メルヘンイラスト描き方メモ

まずはイラストのテーマや自分の使いたい色や好きな色から、画面全体の色味と配色を決定します。

線画
バランスのよい色の選び方
色を選ぶときは、 使う色の種類を少なめにすると画面全体の雰囲気をまとめやすくなります。

今回は、
・ベースカラー
・メインカラー
・サブカラー
・アクセントカラー
の4種類を使って、イラストの色味と配色を決めます。

色の作り方
今回は、カラースライダーをHSVで調整して色を作ります。
Hが色相(色合い)、Sが彩度(鮮やかさ)、Vが明度(明るさ)を表します。

HSVカラースライダー
ベースカラー
最初に、絵の中で多くの面積を占めるベースカラーを決めます。
白の面積を多くすると淡い雰囲気を作りやすいため、今回はベースカラーに白を選びました(今回のイラストでは背景やドレスの大部分です)。

ベースカラー
メインカラー
次に、ベースカラーに組み合わせるメインカラーを決めます。
淡い色づかいにするには、あえて薄めの色を選択 します。薄い色は、HSVスライダーのS(彩度)バーをかなり左に、V(明度)バーを右によせて作ります。

メインカラー
今回のイラストのテーマは「森の妖精」なので、メインカラーは緑〜青系の色を使う事にしました。
青っぽい緑や黄緑など様々な種類があるので、それらを組み合わせて人物や背景の部分に配色します。

メインカラー メインカラー
サブカラー
白や緑より面積の少ない部分に、もうひとつサブカラーとして色を加えます。
今回はサブカラーを髪の毛に割り当てて、薄い紫にしてみました。
紫以外にも白や緑に合う色は沢山ありますので、一度適当な色を置いてみてから、好みの色が見つかるまで色を調整するのもよいと思います。

サブカラー
アクセントカラー
最後に、面積の少ない部分に置くアクセントカラーを決めます。
今回のイラストは緑や青などの寒色系がメインなので、逆に暖色のオレンジを入れてみました(星飾りや、背景のランプの薄いオレンジ部分です)。
アクセントなので全体に占める面積は少なめにします。

アクセントカラー
全体の確認
これで大まかな全体の色味の設定は完了です。

全体の配色
・ベースカラー:白
・メインカラー:青〜緑
・サブカラー:紫
・アクセントカラー:オレンジ系
以降はこの4種類をおもに使用しながら彩色していきます。

色は彩色作業中に何度も調整し直すため、ここで決めた色を必ず使うわけではありませんが、基本的にはこのようなイメージを維持しつつ塗り進めていきます。

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影色の選択と塗りのタッチ
影色を作り、イラストに影を塗っていきます。

影色の作り方
髪を例に、淡い色合いに仕上がるよう影色を作る方法を紹介します。

まず、ベースの色をスポイトでとります。

ベース色をスポイト
カラースライダーで明度(V)を少し下げ、色がにごらないように彩度(S)を少し上げます。次に絵の雰囲気に合わせて色相(H)を左右にスライドさせることで色の幅が増え、見た目もにぎやかになります。
今回は青や緑など寒色を多用したイラストなので、影色に青味が加わるよう左に寄せました。

影色を作る 影色
影の塗り方
ブラシで髪の影を塗っていきます。
影をしっかり描き込む場合はこのような塗り方をしますが、

しっかり描き込んだときの影
淡くふんわりとしたイラストに仕上げるには、広い面積に光が当たっていることをイメージして、輪郭線に沿わせる感じで影の面積を最小限に抑えます。今回はこちらの方法で影を入れます。

淡い塗りでの影
影の境界色をつける
ベースの色と影色だけでは画面の華やかさに欠けるため、影の境界色で色味を増やします。影のレイヤーが選択された状態で、レイヤープロパティから[境界効果]をクリックし、フチの色を選びます。

境界効果
こうすることで、ベースの色と影色の境界にフチの色が追加されます。今回は薄いオレンジ色が入るようにしました。太陽光があたっているイメージです。

影の境界色
次に、最も奥まっていて暗くなる部分に、影色より少しだけ濃い色を置きます。このときに使う色も、髪の影色から色相を少しずらして青みがかった色にしています。

濃い影 濃い影
最後に、頭の上部、もっとも光があたっている部分にエアブラシで薄い色を置き、白色でハイライトを入れます。これで髪の毛の彩色は終了です。

髪のハイライト
髪と同様の手順で、ドレスの布も塗り進めていきます。

ドレスの影
ベースの色が白いパーツの影色は、薄いグレーをとり、彩度を少し上げて、画面全体の雰囲気にあわせて色相をずらして作ります。今回は、寒色系の雰囲気にあわせて影色は薄めの青や緑にしました。

グラデーション・ぼかしを入れる
リボンは単色だと間延びしている印象があるため、影の上からエアブラシで黄色のグラデーションを入れます。

グラデーション グラデーション
また、肌のような柔らかい部分は、影との境界を色混ぜやぼかしツールを使ってぼかします。

肌の影をぼかす
靴下の膝部分には薄い黄色を入れ、暗くなる奥の足の下部分には濃い青を置いて遠近感を出します。

濃い青の影で遠近感
靴下の影色レイヤーにもオレンジ色の境界効果をかけます。ぼかして塗った部分は境界効果もぼけた感じになります。

境界効果 境界効果
他のパーツも同様の塗り方で影を入れ、背景を描き足して塗りは完了です。

影塗りの完了
線画の色の調整
続いて、線画の色を塗りの色にあわせて調整します(「色トレス」とも言います)。淡い雰囲気のイラストを描くにあたって重要な工程です。

キャラクターの色トレス
線画のレイヤーを[乗算]モードにします。乗算レイヤーで白を塗ると、下のレイヤーの上に色が置かれず透明になります。

乗算レイヤー
これを利用して、白色のエアブラシでキャラクターの線を薄くします。線が消えてしまわないようになじみ具合を見ながら調整しましょう。

色トレス 色トレス
線画を薄くする箇所はおもに、
・頭の上部
・膝など「光が最も強くあたるところ」
・ドレスのように「ベースの色が薄いため線画が目立っているところ」
です。他にも濃さが気になる部分の線画の色を薄くします。

このようにすることで、淡い塗りの色と線画の色がなじんで、より自然でソフトな雰囲気を作ることができます。

色トレス完了
仕上げ効果
最後に、物足りない箇所に描き足したり、効果や色調補正をかけたりしてイラストを仕上げます。
淡いイラストでは、目を引くポイントやメリハリを作ることが難しいため、華やかさで補います。イラストを見たときに「ふわっとしている」印象を持ってもらえるような画面作りが目標です。

描き込む
レース模様や花模様のブラシで模様をたします。薄緑の布の下に白いレースとゴールドのチェーンも描きたしました。

レース模様の描きこみ
ブラシの素材はCLIP STUDIO ASSETSからダウンロードすることができます。
・ライン模様:https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1565898
・レース模様:https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1374338

頭と袖に半透明の布を描きたし、目にかかる髪の毛を描きたします。

描き足し 描き足し 描き足し
キャラクターの上から白い蝶のシルエットを散らし、花びらを描きたします。

蝶のシルエット 花びら
描きたしはバランスを考えて、キャラクターが埋もれないようにしましょう。今回は白い蝶を画面両端に、花びらを主に画面左上部に配置しました。

描き足しのバランス
効果レイヤーと色調補正
最後に、効果を加えて全体の色を調整します。
リボンの影色が重くて少し気になるため、オーバーレイのレイヤーで薄い水色を軽く塗ります。

オーバーレイ
画面が全体的に薄すぎるときは、メニューバーの[レイヤー]から[新規色調補正レイヤー]>[トーンカーブ]を選び、小さくカーブするように中心を少しだけ下げます。

トーンカーブ
こうすることで中間の色が少しだけ濃くなり、全体的にくっきりします。

中間色が濃くなった
完成
これでイラストは完成です。
このように、全体の色選び、影の付け方、線画の色、仕上げ調整で、淡くて柔らかい雰囲気のイラストにできます。ぜひみなさんのイラストにも生かしてみてください。

甘“ロリ”ワンピースコーデ


フリルやリボンをふんだんにあしらったドレス風のワンピース、姫袖のボレロ、ボンネットタイプのヘッドドレス、キュートな柄がプリントされたタイツにチョコレート色のぺたんこ靴で少女性を強調。お菓子のように甘い色使いと装飾でまとめた甘ロリコーデです。

【POINT】“ロリータ”のポイント
①定番服はワンピースかジャンパースカート

ロリータテイストの服は、ワンピースタイプかジャンパースカートタイプが主流で、その上にボレロやカーディガンを着用します。
一般的なワンピースらと比べるとドレス的な側面が強く、パニエ(スカートを広げるための下着)を履いて大きく広がったスカートや優美さを感じさせる豪華な装飾を持つのが特徴です。

②頭と足元のアイテムも重要な要素

ヘッドドレスやリボンカチューシャといった装飾性の高い頭飾りは、服装が華美なロリータスタイルには欠かせないアイテムです。
特にフリルがふんだんに施されたヘッドドレスは、お嬢様っぽさやクラシカルな雰囲気を強めてくれます。
靴は少女らしいぺたんこ靴、あるいは厚底のものが好まれます。

③肌の露出はできるだけ控える

ソックスやタイツのチョイスに並々ならぬこだわりが感じられるのも、ロリータならではの特徴です。
お人形のように清楚な白色や華やかな柄が施されたものが中心であり、服のデザインが七分袖というような例外を除き、原則として素肌が露出しないようにします。

甘“ロリ”風ワンピース&ボレロの描き方


①ベースのアタリを描く

膝下までを含むアタリを描き、肩、腰、膝の位置を参考にベースとなるワンピースのアタリを描きます。


②トップス部分とスカートを描く

襟と前立て、ウエストのリボンを描き、スカートにはフリルを描く位置にアタリで線を描いておきます。


③スカートのフリルを描く
②のアタリを元に端から端へ向かってカーブを描くようにフリルを描いていきます。


④ボレロを描く

首から二の腕を包むようにボレロを描いていきます。
襟は立て襟で首元を覆い、腕から胸元へかけてもフリルを描いて装飾しつつ肩を隠します。


⑤袖やリボンを描く

ボレロから腕先にかけて手を包み込むように口がラッパ状の姫袖を描いていきます。
スカートの裾や胸元には大きなリボンの装飾を加えます。


⑥仕上げて完成

細部の装飾を描き足し、リボンやスカートに色を塗って完成です。


ヘッドドレス(ボンネット)の描き方


①頭部とアタリ線を描く

頭部のアタリを描き、ボンネットをはめたい位置にカチューシャのような形のアタリ線を描きます。


②ブリム(つば)を描く

①のアタリをベースにボンネットのブリム(つば)の部分を描いていきます。
放射状に広がるように描いていきましょう。


③フリルを描く

①のアタリをベースに放射状にフリルを描いていきます。
フリルを縫い付けてある根本からシワができている様子を表現しましょう。


④耳元の飾りを描く

ボンネットの端、耳の近くにジグザグに織り込んだ装飾を描いていきます。


⑤装飾を描き足す

ブリムの縁や頭のリボン、耳元のアクセサリーを描いていきます。
リボンは中央にビスケットをあしらった形をイメージしています。


⑥仕上げて完成

頭部の黒いアタリを取り払い、リボンの斜線や耳飾りのいちご柄など細部を描き込んで仕上げて完成です。


ロリータテイストのアイテム


クラシカルブラウス
立ち襟や前身頃へ贅沢に施されたフリルがレトロな雰囲気を醸し出すブラウス。
色味は清楚さを際立たせる白やパステルピンクが定番です。
襟から胸元にリボンが加わるとお嬢様的な印象がさらに強まります。

ジャンパースカート
袖なしの身頃を持つタイプのスカートで、インナーに必ずブラウスなどを合わせることを前提として作られている点がワンピースとの大きな違いです。
ロリータ好きの間では「JSK」という略称で呼ばれることもあります。

ロリータとゴスロリの違い
ゴスロリは「ゴシック・アンド・ロリータ」の略であり、ロリータファッションにゴシックの黒を基調とした色合いや十字架などの退廃的なモチーフを取り入れたファッションを指します。

ロリータ、ゴシックともに別のスタイルでありながらヨーロッパドレスのクラシカルな装いやドレス調のデザインが源流にある点や、ロリータには甘いテイストのまま色だけを黒くした黒ロリと呼ばれるジャンルがあるなど分類が複雑ではありますが、本来的にはロリータとゴスロリは別物のファッションスタイルです。

ゴシックテイスト
16 世紀エリザベス朝や19 世紀ヴィクトリア朝のヨーロッパ貴族女性の服装をベースにしたファッションスタイル。
黒を基調にした退廃的な色使いや、ドレス風の華やかな装飾デザインが特徴です。

ゴシックドレスコーデ


フリル状の装飾がついたブラウス、服の上に着る見せコルセット、レース柄のチュールとダマスク柄のスカートで構成したドレス風のコーデ。
小振りなカクテルハットや装飾のついた傘を身に付け、淑女な雰囲気を出しています。


【POINT】ゴシックのポイント
①黒色をメインにする

服の配色の大半を黒が占めるようにするとゴシックらしくなります。
加えて、ワインレッドやゴールドなど高級感があって黒に映える色を組み合わせると気品のある印象に仕上がります。

②ヨーロッパドレス風のデザインを盛り込む

腰の曲線美を強調するコルセット、デザイン性の高いスカート、フリルやレースの装飾など、中世ヨーロッパドレス風のデザインを服の各所に盛り込むと正統派ゴシックのクラシカルな華やかな装いになります。

③傘などの小物を使う

頭部にはカクテルハットやコサージュなどのパーティ向けの髪飾り、手にはリボンやレースで飾られた傘といった小物を持つと高貴なお嬢様感が出ます。
傘は雨傘だけでなく透け感のある総レースの日傘を使うのも上品さが際立ちます。

ゴシックドレスの描き方


①人体とドレスのアタリを描く
人体のアタリと中心線を描き、肩や腰の位置を参考にして上半身のブラウス、腰のコルセット、下半身のスカートのおおまかなシルエットを描いていきます。


②ドレスのラフを描く

アタリを元に、全体のシルエットを整えながら、ドレスのラフデザインを描いていきます。


③スカートに柄を入れる
スカートを清書して柄を描き込んでいきます。
内側のスカートはダマスク柄のトーンを使って豪奢な雰囲気に。
外側のレース柄は一つの花模様を描いてコピーします。


④ブラウスを清書する
ブラウスの線画を整え、ストライプ模様を体のラインに沿って入れます。


⑤細部を描き込む
フリルやレースに立体感、浮遊感を持たせるため、シワと影を描きいれます。


▲影が見やすいようストライプ柄を非表示にしています。

⑥仕上げて完成
チュールが重なっている部分など細部の影も描いていき、全体のバランスを見て完成です。


コルセットの描き方


①腰とコルセットのアタリを描く

まず体のアタリを描きます。
コルセットはちょうど胸の真下から、下腹部のやや上あたりの一帯を覆うように描いていきます。

②ラフを描く

アタリを参考に体とコルセットのラフを描きます。
前面にはひもを通す穴を等間隔に描いてクロスする紐のおおまかな位置も描いておきます。


③コルセットを清書する

コルセットを引き締める紐は胴の中心線に近い位置でクロスさせます。
紐は並行する2 本の線で描き、紐が重なった位置に影を小さく落として立体感を出します。


④影を線で描き込む

ひも穴の内側やひも穴から出ている紐の下側、コルセットの縁などの線を太くして影を表現し、立体感を出します。


⑤縦のライン柄を描く

くびれの形に沿ってコルセットの生地にストライプ模様を描き入れます。
縦方向の線を入れることで、細身かつ立体的な印象を与えることができます。


⑥仕上げて完成

背中側には縁に沿った部分とくびれの中央に斜線で影を入れ、立体感を出して完成です。


ゴシックスタイルのアイテム


フリルブラウス
ゴシックスタイルのアイテム段になった襟飾りや、ふんだんに使われたレースが豪奢でクラシカルな雰囲気を出すフリルブラウス。
お姫様感のあるラッパ状に広がる袖飾りは、アンガシャント(中世ヨーロッパドレスの飾り袖)を原型にしています。


ティアードスカート
ティアード=重なったという言葉通り、ギャザーやフリルの生地を数段重ねたスカートです。
かさのあるフリルが段状に重なることによって、中世ドレスのようなボリューム感のあるシルエットになります。


アシンメトリースカート
左右で形状やデザインが異なる、地面に対してスカートの丈が平行でないなど、左右非対称のスカート。
アヴァンギャルド(先鋭的)なデザイン性がゴシックらしい退廃的な印象を与えます。


軍服ワンピース
前面のボタン、肩、袖口などに軍服風のデザインを盛り込んだワンピース。
男性的でシンプルな構造ながら、膨らんだスカートのシルエットがかわいらしく、かわいさとかっこよさを兼ね備えたスタイルになります。