死生観

女優の竹内結子さんのニュース。

日曜昼近く、ラジオのナビゲーターがこのニュースの事を口にしたのを聞いてビックリしてニュース検索して知りました。

で、多くの人がそう感じたように、最近芸能人(特に俳優業)の自死が多いなという思いが頭をよぎりました。

三浦春馬さんの時は彼の育った環境や親とのつながりを知ると、『そうか。それなら仕方ないな。』と理解できる部分があったけど、竹内さんの場合は少し引っかかりました。

最初のご結婚はお相手の不貞行為などにより終わる事となり、その後お仕事を続けながら息子さんを女手一つで育てています。そして息子さんも大きくなったタイミングで新しい伴侶を得ます。ご本人談によるとこの再婚は息子さんの後押しもあったとのこと、きっと息子さんは母親思いの優しい子だと想像できます。
再婚後、第二子を妊娠・出産。ご長男と再婚相手との関係も良好との事でした。

この流れだと、普通に生きてる人から見たら『今、死ぬ』理由が見当たりません。
ご夫婦共に俳優業でそれなりの仕事もこなし、そこらの一般人よりは経済的余裕もありそうですし、新しいご家庭そして命に囲まれて『未来はこれから!』という状況。
しかも、客観的に見れば、この新しい家族の共通項となるのは彼女です。
中村さんのパートナーである彼女、
長男の母親である彼女、
中村さんとの間に生まれた次男で生後7〜8ヶ月の赤ちゃんの母親である彼女。
彼女を中心にこの家族は成り立っている。
そんな事、賢そうな彼女なら分かっていたと思うのに、なぜこのタイミングで?

世の中の反応を見ていると、産後鬱とか悩みがあったのでは?とか相談できる相手は?とか色々憶測が飛び交ってるけど、、、どうなんだろう?
あと自死そのものについて、『そういう心理状態は普通ではない』とか『鬱の時はまともな判断が出来ないから発作的に自死を決行する場合がある』とかの見解も。
でも、個人的にはどれもしっくりこないのです。

そもそも人の死生観には大きく分けて2種類あると考えます。
『何が何でも死にたくない』生に執着するタイプと
『別にいつ死んでもいい』生に執着しないタイプ。
更に後者を掘り下げると、『今生での夢・理想・目標の達成は、もはや不可能』なタイプと『苦労はしたけど夢は叶えられて満足』なタイプが考えられます。

竹内さんの事で感じたのは、もともと後者の死生観で夢が叶って『死ぬタイミングを探してた』のではないかという事。
だとすると、これは鬱とか逃げとかそういうのではなく、長い年月をかけて考え導き出した極めてロジカルな思考であり選択となります。
前述のように、客観的に見たら直近の彼女は苦労の末に掴んだ幸せの中にあり、『まだまだこれから』という印象ですが、彼女にとってはもう『ゴール』だったのかもしれません。
この記事を見つけて更にそう思いました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/49c8bc6c4c199ed245ed216c4257568d2b70c332
記事中の彼女の発言内容。
華やかなキャリアを築く一方で、10代の頃に仕事した関係者には「私、ちょっと複雑な家庭なんで戻る場所なんてないんです。だから、この世界で絶対に頑張らなきゃいけない」と話していたという。

苦労を乗り越え努力して掴んだ幸せ。
今が彼女の人生の幸せの絶頂だったとしたら。
大切に育ててきた長子もそろそろ親離れし、新たなパートナーとの間に出来た子も離乳食に入って。パートナーは長子とも仲良く乳幼児の世話にも協力的。
苦労が多かった人の中には、少し力が抜けてしまう人が居てもおかしくないのかなぁ、と。
『もう耐えなくていいんだ。頑張らなくていいんだ。』と。
そして『この人生での自分の役割は十分果たした』と判断したかもしれない。『今なら必ず家族が見つけ、送り出してもらえる』とお墓に納まる最期の瞬間まで想像して安心したかもしれない。

死に至った事情はご本人のみぞ知るところですが、個人的には悲観的な選択には見えないんです。
彼女にとっては一番幸せな選択だったと信じてあげたい。

ただ反面、残されたご家族を思うとやり切れないし、母親としては無責任だとも思います。
なんだろう。これだけの家族関係があったのだから、もう少し中間を選択できなかったのかな。。。シングルファーザーとなった中村さん、悲しみの中に居られると思いますが、親として何とか踏ん張って欲しいです。


以上、自死というのは自分の中でも大きなテーマだったので、思うところを綴ってみました。



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