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緑の効果音制作日記 2 「概要把握」

ダウンロードしたPresetが一通り鳴るようになったらとりあえずざっくり機能的な所を触りながら音を聴いて確認していきましょう。

Synth1を利用していますが、ここからの作業はどのシンセにおいても共通の作業だと思っています。一度覚えてしまうと様々なシンセに応用できるのではと思います。そして考え方としてはBGM作成にも共通しているものではないかと思っています。

では自分の行っている手順を解説していきます。

①具体的な効果音のイメージを作る。

まず最初にどんな効果音にするかという具体的なイメージを作ります。
オーダーがある場合は具体的にどういうシチュエーションで使用されるのかとか、どういう世界観なのかとかによっても変わってくるので、オーダーの意図、資料等から情報をなるべく沢山収集して、まず頭の中で整理し具体的にイメージしたものをオーダーと照らし合わせながら固めていきます。

②イメージした音にする方法を考える。

音が決まったら、そこに近づけるためにまずどういう選択肢、どういう操作をすればそこに近づくかを考えます。イメージに近づける方法というのはいろいろあると思いますが、「これから効果音を作ってみよう。」という方はまず最初にプリセットからエディットしていくのが近道ではないかと思います。

③イメージに近いプリセットを選択、そしてエディット作業。

イメージに近いプリセットを探して選びます。ここでひとつではなくいくつかのプリセットをピックアップしておくのも良いと思います。

音が決まったらエディットしていきます。問題はこのエディットという所だと思いますが、ここではまず大まかに機能を捉える所から始めたいと思います。

ではまず大まかにSynth1の機能的な所を見てみましょう。


こんな感じで色分けした各セクションを大まかに捉えて自分がどこを操作したら理想の音に近づくかなという所を予想します。初めはよくわからないと思いますが、まず各セクションで一番合わせたい部分から合わせていくのが良いかと思います。

・赤枠 Oscillators  波形を選択。(4つの波形の絵のような音を連想。三つの薄紫枠の所。)
・緑枠 LFO  音を揺らす。(音を揺らして動きや変化を出す。)
・青枠 Amplifier  音に時間的変化をつける。(音の出だし、終わり、その間を調整。)
・黄枠 Filter  音に変化をつける。(特定成分を弱める、強める。)
・紫枠 Arpeggiator  分散和音を演奏させる。(自動演奏。)
・桃枠 Effect 効果をつける。(化粧みたいなもの。)
・茶枠 Wheel   音、音程に変化をつける。(ギターのビブラート、チョーキングのようなもの。)
・灰枠 Voice  音に厚みをつける。(音を重ねる。)

上の大まかな機能から予想した部分をツマミを回しながら音を作っていきます。イメージから機能を辿るとこんな感じです。

音の質感 → 赤枠 Oscillators
音の揺れ → 緑枠 LFO
音の変化 → 青枠 Amplifier
音の色合いを強める、弱める → 黄枠 Filter 
音を演奏 → 紫枠 Arpeggiator 
音を装飾 → 桃枠 Effect
音を変調 → 茶枠 Wheel 
音の厚み → 灰枠 Voice

具体例を挙げてみます。

赤枠 Oscillators 丸みのある音、硬い音。
緑枠 LFO 揺らぎのある音、揺らぎのない音。
青枠 Amplifier 音の立ち上がりが早い、音の立ち上がりがゆっくり、音のリリースが短い、音のリリースが長い。
黄枠 Filter  高音を強調、低音を強調。
紫枠 Arpeggiator  音にリズムを加える。
桃枠 Effect   残響をつける。
茶枠 Wheel    音程を上げる。音程を下げる。
灰枠 Voice   音を厚くする。

< 例えば音の質感を変えたい場合 >

薄紫枠 Oscillators 3つの枠にそれぞれ4つの波形図がありますが、ここを切り替えて音の質感を丸くしたり硬くしたり調整します。1,2,Subとありますがとりあえず最初は1を基準に調整してみるとよいと思います。続いて2,Subという順番で。

< 例えば音の立ち上がりをフワッとしたい場合 >

青枠、Aのツマミを右に回して好みの感じに合わせます。逆に歯切れよくしたい場合はAのツマミを左に回して好みの感じに合わせます。

音に余韻を持たせたい場合はS、Rのツマミを右に回して好みの感じに合わせます。逆に歯切れよくしたい場合はS、Rのツマミを左に回して好みの感じに合わせます。

青枠 Amplifier A(アタック)音の立ち上がり部分を調整
青枠 Amplifier D(ディケイ)音中間の前半部分を調整
青枠 Amplifier S(サスティン)音中間の後半部分を調整
青枠 Amplifier R(リリース)音の最後の部分を調整
青枠 Gain(ゲイン)音量
青枠 Velocity(ベロシティ)音の強弱

< 例えば音に残響を付加したい場合 >

桃枠 Effect Tempo Delayを調整してディレイをつけます。

time  ディレイタイムを調整。
depth エフェクトの深さを調整
rate  エフェクト効果を調整
fdbk エフェクトの繰り返し量を調整
levl エフェクト音のバランス調整

長いスパンでエフェクトを掛けたい場合はtimeのツマミを右に、短くしたい時は左に回して調整します。

エフェクトの繰り返す量を多くしたい時はfdbkのツマミを右に、少なくしたい時は左に回して調整します。

こんな感じで大まかに狙いをつけたセクションから調整し始め、イメージに近づけていくと良いと思います。最初はいろいろいじりながら音を聴くのが良いです。やっていくうちに慣れてくるのではと思います。

まとめ

まず大事な事は「適切なイメージを作る。」という事ではないかと思っています。効果音作成、作曲というと音源とかテクニックとかと考えがちですが、自分はまず「良い設計図」を作る事の方が大事かなと思っています。そしてこれはどんな物事にも共通しているのではと感じています。

イメージが浮かんだら、リスト化したり文章化したりすると頭のものが明確になるので、一度イメージを目に見える状態にしてから作業する事もお勧めです。

設計図ができたら後はそこに近づけて作成するだけです。
機能的な所は大雑把(違った解釈があるかも知れません)にしか解説していませんが、基本的な機能がわかってイメージが明確であればおのずとイメージに近いものが作れるのではと思います。

細かい事は後々身について来ると思うので、「イメージ」を「近づける」という作業を沢山やる事が「イメージにあった効果音を作る事」の近道になるのではないかなという気がします。その中で型にはまった方法だけでなく、自分なりの方法が見えてくる事もあります。これは他の様々な事にも共通している事ではないかなと思います。

次回は「データの保存」について解説したいと思います。





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