2023.花残月
インターネットに居場所を求める気など更々無かった。
小さな箱の中に広がる電子の海が初めはとても怖かった。
そこに身を置くようになった今でも怖い。
姿が見えようが見えなかろうが人間は怖いのだけれど。
何度も言っているが、私がインターネットにいるのは"現実世界よりもマシ"だからだ。
ここには言葉を交わす人がたくさんいる。
存在を認めてくれる人もたくさんいる。
疎外感も無ければ、孤独を感じる事も無い。
それでも尚、ここに執着する気はない。
居場所にするつもりなど無かったが、そう呼んでもいいと思うようになったのはいつからだったろうか。
"ここでなら、自分は生きていても許される"
そう思えるところを居場所と呼ぶのなら、そうなのだろう。
春に始まり、また春に終わった。
やはりこの季節と何かしら縁があるのだなと思う。
どこにいても"仮"であるという感覚が抜けなくて、やはりあそこを超える場所はもう無いのかもしれない。
いずれ慣れるだろうか。
一つの場所にいた人達が、それぞれ散っていき、他所にもう一度自分の居場所を作り、守ろうとする。
誰にとってもそこが安寧の地になる事をただ祈るばかりである。
貴方が行く先が、またここのような場所になればいい。
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