きます。

④ヒップは、ヒップラインを超えた少し下あたりに丸みをつけましょう。
丸みの山は、手前側がヒップラインからB4サイズで約8mmになるように、
左右のバランスを遠近感を意識しながら描きましょう。

⑤ひざの厚みを決めましょう。
正面にひざ頭がある位置から5mmほどの位置に線を引き、
ふくらみを持たせたひざの内側を描きます。

⑥内ももの線はお尻の中心からひざに向かいほぼ直線に引きます。
なめらかな丸みをつけるともも裏の筋肉のラインがリアルになります。

⑦ふくらはぎを描きましょう。
正面から見た時よりも、後ろ姿は少しふくらはぎのふくらみが長く、
かつゆるやかになります。

⑧足を描きましょう。
正面から見た時と一番見え方の違いが出る場所は足です。
まずは足本体をネクタイの剣先のように描きます。
このとき剣先は少し上向きになります。
次にかかととつま先を描きましょう。
つま先とかかとの向きはほぼ平行になり、遠近感で斜め上に向かうように気をつけましょう。

⑨反対側の足です。同じようにネクタイの剣先の形を描きます。
しかし、軸脚が手前にある斜め向きのポーズなので、
添え脚の足は正面から見たポーズを描いた時よりさらに小さく、上にあるように見えます。
こちらもつま先とかかとの向きがほぼ平行になるように描きましょう。

⑩次は腕を描きましょう。
前から見たときの腕の曲がり具合や手の指の位置に注意して描きます。

⑪後ろ姿の頭は耳とまつげで表現しましょう。
首の延長線に接するように耳を描き、
顔の輪郭の目の位置から少しだけまつげの線を引くと雰囲気が出ます。

これでボディが完成です。

⑫ボディを描いた紙に新しく紙を一枚かぶせ下敷きにし、
クリーンアップして描いていきましょう。

⑬首やウエストなどの関節部分はカクカクさせずに
なめらかに結び人間らしさを出します。

⑭後ろ姿のお尻は一番重要です。
やわらかな丸みをつけましょう。

⑮足も丁寧に描いていきます。
くるぶしの山を描き、甲は指のところで少し折れます。
中指を頂点に指の長さと見え方を調整して描きましょう。
添え脚側の足は軸脚側より指の見える角度が違います。
土踏まずをしっかり描くことと親指が内側にあることに気をつけましょう。

⑯肩甲骨はバックスタイルならではの表現なのでしっかりと描いていきましょう。
これで後ろ姿のヌードも完成しました。

横向きのボディの描き方
横を向いた身体が描けるようになれば、これで全方向から見た身体が描けるようになります。
デザイン画で横向きに描くことは少ないと思いますが、
絵の表現の幅が広がるので横向きの描き方のポイントを説明します。

横向きのボディは、正面から見たときに直線だった正中線がS字になっていることが特徴です。
また、上半身のS字脚のS字は逆向きになっています。
枠は一番端の線に肩甲骨とお尻がくっつくように使いましょう。
今回は身体の左側が正面に見える横向きのボディを描いていきます。

①まずは正中線の傾きを描きましょう。
フロントネックポイントは、1頭部幅の片側になります。
今回は身体の左側が正面に見える横向きのボディなので、
向かって右の線にフロントネックポイントがきます。
フロントネックポイントから2mmほど左の首のラインに向かって斜めに線を描きましょう。

②胸の部分の正中線を描きます。
枠の一番中心の線に向かい、フロントネックポイントからなだらかにふくらみをつけた線を描きましょう。
肋骨が入っているのを意識するとイメージしやすいです。

③そのままウエストラインの位置(ウエストポイントは枠の真ん中の線)まで線を引きます。
2.6頭身目あたりで約2mmほどふくらみをつけ、なだらかな山にしましょう。
これで正中線が描けました。

④首の太さは正面から見た時と同じ太さにしましょう。
肩甲骨が枠の一番外側に来るのを意識し、角度を調節しましょう。
首の付け根の線は右斜め約3mmほど上がり線を引きます。

⑤首から肩甲骨のラインを描きます。
フロントネックポイントのラインから約7mmほど下がったところで
1/2頭部幅の肩甲骨を縦に平たく、枠の一番端に描きます。

⑥次はウエストです。
横向きのウエスト幅は1頭部幅で正面向きと一緒です。
肩からなめらかにウエストポイントまで描きましょう。

⑦次は腰です。
横から見た下腹部は少しふくらむと人間らしく見えます。
ウエストラインからヒップラインまでに約2mmほどなだらかな山に線を引きます。
横から見た股の位置はヒップラインの位置になります。

⑧お尻側の腰は、1頭部幅のウエストラインからヒップライン、
そして後ろ側の股の位置(4頭身目)で止まるようにJのような形を描きます。
股の枠の一番端にお尻の頂点が来るように意識しましょう。
そしてヒップラインから4頭身目のラインまでを結んでももの付け根線を引きましょう。

⑨足首の位置を決めます。
横向きのボディは後頭部・背中・お尻・ふくらはぎ・かかとが一直線上にあるので、
それをふまえながら足首の○を描きます。

⑩前側の股の位置から足首へ案内線を直線で引きましょう。
ひざのラインの位置に5mmほど内側に入った位置にひざ頭の楕円を描きます。

⑪ふくらはぎの頂点が枠の一番端にくっつくので、
バランスを考えながらすねの線を引きましょう。

⑫後ろ側のももです。
後ろも前と同じように、おしりの丸みの終着点から足首まで案内線を引きます。
ひざまでは案内線と交わった直線です。

⑬ふくらはぎは6頭身目あたりでふくらみ始め、
6.5頭身目あたりで足首に向かい細めていきましょう。

⑭次は足です。
ネクタイの剣先を描き、すねとかかとを描きます。
ももとすねは重なって見えてもいいですが、
足は奥にある方も見えるように2つ描くといいでしょう。

⑮腕を描いていきます。
アームホールの楕円を描きます。
枠の2頭部幅のラインから3mmほど外側に出たあたりの位置に二の腕がくるように、
鎖骨のラインが肩の位置になるように描きます。
楕円の大きさは鎖骨からバストポイントまでの5/6が目安です。

⑯上腕はそのまま緩やかな直線で前も後ろもひじの位置である
ウエストラインまで引きましょう。

⑰前腕は前方向に少し曲がるので、
手首の位置を設定してからそこに向かってなめらかに線を引きます。
手も描きましょう。

⑱首の正中線から卵型を描き、後頭部の張り出しを描きましょう。
枠の端につくように、正面よりも幅を持たせて大きな三日月型を描けば横向きのボディの完成です。

軸脚が奥になる斜め向きモデル立ちポーズの描き方
もう一度

軸脚の足首は重心線付近に来る
腰がウエストポイントを中心に回転し、ウエストラインは軸脚側に上がった斜めの線になる
この2点の特徴をふまえながら描いていきましょう。

①片脚重心ポーズは下半身の動きなので顔・首・胴は今まで通りに描いていく。

②ウエストポイントに印をつけて、この印を支点に腰が回転します。
斜めに線を引きますが、ウエストラインが上がっている方が軸脚になるので
今回は右脚(向かって左)側に設定してみましょう。
3mmほど重なる斜めの案内線を描きましょう。

③次に腰の正中線をウエストラインからまず直角に案内線を引きます。
上1/3あたりで穏やかに折れ始め、案内線から外側に1cmずれたところに股を設定し
そこに向かってゆるやかなJの字を描きます。

④ウエスト幅は奥側が1cm、手前側が1.5cmに、ヒップ幅は奥側が1.8cm、手前側が3cmに設定し、
ウエストラインと平行にヒップラインを引きます。
そしてウエスト幅とヒップ幅を直線で結びます。

⑤恥骨のふくらみを描き、脚の付け根を描きます。

⑥腰とお尻のふくらみをつけます。
奥の山は3mm、手前の山は6mmに頂点を作り三角を描きます。

⑦次に脚を描きます。
軸脚側の足首を重心線付近に設定し足首の○を描きます。
股関節から足首の縁までを直線で結び、軸脚側のひざ頭を描きます。

⑧ももとふくらはぎ、すねと足は斜め向きの直立ポーズと同じように描いていきます。

⑨次に添え脚側の脚を描いていきます。
脚の長さを揃えるために左右のひざ、足首を結んだ線をウエストラインとほぼ平行に描きます。

⑩線上に添え脚のひざと足首の位置を決めます。
このときひざ頭と足首が両方とも同じ大きさになるようにしましょう。

⑪ひざに肉付けをし太ももと結びます。
内ひざも肉付けをしひざ頭を覆うような曲線を描きます。

⑫始め1cmをむっちりとさせた足の付け根と肉付けしたひざ頭を結び太ももを描きます。

⑬足首とひざ頭を案内線で結びます。
ふくらはぎの外角線は案内線より山が2mmほどのなだらかに山を描き、
ふくらはぎ・すねの内側は穏やかなS字になります。

⑭添え脚側の足の甲です。
添え脚の足は軸足より手前にあるので遠近感を出すために少し大きめに描きましょう。
指の付け根線を入れつま先と、前を向いていることによって小さく見えるかかとを描きます。

⑮次は腕を描いていきましょう。
添え脚側の腰に手を当て、軸足側は真っ直ぐ下ろした形にしようと思います。
手が小さくならないように注意しながら「斜め向き直立(開脚)ポーズの描き方」
で描いたように片腕を描きましょう。
肩先からひじのくるウエストラインまでの長さを測り、
腕の案内線である弧を作り腕を描きます。

⑯奥の手は下におろし、前腕は少し前方向に曲げ自然に指を描きます。

⑰最後に顔を描き、ボディの完成です。
新しい紙に皮膚をまとったヌードを描きましょう。

全身の構造・骨格
骨格を知る上で大切なのは、骨格の形やその骨格同士がどう繋がっているかを知ることです。可能であれば骨格標本など検索して自分で模写してみるといいでしょう◎


ここで簡単にまとめると、S字にカーブする脊椎は頭蓋骨、鎖骨、肋骨、骨盤と繋がり、鎖骨から上腕骨、上腕骨から前腕の尺骨と橈骨に繋がる(肘下は二つの骨でできている)。


鎖骨は体幹と腕を繋ぐ唯一の骨であり、肩甲骨とも繋がっています。手は腕と繋がり、甲の骨と指の骨で作られています。


骨盤から大腿骨に繋がり、膝下部分は肘下と同じく二つの骨でできていて、足の甲と指に繋がります。この骨と骨を繋いでいる部分には必ず関節があり、関節があるから身体を動かすことができるのです。


何かを絵で表現しようと思ったら、その対象についてある程度の認識がないとなかなか難しいものです。

少し知るだけでも身体がどう動いているのか何となく理解できますよね。

●全身の関節とその動き
身体は関節が動くことにより動かすことができます。


さまざまなポージングのデザイン画を描けるようになるためには、関節について知ることが重要です。

絵を描くときには、首の付け根、肩の付け根、鎖骨、腕の付け根、肘、手首、指、腿の付け根、ひざ、足首を意識して描くといいでしょう◎そして関節部分の骨は他の部位より太くなっているので、そこをしっかり区別して描くと上手に見えます。

関節は意識して動かしている場合と、連動して動いているものがあるので、動作のある人物を描く場合は全体を意識し、どう動くかを知ることが大切です。


わからなくなった時は自分でポーズを取ってみると一番わかりやすいので、鏡を見ながら確認してみてもいいですね!

●肌から浮き出る骨格と筋肉
人体は骨・筋肉が核となり、皮膚に覆われてできています。

肌が露出したイラストを描こうと思った時、骨や筋肉の線がちゃんと描かれているとより人らしく見せることができます。


身体の細さによって浮き出る骨の見え方は変わると思いますが、鎖骨、肩甲骨、ひじ、手首、ひざ、くるぶし、腰骨、背骨が少し描かれていると綺麗です。

人体の構造を理解することができたら、ボディを下敷きにして肉付けしたヌードを描いていきましょう。

ヌードボディの描き方
完成したボディを下敷きにし、新しい紙(レイアウトパッドやクロッキー帳)
に透けるボディをなぞりながら描きます。
ボディではカクカクと描かれている首やウエスト部分をなめらかに結んで、
人間らしい柔らかさをつける。
メリハリを出すためにはパーツごとに線を区切って描くといいでしょう。
ボディで描かれた肩線はそのまま鎖骨の線になり、○で描かれた足首にはくるぶしがあります。
足の内側は土踏まずを意識してくぼみを、
首には首筋を意識した線を引くとリアルな身体になります。
足の指は親指が一番大きくなっているので、残りを4等分して指を描きましょう。
足の親指と人差し指の長さは同じくらい、小指に向かって徐々に小さくなります。
ひざ頭を囲むように、大腿骨とすねが繋がっていることを意識しながらひざの内側に線を入れれば立体感が生まれます。

●ボディの影の入れ方
ボディを筒の集まりと考えて、立体感を意識しながら陰影を入れてみましょう。
陰影を入れるためにはまず光源を設定します。一般的には光源は右上か左上にセットします。
影は光の当たっていない側(光源が右なら影は左)の線に沿って入れていきます。
影の幅は、ボディパーツを筒として考えたときに、筒全体の1/5程度を目安にしましょう。
また、首の下や胸の下は三日月形に影を濃く入れると立体感が生まれます。
股の影は線に沿って逆三角形に、腹筋や腸骨に影を入れるとメリハリが出ます。
筒として考えられない部位も、でこぼこに合わせて影を入れて完成です。

顔も斜めを向くとパーツに遠近感がでます。
それぞれのパーツすべてに遠近感が出るので、どれか一つだけにならないように気をつけましょう。
ボディを描くときに使った枠を顔の大きさが6cmになるように拡大して使います。

①輪郭
枠に卵型の案内線を描きます。
中心線は頭頂部からアゴまでをアーチ状に結んだ線になります。
上から2/3までに三日月状の後頭部を描きましょう。

②目
目の案内線上に接するように上まぶたを描きます。
奥を小さく、手前を大きく描きましょう。
眉も目と同じ遠近感でに描きます。

③鼻
正中線から3mmほどの山を作り鼻の高さを表現します。
眉間で一旦くぼみ、目頭あたりから鼻筋が高くなるへの字を描きましょう。
そして3mmの山からまた中心線に戻ります。
中心線を目安に鼻筋を厚みは2.5mmに肉付けして描きましょう。

④口
口の線も唇の厚みの線も、奥が短く手前が長くなります。

⑤おでこ
6cmサイズで案内線より2mm内側におでこの輪郭線を描きましょう。

⑥目のくぼみ
6cmサイズで1cm内側に入ります。
一度くぼんでから頬骨ね向かってふくらみます。

⑦アゴ
斜め向きのアゴは卵型から出ます。
卵型の先の部分から6mmほど外に新しくアゴを描きます。
頬骨から口のラインあたりで卵型から離れ始めなめらかに繋ぎます。

⑧耳
大きさは目と鼻のラインまでの大きさで今までと同じです。

⑨首
顔の中心線あたりと、耳の裏で後頭部の終点に首を描きます。
生え際とこめかみ、もみあげを描いたら完成です。
新たに紙を重ね下敷きにし、クリーンアップをしていきましょう。

●クリーンアップのポイント
①鼻筋は奥の目と接するように描きましょう。

②鼻の穴は横向きになります。

③唇は遠近感で手前が長くなります。

④おでこから耳の下のアゴまでのラインは一気に繋ぎましょう。

斜め上向きの顔
上を向くと目が耳より上になり、アゴが短くなるのが特徴です。
各パーツの案内線は3mmずつのアーチ状になります。

①輪郭・後頭部
同じように卵型の輪郭と三日月状の後頭部を描きます。

②目・眉
奥を小さく手前が大きくなるように描きましょう。

③鼻
斜め向きで描いたときと同じように鼻の中心線を引きます。
厚みも2.5mmで鼻筋を入れましょう。

④口
奥が短く手前が長く遠近感を出します。

⑤おでこ・目のくぼみ
案内線より2mm内側におでこの線を引き、
目の下から頬骨に向かい1mm入って目のくぼみを描きましょう。

⑥アゴ
アゴは卵型よりも6mmほど高い位置から外側に6mmのところと
頬骨からの輪郭線とを結びます。口あたりで案内線から離れるのでバランスを見ながら描きましょう。

⑦もみあげ・耳
生え際・こめかみ・もみあげと耳を描いて完成です。

●クリーンアップのポイント
①斜め上向きの鼻の穴は逆ハの字で、鼻筋は奥の目に接するように描きましょう。

②首のラインは上を向いている分、アゴの下が少し直線になりカーブします。

斜め下向きの顔
下向きの各パーツの案内線も3mm下向きにアーチ状に線を引きます。
そして後頭部・目も今までと同じ要領で描きましょう。

①鼻
少し変わってくるのは鼻の部分で、
下向きなので鼻の穴が見えなくなる分、への字の角度がきつくなります。
鼻の穴のある面は直線で6mmの高さに描きましょう。

②口
口のラインは上から見るとU字型になり、下唇が大きく見えます。
上唇は薄めに描くといいでしょう。

③おでこ・目のくぼみ
おでこも同じように2mmと目のくぼみも1mmになりますが
角度を考えながら描きましょう。

④アゴ
あごは卵型のラインからそのまま外側に8mm出たところになります。
頬骨の線となめらかに結びましょう。口のあたりで少し離れることも忘れずに。
耳を描き首の線も引けば完成です。
クリーンアップも丁寧に線を引きましょう。

モデルの立ちポーズが格好良く見える秘密は立ち方にあります。
モデルが取るポーズは、両脚に均等に体重をかけた「直立ポーズ」のように安定した立ち方ではなく、
一方の脚に体重をかけ身体をうねらせ、骨格のダイナミックなリズム感を表現しているのです。
デザイン画でもっとも重要なポーズは片脚重心ポーズです。

各脚の名称
モデル立ちである片脚重心ポーズは、左右の脚の役割が違うので、
説明がわかりやすいように名称をつけます。

・体重のかかっている脚:軸足

・体重のかかっていない脚:添脚

片脚重心の動き
直立ポーズから片脚重心ポーズに移行する際、脚だけでなく腰も回転運動をします。
この「回転して斜めになった腰」をうまく表現できるかがもっとも重要になります。

片脚重心ポーズの特徴は

軸足の足首は重心線付近にくる
腰がウエストポイント中心に回転し、ウエストラインは軸足側に上がった斜めの線になる
この特徴を頭に入れながらボディを描いていきましょう。

片脚重心ポーズの描き方
①上半身は今まで通り描きます。
片脚重心ポーズは下半身の動きが特徴なので、顔・首・胴は今まで通りに描いていきましょう。

②真っ直ぐ描いたウエストラインの真ん中にウエストポイントの印をつけます。
ここを支点に腰が回転することになるので、とても重要なポイントです。

③B4サイズでウエストラインから3mmくらい上に、片側の胴の線にポイントをつけます。
もう片側の胴には下に3mmのポイントをつけます。
そして真ん中のウエストポイントを通るように3mm上と3mm下の3点を結ぶ斜めの線を引きます。
この斜めに傾いた線が、新しいウエストラインになります。
ウエストラインが上がっている方が軸足になり、ウエストラインが下がっている方が添脚になります。

④腰から上までは、フロントネックポイントから下ろした真っ直ぐの線が正中線になりますが、
腰から下は新しく正中線を描いていきます。
腰の正中線はウエストラインと常に直角になります。
斜めになったウエストラインが水平になるように定規で線を引きましょう。
新しい正中線の長さも、直立の時と同じ股の位置(4頭身目)までです。

⑤ヒップラインはウエストラインと平行で正中線に直角になります。
ウエスト幅は直立と同じ1頭部幅、ヒップ幅は2頭部幅になるように
正中線を中心に等間隔に描きましょう。

⑥大きなパンツのような形の股を描き、腰のふくらみを入れます。
腰の張りの位置は1/3を目安にします。

⑦次に軸足の足首の○を描きます。
ここで軸足の足首は重心線(フロントネックポイントから真っ直ぐ下ろした線)付近に来ることを思い出しましょう。

⑧ももの付け根の外側の腰の位置から、足首の○の縁までを直線で結び案内線を描きます。
これから脚を描いていくときに、この案内線からはみ出さないように注意しましょう。

⑨ひざ頭は案内線の直線より5mm内側に楕円を描きます。
大きさは顔の1/2くらいです。

⑩ひざの外角線は楕円から少し浮かせて直線に描き、
4頭身目までは案内線と同化した太ももの線を引きます。

⑪ふくらはぎの外角線はひざからなめらかにふくらみを持たせ、
6頭身目で曲がり角になり、そのあと案内線と交わります。

⑫ひざの内郭線もひざ頭から少し浮かせて、楕円をなぞるようにふくらみをつけます。

⑬内ももは腰のパーツと重なるようにめり込ませて描くことで
軸足の太ももが細くなりすぎないようにしましょう。
むっちりと少し肉がはみ出すようなイメージです。
その内ももとひざ頭をの内郭線を結べば太ももが描けました。

⑭すねの形は複雑なのでひざ頭から足首の○まで直線の案内線を入れましょう。
ふくらはぎは少し丸みを持たせ、6.5頭身目あたりで案内線と交わり、
○までなめらかなS字を描きましょう。

⑮足はネクタイの剣先を意識しながら、大きめに描くと安定感がでます。

⑯軸足が描けたら添脚を描きましょう。
まず軸足の足首である○の中心に点を打ます。
脚の長さを揃えるために、左右のひざ、足首を結んだ線をウエストラインに平行に描きます。
その線上にひざ・足首の位置を決めた点を打ちます。
点を中心に足首の○とひざ頭の楕円を左右同じ大きさになるように描きます。

⑰ひざに肉付けをし、太ももを描きます。
外角線は股関節からほぼ直線で引き、内ももは太くなりすぎないようにひざ頭へ向かい線を引きます。
この時に股からお尻の肉が見えるとリアルになります。
一般的に添脚は軸足と比べると体重を支えていない分、筋肉に緊張感がなくなり太く見えるようになっています。
そのことを意識しながら描きましょう。

⑱添脚のひざ下は外角線も内郭線も直線の案内線を引きましょう。
すねの外側は案内線から2mmほどはみ出した山をつくり丸みをつけます。
山は緩やかに、徐々に案内線の直線と交わるように描きましょう。
すねの内郭線も案内線よりほんの少しふくらみを付けてはみ出させ、緩やかなS字を描きます。
ふくらはのふくらみから下は上1/3くらいから内側にえぐれるように描きましょう。

⑲添え脚の足首は軸足より手前にあるので、遠近感を出すために少し大きめに足を描きましょう。

●腕
片脚重心ポーズの腕は片側は腰に手を当て、
もう片側は真っ直ぐ下ろした腕を描いていきましょう。

①曲げた方の腕は肩先を支点に、弧を描くように円運動させたひじの軌道を引きます。

②外角線を引き、内郭線は外角線と平行になるようにして上腕を描きます。
直立ポーズの時と太さが変わらないように注意しながら首よりも細く描きましょう。

③肩の筋肉と脇を描いてボディと腕をスムーズに繋ぎます。

④前腕は先に平行四辺形のような形の手の甲を描き、腰を掴んでいるような形の指を描きます。
親指は腰の内側にいくので正面から見えなくなるため、
関節の曲がり具合を考えながら人差し指とその他の指が見えるように描きましょう。
後ろにある親指が少しだけ見えるように線を引けるといいでしょう。

⑤手首と前腕の外角線を繋いでひじを描きましょう。
次に手首からひじに向かって少し広がるように内郭線を引きふくらみをつけます。

⑥下ろした方の腕は、今まで通り上腕・前腕・手の甲・指の順で描いていきましょう。

⑦顔のパーツを描いて、ボディを下敷きに新しい紙にヌードを描けば
片脚重心ポーズの完成です。

髪の毛を描くポイントは

毛のボリューム(シルエット)
頭皮にぴったりとつけて描くのではなく、ボリュームを持たせて浮かせるようにシルエットを描きましょう。
毛は100本1束くらいのイメージで流れをシルエットで描いていく。
毛先は先細りで終わる
この3つです。

また考え方としては髪の流れをよく意識するといいでしょう。
生え際をフロント・中央・サイド・もみあげ・後ろ・襟足それぞれから生えているという意識が大切です。
実際に描く前に髪が生えている流れを方向の流れを決めるとより描きやすくなります。
また、つむじを中心に放射線状に、頭全体から生えているように描くと自然になります。

ストレートヘアの描き方
前髪のあるストレートヘアの描き方を説明します。
顔の向きに合わせて髪の毛のボリュームの遠近感を出しましょう。
どんな髪型を描くときも頭頂部のバランスを崩さぬようにまずスキンヘッドの状態の顔から描きましょう。

①顔を描いてから前髪を描きます。
長さは好みですが、目の案内線と同じアーチになるように描きましょう。

②おでこのところから浮かせてボリュームを付けておでこのラインと同じように前髪を描きましょう。

③顔まわりの毛を描きます。
1本1本線で描くのではなく、先細りの束になっているイメージです。
小さくはねさせると自然な動きが出ます。

④ヘアのシルエットを描きましょう。
頭頂部は毛の厚みを考えてゆとりを持たせます。

⑤毛の流れを描きましょう。
隙間や毛先に向かう線を入れて流れを出します。

⑥天使の輪
紙にはツヤがあり、そのツヤは天使の輪と呼ばれていますよね。
一定間隔で弧を描くように、卵型の頭に沿って描きましょう。
天使の輪によって頭に立体感が生まれます。

ウェーブヘアの描き方
巻き髪の描き方が重要です。山にツヤを入れると立体感が生まれます。

①髪の毛のボリュームを考えながら束を描きましょう。
いろいろなところから先細りになっている束がはねているようにシルエットを描きます。

②前髪や顔周りの束は細めにするといいでしょう。
毛の流れを入れていきます。
一方向からではなく左右に散らしながら大きな流れをた束を描きます。
その大きなウェーブの中にも毛の流れの線を入れましょう。

ショートヘアの描き方
もみあげの描き方がポイントになります。
毛先は短くなるのでV字に先細りします。全体的に短いVを描きましょう。
毛の流れも短く全体に描いて完成です。

●カーリーヘアの描き方●
カーリーヘアは極端なボリュームがポイントです。
紙の毛束が色々な方向に向いているのでツヤの光は乱反射します。
天使の輪は揺らめくように色々なところに入れましょう。

①カーリーのボリュームを決めうすく案内線を引いておきます。

②毛束は曲線を左、右と交互に振り分けながらランダムにシルエットを描きましょう。

③毛の流れを描きましょう。
一方向からではなく左右に散らしながら毛束を描きます。
細かい毛束の線を入れれば完成です。

巻き髪の描き方
①まずは縦ロールの全体のシルエットだけ案内線で描きます。
先細りになるようにしましょう。

②リボンを描くように案内線に沿って細切れの四角のような形を何個も描きます。
途切れ途切れに少しガタガタしたように描くと髪の毛っぽくなります。

③縦ロールの奥行きを描きます。
裏側にある毛を上のロールと下のロールが繋がるように描きます。
らせんになっていることを意識しましょう。
毛先に向かって巻が弱まるように毛束を細くすると自然です。

顔の表情の描き方
デザイン画では漫画のように表情を豊かに表現することはありませんが、
洋服のデザインに合わせた表情をつけることにより絵の全体の雰囲気が伝わります。

薄目
アゴを上げこちらを挑発しているように強気な表情だったり、
アンニュイでセクシーな印象をつけたいときに薄目にすると効果的です。
見開いている時の上まぶたの位置より少し下にずらして描きます。
二重の幅もその分広くなります。
黒目は見開いている時の1/3ほどしか見えなくなり、黒目がちになります。

閉じた目
元の上まぶたがある位置に線がなくなり、下まぶたのみ描きましょう。
まぶたが重なっている分、まつげを多めに描くといいでしょう。

微笑み
口角が上がり、口の位置自体も合わせて少し上に上げましょう。
横に広がる分、唇は長くなります。

開口
口は上下に動きます。口を開けるほど口角があごに引っ張られ下に下がります。
口が開いた分だけ顔が長くなり、アゴの長さはあまり変わらないように描きましょう。

笑顔
目は細くなります。
下まぶたがゆるやかなへの字になるように意識しましょう。
微笑んだときより更に口角が上がり、口も開き唇も薄くなります。
アゴの長さは変わらないようにしましょう。

おちょぼ口
口は上下に広がります。
縦は広くなり、横はせまくなるように描きましょう。
口角はすぼまるので唇が厚ぼったく見えます。

アイテム画とは、服の形や構造を細かく丁寧に描いた平面的な絵のことです。
誰が見ても具体的に衣服のデザインが伝わるように描かれているので
縫製仕様書やカタログ、商品リストなど多岐にわたって使用されるものです。
デザイナーやパタンナー、縫製工場、プレス等アパレルメーカーの各職種をつなぐ大事な役割を担っていて、
基本的にはフロントスタイルとバックスタイルを描きます。
全体のコーディネートを見せるデザイン画とは違い、服の細かい部分を描いていくので定規を使って描いていきましょう。
デザイン画を描くときに使った枠を使います。直立ポーズのボディを描いておきましょう。
トップスが8cmになるように150%に拡大し、アイテム画を描くときの下敷きにして練習しましょう。

アイテム画を描くときの注意点
左右対称に描く(半身を描いてそれを写す)
着丈・ボリューム感の違いにこだわる(常に同じボディを下敷きにして着装する)
シワは描かない(デザインで使われている以外のシワは描かずに定規を使い直線的に描く)
アイテムのパーツ構成を明確に(服のディテールをよく観察する)
準備する物
・アイテム画のフォーマットになる枠に描いたボディ

・ケント紙

・トレーシングペーパー

・定規

・マスキングテープ

・6Bくらいの鉛筆

・好みの濃さのシャーペン

・ドローイングペン

共通の描き方
まず左右対称に描くための大まかなアイテム画の描き方を説明をします。

①トレーシングペーパーを山折りにし、広げる。

②次にボディの中心線とトレーシングペーパーの山折りの折れ目部分を合わせてマスキングテープで止めて固定する

③まず左右どちらかを半身だけをトレーシングペーパーに描きます。

④描き終えたら山折りにし、もう半身を写す。

⑤左右どちらかにしかないデザインがある場合は描く

⑥下書きをケント紙に転写する(トレーシングペーパーに描いたものを裏から鉛筆をこすり塗りつぶして転写シートのようにして使う)

⑦ケント紙に写した物をペン入れする。太さは0.05~0.2を使い分けて、
輪郭は太く、ステッチなど細かいディテールや切り替えは細いものを使う。

アイテム画を描く前に“ゆとり”について
服は運動量の確保や通気性・保湿性を考えてゆとりを入れています。
全身タイツのようにボディにぴったりとフィットしたシルエットにならないよう
ゆとりを考えて描きましょう。

ボトムスの描き方
まずはボトムスから説明します。ボトムスにはスカートとパンツがあります。
パンツはそれぞれに脚が入るので二股に分かれ、スカートは筒状で両脚の分かれていないものです。

●フレアスカート
フレアスカートのフレアは太陽の「フレア」が語源です。
下に向かって広がったゆらめく裾の描き方がポイントになります。
まず、スカートの構造を考えましょう。
フレアスカートは平面的に見ると台形のような形で、立体にすると円錐になります。
そこにギャザーや布の分量によりフレアの波が作られます。
実物のスカートや写真を見ながらだと描きやすいでしょう。

①「共通の描き方」の①~②をしたら、ますは半身のスカートのウエストラインを描きます。
ここでウエストをぴったりに描くのではなく、2mmほどのゆとりを持って線を長く描きましょう。

②スカートのフレア部分を描きましょう。
下敷きのボディが着ているように腰のふくらみに合わせ自然にゆとりを持たせながら柔らかく広がる裾を描きます。

③裾を描きます。
ハンガーに吊した状態をイメージし、まずは楕円の案内線を描きましょう。
その楕円に沿ってフレアの波を描きます。立体感を出すために2,3か所段差を入れます。

④フレアのシワを放射線状に描きましょう。
中心線に近いフレアは、写して一枚のスカートになったことを考えて中心線に合わせて描きましょう。
アウトラインに近いフレアはアウトラインの線に合わせてフレアを入れます。
線をぴたっと止めずに、流すようにはねると軽やかな線になります。

⑤いらない案内線の線を消しましょう。
半分に折り、転写して左右のシルエットを確認しながら薄い線をなぞって描き起こします。

⑥また片側だけにウエストベルト(スカートの履き口)を描きましょう。

⑦ウエストベルトの下にギャザーを入れましょう。
フレアとなじむようなラインでひらがなのりを描くイメージです。
このときにギャザーとフレアの間にあまり空白を作らないように、
お互いが交互に入り乱れているように描くとなじみがよくなります。
描き終わったらまた半分に折り片側に転写し、片側を描き起こしましょう。

⑧左右対称でないパーツがあるときは片側にそのディテールを描いて完成です。

●プリーツスカート
プリーツスカートのプリーツはひだ折りのことです。
ウエストから裾まで一定で等間隔に折り目がついているのが特徴です。
基本はフレアスカートと同じ描き方で、
違う部分はプリーツのひだの数を決めてウエストベルトから裾までを繋ぐことです。
ひだ折りの向きを一方向に決めて、ひとつのひだずつ1mmほど片側に斜めに上げて描きましょう。

●パンツの描き方
ディテールのたくさん入ったストレートのワークパンツを描きましょう。
ワークパンツは脇にポケットがあるのがポイントです。
パンツはワーク系は歩幅のスタンスが広く(オープンスタンス)、
フォーマル・ビジネス系は狭くなります(クローズスタンス)

①パンツのシルエットを片側に描きます。
ウエストベルトの位置はデザインによって様々なので位置には気を配りましょう。
ゆとりを2mmほど入れウエストベルトの幅を直線で描きます。
股まではボディの腰のラインに平行に描きましょう。

②今回描くワークパンツの裾のデザインはストレートなので、
腰から下は一直線に描きます。足首の左右のゆとりは2mmにします。
裾は地の目と直角になるので少しななめにしましょう。
(地の目とは:布目のこと。布のたてとよこの織り目。布は糸が織られ作られている。パンツは布の縦に合わせてパターンを置き裁断して作られる)

③股部分は少し曲線に描きます。

④半分に折って転写し、片側を描き起こしましょう。

⑤ウエストベルトの前垂れを描きます。
パンツはお尻のある後ろ側より股のある前側が下がっています。
幅が均一になるように心がけましょう。
ベルトループを描き、前側のポケットも描きます。脇のポケットも描きましょう。
地の目に直角に、脇に平行にします。

⑥半分に折って転写し、写したほうの線をなぞって描き起こします。

⑦アウトラインに平行にインシーム(股下)を描きます。
前ボタンとフライフロント(前の履き口にあるファスナーのある部分)を描き、
それぞれステッチを等間隔になるように入れて完成です。

⑧フロントスタイルが完成したらバックスタイルも描きましょう。
前も後ろもシルエットは同じなのでそのまま写しましょう。

⑨後側から見える前と同じシルエットを写し、後ろにしかないデザインも描いて完成です。