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pray

秋風死ぬる夕べの
入日の映のひと時、
ものみな息をひそめて、
さびしさ深く流るる。

石川啄木『公孫樹』より




「なかったことにはしないよ」
って言った

わたしの傷はわたしにしか救えないから


苦しみの中で見た何気ない風景が
ずっと自分の中で希望として残り続けること
命がきらめく瞬間を
わたしはずっと待っている

初めて朝を美しいと思えたあの日を
あの夏の日のような喜びを

どうか
死にたいと泣き叫ぶ朝が
生きていたいと願う夜を連れてきますように

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